冬に入りたてのころ、2階のベランダで洗濯物を干し終わり、さて居間に下りようとした時、お部屋から出てくるSさんの背中が見えました。なんとなく気配を絶ち、後ろから様子を見ていると、私に気づくことなく階段のごみを拾いながら下りていきました。
ある日は外での喫煙後、前の神社の赤松が道路中に落とした松葉を、竹箒で全部掃き掃除して下さっていました。誰に言われるでも、誰かの真似をするでもなく。
きっと今までお一人で生活されていた時もそうやって周囲に気を配っておられたことが想像できます。
歌を歌うときも、目の前で歌わずにいるKKさんに歌おうと誘うのもSさん。皆におやつ出さなきゃと棚を見るのもSさん。
ふとした時に周りへの気遣いを見せるところが、Sさんの幾つかあるうちの最大の美徳だと、同じ女性として感服しているこのごろです。