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【きみさんちで2度目の夏を迎えることができました】 志寒

2010年11月22日 | きみさんち

先日、長野の安曇野に行ってきました。
美しい信州の景色と、北アルプス山麓の凛とした空気を存分に味わってまいりました。
安曇野には大王わさび農場という広大なわさび畑があり、実はこの旅、それが大きな目的の一つでした。このわさび農場には地域を救おうとした英雄とも、人々を害した鬼とも言われる八面大王の伝説があり、それ自体もとても興味深いものなのですが、ここを一躍有名にしたものに、黒澤明監督の「夢」という映画があります。
「夢」は夏目漱石の「夢十夜」になぞらえた不思議な映像美の短編集で、その中の「水車のある村」という物語がこのわさび農場を舞台にしています。
どこか時が止まったような美しい村。そこで旅人が一人のお年寄りと出会う。このお年寄りに名優、笠智衆さんが味わい深い演技をなさっています。旅人はその103歳になったというお年寄りとの触れ合いの中、インパクト抜群のとある出来事に遭遇するのですが・・・。それは見てのお楽しみとして、笠さんの台詞の一つがとても心に残りました。
「もう生きるのをやめてもいい歳だが・・・あんた、生きるのは苦しいとか何とか言うけれど、それは人間の気取りでね。正直、生きているのはいいもんだよ。とても面白い。」
去る9月30日からの3日間、国際福祉機器展が東京ビッグサイトで開催されました。
食べやすく簡単で美味しいレトルト介護食から障がいがあっても使いやすい調理・食事器具、おしゃれなシルバーカーから最先端技術を活用した福祉車両まで、世界の福祉機器を一堂に集めた国際展示会です。
この展示会は参加無料・自由で、利用を考えている一般の方から各種メーカー、私たちのような福祉職まで一同に集まり、会場は大賑わいでした。
さまざまな福祉機器はもちろん興味深いのですが、「人が一人生きていく」そのためにこれだけ多種多様、大勢の人間がかかわっているのかと思うと、非常に感慨深いものを感じ、圧倒されました。
「正直、生きているのはいいもんだよ。とても面白い。」
その面白い"生命"を支えるため、この福祉機器展の光景のように、知恵やエネルギーが集まっていく、絶えず注ぎ込んでいく世の中であらねばと思いを新たにしました。

23:29 | Posted by admin