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【つながっているということ】 志寒

2010年03月22日 | きみさんち

最近はなかなか機会に恵まれませんが、趣味でときどき山に登ります。登山道に咲く可憐な花や木々、時折出会える動物たちなど自然との触れ合いも楽しみですが、大きな楽しみの一つに雲があります。雲海の美しさは言うまでもなく、もこもこ雲を真横から眺めたり、羽衣のようなはぐれ雲を眺めたりなど、見ていて本当に飽きません。あまりにも好き過ぎて、気象予報士の資格も取得してしまいました。
ところでみなさん、雲と霧の違いはご存知ですか?実はこの二つは同じもので、地面に接しているかどうかの違いなのですが、山登りで山頂に近づくと、霧が尾根を越えてそのまま上昇し、雲になっていくのを見ることがあります。雲の誕生の瞬間です。その時、自分が吐いた白い息や、汗から立ち上る湯気がその霧と混ざり合い、一緒に雲になってしまいます。
自分の体から出た水分が雲になり、世界中を巡って行く。水の循環という大きな自然のサイクルに自分が直につながっていることを実感する・・・不思議な気分になります。
もちろんこれはただ実感できるということであって、本当は何処にいても、僕らが水を飲み排泄する限り、この大きなサイクルとつながっているわけですよね。水は雲や雨や海や川を流れ、木々の幹を伝い花びらのしずくとなり、スズメやライオンに飲まれ、そのついでに僕らの身体を流れていく。海も山も体内も、ヒトもその他の動植物も、私とあなたも違いはない。水にしてみたら永遠に続く長い旅の
通過点。
越えられぬ国境も、いさかい合う人々の間も、切り倒された木々と切り倒した人の間も、孤独にさいなまれる人にも、老いも若きも、時や空間を超えておんなじ水が流れている。
ただ大きなつながりの一部としての、ヒト、自分。
ホッとするような、こそばゆいような、そんな気持ちになりませんか?

23:23 | Posted by admin