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【お歳を召した子供】  きみさんち 松林

2022年12月31日 | きみさんち

ある日の夕方のお話です。
午後3時頃から2階の居室で眠ってしまったTさん。
何時もなら、一時間もすると起きられて、トイレに行かれたり、リビングに下りて来られて、お茶を飲んだりされるのですが、その日は、朝からリビングの掃除をされたり、昼食にゴマ味噌が食べたいと仰って、スタッフとゴマ味噌を調理したりと、積極的な活動をされたせいか、ぐっすり眠っておりました。
夕方6時頃、リビングに夕食時の準備が整い始めたので、様子を伺いに行くと、横になったまま目を覚ましていました。
「Tさん、お目覚めですか。良く寝ていましたね」と声を掛けると、布団を跳ね除け、素早くベッドに座り「あ~ん、嬉しいよ、会いたかったよ~」と、両腕を大きく広げました。
その言動が、私の子供(3歳)のものとオーバーラップされて、思わず私も両手を広げて、抱っこをする形になりました。
そして、背中をポンポンしながら、「どうしたのTさん。夢でも見たの?」と言うと、「ああ~ん、違うよ、寂しかったんだよ~」「気持ち良さそうに寝ていたから、、、」「今起きたら、あんたが居たから嬉しかったんだよ~。良かったな~」
どうやら、グッドタイミングの訪室だった事がかなり嬉しかった様で(寝起きの半覚醒が大きいとは思いますが)、抱っこの状態から開放してくれません。
仕方なく、その状態のまま「そろそろ夕食が出来るみたいだよ。食べに行きますか」「うん、食べたい。連れてってよ」「え!何?子供みたいに甘えて。お幾つになったんですか?」「昭和
13年12月10日生まれです」
暫く笑って立ち上がれませんでした。
こういう瞬間って、たまらないですね。

10:02 | Posted by take