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【雪の降る町に】 志寒

2014年04月01日 | きみさんち

梅も盛りでずいぶん暖かくなってきましたが、今年の大雪には驚きました。
関東には2度大雪がありましたが、いずれの日も夜勤となり、スタッフルームの窓の外にしんしんと降り積もっていく粉雪になんとも不思議な気分にさせられました。
私の実家は北陸であり、ある程度の雪は毎年のことなので、雪自体は特に珍しくもないのですが、だからこそ粉雪がかなりの低温の目安になることが自然に身についているので、まさか練馬でこの粉雪が?!という驚きを通り越して、まるで別の土地に来てしまったような、パラレルワールドに迷い込んだような不思議な光景でした。
さて、その雪がひと段落すると当然、雪かきの必要性が出てきます。何年かぶりにスコップをふるいましたが、以前にもそこそこの雪が降って、今はお亡くなりになられた男性のKさんが張り切って雪かきをなさっていたのを思い出して懐かしい気分になりました。
「こりゃシャベルだからやりづれぇんだよ!」「シャベルとスコップの違い、わかるか?」そんなことを私に教えながら、きみさんちの前だけではなく、向かいの神社の付近や周囲の道路まで雪かきをなさっておられました。
私だけではなく、雪国出身の皆さんはよくご存知でしょうが、この雪かきというのは、例えばどこまで雪をかくか、かいた雪をどこに積んでおくかなど、なんとなしにご近所に暗黙のルールがあって、トラブルの元にもなったり、もしくは「あそこは良くわかってる、できるウチだ」などと褒められることもある、ご近所づきあいスキルが試されるものだったりします(大げさですが)。
少し足をがに股に摺りながら歩くクセのあるKさん。愛用のスニーカーはさぞゴム底が磨り減っているだろうに、滑らないかしら?とハラハラしながら、一所懸命、雪をかいてらっしゃるそのKさんに、やはり、雪を広めにかく、昔のご近所づきあいの在りようが体に染み付いておられるのだろうなあなんて思ったりもしました。
そんなノスタルジーをかきたててもくれた大雪。とは言え、自然災害であることには違いありません。雪がかき切れず残ったのは、高齢者のみのお宅の前だったり、古い商店の前だったり。残った雪が災害対応の強さ、弱さのバロメーターにもなるのかなぁとも感じました。
梅は咲き、沈丁花が香り、スギ花粉が飛び、利用者さんの血圧も下がる、ようやくきたうららかな春。新年度、新生活が始める季節。利用者さんにとっても、私たちにとっても、皆さんにとっても、よりよい季節になるよう祈っています。

23:00 | Posted by admin