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【Sさんとの思い出】 のんびり家2F  飛鳥井

2017年02月28日 | のんびり家::のんびり家 2F

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Sさんは、昨年12月30日の午後、のんびり家でご逝去されました。享年80歳でした。Sさんは、誤嚥性肺炎で2回目の入院をされていましたが、29日に退院されて、のんびり家に帰宅されたばかりでした。入院前より更に体重が減り、水分や食事摂取もままならない状態でしたが、医師からは「現状では、年を越すことは難しいかも知れない。ご本人の望むように」とのことで、私達職員は見守ることしか出来ませんでした。午前中から午後にかけて、Sさんに「少しでも、何か飲んでみませんか」と勧めてみましたが、首を振り、「いらない」とのことでしたので、私も無理には勧めませんでした。
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14:30頃、林田代表が様子を見にいらっしゃり、Sさんのご様子をお話ししたところ、ゼリー飲料を勧めてみようと言うことになりました。林田代表がSさんに話しかけ、上体を起こして、ゼリー飲料を勧めました。飲み始めは少し咽こみましたが、その後少しずつ時間を掛けて、1袋飲み切ることが出来ました。Sさんは、「ごくっ、ごくっ」と音が聞こえるくらい、しっかりと嚥下が出来ていましたので、同席していた私も少し安心しました。その後、少しだけ椅子に座位になって頂き、再度布団に横になって休んで頂きました。それから約1時間後、直前まで手を動かしたり、掛け布団を跳ね除けたりしていたのですが、私が掛け布団を直そうとお部屋に伺うと、Sさんは既に旅立たれていました。
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Sさんは、ご兄弟が近くにお住まいではありますが、ご自身は独身を貫かれ、温かい家庭に憧れていたとお聞きしました。のんびり家では、寂しさの表れなのか、他の入居者や職員に、少し過剰に接することもありましたが、その一方で、他の入居者のお世話をしたり、職員に労いの言葉をかけて下さる等、優しい方でした。Sさんの最期の迎え方は、「誰にも迷惑を掛けたくない」と言うSさんの意思の表れのようでもあり、Sさんらしい引き際であったと思います。体調が万全ではないながらも、日帰り旅行に一緒に行けたこと、最期はのんびり家で迎えられたことは、良かったと思います。Sさんは「そんなこと、知らないわよ」と仰るかも知れませんが。最後になりましたが、Sさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

08:42 | Posted by kimisanchi