log

【編集後記】11月 林田

2014年11月26日 | 編集後記

毎年、事業所の旅行に同行させてもらうのですが、今年はのんびり家とつげの実の旅行に行きました。
他の事業所も様々なところに行っているのですが、なかなか時間が取れずにこの2事業所だけになりました。のんびり家の方は、一緒にちょっと食事をしただけで、水族館まで行けなかったのでとても残念でしたが、つげの実は、運転手として旅行全行程をいっしょにすることができました。
グループホームを立ち上げて、最初の旅行は当然きみさんちでした。富士山の5合目まで行ったのが最初だったように思います。そのあと、中華街と続いて、そのころにはのんびり家、お寺のよこと事業所が増えましたので、様々なところへ行きました。
本当に、様々なハプニングや日頃見ることのできない入居者さんの底力を感じることができ、とてもいい思い出です。
かなでも、夜中にパンを買いたいと言われ、遠くの街の明かりを見つめ「あそこまで歩く。連れて行って。」と言われたことがありました。私が寝たふりをすると、足の裏を杖でくすぐられ、それでも寝たふりをしていると、杖で床や壁をたたかれ、「一人で寝かさない。みんな起こしてやる!!」と言われました。また、この方と違う方ですが、旅行先で「帰ります」と言われ、高速道路を逆方向へ歩かれたときなど、今でも掌に汗が出るぐらい明確に覚えています。
ですが、お2人とも旅行から帰ってくるときには「楽しかったわね」と言われ翌日には覚えていらっしゃらない。ということは同じでした。
旅行に行くことは、ご本人にとっては、覚えてなかったり、行った先で不安になられたりとリスクも高いのですが、やはり、ご本人のことをよく知り人間関係をきちんと構築することができれば、旅行中も楽しんでいただき、帰ってきてからも明確な記憶がないものの楽しかった気分は残されたりします。また、何よりもスタッフに余裕ができ、帰ってきてからのスタッフたちは、一回り大きくなることがほとんどです。
今年、つげの実の旅行に同行して、違うことを考えました。私自身が自分の直接ケアする力を試すことができ、入居者さんのことについて知らないことが多く、そのことをスタッフに尋ね、数時間で自分が成長していくことを感じたのです。
自分の中に、過去の力と今の力を合わせることで直接支援する力を成長させることができ、以前追い込まれて掌に汗をかくような状況でもそれを楽しめたりしました。
そして、何よりも考えたのは、私が釈迦利器にならなくてもつげの実のスタッフたちだけで、十分利用者さんに対応しているプロの姿をうれしく見られたこと、ほかの事業所も私が旅行に同行しなくても、旅行を無事に、楽しんで帰ってくることができるようになったということでした。
本当に、こんなにうれしいことはありませんでした。
今の私は、職員と一緒に成長できていることが旅行を通して感じとり、また違う次元でこの仕事をとらえ、入居者さんとの生活を楽しめるようになったと感じています。(林田)

14:22 | Posted by admin