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【“尊い”という思い】 松林

2012年07月23日 | きみさんち

4月のある日、きみさんちでの何気ない出来事です。
テレビのニュースで“朱鷺の雛が36年振りに誕生した”と報道していました。それを聞いた入居者Oさんが言った一言。
「へ~、尊いな。」
何故か、目頭が熱くなってしまいました。
『尊い』って言葉、中々出てこないと思いますが、その報道にぴったりの言葉だと思いました。
辞書を引くと、『崇高で近寄りがたい。神聖である。また、高貴である。きわめて価値が高い。非常に貴重である。』とあります。
正にそれらを汲んでの的確な一言でした。生命の誕生や死に対して、『尊い』と思う気持ちが言葉で表現できるOさん。どんな命でも、とても尊いものだと、再度、教えられた気がしました。
皆さんの命は勿論ですが、これまでの人生経験、大変尊いものだろうと想像しています。
そんな尊さに、仕事ながらに付き合えている事に感動を覚え、その時、目頭を熱くしてしまったのだと思われます。
そんなちょっとした感動がこの職場にはあります。ちょっとしたものだけど、胸に引っかかる様なもの。大事にしたいなと思います。
私もいずれ入居者さん側になりますが、飾らずに言った一言が誰かを感動させる様な、尊い人物になれたら良いなと思いました。またそんな一言を聞いてみたいなと思います。
Oさんの尊さは、何気ない日常の中にあって、そんな尊さを求めた結果ではありません。死ぬまで一生懸命に生きる過程に起こる普通の出来事の中に尊さが存在しているのです。その歳になったら分かりませんが、今は意識してしまいますね。
尊く生きる為にはどうしたら良いのかを。
意識している内は、尊さとは程遠いのだろうと、うすうす感じながらも。

00:30 | Posted by admin