夜勤明けの出来事です。
新しい入居者さんを迎えるために居間の模様替えをしました。
その朝、珍しく早起きされたKさんは朝食を食べ終わると自分の席の後ろに移動したソファに気持ち良さそうに横になっておられました。すると、いつもの時間に起きて来られたNさんがその様子を見て何でそこで横になっているんだ。自分の部屋で寝なさいよ。と声をかけましたがKさんは一向に起きようとしませんでした。Nさんにとってソファは座るところで寝るところではないと強いこだわりがあるのです。その後Nさんは怒りながら、今日は朝ご飯はいらないよ。食べないからねと言って居室に戻られました。
困ったなあと思っていたところ、Iさんが降りて来られました。
Iさんは、毎日Nさんとトランプの七並べをされている仲良しです。事情をIさんに説明すると、わかったわぁと言ってNさんの居室に行き、朝ご飯を一緒に食べましょうと声をかけてくださいました。その一言が嬉しかったのかNさんは何もなかったかのように降りて来られ朝食を食べ始めました。
同じ屋根の下で生活する入居者さんそれぞれの性格も思考もこだわりもすべて違います。
時にはぶつかり、時には助け合い、毎日がドラマの連続ですがお互いに気持ち良く生活するためには自分が変わり、相手を許す(受け入れる)ことが大切なんだなぁとNさんから学ばせていただきました。信頼するIさんの優しい一言がなかったら朝ご飯を食べずに居室で過ごされていたかもしれないNさんが気持ちを切り替えてくださったことに有難く感じた朝のスタートでした。Iさんにも心から感謝いたします。