令和の時代ですので昭和の歌を知っている人は少なくなっているかもしれませんが、お寺のよこの居間には昭和歌謡の歌詞ファイル16曲、『二人は若い』『りんごの唄』『富士山』『水戸黄門のテーマ』などがあり、新しく入られた入居者さんのNさん、Hさんそれぞれに歌詞ファイルを渡すと、1枚ずつめくりながら「どれも知ってるわね」「全部歌えるなぁ」と、とても良い声を合わせ2人で16曲全部を歌われ、その隣ではUさんもお得意の謡曲「高砂」をフルで唄う様子がありました。Uさんは、職員が歌って下さいとお願いをすると歌わずに、その時の気分などで歌う事が多く、ふとした時にとても良い声を聞かせて下さります。
Nさんは『岸壁の母』がお得意で、耳元で一緒に歌う事があり、Nさんに私の婆ちゃんも岸壁の母が好きでこの歌はお婆ちゃんを思い出すんです、と伝えると「変な事を思い出させてしまったね。ごめんね」と仰られ、私は大好きなお婆ちゃんを思い出すので変な事ではないと伝えましたが、Nさんは私が悲しい思いをしたのではと思って下さったようで、Nさんの相手の気持ちを思う優しさにとても感動してしまいした。
この4名の入居者さんが、昭和歌謡や謡曲を聞いたり唄ったりして懐かしいと感じながら、ご自身の若いころなど少しでも思い出す時間になっていれば良いなぁと思い、職員は入居者さんの人生を少しでも感じ取れる時間になればと思います。
これからも皆さん元気で素敵な歌声を聞かせていただきたいです。