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【心と身体】  お寺のよこ 伊藤

2017年03月31日 | お寺のよこ

人は耳で音楽を聴き、心で懐かしさを感じたり、悲しみを思い出して涙したりします。
目で食べ物を見て、美味しそうだなと思い、口で食べ、舌で味わい満足します。
いつも心と頭と身体を連動させているのかなと思います。
日々「お寺のよこ」にいる私はどこか心の弱いところがあるようです。仕事中でもつらくなってしまう時があります。そうすると何故か心の弱さが身体に出て、嘔吐したり咳き込んだり涙を流したりしてしまいます。
私は時々、気持ちが沈んでいる時に入居者のKさんのそばに行きます。Kさんはほとんどお話をされることがなく、ご自分で歩くことがままならない方ですが、私はKさんの手を握らせてもらいます。そうしているとKさんも私の手をそっと握ってくださいます。そしてすごく綺麗な目で私を見つめてくれます。私は「頑張り過ぎなくていいんだ」と思い、肩の力が抜けていきます。
別の日には、少し目に涙を溜めてしまい下を向いている私に、Nさんが私の顔を覗き込んで優しい笑顔を見せてくれました。特に何か言葉をかけていただいた訳ではないのですが、するとどうでしょう、心がスーッと柔らかくなり「あ、大丈夫なんだ」と感じました。
私は支援する立場でありながら、「お寺のよこ」で入居者の皆さんに支えていただきながら日々を頑張っていけているのです。
心があって身体がある。人と人とのふれあいの中でいたわりや優しさを感じ、もう何も出来ないと動けなくなっていた身体がまた力を取り戻して頑張れたりします。
私も入居者の皆さんの心に寄り添い、その方の気持ちを和らげたり、頑張れる力を出していただけるように恩返しをしながらこれからも「お寺のよこ」で頑張っていきたいと思っています。

16:18 | Posted by kimisanchi