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【忘れない】  お寺のよこ 光岡

2022年04月30日 | お寺のよこ

入居者のUさんのお話をします。
コロナ禍になる前にUさんと外出をした折上野の藪蕎麦へ食べに行ったことがありました。その際にUさんは大層喜ばれて、その後私の顔を見る度に「よう。どこか旨いものでも食べに行こうよ」と仰るようになりました。しかしコロナ禍となり外食がままならない状況となり、Uさんのご希望には中々沿うことが出来ませんでした。
Uさんは昨年の11月頃から少しずつ召し上がる食事の量が減ってきていて、居眠りも多くなられていました。
その時点ではコロナの感染状況が落ち着きはじめたこと、Uさんの食事量が少なくなっていたこと、それでも外食を希望されていたこと等、諸状況を鑑みて昨年の12月某日、先輩に教えてもらった近隣のお寿司屋さんにUさんと外食をしに出掛けることにしました。
約2年ぶりの外食にUさんは大層喜ばれて、「旨いよ~」と何度も仰りながら、注文された海鮮丼を時間を掛けながらほぼ全量召し上がっておられました。その際にUさんの若い頃のお話、母校のこと、母校のあった場所のこと等を嬉しそうに何度も話をされていたことがとても印象に残っています。
その後年末から一段と食事の召し上がる量が減り、訪問看護ステーションの点滴を受けながらの日々でしたが、身体は衰弱の一途を辿られました。
ある日、スタッフの一人にUさんが身体の痛みや不安な思いを強く訴えられたことがありました。そのスタッフは何をして差し上げられるのか、自問自答をしながら、「Uさんはどうして欲しいですか」と尋ねたところ、Uさんは「忘れないで欲しい」と仰られたそうです。
その数日後の早朝に、Uさんはそのスタッフに看取られて旅立たれました。
お亡くなりになる数日前よりご家族が何度かご来訪されて会話を交わされたことがUさん、ご家族双方にとって心の安らぎになられたのであれば・・・と願っています。

Uさんの思い出は尽きません。それは看取りをしたスタッフをはじめUさんに関わった全ての人(方)がそうなのではないかと思います。
Uさんが確かにここ「お寺のよこ」にいらっしゃったこと、そのことを忘れずにいることでUさんの魂は生き続けます。スタッフにはUさんのことを語り継いでいってもらいたいですし、Uさんのことを見つめ続けたこと、Uさんを支え、また支えられたこと、Uさんのことを忘れずに語り継いでいくこと、そしてそんな仕事に従事していることに誇りを持って欲しいと強く願います。

10:34 | Posted by kimisanchi

【2年間で世界は大きく変化しました。 】 お寺のよこ ホアン

2022年03月31日 | お寺のよこ

2年前、コロナの流行がそれほどひどいとは誰も思っていませんでした。 多くの国で破産を宣言したホテル、レストラン、ホテルの数..ヨーロッパへの移民の流れ。
最近では、ヨーロッパ諸国だけでなく、ロシアとウクライナの間の戦争が影響を受けました。世界経済の供給は不安定です。材料価格が高騰し、石油価格が急激に上昇し、ヨーロッパ諸国や日本とは異なり、ベトナムは主にバイクであり、その後に自動車が続きます。戦争が激化すればするほど、ガソリン価格は上昇しました。
しかし、この地域の他の国と比較すると、ベトナムのガソリン1リットルはカンボジアよりも高くなっています(1,157米ドル、26,600ドンに相当)。マレーシア(0.491米ドルまたは11,300ドン);インドネシア(0.895ドル、つまり20,560VND);フィリピン(1,261米ドル、28,978ドンに相当)。
これは、一人当たりの所得が低く、各ベトナム人が1リットルのガソリンを購入するためにこの地域の一部の国や高所得国よりも多くのお金を費やしていることを示しています。 その間、高齢者の年金は変わらず、コロナの流行による以前の影響と共鳴していました。人々の生活をさらに難しくします。
ベトナムの私の祖父母の家族は現在、わずか8,000,000vnd(4万円ぐらい)の年金を持っています。しかし、それでも給付や年金のない人よりも幸運です。 2020年までに、全国の1,340万人の高齢者のうち、64%が年金を持たず、46%が60〜64歳、30%近くが70〜79歳です。そして80歳以上の人々の10%はまだ目的を達成するのに苦労しています。政府がより現実的なベイルアウトパッケージを迅速に考案することを願っています。
世界平和を祈る。

09:08 | Posted by kimisanchi

【ものづくりが大好きなHさん】 お寺のよこ 倉澤

2022年02月28日 | お寺のよこ

昨年の12月に入所されて、早や2ヶ月。今日は、テーブルに置いてある自作の花器を眺めながら「花がなくても綺麗に見えるように作りました。これを考えるのに時間がかかったなぁ~」と花器の中のけんざんを取り出して説明してくれました。Hさんは九州クラフトで鋳物(灰皿、コップ)などを作っておられましたが陶芸の道へ。お寺のよこの食器棚には他にもHさん手作りのお皿や湯飲み茶碗が置いてあります。ご自身でそれらの食器を利用してお茶を入れて飲んだり、お皿にみかんやお煎餅を盛り付けて楽しんでおられます。
大晦日は、きんとん作りに挑戦していただきました。金時芋を裏ごししていると、こうゆうの女の人は大変だね。
やってみてわかりました。また、広告紙で箱を折ってみませんかとお声をかけると集中して悩みながらも繰り返し折っておられました。
驚きのエピソードは、中学2年生の夏休みに有明海を泳いでいると、ずう~んと凄い音がして長崎に原爆が落ちたそうです。当時は島原に住んでいたので長崎から逃げて来る人が沢山いましたよと話してくれました。それから高校2年生から習いはじめたボクシングで大学3年生の時にバンダム級チャンピョンになったHさんは、時々シャドウボクシングでウォーミングアップしたり、ちょっと腕を出してと言って、私の腕を掴むと親指の付け根から上腕の筋を揉んでくれました。ボクシング練習後のマッサージは大切らしいですね。
そのようにスポーツマンで陶芸が得意なHさんですが、やはり故郷の桜島に帰りたい気持ちは変わらないようです。昨日は、ちょっと外に出たいと言って門扉を開けると「船着場はどこかな。」と探しておられました。Hさんは自分が納得できる生き方をしたいと言っておられます。お寺のよこでの生活に少しずつ慣れて入居者さんと一緒に過ごすひとときが安らぐようにと願っております。

09:01 | Posted by kimisanchi

【昭和歌謡』】  お寺のよこ 佐藤

2022年01月31日 | お寺のよこ

令和の時代ですので昭和の歌を知っている人は少なくなっているかもしれませんが、お寺のよこの居間には昭和歌謡の歌詞ファイル16曲、『二人は若い』『りんごの唄』『富士山』『水戸黄門のテーマ』などがあり、新しく入られた入居者さんのNさん、Hさんそれぞれに歌詞ファイルを渡すと、1枚ずつめくりながら「どれも知ってるわね」「全部歌えるなぁ」と、とても良い声を合わせ2人で16曲全部を歌われ、その隣ではUさんもお得意の謡曲「高砂」をフルで唄う様子がありました。Uさんは、職員が歌って下さいとお願いをすると歌わずに、その時の気分などで歌う事が多く、ふとした時にとても良い声を聞かせて下さります。
Nさんは『岸壁の母』がお得意で、耳元で一緒に歌う事があり、Nさんに私の婆ちゃんも岸壁の母が好きでこの歌はお婆ちゃんを思い出すんです、と伝えると「変な事を思い出させてしまったね。ごめんね」と仰られ、私は大好きなお婆ちゃんを思い出すので変な事ではないと伝えましたが、Nさんは私が悲しい思いをしたのではと思って下さったようで、Nさんの相手の気持ちを思う優しさにとても感動してしまいした。
この4名の入居者さんが、昭和歌謡や謡曲を聞いたり唄ったりして懐かしいと感じながら、ご自身の若いころなど少しでも思い出す時間になっていれば良いなぁと思い、職員は入居者さんの人生を少しでも感じ取れる時間になればと思います。
これからも皆さん元気で素敵な歌声を聞かせていただきたいです。

11:24 | Posted by kimisanchi

【金メダルニッポン】  お寺のよこ 岡田

2021年12月31日 | お寺のよこ

1年の延期を経て東京オリンピック、パラリンピックが開催されました。開催前は色々と問題山積みでどうなるか心配な状況ではありましたが、何事も無く無事に閉幕して日本国中では一安心でした。そんな中、日本中に感動と興奮を与えてくれたアスリートの人達が汗をかいて手に入れたメダルは努力の賜物と結晶と言うべきでしょう。中でも日本のメダル総数は前回の1964年大会の29個を上回る58個獲得され、金メダルの数も前回の16個を上回る27個でした。前回の総数を越えるなんて、やはり自国での開催だからこそ力を発揮出来るのだな感じました。
誰もが一番を目指して日々汗水を流して努力しているので、彼らアスリートの暮れた感動は国民に勇気を与えてくれます。これからの未来のアスリートは一体どんな感動と勇気を見せてくれるのでしょうか。

10:51 | Posted by kimisanchi

【ペイ・フォワード】  お寺のよこ 光岡

2021年11月30日 | お寺のよこ

11月15日にお寺のよこ内で食事会も兼ねたイベントを行いました。
コロナ禍で入居者の皆さんと旅行に出掛けることが出来ない為、昨年も同様のイベントを行ったのですが、今年はメンバーが少し変わり雰囲気はまた異なるものがありました。
食事会の内容は入居者さんが食べたいと仰った天麩羅、鰻入り散らし寿司、たこ焼き、焼きそば、綿菓子等を入居者さんとスタッフで一緒に作りながら食べました。また、たまにはお酒を飲みたいとのリクエストに半分お応えするかたちで、ノンアルコール飲料を皆さんで呑んだところ(飲むではなく呑む。これ重要)、これが殊更好評で久しぶりのアルコール(風)にご満悦の方が沢山おられました。
食事会の後は皆さんでカラオケを楽しみました。中々の盛り上がりぶりでしたが、たかが1年、されど1年。この1年でお年を取られたなあと実感させられる方もいらっしゃって。
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カラオケが大好きなNさんは、以前から何曲も歌っておられましたが最近は目、耳がともに悪くなって歌える歌も限られてきました。
歌を歌う時は「お寺のよこだ~よ。よいよいよいやさ」というオリジナルソングを作って口ずさまれることが主となってきて(それの十分魅力的ですが)、カラオケクイーンNさんの姿を知るものとしては少し寂しく感じていたのです。
ただ、今回は他入居者さんやスタッフのフォローもあってか以前の十八番SMAPの「夜空のムコウ」を一節ながら歌われました。そのことがとても嬉しかったのですが、その前にいつも口ずさまれる「お寺のよこだ~よ」を歌われて、「私お寺のよこしか覚えてないよ」と仰られることがありました。
Nさんが「お寺のよこしか覚えてないよ」と仰ったことの真意は分かりませんが、そのように「お寺のよこ」を捉えて下さっていることは、Nさんにとって「お寺のよこ」が大切な場所だと言って下さっているようで嬉しく思いました。ただ、その一方で、その言葉に見合う対応を我々は出来ているのか皆で考えてみたいなとも思いました。

コロナ禍となり2年が経過しようとしています。当たり前の生活が出来なくなった期間であり、入居者さん、ご家族、スタッフにとってとても重い2年でもありました。大小あれど入居者さんの状態にも影響が出て来ています。
「転んでもただでは起きるな」という言葉があります。余りにも重い2年間であったことから、「転んでも云々」というにはこの場合適切な表現ではないかもしれません。それでも尚、生活に制限が掛けられている今だからこそ、入居者さんにとって当たり前の生活とは・・・ということに対して思考を深める契機とし、コロナ禍が明けた時に、その思考して来たことを実践することが出来たならば、Nさんの言葉に対するお返しになるのではないかと思いました。
そのようなことを、つらつらと考えさせられた今回のイベント。素敵な時間を共有し
色々な気付きを与えて下さった入居者さん、スタッフに改めて感謝致します。有難うございました。

09:05 | Posted by kimisanchi

【ベトナム高齢者の危険】  お寺のよこ ホアン

2021年10月31日 | お寺のよこ

ベトナムのような発展途上国に対するcovidの影響は甚大です。特に経済では、多くの世帯の収入源が影響を受けています。 収入の減少、商品価格の上昇は人々の生活をより困難にします。 2021年の最初の9か月の失業率は、2.67%でした。市内では3.58%、田舎では2.15%です。
ベトナムでは、高齢者の大多数が子供と一緒に暮らしています。したがって、若年労働者は家族の経済的稼ぎ手です。
covid19パンデミックが来ています。故郷に戻るために都市を離れなければならない若年労働者の数は増加しています。主な収入が大幅に減少し、4人以上の世帯では困難になりました。 都市部や農村部への旅行を制限することで、高齢者の移動時間がさらに短くなり、愛する人を特定することで、高齢者の不安が高まります。運動制限が多すぎると、高齢者は病気のリスクが高くなります
糖尿病などの病気の高齢者の死亡率は1.8倍、高血圧の人の死亡率は他の病気の1.5倍です。陰性の人が多いですが、多くの人がうつ病、不安、ストレスに苦しんでいます。肺の後遺症はまだ世話をする必要があります。州は世帯にサポートパッケージを提供してきました。厚生省の予防措置や勧告を厳守していただきたいと思います。

12:10 | Posted by kimisanchi

【believe】  お寺のよこ 倉澤

2021年10月10日 | お寺のよこ

8月13日お寺のよこに女性のNさんがご入居されました。2日目の夜の出来事です。
夕食を食べ終わりお部屋に戻ると荷物をまとめて居間に降りて来られました。どうされましたかとお尋ねすると、お部屋にお別れをしましたと仰り涙ぐんでおられました。一緒にお部屋に戻り傾聴させていただきましたが肩を上下に揺らしながら涙が止まらないご様子です。困った私は大丈夫ですよと言ってNさんを抱きしめることしか出来ませんでしたがNさんは「信じます」と一言仰ってくださったのです。その一言が私にはとても嬉しく励みになりました。そしてこれからもNさんの気持ちを尊重し寄り添いながら共に恙無い人生を歩みたいと思いました。

06:22 | Posted by kimisanchi

【人との出会いと、人との別れ】  お寺のよこ 崔

2021年09月23日 | お寺のよこ

この二年間、人との別れを味わうことが多くなってきました。お寺のよこで、入居者様がご退居されたこともお亡くなりになったこともあります。コロナ禍で、中国に戻り、お世話になった先生と、一緒に学んだ友人たちと、卒業式に参加することができなくて、切ない気持ちがいっぱいでした。今月末も、お寺のよこのアルバイトの最終出勤日になりました。
このようなことを経験して、人と人との出会いって本当に素晴らしく奇跡的なことだと思うようになりました。
偶々同じ時代に生まれて、国境まで越えて、これ程沢山の人の中から偶々出会って、偶々同じ時間を過ごせます。楽しいことも、悲しかったこともずっと自分の支えになり、別れた人でも、自分の一部はその人達で作られていると思えます。
偶々出会った人と深い感情を体験できたことって素晴らしいのではないかと思っています。
後で振り返った時に、「あの人と出会って、あの経験して良かったなぁ」と思える経験をたくさん積み重ねて、一緒に作ってくれた「過去」のすべてに感謝して、前に進み続ければもっとより良い未来に繋がっていくと思います。

09:43 | Posted by kimisanchi

【入居者さんの笑顔】  お寺のよこ 佐藤

2021年08月30日 | お寺のよこ

台所で作業中に独り言「ハサミが見当たらないなーどこに仕舞ったかなー」と探していると、入居者のKさんが『ハサミが無いんですか。いつもそこにありますよね』とあちらこちらを探して下さり、台所以外の引き出しの中まで探し「台所のハサミなのでそこには無いと思います」と伝えると『もう1度、探しましょう』と言って下さり、一緒に探すと、絶対その引き出しには入れないであろう引き出しから見つかり「こんな所に入っていました」とKさんに報告すると『ハサミがあって良かったですね』と優しい笑顔を見せて下さりました。夜勤帯に居間の掃き掃除をしていると、ソファに腰掛けているTさんが『偉いねー、凄いねー』と笑顔で言って下さります。私は昭和の戦前、戦後から平成、令和と健康で生き抜いているTさんの方が尊敬できるので「Tさんの方が偉くて凄いですよ」とお伝えすると『Sさんは良い子だよー』と決まって仰られます。Sさんとは、Tさんとお寺のよこでとても仲良くなられた入居者さんの名前で、散歩やお風呂までいつも一緒に過ごされておられました。
Sさんは昨年の11月に旅立たれてしまいましたが、Sさんはとても笑顔の素敵な女性でした。いつまでもTさんの心の中や面影などが残っておられるのだろうなと思い、Tさんを通してSさんの笑顔も合わせて思い出されます。
何気ない言葉や優しい行動、笑顔の時間を大切に入居者さんと共に過ごしていきたいです。

22:18 | Posted by kimisanchi

【争奪戦】  お寺のよこ 岡田

2021年08月10日 | お寺のよこ

5月に母と祖父にコロナワクチンの接種券が届いたので、先に祖父の分の接種予約をする為に私がホームページにアクセスして番号等を入力して手続きをしたところ、何故か先に行かずアクセス出来ませんと出て来ました。受付開始の午前9時からスタンバイしたにも関わらず、時間をおいてやっても同じ画面が出てくるだけで全然先に行かず、どうなっているんだと頭の中が混乱するばかりでした。多分、他の人も早く接種したいと必死で、アクセスが集中してサーバーが混雑してるのだと思いました。さすがの祖父もこの日ばかりは「もういい」と諦め、日を改める様子でした。
やはり事態が事態なだけに早く接種したいと思っているこの頃ですが、自分自身はいつになるのでしょうか。その時もこんな状況になるのかと思うと少し焦りが生じます。他の皆さんはどうでしょうか。

08:33 | Posted by kimisanchi

【時代】  お寺のよこ 光岡

2021年06月10日 | お寺のよこ

ファイル 561-1.jpeg今年に入りお寺のよこに女性の方が2名ご入居されました。
新しい環境に戸惑われながら、少しずつお寺のよこの生活に順応されていかれるご様子が伺えています。
お寺のよこは共同生活の場ですので、他の入居者さんと関わる機会が少なからずあります。長年ご入居されてきた方はお年も召してきて色々な面でスタッフを始めとした他者のサポートを受けることが多く
なってきています。その中で新しくご入居されてきたお二人もそれぞれの気遣い方で、サポートが必要な方に接しておられます。
Kさんは、食事が出来上がったら率先して盛り付けをされてご自分で食事を取りに行くことが難しい方に配膳をして差し上げています。ま
た、お茶が飲みたいと仰っている方の側に行きお茶を汲んで差し上げたり、椅子からの立ち上がりが難しい方の椅子をさり気なく引いて立ち上がりやすいようにされていることもあります。Sさんは目が見え辛くなっておられる方が不安そうにされている時は、そっと傍に付き添われたり、その方が歩行されている時には「大丈夫ですよ」と声を掛けながら手を差し伸べているご様子もありました。
考えてみれば、サポートを受けることが多くなって来ている方達もお寺のよこにご入居されて来た当時は身の回りのことは殆どご自分で出来ることが多く、他の入居者さんのサポートをその方なりの気遣い方でされておられました。そしてその時にサポートを受けておられた方もご入居当時は…と、時代は巡り巡って行くようです。そういった瞬間を見る度に人が支え合って生活をしていく意味を考えさせられます。
新しくご入居された方がいらっしゃるということは、ご退居された方がいるということでもあります。昨年の11月と今年の1月に女性の入居者さんが2名お亡くなりになりました。
それぞれとても仲良くされていた入居者の方がいらっしゃいます。その方々の心の中にはお亡くなりになった方への思いは未だ消えることがないようで、会話の中にその方がまだ生きておられるかのような発言をされることも少なくありません。
例え亡くなったとしても生きている人達の間でその方の記憶がある限り亡くなった方の魂は死なない…。それは生活をともにし支え合ってきた証でもあろうかと思います。それもまた、お寺のよこでずっと巡り巡っている光景の一つです。

17:23 | Posted by kimisanchi

【両親はどこで住んでいますか】  お寺のよこ ホアン

2021年05月10日 | お寺のよこ

欧米国と日本の高齢者は定年を迎えるときに2つ選ぶことがあります。
1は家で家族と暮らします。
2は老人ホームに入ります。
ベトナムの老人は逆に1つ選ぶことは家で家族と暮らします。最初にベトナムについて話します。ベトナム社会主義共和国。
温帯夏雨気候それで農業が発展国です。
農家は65,6%(2019年)。農業をやることは大変な仕事です。
1.社会的
昔ベトナムの家族は7人から9人ぐらいは普通なことです。もちろん長男は両親を介抱することが当たり前の文化になります。
老人ホームに送ったら親不孝の息子と言われることでしょう。ベトナムに対してこんなことは絶対ダメ。
2.文化
ほとんどベトナムの人若者の際お金をたくさん貯金して家に入れて。家で子供や孫と暮らしてそんなことは当然と思っています。ベトナムの老人に聞いて、老人ホームと子供と暮らすることをどちらを選びますか。90%以上の答えは子供や孫と暮らします。ベトナムでは老人ホームに対して疎い分野です。そのことはまだ理解できないです。
3.収入
施設は少なくてほとんど大きい都会にあります。さらにベトナム人の平均年収は2540$(GDP2018年)。老人ホーム費に比べて年収の1/2かかります。
現在高齢者は国の10%を占めており、高齢者は社会で最も脆弱グループに属しています。
保健省の報告によると、ベトナムの高齢者の大多数は生活が困難で、収入が不安定で、子供と孫に依存しています。それらの30%未満が年金または年金を持っています。
ベトナムの皆さんはすでに若い時に投資をしているので、次は老後のことも考えて投資したほうがいいじゃないでしょうか?
自己紹介
お寺の横のレミンホアンと言います。ベトナム人です。ビジネス専門学校を卒業しましたが、経験が多少違うので最初ちょっと不安です。言語障壁を通過して毎日入居者と喜んで食事や話して。
入居者は医学的、精神的、肉体的なケアを必要としています。毎日3つ全力を尽くしています。楽天主義とすべての困難を尽くしてます。楽天な人は悲観的な人より長生きするらしいです。

10:58 | Posted by kimisanchi

【料理をする時間】  お寺のよこ 崔

2021年04月10日 | お寺のよこ

お寺のよこでは、ご入居者さんは料理に遠ざかっているわけではなくて、職員と一緒で毎日の食事作りをしています。

「今日何か食べたいものがありますか?」とご入居者さんの意見を聞きながら、当日の献立を決めます。「お米は研いでくれませんか?」とお声掛けすると、Mさんはいつも何も言わずに、手持ちのピンク色のコップをテーブに置いてから、台所で米糠がなくなり、水が透き通るぐらいまで丁寧にお米研ぎをして下さいます。玉葱、じゃがいも、にんじんなどの野菜を手分けしてから、皆さんは料理に合わせて、輪切り、みじん切りなどして下さいます。カボチャのような硬い食材関しては、お願いすれば、昔鳥焼き屋を経営していた男性のMさんはいつも慣れた手つきでプロの包丁さばきを見せてくいただきます。食材の準備ができ、「これをつけましょう」、「次は揚げましょう」などとそばでほんの少し見守ることで、ご入居者さんはフライパンを巧みに操り、調味料の量を調整してさまざまな料理が作れます。一緒に台所に立って味見をしながら会話することで、普段あまりお喋りしないKさんの顔が生き生きして、自分から話しかけるようになり、Kさんとの距離が少し縮んだ感じもします。

お寺のよこでの生活は、このようにご入居者さんと職員の協力で成り立っています。誰であろうと仕事をしたい欲はみんなそれなりにあると思います。料理をすれば、ご入居の皆さんは自分の経験を生かされたり、役割を果たされたり、笑顔になられます。また、台所に肩を並べて、時間を共有すれば、仲は自ずと深まります。

ちなみに、私は料理をした経験があまりないで、つくっても家族全員誰も食べてくれなかったから、料理が得意ではないと自覚していました。お寺のよこでのアルバイトが決まった時、日本語能力以外、一番心細かったのは食事作りのことでした。「ご入居者さんが食べたいものを美味しく作れないと、どうする?」ととても不安でした。実際に働くと、ご入居者さんと職員がいろいろなコツ教えて下さったため、だんだん簡単な日本の家庭料理が作れるようになってきました。今度帰国したら、家族に味噌汁と豚肉生姜焼きを作って差し上げたいと思います。

17:25 | Posted by kimisanchi

【誠実に生きる】  お寺のよこ 倉澤

2021年03月30日 | お寺のよこ

去る1月11日に「お寺のよこ」の入居者でいらっしゃいましたIさんが救急搬送後転院先の病院にて90歳でお亡くなりになられました。Iさんは「お寺のよこ」で約5年間に渡り生活されておられました。明るく元気で達筆なIさんからは誠実に生きる姿を学ばせていただきました。それは終末期を迎えられた入居者の方にさりげなく寄り添う姿(肩を揉んであげる)だったり、毎日ペン習字の練習をされている姿だったり、Nさんと時には口げんかしながらもトランプの七並べをされていたり、スタッフに労いの言葉をかけてくださる優しい心遣いでした。毎日Iさんは健康が1番よ。お互いに頑張りましょうねと声をかけてくださり、いつか自宅に帰れるという希望を持っていきいきと生活しておられました。残念ながら今年のお誕生日(2月8日)のお祝いをすることが叶いませんでしたがいままでに沢山のことを教えていだだき心から感謝いたします。
そこで今回はIさんを偲び大好きなサムエル・ウルマンの詩を載せさせていただきます。

 青春
 青春とは人生のある期間ではなく、
 心の持ちかたを言う。
 薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
 たくましい意志、ゆたかな想像力、燃える情熱をさす。
 青春とは人生の深い泉の清新さをいう。
 青春とは臆病さを退ける勇気、
 安きにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。
 ときには、二十歳の青年よりも六十歳の人に青春がある。
 年を重ねただけで人は老いない。
 理想を失うとき初めて老いる。

 ・・・・・・・・・・・・

青春時代を勤務先のボート部で情熱を燃やされたIさん、ありがとうございました。

17:23 | Posted by kimisanchi