かなりのお久しぶりになってしまいました、のんびり家2階の石井です。今回はたまに入居者の方から聞いたことがある言葉について少し立ち止まって考えたいと思います。
皆さんは「先生」と聞くと誰をイメージするでしょうか。大体は、病院の医師や学校の教師を連想するのではないでしょうか。または、何かの熟練した技の持ち主といったところでしょうか。そのため、実際に「先生」と呼ばれることは中々ないことのように思います。しかし、時折入居者の方から「先生」と呼ばれることがあります。
それには幾つか原因があります。入居者の方は基本的には認知症の方々のため、中々職員の名前と顔が一致しないことがあります。しかし、困ったときに職員に何かを訴える際に「先生」という言葉はとても使い勝手の良い単語なのだと思います。もちろん、入居者の方々は私たち職員が本当の「先生」ではないことくらい理解されています。しかし、その職員の名前を覚えていないことが失礼にあたるのではないか、などの心理が働くのではないでしょうか。そこで使い勝手の良い「先生」の出番になるのです。相手のことを傷つけない、相手に嫌な気持ちを持たせないような配慮、親近感のあるような距離感で、その場面での「先生」とは意味合いが多岐に及ぶものだなと感じます。もちろん良 い意味合いばかりではないでしょう。私たち職員は当然ながら「先生」ではありません。しかし、「先生」という言葉にはその場面、その一瞬で様々な意味合い や深い心理が隠されているのかもしれませんね。