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【先生・・・・とは】  のんびり家2F 石井

2023年05月31日 | のんびり家::のんびり家 2F

かなりのお久しぶりになってしまいました、のんびり家2階の石井です。今回はたまに入居者の方から聞いたことがある言葉について少し立ち止まって考えたいと思います。
皆さんは「先生」と聞くと誰をイメージするでしょうか。大体は、病院の医師や学校の教師を連想するのではないでしょうか。または、何かの熟練した技の持ち主といったところでしょうか。そのため、実際に「先生」と呼ばれることは中々ないことのように思います。しかし、時折入居者の方から「先生」と呼ばれることがあります。
それには幾つか原因があります。入居者の方は基本的には認知症の方々のため、中々職員の名前と顔が一致しないことがあります。しかし、困ったときに職員に何かを訴える際に「先生」という言葉はとても使い勝手の良い単語なのだと思います。もちろん、入居者の方々は私たち職員が本当の「先生」ではないことくらい理解されています。しかし、その職員の名前を覚えていないことが失礼にあたるのではないか、などの心理が働くのではないでしょうか。そこで使い勝手の良い「先生」の出番になるのです。相手のことを傷つけない、相手に嫌な気持ちを持たせないような配慮、親近感のあるような距離感で、その場面での「先生」とは意味合いが多岐に及ぶものだなと感じます。もちろん良 い意味合いばかりではないでしょう。私たち職員は当然ながら「先生」ではありません。しかし、「先生」という言葉にはその場面、その一瞬で様々な意味合い や深い心理が隠されているのかもしれませんね。

15:06 | Posted by kimisanchi

【生活の再考とは・・・・】 のんびりの家2F 石井

2022年03月31日 | のんびり家::のんびり家 2F

コロナ禍もずいぶん長い時間となりました。季節は移り変わり多くの時間が費やされ、他方では多くの時間が失われてきたのであろうと思います。人々はマスク着用が義務になり(現在では多くの国や地域が解除していることもありますが・・)、人と人との距離が広がり、互いの心の距離も感じるような場面も増えてきているようにも感じます。
現在、職員は通勤含め、仕事中(のんびり家の内外でも)必ずマスクを着用しています。その姿を見て、度々女性の入居者の方は「あなたマスクなんておかしいわよ。」と言われることもしばしばです。理由を説明し、その時点では納得されても、時間が経過してしまえば再度同じことを言われてしまいます。マスク姿では、職員の表情も乏しく私のような滑舌の悪い職員の声はスムーズに伝わりません。その他で常行ってきたような当たり前のことが改めて現状では難しいなと感じます。買い物は空いている時間帯で短時間
で少人数で実施すること、または職員が代行することとしていますが、職員側の都合での生活のリズムになってしまうのではと当初やや悲観していましたが、ここまでコロナというものが身近に根づい
てくると、現状を前提とした上での「生活」というものを考えることが必要になってきます。今までの固定概念も一旦白紙にしてしまうような思い切った、ちょっとした工夫が生活に変化を与えてくれるのではないかとも考えます。

09:06 | Posted by kimisanchi

【審判の日近し】  のんびり家2F 荒野

2022年01月31日 | のんびり家::のんびり家 2F

2022年1月現在、短かったコロナの沈静化期間も終わりをつげ、オミクロン株の猛威で連日ねずみ算式に感染者の数が増加しております。最早、コロナと人類は未来永劫に共生していくしかないのではないかと最近思い始めました。
さて、前回の記事では確か介護福祉士の国家試験受験の事について書いたかと思います。
そして、いよいよ審判の日が近づいて参りました。決戦は1月30日です。今年の受験会場は有明のビックサイトだそうです。きっと密にならないように大きな会場を用意したんでしょうね。個人的には朝も早くに有明までいくのは正直しんどいです。例年であれば近くの大学などが会場だったようですが、この社会情勢では嘆いても詮無いことです。
 2021年の11月に全国統一模擬試験というのがありまして、本番さながらの環境で国家試験の前哨戦とばかりに受けてきたのですが、正答率77%で一応合格判定でした。本番の合格ラインは正答率65%以上、77%では絶対安心というには心許なく、これはまずいと危機感を募らせるほどでもなく微妙な数字です。そんなこんなでどこか慢心したのでしょう、気づけばもう1月。さすがにこれはまずいとお正月休みに再び机に向かい始めました。
 ただ、国家試験とは別に、ある程度キャリアを積んだ介護職員が次のステップに進むための「実践者研修」というものを受講しておりまして、これが間の悪い事に12月~2月に行われています。こちらの勉強も同時進行でやらないといけなかったので、4日間のお正月休みは休む事なく、勉強に缶詰で終わってしまいました。
 勤務に試験勉強に研修にと間違いなく入職して一番忙しい時期ではありますが、3月に晴れて桜が咲いたと皆さんにご報告出来るよう頑張ります!

11:17 | Posted by kimisanchi

【最近のみなさん】  のんびり家2F 池田

2021年12月31日 | のんびり家::のんびり家 2F

最近急に寒くなってきました。寒くて中々布団から出て来られません。皆さんはどんな朝をお少しですか?
最近入って来た入居者さんは、はっきりとものを言うお方です。Ⅿさんはテレビを観ていても分からないことに対しても口で分からないや、猫が出て来るとかわいい好きなんだ、と言ってきています。それとかなり活発なお方で直ぐに立ち上がり歩かれるほどです。
今月、何と103歳になるKさん。100歳越えと間思えない程歩いたりご飯を食べたりとしています。最近は良く感情を表に出して怒る事もあります。今まではあまり感情を表に出さないような感じでしたが、いい傾向になればいいのですが。
そんなこんなで、のんびり家は皆さん楽しく過ごしていると思います。皆さんも体などに気をつけて過ごしてください。

10:50 | Posted by kimisanchi

【Mさんとの新たな出会い】  のんびり家2F 飛鳥井

2021年11月30日 | のんびり家::のんびり家 2F

みなさん、こんにちは。のんびり家2階の飛鳥井です。
緊急事態宣言も解除になり、新型コロナの感染者数もかなり減少していますが、第六波の懸念もあり、まだまだ安心は出来ないですね。
それでも、のんびり家2階では少しずつではありますが、タクシーを利用して少し遠出をして美味しいものを食べることも再開しています。
今回は、新しい入居者のMさんについて書かせて頂きます。
Mさんは、8月の下旬にのんびり家2階にご入居されました。Mさんは85歳の女性で、要介護3の方ですが、歩行も掴まり歩きをされ、食事はご自身で食べることが出来ますし、排泄も部分的な支援は必要ですがほぼ自立されています。
Mさんのご入居が決まった際に、林田代表から「話をしたら、たじたじになった」と聞いていたので、「林田さんがたじたじになるなんて、一体どんな方なんだろう?」と興味が湧きました。
実際にMさんと話をしていると、今までニコニコしながら穏やかに話をしていたと思いきや、一転表情が険しくなり、「あんた、そんなことも知らないの?馬鹿じゃないの?」と言われることもあります。「ここはどこ?」と聞いてきたため「ここはのんびり家です」と答えると、「のんびり家?変な名前だねー。誰がつけたの?辞めちゃえばいいのに」と言われたり。「すみません、社長に言っておきます」と苦笑です。
医療機関に通院した際にも、「ここは何?汚いね。辞めちゃえばいいのに」と待合室中に聞こえる声で話したり。私は心の中で、「Mさん、それ以上言うと営業妨害と言われるかもしれないです。」と苦笑です。
Mさんと過ごす中で、Mさんは思ったことをそのまま口にする、とてもストレートな方なのだと言うことが分かって来ました。認知症と言う状態にはありますが、それを差し引いても、元々とてもストレート、直球勝負の方なのだと思います。それ故、言葉に出してしまえばスッキリ、後腐れなしと言った感じです。Mさんは、職員にも、他の入居者の方にも時に辛辣な言葉を投げかけるので、職員はまだしも、やはり入居者の方は「カチン」と来る場合もあり、言い返して口論になることもあります。
物事の好き嫌いもはっきりされています。Mさんは、猫や犬が大好き。とりわけ猫が大好きで、以前に飼っていたことがあると楽しそうに話して下さいます。テレビに犬や猫が映し出されると、「見て、かわいいねー」と表情が緩みます。そのようなMさんは、とてもチャーミングです。
Mさんと外出をして、帰宅した時のこと。のんびり家は、玄関ドアにやや大きめの表札を掲げているのですが、それを見ながら「びっくりや?」と言ったMさん。私は心の中で、「びとりとやは合ってますけど」と思わず笑ってしまいました。
また、昼食を買いにコンビニエンスストアに行き、買ったお弁当を温めて貰った時のこと。店員さんが「熱いので、気を付けてお持ちになってください」と送り出してくれましたので、外に出て信号待ちをしながら私が「親切な店員さんですね」と言うと、「違うよ、あれは営業用だよ」と答えたMさん。うーん、Mさんは何でもお見通しなんですねー、いやはや。
Mさんは、以前に幼稚園の教諭をされていたとのことです。お話をしていると、その片鱗が伺えるように思います。
Mさんは外での歩行が若干不安定で、ご自身も「脚が痛い。お尻が痛いよ」と言いながらも、頑張って歩いて近くのコンビニエンスストアなどに買い物に出掛けています。Mさんとの買い物中、様々な話をしますが、とても楽しく、時には笑いながら涙が出てしまう程です。この紙面でMさんの面白さを充分にお伝え出来ないことが残念ですが。これからも、Mさんとの楽しい珍道中を続けて行きたいと思います。

09:03 | Posted by kimisanchi

【ブームに乗って】  のんびり家2F 佐藤

2021年10月31日 | のんびり家::のんびり家 2F

昨年辺りから、世の中を賑わせている「鬼滅の刃」。主人公が鬼になってしまった妹を人間に戻す為、鬼と戦いながらその方法を探し続けるという物語ですが、この度アニメの続編が始まり、再び鬼滅ブームの私です。
元々あまのじゃくな性分なもので、子供がコミックスを集めているのを見て、「そんなにおもしろいの?」と斜めから見ていたのですが、昨年偶々見たアニメがきっかけで、子ども以上にはまっています。
鬼と戦い、いつ命を落とすか分からない状況の中、心が折れそうなときも必ず立ち上がり、決して諦めない主人公達。
今、長引くコロナ禍で何となく不安で不自由な生活をしていますが、もう、鬼滅の刃の世界と比べたら。比べたら、何て平和で恵まれているのかと思わずにはいられません。
私も彼等のように、コロナに負けずひたむきに頑張ろうという気持ちにさせて貰っています。
月並みなファンレターみたいになりましたが…引き続き体調に気を付けて過ごしていきたいと思います。皆様もどうぞご自愛下さい。

12:09 | Posted by kimisanchi

【コロナ禍での支援】  のんびり家2F 石井

2021年10月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

新型コロナウイルスが世界に広がり、もはやマスク生活が日常となっています。のんびり家の職員だけでなく、全事業所の職員も、他の福祉関係者だけでなく全産業関係なく家庭内など1部を除くと、ほぼ全員がマスク生活です。
今まではマスクなど体調不良時以外ほとんどしたことがなかったため、あまり気にしていませんでしたがマスクをして利用者の方々に話し掛けると時折「マスクで何言っているのかわからないよ。」と言われてしまいます。自分自身の滑舌の悪さにマスクを着用していることで一種の「どもり」が生じているのです。マスクをつけていなければ、顔の表情などでカバーできる部分もあったかもしれませんが、マスクを着用しなければいけないのでとても注意が必要です。スムーズに会話が成立しないこともあり、時には誤解を与えてしまうことにもなるため、より簡素にわかりやすく、ゆっくりとと意識はするものの上手くいかないことも多いです。
また、外出する際にも近隣のお店は昼の時間帯が混んでしまう為、タイミングを外して行くことが多いのですが、いつもであればその場の勢いや雰囲気も大事なのですが中々そうはいきません。極力空いている時間帯に、少ない人数での買い物になるためちょっと不自然な流れになっていることもあるのではないかと感じます。
振り返ると、以前は宿泊旅行など事業所単位で実施していましたが、今後も中々予定はたてられません。専門家の間でもまだ数年はマスク着用の必要性があるようです。いつの日か当たり前の生活、支援が出来ることを願いつつも今の現状の小さな積み重ねをしていくことで新しい発見もあると思いながら日々支援していきたいものです。

06:22 | Posted by kimisanchi

【常識にとらわれない発想力】  のんびり家2F 荒野

2021年09月23日 | のんびり家::のんびり家 2F

今回は目を開かされる出来事があったのでお伝えしようと思います。
まずこちらの写真をご覧ください。
ファイル 575-1.jpegこれが何かといいますと、当時ご入居されて間もないSさんがそろそろ家に帰らないといけないと、衣類をまとめて帰り仕度した物になります。
この衣類が詰め込まれた一見何かの袋にも見えるものですが、皆さんは何だと思われますか?正解はこちらです。
ファイル 575-2.pngそうです、正解は服薬カレンダーでした。
Sさんは沢山の衣装持ちで、紙袋4つに衣類を詰めこんでもまだ袋が足りませんでした。そこで何とか衣類を詰め込めるものがないかと考えを巡らせたのでしょう、その結果が服薬カレンダーというわけです。まさに驚きの発想力です。
我々は普段常識や固定概念にとらわれて通り一辺倒の発想しかできない事がしばしばあります。しかし認知症の方は目の前の物事を見たままに認識し捉える事で、我々よりもはるかに自由な発想で解決策を見出す事が出来るという一例です。
なるほど、中を開いて物が詰め込めるなら服薬カレンダーだって立派な袋ですね。
おみそれしましたSさん。

09:38 | Posted by kimisanchi

【印象的な出来事】  のんびり家2F 池田

2021年08月30日 | のんびり家::のんびり家 2F

最近とても暑くなってきました。水分補給や室温に気をつけて行かないとすぐに熱中症になってしまいそうな陽気が続いています。
最近の出来事で印象的だったのはいくつかあります。その中からお話をして行きたいと思います。
まずはKさんです。今まで家に帰りたいと言わないKさんが進んで家に帰りたいと動くことがあります。急に思い立ったのか、雨が降っていると言っても、いいよと言ってとにかく帰ろうと試行錯誤をしていました。階段から降りようとしたりエレベーターに乗ろうとエレベーター前の車椅子を自分でどかそうとしたりとしていました。
次にGさんです。誕生日会を行いましたが、本当の誕生日は過ぎてしまったのですが、ご本人と相談をして何とか行うことが出来ました。豪華な食事はご本人もとても驚いていましたし、プレゼントも気に入って頂けたようでした。
以上、印象的な事を書かせて頂きました。皆さんも水分補給や室温などに気をつけて、熱中症などにならない様にして行きましょう。

22:19 | Posted by kimisanchi

【Yさんとの想い出】  のんびり家2F 飛鳥井

2021年08月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

みなさん、こんにちは。のんびり家2階の飛鳥井です。
前号で石井さんもYさんについて書いていましたが、今回私もYさんについて書かせて頂きます。
2021年3月16日、のんびり家2階のYさんがご逝去されました。享年97歳でした。
2010年ののんびり家開設以来、共に時間を過ごして来たYさんがお亡くなりになりましたが、未だ実感が湧きません。そのうち、ひょっこりと現れそうな気がしてなりません。
当日、私は勤務でしたが、20時30分頃Yさんのお看取りをしました。ご家族のご意向で、「最期は自然のままに」という事で延命治療はしない方向で支援をしていました。
数日前から身体状況に変化があり、水分も殆ど摂れなくなっていました。
私たち職員に出来ることは、Yさんの体位交換をして少しでもお身体への負担を減らすこと。また、口腔ケアをすること位に限られていました。次第に呼吸が口呼吸になり、苦しそうな表情になっても、じっと見守ることしか出来ません。Yさんのお顔を見ながら、ご入居以来本当に色々なことがあったなぁと想い出していました。ご入居当時は認識力も高く、とても理路整然とされていて、理屈が通らないことにはご自身の意思を曲げない方でした。4点杖を持ちながらもご自身の足でしっかり歩かれていましたが、ここ数年は車椅子の生活になり、また食事や入浴、排泄など生活全般で介助が必要になりました。Yさんと日帰りや宿泊旅行に出掛けたことも想い出の一つです。また、担当者として誕生日企画を立ててYさんの地元(日本橋)に出掛けたことも楽しい想い出の一つです。日常生活の中でも、Yさんからは本当に沢山のことを教えて頂きました。
Yさんがお亡くなりになったことはとても残念で寂しい限りですし、ある意味家族以上に長い時間を過ごしたので、心にぽっかり穴が開いた様な気持ちですが、のんびり家でお看取りをすることが出来て良かったと思います。Yさんには、身を持って人生の幕を閉じる瞬間までのお姿を見せて頂き、「人が生きて最期を迎える」姿勢を学ばせて頂いたように思います。Yさんがお亡くなりになったことが分かった瞬間、「Yさん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。」と思わず口に出していました。最後の数日間は相当苦しかったに違いないと想像しますが、最期はとても穏やかな表情をされていました。
本当に色々なことがありましたが、Yさんと出会うことが出来て良かったと思います。認知症という症状がなければ、出会うことはなかったかもしれないと思うと、何か不思議なご縁を感じずにはいられません。
Yさんで一番印象に残っていることは、ご主人との仲睦まじい姿です。ご主人が来訪された際には、いつもYさんのお好きなものを持参され、お部屋で仲良く召し上がっていました。生まれ変わっても、ご主人と一緒になると仰っていたYさん。今頃は、天国でご主人と再会し、仲良く過ごされていると思います。新型コロナの影響もあり、Yさんと最期のお別れをすることが出来ませんでしたが、コロナが落ち着いたら墓前に伺いたいと思います。
Yさんから学ばせて頂いたことを忘れずに、またYさんから「あなた、しっかりしなさいよ」と言われない様に、これからも支援を続けて行きたいと思います。
最後になりましたが、Yさんのご冥福を心よりお祈り致します。

08:32 | Posted by kimisanchi

【アテンション プリーズ?】  のんびり家2F 佐藤

2021年06月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

ファイル 559-1.jpeg誰が言い始めたのか、のんびり家2階では入浴介助の時、入浴にかけて「ニューヨークへどうぞ」とお誘いする事があります。
先日、男性のKさんの入浴介助をしたときの事。Kさんは体の片側がやや不自由な為、杖を使ってゆっくりと歩く方です。その日は前日に長時間の通院があった為、少しお疲れの様子でした。
最初に声を掛けたときは「入る」と言っていたものの、なかなか腰が重い様子。今日は入らないのかなと思いながらも、咄嗟に「当機はまもなくニューヨークへ出発しますので、お急ぎ下さ~い!キャビンアテンダントは佐藤で~す」と言ってみたところ、「クックッ」と笑いながらゆっくりと腰を上げてくれました。
その後、ちょっと味をしめた私は、湯船から出た後シャワーチェアまでの数歩がなかなか重いKさんに、「まもなくニューヨークから東京へ出発しますので、こちらにお掛け下さい、お客様~!」と言ってみたり。
シャワーチェアから脱衣所に準備していた椅子までの足取りもなかなか重い時には、「羽田から文京区役所のヘリポート…文京区はありますよね、ヘリポート!ヘリポートまであと少しです!ヘリコプターです!お客様~!と言うより、機長?機長、あと少し!」と言ってみたり。
Kさんも笑いのツボにはまってしまったようで、終始ケタケタと笑いながら茶番につき合ってくれました。
ちょっとおふざけが過ぎたかな…と思いながら、入浴後脱衣所からリビングルームまでゆっくりと歩いているKさんを近くで見守っていると、椅子に腰掛けたKさんが、こちらにすっと手を差し伸べてくれました。私も手を差し出し、がっちりと握手を交わしました。
Kさんは普段からとても紳士的で女性に優しく(女性が大好き?笑)、私もKさんと冗談を交わす間柄でした。ケアする側とされる側という垣根を越えて、人と人として通じ合い、自分がいる事で入居者の皆さんの日常が少しでも彩り豊かになった時。そういう瞬間って、堪りません。
Kさん、こちらこそありがとう。私の方こそ、自分で言っておいて、お腹がよじれる程笑ってしまいました。またいつでも、ニューヨークにお連れしますからね!

17:21 | Posted by kimisanchi

【死と向きあう】  のんびり家2F 荒野

2021年04月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

この仕事をしていく上でどうしても避けられないものがあります。それは入居者さんとのお別れです。私がのんびり家に入職して約2年半、この間に5人の方々とお別れをしました。一人目の方は、インフルエンザで入院し入院先の病院で心不全でお亡くなりになりました。二人目の方は、経管栄養での誤嚥が続き、IVH(太い血管から直接栄養点滴を行う医療行為)に切り替えた結果、のんびり家を退去され病院へと移られました。3人目の方はある朝突然、急性心不全でお亡くなりになりました。4人目の方は経口摂取が出来なくなり入院されていましたが、ご年齢的に治療が難しくのんびり家に戻られ数日後に亡くなられました。そしてこの記事を書いている数日前に5人目の方が老衰のためお亡くなりになりました。
 それぞれに理由は違いますが、いつも同じことを思います。果たして自分のケアは入居者さんにとって最善のものが出来ていただろうかと。もちろん、日々の支援は考えながら行っていますし、今こうして振り返ってみても他に何が出来たかと言われても浮かんできません。ただどうしても言われえぬ不安感や空虚感があるのです。おそらく入居者さんとの別れに対して気持ちの整理が出来ていないのだと思います。日常の多くを入居者さんと共に過ごし関係性を築いてきたので、仕事をするうえで避けられないとは分かっていてもそう簡単に割り切れるものではありません。
以前、介護関係のコラムを読んでいて「その人に対して何が出来たか」で振り返るのではなく、「何を遺してもらったのか」という捉え方をするというのを目にした覚えがあります。 なるほど、あらためてそう考えてみるとお一人お一人との思い出と共に教えてもらった事、気づかされたこと、遺されたものが浮かんできます。皆さんと過ごした日々が介護職としての今の自分の血肉となっている事を実感できます。そう思うと感謝の念がわき別れの辛さも少し和らぐような気持ちです。ただやっぱり本音はちょっと寂しいです。

17:24 | Posted by kimisanchi

【全員揃う事を願います】  のんびり家2F 池田

2021年03月30日 | のんびり家::のんびり家 2F

 3月に入り2月までの寒さが嘘のような日があり、寒い日と暑い日が混ざっているような月になりそうです。
 最近は新しく入って来た入院も居ます名前をSさんです、とてもお元気なお方で外にもよく出てはいろんなところを歩いたり、時にはタクシーを使い遠くに行ってしまう事もあります、とてもお元気なお方です。
 入院から帰ってきた入居者も居れば入院をしてしまった入居者も居ました、最初にYさんは2月に2週間入院していた、心配をしていましたが帰って来た時は安心をしましたが今までのYさんと違い大分身体能力が弱まっていましたが戻ってこれて良かったと思いました、次にGさんは1度12月から1月まで入院をしていたのですが帰ってこられたときはとてもうれしかったです、比較的にお元気で帰ってこられてきてお過ごしになっておられたもですが、2月に再度入院をしてしまいました、戻ってきてそんなに日付が経っていないのにとても残念です早く回復をして戻ってくることを思っています。
 1度は8人全員そろっていたのですがまた減ってしまいさみしいのです、早く帰ってこられることを願っています。

17:21 | Posted by kimisanchi

【出会い】  のんびり家2F 飛鳥井

2021年03月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

皆さん、こんにちは。のんびり家2階の飛鳥井です。
昨年の春以降、新型コロナウイルスはまだ終息しそうにありませんね。
生活する上で、様々な制限があり、知らず知らずのうちにストレスも溜まってくると思いますが、上手にコロナと付き合いながら、ストレス発散もしましょう。因みに、私のストレス発散方法は、大好きな甘いものを食べる事です。
お陰で、体重が増えてしまいました。(笑い)
今回は、ある方との「出会い」について書いてみたいと思います。
先日、仕事を終えて帰宅途中での出来事です。あるマンションの前を通りかかると、マンション前の階段に座っていた高齢者の方(女性、70代から80代)と目が合い、「交番はどこかしら?」と声を掛けられました。「ごめんなさい、私はこの辺に住んでいる訳ではないので、交番の場所を知らなくて。」と答えました。話はそこで終わらず、「そう、困ったわね。」と言いながらその方が話を始めたので、耳を傾けることにしました。
実は、その方とは面識はないのですが、そのマンション前に時々座っていて、私が通りかかった際「行ってらっしゃい。気を付けて」などと声を掛けられたことがあり、私も「はい、行ってきます」と返事をしたことがありました。
また、一度遅い時間に(夜の9時過ぎ)マンション近くをお巡りさんと一緒に歩いている姿を見かけたこともあり、「もしかしたら一人で出掛けて、迷子になったのかな?」と思っていました。仕事柄、「もしかしたら認知症の方かもしれないな。」と思っていたのですが、今回話をしてみて、同じ話を繰り返していたこともあり、認知症であることを確信しました。話の内容ですが、ご主人とは
証券会社で職場結婚したこと。仕事柄海外への赴任が多くて、ご主人が単身赴任していたこと。病気になり、ご主人が40代でお亡くなりになり、それからはお一人であること等々。初めて会うに等しい私に身の上話をしてくれました。
立ち話で15分程度であったと思いますが、この日は風が強く、夜間で寒かったこともあり、そのまま立ち去る訳にも行かず、一通り話を聞いた後で、それとなく「どうしますか?お巡りさんを呼びましょうか?」と聞いてみました。
ご本人は、「ここのマンションに住んでるのよ。」と言っていましたが、オートロックで入れないかも知れないと考え、ご本人の了承を得て通報し、保護をお願いしました。
間もなくお巡りさんが現れ、その方に向かって「また出てきちゃったんだね。」と声を掛けたところを見ると、やはり今までにも保護されていた様子です。もう一人お巡りさんが現れ、「寒いから、入ろうか」と促してマンションに入って行きました。その際、その方が「遊びにおいでね。風邪ひかない様にね。」と言ってくれたので、「はい、おやすみなさい。お互いに風邪ひかない様にしましょう。」と返事をして、マンションに入っていくのを見届けて、私も帰途につきました。帰りの電車の中で、「マンションにお一人で住んでいるのかな?ご家族がいれば、心配して迎えに来るはずだけど?」などあれこれ考えてしまいました。
将来、認知症の高齢者が増加すると言われています。その際には、専門職である私たちだけではなく、やはり地域の住民の協力がより必要になると思わされ
た出来事でした。この日以降、そのマンションの前を通る度に、その方が座っているかな?と楽しみに思うようになりました。小さな出会いを大切にしたいと思います。

17:00 | Posted by kimisanchi

【コロナ禍に思う事】  のんびり家2F 佐藤

2021年02月25日 | のんびり家::のんびり家 2F

ファイル 539-1.jpeg

$file1何回か前のどっこいしょの記事に今のスマホを7年使っていると書きましたが、今年の春ついに買い換え、とても快適な通信環境になりました。その為、気づいたらいつもスマホを見てばかり。
これはちょっとまずい、本を読もうと思いながらも中々ピンとくる本との出会いがなく、暫くして書店で目に留まったのが、その時の記事にも書いた鴻上尚史氏の本でした。
佐藤直樹氏との共著で、タイトルは「同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか」。
著者は、元々日本にあった「同調圧力」が、新型コロナによってはっきりとしたかたちに、それも凶暴で陰湿なかたちになって現れてきたと感じているようです。
数人の小さなグループや集団のレベルで、職場や学校、PTAや近所の公園での人間関係等、その時の多数派や主流派の集団の「空気」に従えという命令が「同調圧力」で、日本は世界で突出して高い国との事。
「同調圧力」を生む根本に「世間」と呼ばれる日本特有のシステムがあり、「所与性」(変わらないこと・現状を肯定すること)を求める「世間」に、苦しむ事がある。その為に「世間」の正体を知ることが大切な一歩だという事です。
ただ、日本に「世間」はこの先もずっと残ると両者は考えており、「世間」の風通しを良くする為に「社会」を見つける。強い「世間」ではなく「弱い」世間に複数所属して自分を支えたり、「社会」と気軽に繋がって自分を支えたりして、方法を見つける事。要は、自分をたった一つの強力な「世間」で支えようとしないという事が肝心のようです。
私自身は、マイペースであまのじゃくなところがあるので、そういった事はあまり感じず、むしろ抗って過ごしてきたような気がしますが、世の人がいかに空気を読み、読み過ぎるが故に息苦しくなっている理由が良く解りました。また、自分で気が付いていないだけで、よく考えもせず空気を読んで行動している事が多くあったかもしれません。
現在の自粛や感染対策は、自身や周囲の人が新型コロナウイルスに感染しない為のものだったのに、いつの間にか世間のルールを守り白い目で見られない為、保身の為のものに変わっていっているような気がしていました。
でも、本質は、自身や周囲の人、社会の人が感染しないように、仮に感染してもすぐに対処して拡大させないようにする事。特に私達の場合、高齢の入居者の皆さんに感染させないことが一番重要です。
厳しい日々が続きますが、入居者の皆さんと「コロナが落ち着いたら、温泉でも行きたいね」と話しながら、その日まで皆が健康に過ごせるようにしたいと思っています。

08:33 | Posted by kimisanchi