ジーパチパチ「うわぁ きれいだねぇ」 玄関先にあるベンチから楽しそうな声が聞こえてきます。7月某日、きみさんち花火大会? が、開催されました。
買ってきた花火を、皆さんが見た瞬間から、にわかに活気づいたきみさんちです。
袋を開け花火を手に取り、「早くやりたいね」 「まだ明るいね」 「明るいうちはだめだよね」 わくわくでいっぱいです。
あたりも薄暗くなり、いよいよベンチに集合! 次々と花火に火が点けられ、皆さんの楽しそうな笑顔が夜の闇に浮かび上がります。
ひとしきり楽しんだ後、「もっとないの」のリクエストで、花火大会は更に続きます。
車椅子の方にもよく見えるように、火のついた花火をそっと差し出す入居者さんの姿に感動してしまいました。
この普通の一軒家が、グループホームだと知ってか知らずか、通りすがりの方も足を止め笑顔で見ていらっしゃいます。
今、皆さんが座っている白いベンチでは、時々、入居者さんとご近所さんが語らったりしています。地域の方々ときみさんちを繋ぐ大切なものです。
この先も、大切な役目を果たしてくれることでしょう。
実は、このイベントに参加されない方がお一人だけいらっしゃいました。
その日は、きっと、そんな気持ちだったのでしょう。
そこに人がいれば、不安や寂しい等の負の感情が存在するものかもしれません。
そんなものが、笑顔で包み込まれることを願ってやみません。
そして、その晩は、いつも不眠がちな方も、静かに夢の中にいらっしゃるのでした。