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【ものづくりが大好きなHさん】 お寺のよこ 倉澤

2022年02月28日 | お寺のよこ

昨年の12月に入所されて、早や2ヶ月。今日は、テーブルに置いてある自作の花器を眺めながら「花がなくても綺麗に見えるように作りました。これを考えるのに時間がかかったなぁ~」と花器の中のけんざんを取り出して説明してくれました。Hさんは九州クラフトで鋳物(灰皿、コップ)などを作っておられましたが陶芸の道へ。お寺のよこの食器棚には他にもHさん手作りのお皿や湯飲み茶碗が置いてあります。ご自身でそれらの食器を利用してお茶を入れて飲んだり、お皿にみかんやお煎餅を盛り付けて楽しんでおられます。
大晦日は、きんとん作りに挑戦していただきました。金時芋を裏ごししていると、こうゆうの女の人は大変だね。
やってみてわかりました。また、広告紙で箱を折ってみませんかとお声をかけると集中して悩みながらも繰り返し折っておられました。
驚きのエピソードは、中学2年生の夏休みに有明海を泳いでいると、ずう~んと凄い音がして長崎に原爆が落ちたそうです。当時は島原に住んでいたので長崎から逃げて来る人が沢山いましたよと話してくれました。それから高校2年生から習いはじめたボクシングで大学3年生の時にバンダム級チャンピョンになったHさんは、時々シャドウボクシングでウォーミングアップしたり、ちょっと腕を出してと言って、私の腕を掴むと親指の付け根から上腕の筋を揉んでくれました。ボクシング練習後のマッサージは大切らしいですね。
そのようにスポーツマンで陶芸が得意なHさんですが、やはり故郷の桜島に帰りたい気持ちは変わらないようです。昨日は、ちょっと外に出たいと言って門扉を開けると「船着場はどこかな。」と探しておられました。Hさんは自分が納得できる生き方をしたいと言っておられます。お寺のよこでの生活に少しずつ慣れて入居者さんと一緒に過ごすひとときが安らぐようにと願っております。

09:01 | Posted by kimisanchi