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【お手つないで 野道を行けばと歌いながら散歩するご入居者のSさん】  お寺のよこ 倉澤

2020年10月13日 | お寺のよこ

脳生理学者有田秀穂氏のセロトニン学説によれば、人間に精神的な豊かさをもたらす脳内物質が3つあるそうです。
人に対する思いやり、共感力を育てるセロトニン、意欲を掻き立てるドーパミン、ストレスに抵抗して集中力を高めるノルアドレナリン。これらをバランスよく高める方法のひとつがリズム運動で具体的には咀嚼と呼吸、そして歩行が有効であると。つまりよく歩く人は人間としてレベルの高い生活ができるということのようです。脳内物質の不思議ですね。
現在お寺のよこでは8名の入居者さんが生活しておられます。(1名入院中) 先日Sさん(93歳)が体調不良となりご家族も同席しながら往診を受けられました。職員がSさんの日常の様子を伝え診断をしていただくと熱中症の疑いがあるかもしれませんねと伝えられました。ご家族は入院して点滴することで早く元気になってもらいたいと希望されました。
しかし長年Sさんとおつきあいのある診療所の看護婦長がSさんにとって入院し環境が変わることで不安になり精神的に弱くなる可能性がありますよ。またコロナの影響でご家族も面会が出来なくなるとしたら、お寺のよこで様子を見ながら見守ってあげることはいかがでしょうかと提案してくださりご家族も納得され皮下点滴を行うことになりました。本来であれば2階の居室で行うのですが、お腹に刺した点滴の針が外れてしまった場合に気がつくように1階の居間にベットを用意して対応することになりました。最初は入居者さんも驚いておられましたがSさんは安心して皮下点滴をしながらゆっくりと過ごされました。結果数日でお元気になられ、10日後には職員と手つなぎ歩行で散歩することも出来るようになりました。今回のことでお世話になった診療所の先生、看護婦長、訪問看護ステーションのIさん、ありがとうございました。出会った全ての人が協力してSさんも頑張ってくれました。これからも一緒に歌って散歩して元気にリラックスしましょうね。

19:21 | Posted by kimisanchi