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【心をこめた贈り物】  きみさんち 志寒

2021年12月31日 | きみさんち

緊急事態宣言の間、外出されない入居者さんをご近所の皆さんが気に掛けて下さり、このところ果物や野菜などを頂くことが幾度かありました。まことにありがとうございます。
先日、国産のキウィを『よく熟れてから食べてください』と頂きました。食器棚に置いて熟すのを待っていたのです
が、Aさんがそのキウィを見つけて持ってきました。慣れた手つきでスルスルと皮を剥くと、一切れ食べて「まだ酸っぱいわね」と。そして、残りの分をBさんに「これ良かったら。まだ酸っぱいんだけどね」と渡されました。その手渡されたキウィを一口食べて、Bさんも「酸っぱいねぇ」と笑顔。
しばらくして、再びAさんがキウィを持ってきました。先ほどのことは忘れたのでしょう。また皮を剥き「酸っぱいね」と。そして再びBさんに残りを手渡そうとしたところ、Bさんは先ほどの事を覚えておられたのでしょう。「まだあるから!」と皿に残るキウィを指し示しました。それでもAさんは「遠慮しないで」と皿に追加。
このように物を交換したり、やり取りしたりするのは、人類の本質的な行為であると聞いたことがあります。Aさんとて空腹であるといったわけではなく、自分の見つけた収穫を分かち合いたいという気持ちなのだと思います。とても心和むやりとりです。キウィが極めて酸っぱいのをのぞけば。
そう思いながら眺めていると、なんとAさんがまたキウィを剥いています。しかも今度は二つ同時に。それを見てBさんが目を見開いています。そしてAさんが皮を剥き終わりBさんの方を見るや否や、Bさんはなんと「あ!あのお兄さんにもあげましょうよ!」と私の方を指し示しました。今度は私がピンチです。するとAさん、ナイスプレイ!「たくさんあったのよ、あの人の分もあるから、まずはあなたから」とBさんの皿に再び追加しました。
その隙に私はこっそり残りのキウィを隠します。「甘い紅茶でもいかがですか?」とお口直しをおすすめしながら。ごゆるりとお楽しみ下さい。

10:49 | Posted by kimisanchi