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【言葉が無くても】  きみさんち 尾籐

2017年01月31日 | きみさんち

言の葉「ことのは」には大きな力があります。
でも、決して万能ではありません。
力が大き過ぎて、時として人を深く傷つけてしまいます。
人は生まれ、いつかは障害状態となり、生命を終えます。
生まれながら重い障害を持つ人の中には、生涯、言葉を発しない人もいるかもしれません。
どっこいしょ初投稿の記事では、きみさんちのお仕事を通して私が学んだ大切なこと。

~言葉がなくても「ひと」と「ひと」は繋がれる~

私は、介護のお仕事は全く未経験で、この6月から「きみさんち」のお仕事を始めました。
きみさんちでお仕事をしたいと思ったきっかけは、誰もが障害状態(認知症を含む)になっても、住み慣れた場所で安心して暮らしていけることを大切にしている事業所だと思ったからです。

私は子どもの頃から人付き合いが不器用で、人と打ち解けるのに時間がかかる人でした。
何か面白いことを言わなければと考え過ぎて緊張してしまったり、物事のタイミングが掴めなかったり。

きみさんちの他の女性職員は、機転が利く上に話題が豊富、合いの手もお茶の子さいさい。
私はご入居者様が唄われている歌が演歌なのか歌謡曲なのかも全くわからず、ただでさえ話し下手な上に、共通の話題すらありません。
はじめは職場でお話をするのが苦痛でどうしようもなく、私にこのお仕事は無理かもしれないと感じることが少なくありませんでした。
私がこのお仕事を楽しいと感じるようになったきっかけがありました。

入居者の方と一対一になったときの出来事です。
「あなたは本当に不器用な人ねぇ。あなたみたいな人は、ここでのんびり働くのがいいのよ」と言われたんです。
私が全く未経験の職種で、必死でがんばってコミュニケーションを取ろうとしている様子を見ていて、全然うまくやれてないけど、「ああ、この子がんばってるな。そんな無理しなくてもいいのに」って思ってくださったんでしょうね。
それがきっかけで、無理に話そうとするのをやめました。
頑張って話すんじゃなくて、自分が逆の立場だったらどうして欲しいか。
それを考えることにしたんです。

私は家では静かにのんびり過ごしたいなぁとか。
そっとしておいてほしい。
けど、ちょっと困っているときは、さりげなく、手を差し伸べてくれたらうれしいなぁ。とか。
後は、五感に気持ちがいいことが好きとか。

自分がしてほしいこと。
アロママッサージなどを勤務の隙間時間に毎回やっていたら、入居者さんが私のことしっかりと覚えてくれるようになりました。

今はテレビのニュースを見て、談笑したり、外出の途中で、昔のお話を色々と聞かせてくれたり、しっかりとコミュニケーションが取れるようになってきました。

私は、話下手なので自分からは殆ど話しかけません。
ただ、自分がして欲しいこと、自分の五感が喜ぶことを入居者さんにし続けただけですが、コミュニケーションが取れるようになりました。

不思議で、不思議で。
面白くて・・・。
このお仕事にどんどんはまってきています。

08:39 | Posted by kimisanchi