久しぶりの田中家のばあさんシリーズ?
今回は、お盆時期のお話しをしたいと思います。
東京のお盆は新盆の7月。迎え火や提灯を飾り、御先祖様をお迎えする儀式をしていた最中に起った出来事です。
娘である母と、爺さんをお迎えするんだと張り切って玄関先に出たときです。「なんだ、もう来てたのかい」「二人して何してんだい」と見えない誰かに語りかけているのです。これは不思議ではありませんよね。だって、亡くなった方々が唯一家に戻ってこられる日なのですから。
しかし、そんな話の後におかしなことを言い始めたのです。
「ミーも来たのかい」「そんな寒そうなかっこしてないで早く家に入りな」と。
ここにでて来る「ミー」とは、私の呼び名。一美のミーなのです。
えっ私ここに居るでしょ。まだ死んでないでしょ。と思いつつお迎えをし夕飯を済ませ寝床に着いたのですが、それからが大忙し。
ミーが寒いと言っているから布団を出してやんなきゃとせっかく乾してしまった冬布団を押し入れから全部取り出し自分の部屋に引きつめ出したのです。
怪我さえしなきゃ何しても大丈夫と思い、やるだけやってもらい、本人納得をしたのか眠りに付き、こちらもやっと安心して眠れると思ったのも束の間。
今度は私に向かって「ミーがいなくなっちゃったんだよ」「消えちゃったんだよ」と悲壮感たっぷりの表情で私に訴えてくるんです。
眠たい目をこすりながら聞きました。
「ミーって誰の事」「ミーならここにいるでしょう」と。そうするとこう答えました。
「ちっちゃい子なんだけど・・・」「あっ!いたんだねー」幼少期の私はとてもおばあちゃんになついており、何処に行くにもおばあちゃんと一緒で育ってきていますから、そのちっちゃい頃の私の記憶が妄想となって現れてくるのかもしれません。が、私きちんと生きてますから。きみさんちで働いていますから、大丈夫心配しないで下さいまし。これを次の日叔母に話をしたら大笑いされました。あんたの生霊でもみてるんじゃない。と・・・