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【Tさんの谷中】 お寺のよこ 橋本

2010年08月05日 | お寺のよこ

Tさんと4月の誕生日に行く予定だった谷中の散策。延び延びになっていたのが先日の14日にやっと決行!6月に待ち望んでいた新人職員が入職し、勤務体制に余裕ができて、半日の外出の時間が取れた次第で。
Tさんは台東区谷中で生まれ育ったちゃきちゃきの下町江戸っ子。テレビで谷中の様子が放映されると、いつもご存知の地名や店名などを大きな声で教えてくれます。実は、ここ最近、毎年1回谷中に出掛けている。浅草にも一緒に出掛けたことはありますが、やっぱり谷中の町を歩いている時の方が嬉しそうでした。始終柔らかな笑顔を浮かべ(お寺のよこにいる時とは表情が違う!)、いつも以上にお話をされています。
谷中銀座での買い物。といってもおしゃれな小物などを買うのではなく、昔良く行かれていたスーパーで菓子パンを購入と、極々普通の買い物です。谷中銀座と谷中霊園に行くのは毎回の定番ですが、今回はTさんが住まわれていた所にも行ってみようと思い、「谷中初音町の2丁目」教えてくれた地名が、地図で捜しても見当たらない。近所にあるお寺の名前などをTさんから聞き出して、とりあえずこの辺だろうと当りをつけて行ってみました。
すると街角に旧地名としての谷中初音町の看板を見つけた。結局そこまでで、Tさんの住まわれていた番地までは辿りつけなかったのが残念でした。戦前の旧い街並みが残っているといっても、長年の月日でやはり変わってしまっているだろうし、その場所に行ったとしても、懐かしい思いを喚起できたかどうかはわかりませんが。
その日にTさんが話された「銭湯の前にはね、蕎麦屋となんとか(ゴメンナサイ。忘れてしまった)があるよ」の言葉を聞いた時には、Tさんの頭の中にはその頃の街並みが再現されているのだろうなと思い、「銀杏を拾って、洗って炒って食べた。
いつも拾いにきてたんだよ。臭いけどね」では、一面の黄色い落ち葉が目に浮かんでいるのかなと想像する。
「谷中の墓地の五重塔」も随分昔に確か放火で消失してしまっていますが、Tさんには未だ存在する建物となっているようです。きっと、長い年月を通した谷中の町並みがTさんの頭には保存されているのでしょう。
大切な思い出をまた話して聞かせてください。そして、来年もお元気で誕生日を迎え、また谷中に出掛けましょうね。

10:04 | Posted by admin