私事ですが、つい先日誕生日を迎えました。50代後半になりました。
昔から母と話をしているとよく「私の歳になったらわかるわよ」と言われることがありました。若かった頃の私は「そんなものかな?」程度に考えていました。その言葉の意味の深さまで考えたことはなかったように思います。
しかし、今、この歳になって母と話をする時に、あいかわらず母は「私の歳になったらわかるわよ」と言い、それを聞く私はつくづく「本当だな」「きっとそうなんだろうな」と思うようになったのです。
母が50代の時に私に話していたことはこういうことだったのだなと、この歳になってようやく理解できるようにもなったのです。
ただ、現在の母は80代、私自身が80歳を過ぎなければ、今の母の気持ちに共感、同感は出来ていないかもしれません。でも若かった頃の私ではなく今の私ならその話の内容を真剣に考え、その話が悩みや悲しい出来事であれば、どうしてあげることが母にとって一番良いのだろうと何時間も何日も考えて、母に話しかけたり行動に移したり出来るようになってきたように思っています。
「お寺のよこ」には、母と年齢的に近い方や少し離れている方もいらっしゃいますが、皆さんの話されている内容や気持ちが加齢による物忘れや認知症になられていらっしゃる方だとしても、私はその方と一緒に共感して、一緒に考えて、一緒に解決していくことが今、私に出来る支援の中のひとつであると思っています。
母の話の中にも、「お寺のよこ」のご入居者皆さんのお話の中にも人生の先輩として勉強させていただけることや、人間ひとりひとり違う人生を送ってきて、いろいろな悩みや問題を解決されてここまで生きてきたのだなと思うことがよくあります。人生の先輩のお話には深みがあり、悩んでいる私の助け船になり、生きていく上でのヒントや人との関わり方などたくさん教えていただいています。
十人十色と良く言いますが、皆さんの話はさまざまで楽しくもあり、悲しくもあり、その方の人生だったのだなと本当にそう感じています。私はまだまだ50代後半、これからも先輩方の話や助言を聞いて日々勉強です。