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【Nさんと過ごした時間】  のんびり家2F 飛鳥井

2020年09月14日 | のんびり家::のんびり家 2F

皆さん、こんにちは。のんびり家2階の飛鳥井です。
新型コロナウイルスの猛威は留まるところを知りませんね。
一体日本は、いや世界はこの先どうなってしまうのでしょうか?
このような不安な毎日ではありますが、日常生活は続いて行きます。
そんな中、のんびり家2階では悲しい出来事がありました。
8月8日の朝、ご入居者のNさんがご逝去されました。享年99歳でした。
当日の朝、背中の痛みを訴えられ、身体状況が急変し、救急要請しました。
救急隊の方が心臓マッサージなどの蘇生を行ってくれましたが、搬送先の病院でお亡くなりになりました。
前日は暑い中買い物に出掛け、入浴もされていつも通りに就寝されました。
Nさんですが、前号のどっこいしょに佐藤さんが書いた記事に登場していた方です。また、以前に私が「今日も一日」というタイトルで書かせて頂いた方です。Nさんがお亡くなりになったことはあまりにも突然であったため、私たち職員も未だに実感が湧きません。前日一緒に買い物に出掛けた入居者の方や、居間でいつもNさんのお隣に座っていた方にはNさんがお亡くなりになったことをお伝えしました。お二人ともNさんの不在を分かっていらっしゃるご様子でした。
Nさんはとても偏食気味の方で、召し上がるのはほぼ和食中心でした。そのNさんが、昨年ののんびり家合同日帰り旅行で、横浜中華街に出掛けた際には、中華のコース料理を箸が止まらない勢いで誰よりも沢山召し上がり、私たちは事あるごとに「あの時のNさんは凄かったね」と笑い話になるほどでした。
また、入浴の際に湯船に浸かっていると、「私は水泳をしていたの。指ヶ谷小学校にプールがあってね」と実際に泳ぐ仕草をしながら良く話してくださいました。
Nさんはとても自立心の強い方で、「誰にも迷惑を掛けたくない」と言う気持ちが人一倍あったように思います。ご入居後に転倒して足を骨折され、車椅子の生活となっていましたが、支援をする職員に対して「あんたに迷惑かけて済まないね。ありがとう」といつも労いの言葉をかけてくださる優しい方でした。
職員が「Nさん、お互い様ですから」と答えると涙ぐむこともありました。
Nさんの就寝支援をする際、「今日も一日」と私が言うと、Nさんが「お疲れさまでした。ありがとう。あんたも早く休んでね」と言うやり取りをしていましたが、もうそれが出来ないと思うととても寂しいです。
Nさんは最期の時まで「誰にも迷惑を掛けたくない」と言う気持ちを貫かれたようで、Nさんらしい最期の迎え方であったなと思います。今は、Nさんが苦しまずに最期の瞬間を迎えられたのであるならと思わずにはいられません。
Nさんがのんびり家で過ごされた時間は2年半ほどですが、私にはそれ以上に濃密な時間に思えます。Nさんから沢山のことを学ばせて頂きました。もっとNさんと沢山の時間を共有したかったのでお亡くなりになったことは残念ですが、教えて頂いたことやNさんとの思い出を忘れないようにしたいと思います。
Nさんと過ごした時間は、私にとってとてもかけがえのないものです。 
最後になりましたが、Nさんのご冥福を心よりお祈り致します。

09:36 | Posted by kimisanchi