この記事を書いているのが6月中旬頃なので少しづつ暑くなってきました。のんびり家が移転をしたのが2010年7月なので丸6年が経過しようとしています。そんな中日々起こっていることで印象深いものを紹介したいと思います。
のんびり家が移転してから入居されているYさんですが、入居当初に比べると年月が経過している分様々なことが時間を要したり、難しかったりすることが増えてきました。6月のある日の服薬時の出来事です。食事を終えてやや傾眠ぎみのYさんに対して「気持ち良く寝ているところ申訳ないな。」と思いながらも服薬の声掛けをしました。(いつも本当に気持ち良さそうに、絶妙なバランスで椅子に腰かけて傾眠する姿を見ると自然に私はそう思ってしまいます。)Yさんの身体に触り「Yさん、飲むのがあるよ。」と声を掛け、薬の袋をYさんの視野に入れるとYさんが手の平を出します。この何気ない一連の動きですが一見当たり前のように思える行為ですがよく考えてみると奥深いものがあります。
服薬の声を掛けた際に可能な限りYさんの視界に入ります。そこで大きな拒否がないということは何となくでも危害を加えられることはないだろう、何となく見たことがある人だな、見かけたことのある人だななどと思ってくれているのかなと判断します。そこで、薬の袋を見せると掌を向けてくることが多いのです。それは、この人が(職員が)何かくれるだろうとの思いから掌を差し出すのだろうと感じます。その一瞬の表情からはどのような想いをもっていらっしゃるのか推測することしか職員は出来ません。そして、入居者のその時々の瞬間の想いを全て知ることは残念ながら不可能だと思います。しかし、不可能だからこそ入居者のことを知ることに終わりはないとも考えられます。グループホームだからこそ、一瞬の想いに考えを巡らせ立ち止まることができるのかなと強く思います。