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【変わるもの、変わらないもの】  お寺のよこ 光岡

2016年04月10日 | お寺のよこ

お寺のよこに、2月から2名の方がご入居されました。定員である9名の入居者さんが揃うのは久しぶりのことなので、賑やかな日々が続いています。これから暖かくなり、絶好の行楽日和ともなりますので、皆さんと色々なところに出掛けることが出来ると思うととてもワクワクしています。お寺のよこのある、文京区周辺は桜の名所が多数ありますので、花見だけでも何回も楽しむことが出来ますね。
お寺のよこでは約2年前に半数近くの入居者さんの入れ替わりがありました。ご入居された当初は、自分が何故ここ(お寺のよこ)に居るのか納得することが出来ず、落ち着かれない方もいらっしゃいました。ご自分の中で了解点を見つけておられた方、納得が行くまで何度もスタッフに聞いてこられる方、電話でご家族の声を聞くと落ち着かれる方等様々でしたが、2週間間隔で4名の方がご入居されてくるという経験は、ここ10年間でも無かったことでしたので、スタッフも手探り状態で、会議の時のみならず、個別でもスタッフ間で良く話し合ったことを思い出します。それから2年が経過し、その際にご入居された方で3名の方が今もお元気に過ごされています。
KさんとMさんは、ご入居された時から仲良しで、ご入居されて1か月もしない内に、お二人で近くの光源寺さん(通称:大観音)までお参りに行かれることが日課となりました。日課の通り毎日出掛けられ、梅の実や、押し花用の花や葉を嬉しそうに持ち帰られることもあり、夏場にはラジオ体操にも参加されていました。行く道すがらに、近隣の方に声を掛けられて挨拶をすることも日常風景の一つでした。
お二人は今もお元気に光源寺さんまで散歩に出掛けられています。足腰が少し弱られたこともあり、毎日ということはなくなりましたが、天気の良い時はどちらからともなく誘い合わせて出掛けて行かれます。近隣の方との挨拶も変わりのない光景です。
Sさんは、ご入居された当初から、自分が何故お寺のよこに居るのか、ここに居る意味や、ここで生活していくことの意味ということを納得が行くまで何度もスタッフに聞いて来られる方でした。ご本人にお寺のよこの運営規定が記載されている書面を見て頂き説明することもありました。納得されない時は、私とは別のスタッフが説明や話をすることにより落ち着かれることもありました。
Sさんは現在も迷われているご様子です。自分には残された時間が多くある訳ではないのだから、ここが終の棲家で良いのかと仰られています。ただ、誰よりも楽しいことがお好きな方でもありますので、イベントや、ご本人が意欲的な気持ちになれる仕事があると、気持ちを切り替えられて、積極的に取り組まれます。その度に「もう少しここで頑張ってみます」と仰られ、外に出掛けて行かれる時、帰って来られた時は、ともに元気良く「行って来ます」「ただいま」と言われています。
2年が経過すると入居者さんのご様子は個別差こそあれ、変化があるようです。その中でKさんとMさんの散歩や、Sさんの「ただいま」という元気な声は変わることがありません。そのような姿からは、その方々持っておられる根源的な力強さが感じ取られ、私の勝手な願望ながら、さらにもう2年後も、そういった姿を拝見出来れば良いなと思っています。また、Sさんに限らず、自分がここ(お寺のよこ)に居る意味は何なのかを切実に考えておられる入居者さんの姿もとても尊いものであると感じています。
我々スタッフの出来ることは何か、考え続けていかなければならないことは多岐に亘ってあるようです。

16:02 | Posted by admin