log

【きみさんちの朝】  きみさんち 田中

2017年07月31日 | きみさんち

ファイル 323-1.jpgファイル 323-2.jpgファイル 323-3.jpg

きみさんちの朝はとにかく早い。
朝の4時ごろから散歩に出かけようとする方、更衣をはじめ整容の為起きて来る方色々である。
日が昇るのが早まるにつれ、皆さんの活動時間も早まるようです。
そんな中の1ページを今回のどっこいしょでご紹介しようと思います。
4月某日
5時におはようございますとKさんが居間へ。
それにあわせるように3月にご入居されたOさんが、「私が1番だと思ってたのにあんたも早いねー」と言いながら居間に出てこられる。
そこでお茶を飲みながらしばし談笑され、6時ごろにKさんが神社に行ってくるといわれると「私も行きたいけど道が分からないんだよね」と寂しそうに言われる。そこで田中が提案。「Kさんに道案内頼んだら?」と。
そうすると「一緒に行きたいけど良いかい」とKさんに尋ねている。
Kさんも快く了解し、一緒に行こうと支度を始める。
その時のOさんの笑顔が朝日より眩しかった。
30分ほど神社ときみさんち前のベンチでKさんと談笑され、戻って来てのOさんの一言。
「良かったよー」
更に一言 「此処は良い所だねー」
この言葉を聞いて、生活環境の再構築のお手伝いを少しでも出来たのかなーと考えると同時に誘ってみて良かったなと思いました。
でも最初は転びはしないか、躓きはしないかと帰ってくるまではらはらしていたのも事実。
それでもこの「良かった」の一言が聞けてリスクを考えるだけではいけない事をOさんに教えていただいたような気がした早朝散歩だったのです。

10:08 | Posted by kimisanchi

【新しいご入居者さんを迎えて、きみさんちはまた新たな1ページを描いています。】  きみさんち 志寒

2017年06月30日 | きみさんち

ファイル 318-1.jpegファイル 318-2.jpeg

髪が白くなったと嘆くKさんに「まだ白くなってもあるだけいいじゃないですか!私は家系的に髪そのものが無くなってますよ!」と話していると。
「そら、あんた!無くなったら無くなったで魅力だよぉ~」と新入居者さんのOさん。
続けて「白くなるにしても、薄くなるにしても、歳とったら、変わるのが当たり前だよお、生きてんだもの」
「歳とっても変わんないね~って、変わんないってことは生きてないってことだよぉ」
この言葉の深さにしきり、唸らされたのでした。
ついでに、たまたまあった養毛剤のチラシをお見せして「これ、効くのかなあ?」とおたずねしたところ「そら、あんた!効くよぉー。たくさんだよぉー」と。
なんとも、なんともポジティブです!

別の新入居者さんのSさん。
以前飼っておられた猫の写真を話題にしながら「猫、飼ってみたいんだけど、病気になったりとか、死んじゃったりとか、寂しくなるからね」と私。
「でも、あなた。独りもんなんでしょ?どっちにしても、そのうち寂しくなるわよ」とズバリ。そして話題は私の結婚に。
「いい?レストランとかあるじゃない?そこになじみになるの。そしてそこのウエイトレスさんに仲良くするのよ」
「いつも通ってくるようじゃ独身だろうし。ウエイトレスって、割とそういう眼でお客さん見てること多いの!(全国のウエイトレスさん、すみません)」
「ウエイトレスって自分たちのような店員相手に優しくする人か、どういう態度とる人かで、お付き合いにふさわしいかどうかを仲間内で評価しあっているのよ!」
「何で私がわかるかっていうと、私がウエイトレスだったから!」
「それで仲良くなってきたら、アタシを田舎から上京してきた親戚とか言って、連れて行って」
「そしたらアタシがさりげなく水を零して、その態度で、いい娘かどうか、見きわめてあげる」
「なんで分かるかって言うと、アタシ、結婚相談所に勤めてたから!」
「あ~、でも、ずっと続くかどうかは保証外だからね!」

なんとも愉快な新入居者さんとのひとときでした。

17:02 | Posted by kimisanchi

【カレンダー】  きみさんち 金井

2017年05月31日 | きみさんち

私の家にはカレンダーが沢山あります。
ひいきのプロ野球球団のカレンダー数種、娘の岩合さんのねこカレンダー、自分用の月曜始まりのカレンダー、週めくりの雑学カレンダー、なぞなぞカレンダー、卓上カレンダーなどいろいろ。
息子のクリスマスプレゼントには四字熟語カレンダーをあげました。彼は漢字検定おたくなので机の前に貼って毎日めくっています。
そんな息子がある日家事をしている私に「会者定離」って知ってる?と聞いてきました。
私は料理する手を止めず、出会いがあれば別れはあるもんだってことだよと答えたら、丁度卒業式の日の四字熟語カレンダーがその言葉なんだよねー、意味深なカレンダーだよねー、と何だか寂しげにつぶやいておりました。
小学校の卒業式の時は次のステップに心躍らせていた息子が、中学校の時には友人たちとの別れの寂しさにせつなくなるほど精神的に成長したのかと少しうれしくなった母でした。
そんな私には卒業式でまたねと別れて、その約束を守れなかった友達が何人もいます。
また会える気がして、二度と会えなくなった人たちがいます。
小さい桜のつぼみを見て一緒に見るはずだった、いってしまった人への後悔を思い出します。
私はまたねを信じておざなりにしてきた付き合いを何度も後悔したなさけない大人になってしまったものです。
別れが必定なものならば、息子には一期一会を大事に次の出会いに幸多かれと思う弥生三月、四字熟語だらけの月です。

17:19 | Posted by kimisanchi

【きみさんちはこんな場所】  きみさんち 松林

2017年04月30日 | きみさんち

心が挫けそうになった時、きみさんちの入居者さん達の事を考えます。
そうすると、もう少しだけ頑張れそうになるのです。
入居者さん達の飾らない笑いや真剣な表情が、私を助けて下さいます。
支えるつもりが助けられ、おまけに色々学びます。
人生の折り返しを過ぎましたが、まだまだこれからと思えてきます。
きみさんちは、そんな場所。
そんな場所で仕事が出来る喜びを噛み締めて、今日も一日頑張ろうと思うのです。

08:47 | Posted by kimisanchi

【Kさんの独り言】  きみさんち 田中

2017年03月31日 | きみさんち

ある日、日勤の為玄関をくぐると居間で神妙な面持ちで新聞を読んでいるKさんが居た。あまりに真剣だったもので、挨拶もせずスタッフルームに入ったが何やらブツブツと独り言を言いながら1面記事を見ている。
Kさん   「まったくねー」
田中    「?」
Kさん   「ほんとに何やってんだか」
田中    「??」
Kさん   「遊んでばかりいないで仕事しなよねー」
田中    「誰の事言っているの?」
Kさん   「ほら。大統領がトランプだってさ」
      「全くバカにすんのもいい加減にしろよだね」
田中    「・・・・・」「それ人の名前だよ」
Kさん   「えーっ・・・・・・・」

人の名前とはつゆ知らず、遊び道具のトランプとかんちがいをしていたKさん。
発想としては間違っていないのだが、なんとも愉快な答え。
そんなKさんと過ごす毎日が楽しくてしょうがないきみさんちで、今年もどんな楽しい発言が聞かれるのか楽しみにしつつ、気を引き締めがんばろうと思います。

追伸:大統領だって人の子。仕事終えたら遊ぶかもしれないよ!とKさんに言ったところ、
  「人の名前にトランプなんてつけるのはおかしいよ」と仰っておりました。

16:20 | Posted by kimisanchi

【豆苗の想い】  きみさんち 志寒

2017年02月28日 | きみさんち

ファイル 297-1.jpg
皆さんは豆苗(とうみょう)という野菜をご存知ですか?
エンドウ豆の若苗のことで、びっしりと四角形に苗床を整えたエンドウ豆から、みずみずしい茎と小さな若葉が伸びています。青臭さはわずかにあるものの、シャキシャキした歯ごたえと炒め物からサラダまで幅広く使える便利さで入居者の皆さんにも人気です。
ただ、入居者さんの人気の秘密は食べたあとのこと。苗を刈り取って残った根元を皿に入れ水に浸しておくと、また新しい苗が育つのです。その成長の様子を見て「かわいいねぇ、よく育ったねぇ」と柔らかなまなざしで眺めては楽しんでおられます。一度は伸びた豆苗を食べようと相談していたら、それはかわいそうだと庭に植えられ、エンドウマメが育ったことがありました。
もちろん、豆苗に限らず、皆さん、園芸や植物はお好きですが、とりわけこの豆苗が人気なのは、目に見えて成長していくところがわかることかなと感じます。
成長する、育つ。育っていくものへの喜びというのは大げさに言えば“未来”を期待することへの喜びなのではないでしょうか。
ファイル 297-2.jpg
“育つ”と言えば、私は管理者として、スタッフをどのように育成しているのかと質問されることが多々あります。私にとっては悩ましい質問の一つです。なぜかといえば、私は特段、意識して育てている感覚はないし、実感で言えば、『多少なりとも目や手や気をかけているうちにいつの間にか育っている』といえば近いでしょうか。ですので、育成法と言われても、改めて語る言葉も持ち合わせていないのです。
ただ、共に仕事をしていく中で、何か成長を望んでいることは確かで、そこにはともに伸び合う未来への期待、それも、単に業務のことだけではなく、認知症状態にある人への支援を通して築いていく、未来の社会への期待があるのではないかなと思います。
そしてそんな私たちを育てているのは、だれあろう、まさしく入居者さんたちで、常にどこか私たちに、豆苗に注いでいるのと同じ、柔らかな、でも切実で期待に満ちたまなざしを注いでいるのを感じるのです。
一年が終わろうとしています。今年もいろいろな出来事がありました。悲観的な私という人間は困ったもので、ついつい、未来への不安を感じてしまうような出来事ばかりを思い返してしまいます。ですが、育ちゆくことへの喜び、未来への期待を忘れずに、新しい年を迎えたいなと思います。

08:44 | Posted by kimisanchi

【言葉が無くても】  きみさんち 尾籐

2017年01月31日 | きみさんち

言の葉「ことのは」には大きな力があります。
でも、決して万能ではありません。
力が大き過ぎて、時として人を深く傷つけてしまいます。
人は生まれ、いつかは障害状態となり、生命を終えます。
生まれながら重い障害を持つ人の中には、生涯、言葉を発しない人もいるかもしれません。
どっこいしょ初投稿の記事では、きみさんちのお仕事を通して私が学んだ大切なこと。

~言葉がなくても「ひと」と「ひと」は繋がれる~

私は、介護のお仕事は全く未経験で、この6月から「きみさんち」のお仕事を始めました。
きみさんちでお仕事をしたいと思ったきっかけは、誰もが障害状態(認知症を含む)になっても、住み慣れた場所で安心して暮らしていけることを大切にしている事業所だと思ったからです。

私は子どもの頃から人付き合いが不器用で、人と打ち解けるのに時間がかかる人でした。
何か面白いことを言わなければと考え過ぎて緊張してしまったり、物事のタイミングが掴めなかったり。

きみさんちの他の女性職員は、機転が利く上に話題が豊富、合いの手もお茶の子さいさい。
私はご入居者様が唄われている歌が演歌なのか歌謡曲なのかも全くわからず、ただでさえ話し下手な上に、共通の話題すらありません。
はじめは職場でお話をするのが苦痛でどうしようもなく、私にこのお仕事は無理かもしれないと感じることが少なくありませんでした。
私がこのお仕事を楽しいと感じるようになったきっかけがありました。

入居者の方と一対一になったときの出来事です。
「あなたは本当に不器用な人ねぇ。あなたみたいな人は、ここでのんびり働くのがいいのよ」と言われたんです。
私が全く未経験の職種で、必死でがんばってコミュニケーションを取ろうとしている様子を見ていて、全然うまくやれてないけど、「ああ、この子がんばってるな。そんな無理しなくてもいいのに」って思ってくださったんでしょうね。
それがきっかけで、無理に話そうとするのをやめました。
頑張って話すんじゃなくて、自分が逆の立場だったらどうして欲しいか。
それを考えることにしたんです。

私は家では静かにのんびり過ごしたいなぁとか。
そっとしておいてほしい。
けど、ちょっと困っているときは、さりげなく、手を差し伸べてくれたらうれしいなぁ。とか。
後は、五感に気持ちがいいことが好きとか。

自分がしてほしいこと。
アロママッサージなどを勤務の隙間時間に毎回やっていたら、入居者さんが私のことしっかりと覚えてくれるようになりました。

今はテレビのニュースを見て、談笑したり、外出の途中で、昔のお話を色々と聞かせてくれたり、しっかりとコミュニケーションが取れるようになってきました。

私は、話下手なので自分からは殆ど話しかけません。
ただ、自分がして欲しいこと、自分の五感が喜ぶことを入居者さんにし続けただけですが、コミュニケーションが取れるようになりました。

不思議で、不思議で。
面白くて・・・。
このお仕事にどんどんはまってきています。

08:39 | Posted by kimisanchi

【人と向き合うこと】  きみさんち 金井

2016年12月31日 | きみさんち

先日受けた研修の中で、医者が患者に向き合っている時間が短いというお話が出ました。患者はそんな短い時間での診察を信用して、治療を任せられるのかなぁ、と思いながら聞いていました。
しかし、病院を我が家に置き換えて考えてみると、雑事に追われている私は、子どもの話を聞くときは流し台を正面にして、子供は後ろ斜め45度の角度にいる事が定番となっており、洗い物などをしながら子供の話を聞いているため、適当に返事をして守れない約束をしている事が多いらしく、「かーちゃんのうそつき」と泣かれることがしばしばあります。
話を聞かない医者が私で、信用できるか不安な患者が泣いている子供という立場です。
信頼関係が危ういの状態なのかもしれません。生活態度を改めることにしました。
職場でも、きみさんちに入職して直ぐに、入居者さんの話を聞く時の姿勢や、声の掛け方の大切さを、先輩社員に言われました。相手を尊重する気持ちを持ちながら人に接する事が如何に大切かという事を、この一年間で深く考えさせられました。
これからは、家では子供に、職場では入居者さんに、もっと深く向き合って行こうと思います。
まだまだ毎日反省の日々ですが、楽しく仕事が出来ている事に気付く今日この頃です。

08:25 | Posted by kimisanchi

【入居者さんもチームの一員?】  きみさんち 松林

2016年11月30日 | きみさんち

新人スタッフに仕事を教えていた時のお話です。
その日は、入居者Oさんに入浴して頂きたいと思い、新人スタッフに声掛けをお願いしました。
新人スタッフ「Oさん、お風呂が沸きましたよ。良かったらどうぞ」
Oさんはリビングの椅子に座って、テーブルに置いてある花を愛でながら、「はいよ、ありがとう」と、気の向かない返事をしています。
さて、迷い所です。趣味活動に没頭する事はとても大事に思いますが、清潔も保って頂きたい。どちらを優先させるかの考え時です。
しかし、入浴期間が空いてしまっているため、何とか入浴して頂きたいと思っていました。
そんな思いがある事を新人スタッフに伝えて、一旦、その場を離れようと、他の入居者さんの部屋で、ケアの手順などの話をしていました。
数分後、リビングに出てみると、先程と少し状況が変わっていたので、その事を新人スタッフに説明しました。
「さっきと変わった所分かる?花がテーブル上に置いてないでしょう。多分、志寒さんも同じ事を考えていて、Oさんにお風呂に入って欲しいと思い、Oさんから花を遠ざけたんじゃないかな。これは、チームケアって言って、ある入居者さんに対して、スタッフ同士のケアの方向がブレていないから出来る事なんですよ。また、スタッフ同士がお互い言葉を交わさなくても、それが出来るのはチームワークが出来ているって事なんですよ。」
時は夕方、チーフの志寒さんは、他の入居者さん達と、キッチンやリビングで夕食作りをしていましたので、私と新人スタッフ、Oさんとのやり取りを聞いていて、助け舟を出してくれたのだろうと説明しました。
さあ、今だ。「もう一度、入浴の声掛けをしてみて下さい」
その時です。
「Oさん、水入れ替えたからね」と言いながら、入居者Kさんが花の生けてある花瓶を、先程と同じ所に置いたのです。
Oさん「いや~、ありがと、ありがと」
惜しいひ私「声掛け、もう少し待ってみましょうか」
Oさんの前から花を遠ざけたのは、世話好きの入居者Kさんでした。
後で志寒さんと話をした時、同じ様な事をしようと思っていたが、Kさんの方が早かったと
言っていました。
もしかしたら、Kさんもチームの一員になれるかも知れませんね。

08:43 | Posted by kimisanchi

【笑顔】 きみさんち 小澤

2016年10月31日 | きみさんち

ジーパチパチ「うわぁ きれいだねぇ」 玄関先にあるベンチから楽しそうな声が聞こえてきます。7月某日、きみさんち花火大会? が、開催されました。

買ってきた花火を、皆さんが見た瞬間から、にわかに活気づいたきみさんちです。
袋を開け花火を手に取り、「早くやりたいね」 「まだ明るいね」 「明るいうちはだめだよね」 わくわくでいっぱいです。

あたりも薄暗くなり、いよいよベンチに集合! 次々と花火に火が点けられ、皆さんの楽しそうな笑顔が夜の闇に浮かび上がります。
ひとしきり楽しんだ後、「もっとないの」のリクエストで、花火大会は更に続きます。
車椅子の方にもよく見えるように、火のついた花火をそっと差し出す入居者さんの姿に感動してしまいました。

この普通の一軒家が、グループホームだと知ってか知らずか、通りすがりの方も足を止め笑顔で見ていらっしゃいます。
今、皆さんが座っている白いベンチでは、時々、入居者さんとご近所さんが語らったりしています。地域の方々ときみさんちを繋ぐ大切なものです。
この先も、大切な役目を果たしてくれることでしょう。

実は、このイベントに参加されない方がお一人だけいらっしゃいました。
その日は、きっと、そんな気持ちだったのでしょう。
そこに人がいれば、不安や寂しい等の負の感情が存在するものかもしれません。
そんなものが、笑顔で包み込まれることを願ってやみません。

そして、その晩は、いつも不眠がちな方も、静かに夢の中にいらっしゃるのでした。

10:52 | Posted by kimisanchi

【笑】  きみさんち 田中

2016年09月31日 | きみさんち

雨の日~も
風の日~も 笑顔で動く チョンチョン
仏頂面では良い仕事は出来ません。
やるからには笑顔でやる。
「ハイ」 ハイは1回。

これはある利用者の方が散歩や台所に立った時必ず歌う歌い文句。
自作自唱なのか、どこぞにあった歌を自分なりにアレンジしたものかは分かりませんが、これを聞く度に自分は眉間にしわを寄せ仕事をしていないかなーと考えさせられるのです。
皆さんはどうですか? 眉間にしわが寄っていませんか?
商売をしてきた先輩が言うのだからこの歌い文句に間違いはないはずです。
スタッフの人員不足で何処の事業所も大変だとは思うのですが、多分笑いを忘れたら「疲れる」「大変」「もういやだ」(DAIGOの言葉を借りるならTTMかな)に繋がってしまうのではないでしょうか?
この歌が聞かれるたびに私は一緒に歌います。
時に間違えてお互いの歌が合わなくなることがあります。
その時に笑ってごまかす私がいます。
その繰り返しをしながら、次ぎはどんな歌い文句になるのだろうと、ワクワクしながら聞いています。
因みに、この歌が出ず台所仕事をこなしているといつしかイライラ大爆発に繋がり、他の文句が聞かれるので、彼女にとってはこの歌がイライラバロメーターなのではないかと近頃思うのです。

私が購入した GANBARO-NOTEというノートにもこう書かれていました。

雨にも笑う 風にも笑う
ジメジメ悩まず
ココロ晴れ晴れ

何事にも笑いは大切であるということです。
でも時と場合を間違えると、叱られる事もありますけどね。(笑)

10:55 | Posted by kimisanchi

【おたがいさまの心】  きみさんち 志寒

2016年08月31日 | きみさんち

梅雨のじめじめとした季節になりましたが、きみさんちの庭にはすばらしい紫陽花が咲いています。この紫陽花は入居者さんのOさんが、挿し木から3年育て上げたもの。今ではOさんの背丈を越して、雨の季節にひときわつややかです。
ファイル 267-1.jpg
とある夕方のこと。
二人体制の勤務のうち、一人は入居者さんとお買い物。 私は夕食づくりを皆さんと行っていると、ある入居者さんが「夕食までにいったん帰ります」と。
さて、その入居者さん、もろもろの事情で家にはたどり着けそうにありません。また、足も達者でなく、転んだり、疲れで歩けなくなる可能性もあります。ただし、自分の歩行能力を自覚していて、無理そうなら早めに引き返すこともできます。引き留めるかどうするか、判断に迷うところです。
ファイル 267-2.jpg
はたして「行ってらっしゃーい」と見送り、きみさんちの玄関先で見守っていました。
ところが今日は気合いが入っておられるのか、今日は恐らく自分では戻れそうにない距離まで、ガードレールを手すりがわりに進んでいます。

さて、そこで一考。
他の入居者さんに「○○さん、杖を忘れて行ったみたい。すぐそこにいるから渡してもらえます?」
「あら大変だ。いいわよー、家族だもの」と快諾。
さてはて、杖を届けて、手を引いたり、励ましたり。そして無事に二人で並んでお帰りになりました。
よっこらしょと玄関先に戻ると、「はいどうぞ」とアイスキャンディをお勧めする私。そこにちょうど買い物から帰られた入居者さんも加わって夕涼み。
ファイル 267-3.jpg
入居者さんたちは常に支援を受ける側ではありません。それぞれがそれぞれを手助けしあって暮らしておられます。

杖を届けてもらった入居者さんに
「ありがとう、代わりに味噌汁のみそ、入れといたけど、良かったかね?」と私。
「あらあら、こっちこそありがとうございます。ま、おたがいさまだからね」

その「おたがいさま」の言葉と気持ちに励まされました。

09:12 | Posted by admin

【旅行が楽しみな入居者さん】  きみさんち 松林

2016年06月14日 | きみさんち

昨年度末の3月に、高尾山まで日帰り旅行に行ってきました。
ファイル 263-1.jpg

旅行当日は快晴で、「入居者さん達の普段の行いが良いからだね」などと、バス車内で冗談を言いながら、高尾山を目指して出発しました。
バス発車後15分もしないうちに「あ~お腹空いた。何かないのかしら」と言い出す入居者KKさん。はいはい、予測の範疇です。しっかり、おにぎりやお菓子などを積み込んで参りましたよ。
バスの車窓から外を眺めて「どこ行くんだ?」と何度も訊ねてくるOさん。「高尾山だよ。Oさんも行った事あるでしょ」「高尾山か。良いとこだぞ」「そうなんだ。楽しみだね」

そんな皆さんの中でも、旅行を一番楽しみにされていたのは、やはりKさんでしょう。
バスに乗り込むと「こんなことまでしてもらってどうもありがとう」と丁寧なお言葉です。
まだ行き先が決まっていない数ヶ月前から、「今年の旅行は何処なの?いつ行くの?」と聞いてこられていました。
ファイル 263-2.jpg

まだ何も決まっていないと話すと「行くんでしょ。バスで行くの?バスはここまで来てくれるの?」とKさんの中では何となくプランが決まっている様でした。
行き先と日にちが決まった事をKさんに話すと「あら、ホント。楽しみだね。何着て行こうかな。バスで行くの?」と、もの凄く前向きな返答がありました。
それから旅行の前日まで「旅行楽しみだね。いつ行くんだっけ?何処まで行くの?」と楽しみな事だけを覚えていらっしゃる発言が聞かれました。
その都度「今月の22日だよ。高尾山。とろろ蕎麦が美味しいんだって」と話しをしてきました。

そんなKさんもバスに乗った事で旅行が実現されたと実感されたようでした。
「高尾山は何が美味しいの?」と。「蕎麦が有名なんだけど、特にとろろ蕎麦が美味しいらしいよ」「へ~、あまり食べないから楽しみだね」と、旅行気分が盛り上がります。
その時、KKさんは、車内に積み込んだおにぎりを食べ終え、お菓子を摘んでいました。Oさんは「どこ行くんだ?」と外を眺めながら聞いてきます。

いよいよ高尾山に到着し、ケーブルカーで展望台を目指します。
車椅子の方達も安心してケーブルカーに乗車します。
展望台に到着すると、そこから見下ろす景色がとても綺麗でした。
本当に皆さんの人柄がこの景色を望んだのだろうと感じました。

展望台側にある茶屋処に入り、昼食の時間となりました。
KKさんは、バス車中で沢山食べていたにも係わらず「お腹空いた。何でも良いから早く食べたい。」「とろろ蕎麦が、、、」「それでいいわよ。あなたと同じもので」
KさんとOさんは向かい合わせに座って、仲良くおでん定食を注文されていました。
ファイル 263-3.jpg

はい。ご自分が食べたい物が一番なのです。
普段味わえない、美味しい空気とおでん定食を堪能されて、帰路へと付きました。

両脇にお土産屋さんが並ぶ参道をゆっくり歩き、また、いつもと違う自然の風景を眺められ、皆さんの印象に残った旅行ではないかと思います。

その二日後、Kさんが「旅行はいつ行くの?」と聞いてきた事は蛇足でしょうか。

09:30 | Posted by admin

【春ですね・・・】  きみさんち 田中

2016年05月15日 | きみさんち

やっと暖かくなってきました。
ファイル 260-1.jpg

日照時間も長くなり、利用者さんにとってもスタッフにとっても活動しやすい時間が増えてきました。
きみさんちの朝をご紹介すると・・・
日が昇ったと同時に「お早うございます」「足の運動に行ってきます」と近くの神社まで出かけるKさん。
起きて来るなりの第一声が「お腹空いたー」とKKさん。寝ているのかと思いきや庭の花を愛でながら起きているOさん。朝早くから仕事モードのSさん。
5時頃から生活音が部屋中に響くのが日常的になりました。
いつもマイペースなのはYさんとTさん位でしょうか。本当に早起きな方ばかりです。
一人ひとりの生活が始まる朝は、スタッフにとっては一番眠い時間帯でもあります。
それを察してくれるのか、ゴミ出しや外掃除など率先して手を伸ばしてくれるのです。
冬場の寒い日とは比べ物にならないくらい足取りも軽やかに。
皆さんが活気づくと「あー春が来たな」と思うのは私だけでしょうか。
日常のごく当たり前に行われる行為が、暖かくなると更に活動的になるこの頃。
暖かさはこんなにも人の心や活動に影響を及ぼすものなのかと毎日考えさせられます。
注意をしながら楽しみを見つける。これからはもっと楽しいことを利用者の皆さんと見つけていこうと思います。
ファイル 260-2.jpg

11:32 | Posted by admin

【深い悲しみを癒すもの】  きみさんち 志寒

2016年04月10日 | きみさんち

ある日の夕方のことです。
とあるご入居者さんが少しだけ開いたお部屋のドアからこちらを伺っていました。
いつも陽気なそのご入居者さんですが、何か言いたげな物憂げなお顔をされています。
私はノックをし、お部屋にお伺いしました。
天気のことなど、他愛も無い会話をするのですが、特に何かを仰るわけでもなく、ぼんやりとした表情で窓から見える夕空を見ておられます。
いったんお暇をし、他のスタッフに聞いてみると、そういえば、お部屋の仏壇のおりんを鳴らしていたとのこと。お亡くなりになったご家族のことを思い出されているのかもしれません。
私は人には自分だけの悲しみを抱え、それを慈しむ権利があると思っています。
悲しみの無い笑顔だけの暮らしなど、そう生きようとするのも、ましてや他人にそう生きるよう強いられるのも苦しいでしょうし、私のような若輩者がたやすく百寿にも手が届く方の、積み重ねた人生の悲しみに対して、共感したり、慰めようとしたりするのは、あまりにおこがましいことと思っています。
ですが、そのとき、夕空から仏壇に目をやったときの、さびしげな光景が目に浮かびました。
そして、もう一度、お部屋にお邪魔しました。「そういや、花屋さん、安かったよ」
結果、夕暮れの関町に仏壇のお花を買いに行くこととなりました。
さて、玄関先に出たとたん、ご近所のリサイクルショップと高齢者の集いの場のエプロン関町の方が。「焼きたての手作りのケーキですけど」と。ありがたくケーキを受け取り、商店街に向います。すると、いつもお世話になっているお肉屋さんの高尾さんが。ご入居者さんが「おとうさん!元気にしてた?」とご店主に大声で話しかけると「え!?もうすぐ100歳になるの?すごいねぇ、俺も続かなくちゃ」と返されます。しばらく進んで、お好きな喫茶店の花冠さんを通ると、店主と手を振り合っておられます。
しばらくして、ご入居者さん。
「この町はいい人ばっかりだ」「花は赤いのが入っているのにしよう」と笑顔になっています。
深い根源的な悲しみは、なじみの人々との、生活の中のきずなで癒えていくものなのだなと感じました。
なじみの人々や、地域の暮らしから切り離されない、そんな生活を支えていこうと、改めて思うのでした。

16:00 | Posted by admin