「今日は有難う。また明日ね」
お寺のよこでは夜の8時ぐらいになると、このような会話が入居者さんの間で交わされます。各々居間からご自分の部屋に戻られる際に交わされる挨拶で、自分が夜勤の時にこの挨拶が交わされているのを聞くととても嬉しくなります。先日は、いつもHさんとトランプをしているYさんが、Hさんに挨拶をしようと思ったところ、Hさんがトイレを使用されていたことから、「今日は有難うございました。先に休みます」というメモ書きをHさん宛に残されていきました。トイレから出られたHさんはメモ書きを見て嬉しそうに「大
事に取っておこう」と仰りながら部屋に戻って行かれました。
KさんとMさんの「また明日」という挨拶はもう4年半続けられています。
Nさんが居間から部屋に戻られる時は「またおいでね。ゆっくり休んでいらっしゃい」とYさんが優しく話し掛けられる時があります。
Hざんは夜お休みになる前には、男性のIさんにいつも「Iさんいつも有難うな。お世話様」と言って部屋に戻られます。また、時折朝ご飯の時間だといって男性のMさんを「朝ごはんの時間だよ」と声を掛けて差し上げています。
SさんはCさんのことをとても気に掛けておられて、Cさんが朝起きて来られると「お早う」と優しく声を掛けていらっしゃいます。
9名の方がそれぞれの方を思いやりながら生活をされている姿を見ると、人を思いやることの大切さと人を思いやること、思われることで相互に大きな力が得られることがあるのだと気付かされます。そしてその時に私も力を与えてもらっていることに気付くのです。