随分前のことですが、2月にkさんと誕生日の外出企画で大井競馬場に行ってきました。この企画は以前より先輩職員に「kさんは競馬が好きだから、競馬場に行くといいよ。」とアドバイスがあり、kさんも行きたいとのことで実現しました。
競馬場に着いて、先に昼食にしました。食事を終えて、パドックに馬を見に行くと、食事中はにこやかだったkさんの笑顔がなくなり真剣な表情になりました。当日は、寒かったので室内からの観戦を勧めましたが「外で見ます。」と、寒空の中、パドックとレース場を行き来されています。
パドックでは人ごみをすり抜けて見やすい位置から、お一人で馬を見ています。どの馬が良いか伺うと何番と選ばれて馬券を購入しました。レースまで時間があり、途中でコーヒーを買っていると、kさんが「早くしないと始まっちゃうよ。」と怒っています。初めてkさんの怒っている表情を見て、思わずにやりとしてしまいました。
いよいよレースが始まり、向こう上面から馬がゴールに向かって来る時です、kさんが立ち上がり「行けー。」とばかりに拳を突き上げています。今日はkさんの色々な表情を見せていただき大満足だったのに、僕はこの瞬間にkさんのこの姿が本当は見たかったのだと気付きました。
3レースを見て競馬場を後にしました。馬券は当たりませんでしたが、競馬場を出ると、kさんの表情がまたにこやかに戻りました。
この企画の後日ころより、僕の勝手な思い込みかもしれませんが、kさんの表情が少しですが豊かになったのではと思えることがあります。
先日は、400メートル以上ある散歩コースをジョギングで1周されました。益々元気になられて、今度の外出は一緒に何処に行ってくださるのか今から楽しみです。