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【記憶】 のんびり家2F 飛鳥井

2014年08月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

皆さん、こんにちは。どっこいしょ登場も8回目になりました、のんびり家2階の飛鳥井です。
今年の夏は猛暑に加え、ゲリラ豪雨があったりと、各地で甚大な被害が出ているところもあり、被災者の方達の心情は図り知れないですね。1日も早い復興をお祈りしたいと思います。
今回は、Yさんについてお話ししたいと思います。
Yさんは大正12年生まれで、現在91歳。のんびり家が開設した時点からのご入居なので、この夏で丸4年を迎え、5年目になりました。
Yさんの家は、日本で唯一の爪楊枝専門店で、ご主人が会長を、息子さんが社長を勤められています。雑誌やテレビでも紹介されている老舗のお店です。
Yさんのご主人は90代も半ばの年齢ですが、とても矍鑠とされていて、時折お一人でYさんを訪ねてきます。
必ず果物やケーキ、サンドイッチなどの手土産を持参され、Yさんとお二人で仲睦まじく自室でお話をされながら、持参したものを召し上がって帰られます。
お二人の姿を見ていると、とても微笑ましく、長年苦楽を共にされた深いきずなを感じます。私はまだ独身ですが、もし将来結婚したら、Yさんご夫婦のようになりたいなと思っています。
Yさんは才女で、理屈が通らないことに対しては、納得するまで話をする方でしたが、ここ最近は、身体状況にも変化が見られ、また様々な認識力も低下してきています。
ある日の夜間に、トイレ誘導した時のことです。お部屋に戻り、椅子に座りながらジュースを飲んでいたときの会話です。
Yさんの視線の先に貼ってある写真を見ながら、「この写真の方は、どなたですか」と聞くと、「私の母よ」「お母様ですか。お母様のお名前はなんとおっしゃるのですか」と聞くと、ご自身の旧姓とお母様のお名前をきちんと答えてくれました。
実は、以前にも同じような状況で、同じように写真を見ながら質問をしたことがあったのですが、このときにもYさんは同じように答えてくれました。
認知症の方は、新しいことを覚えたり、したりすることが難しくなると言われています。
確かに、Yさんも記憶障害が見られ、ほんの数分前の出来事を忘れてしまったりします。このような症状はありますが、過去の記憶は鮮明に覚えていて、こちらの質問にも的確に答えてくれます。
Yさんと接していると、出来ないこと、解らなくなってしまったことを数えるよりも、例え過去のものであっても、ご自身の中に鮮明に残されている記憶を大切にして生活していくことの方が重要であると実感します。
最後になりましたが、Yさんに「生まれ変わっても、ご主人とまた結婚しますか」と聞くと「するわよ」と即答してくださいました。
良き伴侶やご家族に恵まれているYさん。これからも、のんびり家でお元気に過ごされることを願っています。

08:44 | Posted by admin