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【誕生日】  きみさんち 松林

2022年08月31日 | きみさんち

8月は、私の誕生日の月であります。
周りは、おめでとうと言ってくれますが、50歳も後半に差し掛かると、おめでとうの言葉が、もうそんな年なんだね、もうすぐ還暦なんだねと言っている様に聞こえて、落ち込んでしまいます。
と言うのはオーバーですが、ここまで生きてこられた事には、諸手を挙げての感謝の気持ちが止みません。
そして、8月は、入居者Kさんの誕生日もあり、毎年、色々な所に出掛けました。
誕生日に食べたい物を伺うと、天麩羅が食べたいと仰るので、池袋東武デパート上階にある天麩羅屋さんに出掛けたり、とんかつが食べたいと仰り、新宿のとんかつ屋さんに出掛けたりしました。
8月10日は、毎年晴天に恵まれ、とても暑く、浅草に出掛けた時に食べたソフトクリームは、みるみるうちに溶けてしまい、Kさんの手をべとべとにしてしまいました。Kさんは、もったないからとその手を舐め始めて、二人で大笑いしたのを思い出します。
異常な猛暑日の時があり、流石に日にちをずらした事もありましたが、やはり、誕生日の日にお出掛けをして頂きたいと思い、暑い中、お祝いのお出掛けをしました。
目当ての場所まで歩いている途中、少し休もうかと声を掛けると、「せっかくお宅が誘ってくれたんだから」と、泣ける様な事を言い、球の様な汗を額に浮かべながら歩いてくれた事もありました。目的地に到着すると、出された水を一気に飲んで、「あ~、美味しい。さて、出掛けようか」と、いつものKさんの言葉で笑わせて頂きました。
そして、帰宅後は、ケーキとプレゼントでお祝いをするのですが、毎回、「こんなに贅沢なものどうしたの?」「Kさんの誕生日だから」「あぁそうなの?」「○○歳ですね」「へ~、そんなになるの?」と、他人事の様に仰って、ケーキに舌鼓を打っていました。
そんなKさんは、5月9日に91歳で人生の幕を閉じられ、今年の誕生日をお祝いする事が叶わなくなりました。非常に残念ですが、Kさんからは、笑いと感動を沢山頂きました。
感謝の思いでいっぱいです。
ですので、これから毎年8月10日は、Kさんを偲び、誕生日を祝う日としたいと思います。
そして、自分の誕生日を忘れてしまうかもしれません。「へ~、そうだったの?」って。

11:00 | Posted by kimisanchi