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【確かに居た】  お寺のよこ 光岡

2025年03月11日 | お寺のよこ

ファイル 690-1.jpegHさんは陶芸創りがご趣味です。
いや、趣味の域を超えて、生業に近いようなものでもありました。
お寺のよこにご入居後は、毎週土曜日に、地域の陶芸教室に通われて、作品創りに勤しんでおられました。毎年11月には、地域交流館で陶芸教室の作品展が行われ、Hさんの作品も出展されていたことから、Hさん、他入居者のOさんとともに、作品展を見に出掛けたこともあります。
陶芸には一家言持っておられて、縁が厚手のものよりも薄手のものを好まれたり、作り手の個性が滲み出るところが陶芸の魅力で、決められた鋳型から産み出される既製品には魅力を感じないとも仰っておられました(陶芸は自分の気分が乗っている時に創るもので、他者から強制されて創るものではないとも)。
そのような言葉一つ一つに、Hさんの人となりやどのようなことにこだわりを持ち生きて来られたのか、その一端を伺い知るような気がして嬉しくなったりもしました。
Hさんは、年末から体調を崩されて先日旅立たれました。
お寺のよこには、Hさんが創られた陶芸作品が遺されており、お皿や湯呑みやカップ等、日常的に入居者さんが使われているものも多数ございます。
先日Hさんがお亡くなりになったことを陶芸作品展に一緒に行かれたOさんにお伝えしたところ、Hさんと作品展に行ったこと(一年以上前の話です)やHさんの人となりを、かなり具体的に話されていたことに感嘆しました。
Hさんはお亡くなりになりましたが、その作品は遺り当たり前のように日常的に使われていること、Hさんが居たことを明確に憶えておられる方がいらっしゃること。
その事実はHさんが確かにお寺のよこに居た証として遺り続けていきます。
その証を胸に刻みながら、私達スタッフがお寺のよこで出来ることは何なのか、日々、自問自答し続けていきたいと思います。
Hさん。ありがとうございました。

09:14 | Posted by kimisanchi

【散歩】  お寺のよこ 倉澤

2025年02月04日 | お寺のよこ

ちょっと出かけてきますと言って図書館や根津神社まで散歩を習慣にしておられるOさん。
冬の季節になると、青い空がきれいだねと自然と触れ合うことで副交感神経が活性化され、視点を自分の内側から外界に向けることで感情が落ち着き客観的に物事を捉えられるようになりますね。また、10分程度の散歩でも幸福感を与えてくれるホルモンのセロトニンやドーパミンが分泌され、ストレスホルモンの1つとされるコルチゾールが減少するそうです。そして、神経科学の研究では散歩をすることで脳内の血流が改善し、脳の実行機能、つまり仕事への集中や予想外の出来事への対処などを司る機能の働きを助けることがわかっています。その結果、歩いている間に創造的なアイディアが下りてくるのです。
なるほど、Oさんは料理や食器の後片付けなども丁寧にきちんと行うことが出来る上に、ユーモアが溢れていていつも職員にジョークを飛ばして笑わせてくれるのです。
歩くことにデメリットはありません。健康面、メンタル面に好影響があり、手軽でお金もかからず、これだけで感情や物事の捉えかたを整えてくれるのです。
私もOさんを見習って、まずは休日の朝に近くの公園を深呼吸しながら散歩しようと心に決めました。

10:51 | Posted by kimisanchi

【12月がお誕生日のKさん】  お寺のよこ 佐藤

2025年01月06日 | お寺のよこ

2014年に入職し入居者さんの中で1番最初のお誕生日を、お祝いしたのがKさんでした。
12月Kさんへ、お祝いの言葉を伝える事が出来ました。
Kさんは髭が似合うダンディなとても優しい方で、お寺のよこの入居者さんの中で1番長く生活をされていらっしゃいます。
10年前のKさんは、何でもご自身で行い、駒込の作業所へ仕事へ行かれたり、朝早くに作業所のお友達から電話がかかってきて、寝ていても「はい」と優しく電話口に出ていた事や、お友達に誘われて出掛けていたことを思い出されます。今もお元気でいらっしゃいます。
毎年、12月になるとKさんと会話する事があり「Kさん、もうすぐお誕生日ですね。私が、とっても若い中学生の頃に片思いをしていた、同じクラスで野球部の彼が同じ誕生日で、思い出すんです。Kさんの誕生日は絶対に忘れないですよ」と伝えると、毎年、やさしい笑顔で「そうですか。同じ誕生日ですか」と仰ってくださります。
12月に入ると、私が若かった頃にときめいていた感情を思い出したり、お寺のよこに入職して1ヶ月が過ぎ、クリスマス、餅つき大会、大晦日、お正月とイベントが多く、慣れない中で出来ない事だらけでしたが、精一杯やっていたなぁと、思い出したりするのが12月です。
また同じような事を会話し、Kさんの来年のお誕生日も笑顔でお祝いしたいです。

10:48 | Posted by kimisanchi

【節目】  お寺のよこ 岡田

2024年12月03日 | お寺のよこ

1年1年経過するごとに、その年に何年目を迎える事が多々あります。あの出来事から何年、誕生して何年と様々ありますが、最近では100年の節目を迎えるのを良く聞きます。例を挙げると、去年は関東大震災が起きて100年、忠犬ハチ公が生誕100年になります。今年だと、川崎市が市制100年、冬季オリンピックが100年目、甲子園球場が竣工して100年、有名人の誕生だと、村山富市元首相とカーター元大統領が、今年100歳を迎えています。ちなみにですが、竹下登元首相と力道山も生きていれば今年100歳を迎えていたそうです。長寿大国は数あれど、日本は屈指の長寿大国ですので、今年100歳を迎える人から長生きの秘訣を聞いて、これからの人生を謳歌するのに参考にするのもいいかもしれません。
来年は、もし元号が昭和だったら100年になるそうです。その年に100年も良いですが、それに限らずあらゆる誕生、出来事が何年目の節目を迎えるのでしょう。

19:15 | Posted by kimisanchi

【米騒動と個人商店】  お寺のよこ 荒野

2024年11月08日 | お寺のよこ

記憶に新しいスーパーなどの店頭から米が消えたあの騒動。お寺のよこ近くのスーパーなどでも、商品棚から綺麗さっぱり無くなって「明日炊くお米がない!」という事態に陥ってしまいました。職員が自宅周辺のスーパーでお米を探し、買って持ってくるなどして凌いでいたのを思い出します。
そんな中で、「実はお米はまったく不足していない。ただメディアがニュースのネタに危機感を煽っているだけ。」という情報が耳に入りました。たしかに外食業では普通に提供されていますし、価格高騰など値段に反映されることもありません。しかし実際にお米は依然として手に入らず、どうしたものかと悩んでいたときに、ふと思い出したことがありました。
「そういえばのんびり家近くにあったお米屋さんにはないだろうか?」、早速状況を教えてもらうためのんびり家に連絡すると、「普通に買えますよ。」との事。しかもスーパーなどでは購入制限がある中で、お米屋では特段の制限はなく何kgでも買えると。
驚きました。実際に米が不足していたかどうかの真偽はともかく、案外大手チェーンなどよりも、この時代にも生き残っている個人商店のほうが確かな仕入れ先を持っているものなのかもしれません。
ところで個人商店というのはグループホームにとっても生活の中で欠かせないものです。
地域に根ざしているところから顔なじみになり易く、入居者さんたちが安心して利用し易いという点があります。お寺のよこにも50mほどの距離に十数年来のお付き合いをしていた個人経営のスーパーがありましが、残念ながら人手不足から閉店されてしまい、お寺のよこの生活に大きな影響がありました。
今の時代、個人商店の数もめっきり減ってしまい、尚且つ、利用し易い距離でとなると中々ありません。そんな中、最近1つのお肉屋さんによくお世話になるようになりました。入居者さんの足で行って帰って15分から20分、ガラス ケース越しに店主の方とやり取りできる昔ながらのスタイルでお肉の品質もよく、値段も大手スーパーより安いときます。道順も通りをまっすぐ進むだけなので迷うことなく行けて、今ではお一人で買い物に行かれる入居者さんもいらっしゃいます。
地域の一員として生活することを目指すグループホームにとってはこういった個人商店は本当にありがたい存在です。これからも末永くお付き合いさせていただきたいと願うばかりです。

16:23 | Posted by kimisanchi

【鎮守】  お寺のよこ 光岡

2024年10月18日 | お寺のよこ

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$file1お寺のよこはその名の通り四方をお寺に囲まれた場所に位置しています。
目の前の砂利道はお寺さんの参道でもありますし、入居者の皆さんと近隣のお寺に散歩に出掛けることもあればお一人でお墓参りに出掛けられる入居者さんもいらっしゃいます。
少し足を伸ばせばお寺のよこの氏神様である根津神社(毎年4~5月に開催されるつつじ祭りで有名。夏目漱石の小説「三四郎」にも出て来ますね)があって、こちらにもお一人でお詣りに出掛けられることを日課とされている方がおられます。
それこそ参道となっているお寺さんや大きな観音様が有名なお寺さん(養源寺さん、光源寺さん)は日常的に色々な入居者さんと出掛けては、「ここは良いところですね」「気持ちがスッキリしました」と話される入居者さんの姿を沢山拝見して来ました。
生活とは?日々の営みの中で安心出来る場所、時間が存在することの意味を考えさせられます。例えそのことを数日後、数時間後、数分後に忘れてしまうことになろうとも。
お寺のよこは様々なものに護られている稀有な場所に位置していること。その有り難さを実感せざるを得ません。それは入居者さんのみならずスタッフやお寺のよこに関わる全ての方達を包み込んでくれているかのようです。

09:29 | Posted by kimisanchi

【お誕生日おめでとう~Hさん♪】  お寺のよこ 倉澤

2023年07月31日 | お寺のよこ

東京都心は、朝から真夏の強烈な日差しが照り付け、午前7時半頃には早くも30度に到達しました。梅雨明けの発表がないまま夏空と猛暑に見舞われている関東地方です。
お寺のよこの玄関前に植えられたプランターのプチトマトはひとつずつ赤くなり収穫が楽しみになってきました。残念ながら5月下旬にNさんとMさんがご逝去され、この種から育てられたプチトマトを見ることは出来ませんでしたがお二人から学び得たすべてのことが赤いプチトマトとして実を結んでいるように感じております。そして一緒に収穫して喜びを分かち合いたかったですね。さて本日7月12日はHさんの92歳のお誕生日です。
お若いときにボクシングのバンダム級のチャンピョン、そして航空自衛隊のパイロットとしてご活躍され、その後仕事で鋳物を作ったり、陶芸の道に進まれた経験の持ち主のHさんはご入居されてから毎週土曜日に陶芸教室に 通っておられます。利用者のリクエストに答えてお茶碗、コーヒーカップ、花瓶などを作り、皆さんに感動と笑顔を与えてくれておられます。最近足腰が弱くなってきておられますが歩かないと筋力が衰えるからねと自覚し息を切らせながら歩く姿に職員も励まされる毎日です。眠れずに真夜中に片付けをしたり、お家賃の心配をされることも多いですが、先日私に「帰る家はなくなりましたがここは楽しいですよ」と笑顔で答えてくれました。その一言がとても嬉しくて、これからも職員と協力しながら楽しい生活のお手伝いが出来るように考え続けようと思いました。

09:44 | Posted by kimisanchi

【幸せって何だっけ♪】  お寺のよこ 佐藤

2023年06月30日 | お寺のよこ

かなり前のテレビ番組で明石家さんまさんが歌っていた「幸せって何だっけ♪」というフレーズがあるんですが、Nさんは良く歌口ずさみ「幸せ、幸せ」と続けて仰います。
何が幸せなのか尋ねると、食事の時は「美味しく食べられる」、入浴時は「お風呂に入れてもらって幸せ」と、両目がほとんど見えなくなってから同じ言葉を繰り返すことが多くなり、最近は「東京にあこがれて出てきた」と、良く発言され、若いころはバスの車掌さんをされていたそうで、切符を切って踏ん張って立っていたから足が太くなったと、目が見えていたころは笑いながら教えて下さりました。
大正15年生まれ97歳のNさんですが、私も東京にあこがれて出てきたので、生きている時代は違いますがその気持ちがとても良く分かります。
少し若いころの写真が居室にあり、車掌さんをされていた若い頃はチャーミングでモテていたのでは?と思います。
この間も就寝支援をし、Nさんが又「幸せ、幸せ」と仰ったので、私もNさんと出会えて幸せですと伝えると「恐縮です」と笑って照れておられました。
Nさんはご入居当時から100歳まで頑張る!と仰っていましたので、Nさんが幸せだと感じる事が続くように支えたいです。

10:36 | Posted by kimisanchi

【10年前】  お寺のよこ 岡田

2023年05月31日 | お寺のよこ

8月で私がお寺のよこに入職してちょうど10年になります。長いようで短いと感じていますが、10年前と言うと皆さんは何があったかを思い浮かべるでしょうか。私個人としては、東京でオリンピックがまた開催される事が決定したあの日の事が、一番印象に残っています。当時、私は発表された時の中継は見ておらずニュースで知ったので、これを聞いた時は自分が生きているうちに自分の生まれた地でオリンピックが開催されるとは思わなかったので、どんな大会になるか、どんな名場面が出るか、そしてメダル獲得総数が前回を上回るのかと大注目していました。
大会自体はコロナの影響で1年延期にはなりましたが、前回よりもいい結果を残す事が出来たので、出場選手や関係者、日本国中の人達も大変満足したのではないかと思います。
皆さんの思う10年前は、何が一番印象に残ったか思い出してはいかがしょうか。

15:07 | Posted by kimisanchi

【最後まで諦めない】  お寺のよこ 荒野

2023年04月30日 | お寺のよこ

2月の末頃、入院されていたNさんが、お寺のよこに戻ってこられました。入院中はずっと点滴生活で、3 週間に渡りほぼ何も口にしていない状態だったため、嚥下能力がかなり低下されていて、ほとんど口も開かず経口摂取出来なくなってしまわれました。それからというもの、Nさんは1日500mlの輸液で命を繋いでいる状態が続き、ご家族と相談し、このまま穏やかに最後を迎えられるようケアに努めていました。
しかし、3月の下旬頃から再びNさんがゼリーなどを少しずつ食べられるようになったのです。Nさんの「まだ生きたい。」という思いが伝わってきました。私は自分が恥ずかしくなりました。Nさん自身がまだ諦めていなかったというのに、勝手に私のほうが諦めていたからです。入居者さんの意思を丁寧に確認していくことが、この仕事では大切です。「生きたい」というある意味最も根源的な人の意思は何よりも尊重すべきです。私はもう最後まで諦めません。Nさんからとても大切なことを教わったのですから。

08:55 | Posted by kimisanchi

【2023年は重要な年】  お寺のよこ ホアン

2023年03月31日 | お寺のよこ

両親には6年間会えませんでした。
新型コロナウイルスの影響で2年以上帰国が遅れていましたが、この夏やっと帰国することができます。
そして今年の7月に結婚式を挙げます。
結婚は誰にとっても特別な瞬間ですが、結婚式の計画は困難でストレスになる可能性があります。
今年、妻と私は、高額な費用など、さらに多くの障害に直面しました。結婚式は費用がかかる可能性があり、計画に関連する費用はすぐに加算されます。会場の家賃から食事や装飾 の費用に至るまで、予算を使いすぎたり、予算を超えたりする可能性が高いです。
奥さんの故郷と私がハノイとホーチミンで、例えると沖縄と北海道の距離。7月はベトナムでは休みの時期なので交通費もドンドン増えていきます。
新聞とインターネットによると、ベトナムでの結婚式の平均費用は約200万円です。会場のレンタル費用は、場所、時期、空室状況によって異なります。
また今年は結婚式と同様に重要な介護福祉士試験があります。将来に影響を与え、これに合格すれば家族で日本に滞在できるようになります。
今年は約束と課題に満ちており、多くの新しい機会が開かれています。
今の課題は、前に進むために自分の力を200%発揮することです。

09:18 | Posted by kimisanchi

【幸せって何だっけ~♪】  お寺のよこ 倉澤

2023年02月28日 | お寺のよこ

お姉ちゃん、何かなぁ~い。おなかすいたぁ~と食欲旺盛なNさんは、まもなく97歳のお誕生日を迎えられます。歌が大好きでいつも『幸せって何だっけ~♪何だっけ~♪』と歌っておられます。そこでNさんに幸せって何でしょうかと質問すると怒らないこと、それが幸せの一直線と教えていただきました。2年前まで仲良しのIさんと一緒にトランプの七並べを楽しんでおられましたが、その年の1月にIさんが他界され、時折、1人は淋しいと訴えられるようになりました。その後2階の居室へ移動することが難しくなり、現在は居間で過ごされる時間が多くなっておられます。両目は少しの光を感じる程度で、右の聴力もほとんどないNさんですが、明るく陽気な性格は他の入居者、職員を和ませてくれる存在です。生きててよかったぁ~と喜んでいただく機会も多く、Nさんの言葉や歌を通して、われわれ従事者も沢山の人達に支えられて生きていることの有難さを実感しております。コロナ禍辛抱することが多い毎日ですが、お互いを認め合い、Nさんの仰るように怒らないで心豊かに過ごすことが、幸せの一歩なのかもしれませんね。春の足音が聞こえてきました。今年もNさんと一緒に桜の花を眺めることを楽しみにしております。

09:07 | Posted by kimisanchi

【餅つき大会】  お寺のよこ 佐藤

2023年01月31日 | お寺のよこ

2023年になりましたが、お寺のよこでは毎年年末12月30日前後に恒例の餅つき大会を行っております。
長年使用していた餅つき機の調子が悪く、炊飯器でもち米を炊き石臼へ移し、入居者さんが順番で杵を持って『よいしょ』の掛け声と共にスタートしました。
男性の入居者さんから順番に行い、Kさんは毎年1番に力強く餅つきされ、Oさんも「昔はやったけど」と仰りながら餅つきし、その後は御自分のスマホのカメラで撮影された為、お寺のよこのデジカメの方でもとお願いした所、あちこち移動され撮影して下さりました。
今回が2回目参加のHさんは「初めてだなー」と仰りながら、掛け声と共に餅つきを楽しまれ、続いて女性のKさんも『よいしょ、よいしょ』とご自分のペースで餅つきし、今回、初参加のMさんは餅つきをしますとお伝えした時から「いいわね」と笑顔があり、誰よりも餅つきの雰囲気を楽しまれていらっしゃいました。杵を持つ手はスタッフと一緒でしたが、餅とり粉で顔を真っ白にされていらっしゃいました。Nさんも「出来るかしら」と仰りながらスタッフと一緒に行い楽しそうにされていました。車椅子で参加のNさんともう一人のNさんも、スタッフと一緒に杵を持ち餅つきに参加し、最後はTさんでしたが、椅子移動してスタッフと一緒に杵を持って、餅つきされていらっしゃいました。
入居者さん全員のあと、スタッフも餅つきを行い、皆の連帯感が高まり、喜びを分かち合う、とても良い時間が流れていました。
ついた御餅はお供え用ですので、餅つき後は入居さんと一緒に鏡餅を作って神棚へ飾り、皆さんでおしるこをいただき、コロナの関係でのんびり家さんを御呼び出来なくなったのが残念ですが、沢山の笑顔が見られた餅つき大会になりました。

18:04 | Posted by kimisanchi

【何が起きるか分からない】お寺のよこ 岡田

2022年12月31日 | お寺のよこ

ワールドカップが開催され、世界中で盛り上がりました。その中で、日本代表が優勝経験のあるドイツとスペインを下して1位通過した時は、日本中大盛り上がりでした。残念ながらベスト8は今回も逃しましたが、日本代表なりには良い大会だったと感じている事でしょう。
サッカーのみならず、勝負の世界では数々の番狂わせがあるから、本当に何が起きるか分からない展開が、一番盛り上げてくれると思います。あの時あの試合の驚きと興奮、または、感動を見せてくれて大いに喜んだ人が何人もいますし、自国の事じゃなくても、あの場面が、心に残った試合が、数知れずあります。
私はスポーツには興味はありませんが、皆さんはスポーツを通じて興奮した事、感動した事が多々あると思いますが、その事を思い出してあの頃は良かったと感じてみてはいかがでしょう。

10:43 | Posted by kimisanchi

【その人のために、を考える】  お寺のよこ 荒野

2022年11月30日 | お寺のよこ

私がのんびり家からお寺のよこに異動してきてあっという間に半年が過ぎ去ってしまいました。まさに光陰矢のごとしを肌で実感しております。お寺のよこで新たにご入居者を支援していく中で、改めて支援のあり方について考える日々です。
特に大事にしているのは、ご入居者の「したい、やりたい」の実現に力を尽くす事と、職員側の都合で支援しないという考え方です。
入居者のOさんはご入居当初から一人で自由に外に行きたいというのが望みでした。
しかし我々職員からすると、外に出て迷わずに帰ってこられるのか、信号や通行人や車などから身の安全を守れるのか、困ったときに回りに助けを求める事が出来るのかなど等、あらゆるリスクが頭をよぎります。そこで何かと理由をつけて同行を申し出て見守ろうとするわけですが、Oさんは言います。『なんで一人で出ちゃいけないの。』と。これと同様のことを同じく入居者のKさんもよく仰います。『いい大人がなんで一人で外に出ちゃいけないんですか。』と。確かにその通りだと私は思いました。日ごろからその人の尊厳を守る事を強く意識しながら仕事をしていますが、結局、「認知症だから」という目線で考えている事に気づかされました。
しかしながら、前述したリスクは現実問題として存在します。「わかりました。じゃあいってらっしゃい。」では、ただの無責任なわけです。そこでご本人が一人で散歩するにあたり、どんなリスクがあるのか、こっそりと後ろから見守りながらアセスメントすることにしました。毎回、散歩したルートを帰宅後に「今日はどんなところを散歩したんですか。」と自然な感じで尋ねます。そして記憶と実際に歩いた道とに違いはないのか、そして本人がしっかりと意図して通った行程なのか、たまたまうまく帰ってこられただけなのかを検証し、同時にルート上で想定しうるリスクの洗い出しを行い、回数を重ねてアセスメントの確度を上げていきました。そしてデータを積み上げること3ヶ月、お一人で外出されても大丈夫と判断するに至りました。それをご家族に説明し、同意を得たほか、万が一の備えとしてGPSでの位置確認サービスの導入をし、晴れてOさんは自由に外出を楽しまれるようになりました。そしていまやOさんは毎日散歩に出かけられています。帰ってきて、今日の散歩の話をされる時はいつも饒舌です。たまに職員も一緒に誘ってくれる事も出てきました。
介護業界は慢性的に人手不足です。そしてそのせいで安全確保を優先するあまり、ご本人のニーズに対して職員の都合で諦めてもらうことが往々にしてあります。これ自体の是非はケースバイケースですし、一概には言えませんが、「どうすれば諦めてもらえるか。」よりも、「どうすれば実現できるか。」に知恵を絞っていきたいものです。

17:06 | Posted by kimisanchi