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【貴重な経験】 のんびり家3F 君塚

2013年10月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

今年の夏は例年以上に暑く、また雷雨なども激しかったことから外出する機会が少なくなってしまいましたが、幸いのんびり家では入居者さん、スタッフとも大きな事故はなく無事乗り切ることができました。
季節の変わり目では大雨や竜巻などの恐れがあるため、今後も気を緩めることなく入居者さんの体調管理はもとより天候の変化や自然災害等にも十分注意を払いながら自立支援を行なっていきたいと思います。
さて、今回は入居者さんのお一人であるKさんのことについて書きたいと思います。Kさんは活動的で声が大きく、とてもエネルギッシュな男性です。
天気が良い日にはベランダに出ていることが多く、布団干しや植木の水遣りなどをされています。入居されて間もない頃は仕事のことを心配されたり、以前住んでいた家のことを気にされたりして比較的遠距離の外出が多かったのですが、最近はのんびり家での生活に馴染まれて少しずつ落ち着きを取り戻しながらKさんらしい生き方を見つけられているという印象を受けます。
Kさんは体力もあり日常生活においてもかなり自立されている方なのですが、Kさんに対して私自身が未だに解決できていない課題があります。
Kさんは普段は明るくおちゃらけていることが多いのですが、根は真面目で仕事熱心な方です。そのため夕方になると「今日は一日何しとっただあ?」とか「なんでこんな所(のんびり家)にいるだあ?」とよく自問をされていることがあります。また夜間に多いのですが、自分が次に行動しようとした内容を忘れて「おかしいなあ、わけ分かんなくなっちゃったよ。」などと言いながら苦悶されているのです。
このような姿を目にするたびに何とかしてあげたいとは思うのですが、今のところスタッフが話し掛けて一時的に気をそらしてあげるような支援しかできていないのが現状です。
Kさんのように認知症の症状がそれほど進行していない状態の方は自分の考えを覚えている時と忘れている時が交互に来るような感覚だと思うのですが、自分の中で何かがおかしいと感じながらそれが何だか分からない状態というのはとても苦しくつらいものだと思います。
このような状況を目の当たりにしながら自分の納得がいく支援の方法が見つからず、私はそれまでには感じることがなかった自分の無力さや支援の限界のような「壁」を経験することになりました。
私自身がまだ解決できていない課題とはこの「壁」を乗り越えることですが、このような貴重な課題を与えてくれたKさんに感謝し、少しでも解決の糸口が見つけられるよう意識しながら業務に取り組んでいきたいと思います。

08:16 | Posted by admin