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【時代】  お寺のよこ 光岡

2021年06月10日 | お寺のよこ

ファイル 561-1.jpeg今年に入りお寺のよこに女性の方が2名ご入居されました。
新しい環境に戸惑われながら、少しずつお寺のよこの生活に順応されていかれるご様子が伺えています。
お寺のよこは共同生活の場ですので、他の入居者さんと関わる機会が少なからずあります。長年ご入居されてきた方はお年も召してきて色々な面でスタッフを始めとした他者のサポートを受けることが多く
なってきています。その中で新しくご入居されてきたお二人もそれぞれの気遣い方で、サポートが必要な方に接しておられます。
Kさんは、食事が出来上がったら率先して盛り付けをされてご自分で食事を取りに行くことが難しい方に配膳をして差し上げています。ま
た、お茶が飲みたいと仰っている方の側に行きお茶を汲んで差し上げたり、椅子からの立ち上がりが難しい方の椅子をさり気なく引いて立ち上がりやすいようにされていることもあります。Sさんは目が見え辛くなっておられる方が不安そうにされている時は、そっと傍に付き添われたり、その方が歩行されている時には「大丈夫ですよ」と声を掛けながら手を差し伸べているご様子もありました。
考えてみれば、サポートを受けることが多くなって来ている方達もお寺のよこにご入居されて来た当時は身の回りのことは殆どご自分で出来ることが多く、他の入居者さんのサポートをその方なりの気遣い方でされておられました。そしてその時にサポートを受けておられた方もご入居当時は…と、時代は巡り巡って行くようです。そういった瞬間を見る度に人が支え合って生活をしていく意味を考えさせられます。
新しくご入居された方がいらっしゃるということは、ご退居された方がいるということでもあります。昨年の11月と今年の1月に女性の入居者さんが2名お亡くなりになりました。
それぞれとても仲良くされていた入居者の方がいらっしゃいます。その方々の心の中にはお亡くなりになった方への思いは未だ消えることがないようで、会話の中にその方がまだ生きておられるかのような発言をされることも少なくありません。
例え亡くなったとしても生きている人達の間でその方の記憶がある限り亡くなった方の魂は死なない…。それは生活をともにし支え合ってきた証でもあろうかと思います。それもまた、お寺のよこでずっと巡り巡っている光景の一つです。

17:23 | Posted by kimisanchi