昨年度末の2月の下旬に右足の靭帯損傷してしまい、のんびり家の入居者、職員に迷惑をかけてしまいました。
現在では、完治とまではいきませんが歩くのには支障はない程度になりました。怪我直後は、松葉杖を使用していたこともあり、様々なことを考えるきっかけとなりました。
とにかくあらゆる日常生活、動作に時間を要するということです。外出するまでの支度から移動まで回り道ばかりです。エレベーターの場所を確認したり、階段の昇降にも通常の倍くらいの時間がかかりました。どれだけ今までの自分がスムーズに「意思決定」をしてきたのか改めて実感することができました。そして、今まで考え続けていることの確認をすることもできました。
最近ではのんびり家の入居者のTさんYさんがお昼の時間を気にする、または気づくことが増えてきました。居間の椅子に腰かけているとTさんとYさんが「あら、もうこんな時間、時間が経つのは早いですね。」と話が始まり「もうお昼ですね。何か買いに行きましょうか。」と会話が進んでいました。そこから重い腰を上げ、支度に入りました。
それぞれお手洗いを済ませ、それぞれのお部屋に向かい支度を進めます。そこで問題が生じました。「買い物に行こうと思ったけどお金がないのよ。」と。
そこまでの様子を何気なく見ていた職員が「のんびり家の食費のお金があるのでどうぞ。」とお財布と携帯電話を預けます。そうすると苦笑いしながら「恥ずかしいけど、貸しておいてね。」と2人で買い物に出かけられました。
最初にお昼と気づいた頃からは既に30分以上が経過していました。職員が2人に気付かれないように動向を確認していると、のんびり家から本郷通りに出るとすぐパン屋さんがあります。2人で左右を確認し悩みながらも相談しパン屋に入っていきました。店内でも相談を重ね最終的には同じものを購入されたようです。帰りものんびり家から近いこともあり迷わずにのんびり家に帰ってきました。そして、他の入居者から「あなた、それどうしたの。」と聞かれ「今自分で買ってきたのよ。あなたも行って来たら。」と返す2人でした。
時間をかけてでも自分たちで物事を解決しようとする姿が逞しく見え、日頃から自分たちが行っている支援の在り方を考えます。日々の日常生活において色々な面で時間が作用することが多いですが、入居者の日々の生活を間近で感じると時間とともに大切なものがあるのだと改めて感じることが出来ます。その瞬間で様々なことが起こり対応に苦慮することもありますが「有する能力に応じた自立」を考え続けていくこと、常に疑問を持ち続けて入居者との時間を大切にしていきたいと思います。