先日、入居者Tさんの入浴対応をしていた時の事です。入浴後に衣類を着ている姿を見ていつも思う事がありました。現在はリハビリパンツを着用されているのですが、どうして前後を間違えないで履いているのかという素朴な疑問です。確かにリハビリパンツの後方には「うしろ」とシールが貼ってあります。椅子に腰かけながらリハビリパンツを手に取り前後を交互に何度も見ているTさんを見ていると、私たちは「うしろ」と記載されているシールを見てそれを「うしろ」に反対側を「前」にと考えます。しかし、Tさんの様子を入浴の度に見ていると私たちと同じように判断を下しているだけではないような感じを受けました。なぜかというと、毎回リハビリパンツを入念に触り何度もひっくり返していることがあるためです。そして、ある時の入浴対応時の仕草でどのようにリハビリパンツの前後を間違えないで履いているのかはっきりとわかりました。
Tさんはリハビリパンツを履く際に前後を頻繁にひっくり返していました。それは リハビリパンツの表面積を確認されていたようでした。単純な話で通常女性の下着は前よりも後方、つまりお尻側がしっかり隠れるように設計されています。Tさんはリハビリパンツの前後をよく確認して表面積が大きい方をご自身の後方にして履いているようでした。そのため、毎回リハビリパンツの前後を間違えることなく履くことが出来ていたのです。日頃から「頭がパーになっちゃったからわからない。」ということが口癖のようになっているTさんですが、垣間見せる姿はとても逞しいお姿です。今後も日常に溢れる些細な事を注視していきながら立ち留まり考えていきたいと思います。
一度は1月をもって退職をしましたが紆余曲折あり、ありがたいことに再度のんびり家で働かせて頂くことになりました。また、頑張りますのでよろしくお願いします。