お寺のよこでは毎年10月~11月頃に掛けて1泊2日の宿泊旅行に出掛けています。
本来であれば今年も旅行に行きたかったのですが、コロナ禍であることを考慮して今年は中止とし、代替企画として屋内で入居者さん、スタッフともに楽しむことが出来るお祭りのようなイベントを行うことにしました。
入居者さんにお祭りで何がしたいか尋ねていったところ色々な案が出ました。
「昔見た映画が見たい」「カラオケがしたい」「鰻が食べたい」「金魚すくいがしたい」「あまり大げさなものではなく皆が楽しめることであれば」「ジュースを振る舞って皆で飲むというのはどうか」等。ご自分の意見を発することが難しい方の場合は、その方がお好きなものや得意なことは何だったかを思い出しながら、それらの案を反映させたお祭りを10月29日(木)に行うこととなりました。
当日は午前10時頃から小津安二郎監督の「東京物語」をDVDで流しながら興味のある方はそれを見るところからスタートしました。往年の名優:笠智衆や原節子に関する感想を仰るUさんや、当時のことを思い出しながらお話されるNさん等、映画が上映された当時の昭和28年にタイムスリップしたかのようです。一方お祭りの時に皆で食べる鰻入りの散らし寿司や焼きそば、たこ焼きの準備を張り切って行うIさんやKさん、13時頃にはそれらのお祭り用の食事が出来上がり、ご自分の好きなものだけ召し上がる方、たこ焼き、焼きそば、散らし寿司、お切込み(Tさんがお得意とされていた群馬の郷土料理。山梨のほうとうのようなものをイメージして頂ければ)と結構なボリュームがあったにも関わらず4種とも全部残さず召し上がられた方等召し上がり方も皆さんそれぞれ個性が見られて楽しかったです。ちなみにTさんはたこ焼きをペロリと召し上がっていました。
昼食が一段落するとジュースを飲みながらのカラオケタイムです。「夜空のムコウ」「岸壁の母」「北の旅人」「見上げてごらん夜の星を」といった歌謡曲から、「故郷」「茶摘み」「靴が鳴る」といった唱歌、童謡まで皆さんで歌いました。Nさんは以前から「オケカラ行こうや」とカラオケに行きたがっておられたので大満足。Kさんの裕次郎ばりの渋い歌声やSさんが笑いながら手拍子をされていたのも印象的でした。
カラオケが終了すると綿菓子製造機で綿菓子を作って食べたり(Iさんが「綿菓子ってこうやって作るんですね。初めて知りました」と感動されていました)、金魚すくいの代わりとしてヨーヨー釣りをしました。お祭りが終了したのが午後4時頃。入居者さんばかりではなく、スタッフも楽しい一時を過ごさせて頂きました。
コロナ禍の昨今、入居者さんの生活の幅が少し狭くなってしまっていますが、入居者さんの意向を聞きながらこのようなイベントを実施出来たことにとても意義があったのではないかと思います。今回のイベントをメインとなって準備をしてくれた岡田さんはじめスタッフの皆さん、当日は勤務ではなかったけれど、当日までのお祭りの準備を入居者さんと一緒に行ってくれた崔さん有難うございました。