マンガが大好きな私。 ふと書店を覗くと1冊のマンガが目に留まった。
62歳の漫画家が描く、認知症の母との可笑しくも切ない日々「ペコロスの母に会いに行く」
最初は興味本位で手にしたが、何故か読まずにはいられなかった。
主人公のみつえさんは夫が亡くなった直後から認知症にかかり、その息子(作者)が介護施設に母を預け、その施設での日々を4コマ漫画調に仕立てているといった感じの漫画である。
介護職についているからなのか、実話を元にされているからなのか定かではないが、凄く共感すると共に、読み進めるうちに泣けてくるすばらしい漫画だと思った。
その一部をご紹介します。
「エンドレスシアター春」
義弟(以下義) 義姉さんあん人はどげんしとんなっですか?
みつえ(以下み) あん人・・・どん人
義 あん人ですよ。 ほら・・あの。
み ああ! あん人。 あん人はあげん目におうて。
あげんなってしもうたもんネ。 あいで良かったとかしらん。
・・・・・・しばし間・・・・・
義 そん人は誰ですか?
み 誰って・・あん人ですよ。 ほら・・あの
義 ああ、あん人! あん人はあげん目におうて
み 誰そい?・・・・・こんな会話がエンドレスに春夏秋冬続くのです。しかも長崎弁で・・・
1番心にしみたみつえさんの一言は冊子の帯にありました。認知症状が進行してきた時の一言。
「さっき父ちゃんが尋ねて来なったばい。うちがボケたけん父ちゃんが現れたとならボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん」
亡くなった旦那さんが目の前に現れる。幻覚・幻聴・妄想といった類は見えない側にとっては否定的になりがち。
しかも相手が認知症を患っているとなれば「変なこと言うんじゃない」と一言で終わってしまうかもしれません。でも、母の思いに耳を傾け、日々介護にあたっている息子さんはすばらしいなと思うと同時に自分もきみさんちの皆さんの言葉に耳を傾け思いに応えられるよう努力しなければいけないんだなと、改めて思うものもありました。この一言泣けてくると思いませんか?私は読み返す度に目が潤んでいます。
この記事では絵がお見せできないのが本当に残念です。可愛いみつえさんにご興味のある方はぜひ書店に足を運んでみてください。書店に無い場合は貸し出しますよ(笑)!!
追伸・・・きみさんちのM氏に貸し出したところ、なんか泣けるねーと言うお言葉が返ってきました。