2012年になりました。本年もお寺のよこ一同をよろしくお願いします。
まもなくあの震災から一年、首都圏で暮らしていると、あの大惨事の暗い陰が、一年も経たずに払拭されてしまったような感じで、複雑な気分になります。被災地が少しずつでも復興に向かっていく事を願い、私達は間接的にでもその手伝いをしていけたらと思います。
さて、お寺のよこと同じブロック内の、丁度真裏にあたる場所にありますのが、荘厳な大観音を奉られている光源寺。光源寺の皆さんには、昔からお寺のよこ一同、色々とご協力頂いております。その光源寺の境内では、一昨年まで毎年春に、水族館劇場のテント芝居が催されていました。この劇団がテーマ、あるいは売りとして掲げているのが「スペクタクル」。辞書で調べてみると「壮大な光景。壮観。」とあります。巨大なやぐらの様なテントの中で、回転する舞台などの大仕掛けを使ったり、数十トンの水を用いた空間演出はまさに「壮観」という言葉が相応しい感じでした。三年前に観劇した際に、イイと感じるところ、イマイチと感じるところが混在しつつも、最後に残ったのは「すごいモン観たなぁ…」という高揚感でした。
以来この高揚感を、寺よこ一同に味わって貰えないかなぁ…と思うようになりました。「壮観」ってのはちょっと敷居が高い気がするので「ワンダー(驚くべき、素晴らしい事、物)」あたりを目指して。
よくこの紙面にも登場する、お寺最高齢にして最もパワフルな入居者さんのTさんは、綿菓子を食べた事がないそうです。本当に食べた事がないのか、それとも忘れてしまっているのかは判りません。でも甘いもの好きのTさんと綿菓子との未知?との遭遇って、なかなかにワンダーなんじゃないかと思うんです。2012年もそんなワンダーな瞬間に立ち会えたらと思う、お寺のよこの冬です。