「お父さん、見てみて~」 息子がなにやら呼び掛けているのでそちらを見てみると、Amazonの段ボールを頭に被り「見て~、ロボットになった よ」と、家の廊下を歩いています。
今年は、西暦2023年、21世紀も22年が過ぎ、ロボット技術にはAI(人工知能)やIoT(モノのインター ネット)などの様々な最新技術が組み合わされ、外見を人間に似せたヒューマノイドロボットが主流となるなど、新たな進化を遂げているというのに、家にいるロボットは、段ボール素材で出来ている様です。昭和生まれの親の影響でしょうか?
そんな段ボールロボットは、私の勤め先を分かっている様で、私が出掛ける準備をしていると「きみさんちに行くの?」と聞いてきます。
「そうだよ、早く帰るから待っててね」と応えると、「何して遊んでくるの?プラレール?」と、職場の名前以外は勝手な解釈をしている様で、出掛ける前に腰が砕けます。
まだ早いですが、きみさんちがどういう場所なのかという事を、少しずつ話していこうと考えています。そして、機会があれば、きみさんちに連れて行き、入居者さん達と触れ合える時間を作れたらと思っています。
というのも、息子がこれから生きていく社会は、高齢化が今よりももっと進む事が明らかであるため、高齢者との関りを学ばせられるのではないかと思うのです。
昔であれは、家族の中に祖父や祖母がおり、一緒に過ごす事で色々な事を学べたのでしょうが、現在は、核家族が当たり前の世の中です。
これからわんさか増えていくお年寄りという存在がどういう存在なのか、知っているといないとでは大きな違いがあると思うのです。
そして、介護とは、介護が必要な状態とは、と、教えていければ、私が歳を取って、もしも介護が必要になった時に も、安泰となるのではないでしょうか。
しかし、テクノロジーの進化も早く、介護は全てロボットに任せられているかも知れませんね。ただ、その時のロボット は、四角い頭にAmazonと印刷してあってほしいなと願います。
補足:『どっこいしょ』がリニューアルして3度目の記事となりますが、上記の記事は、旧どっこいしょに掲載予定だったものです。しかし、突然の休刊によって未掲載になってしまったため、一年後の今回、掲載させて頂きました。
そして、現在、5歳になった我が息子は、先日、ついにきみさんちを訪れる事が出来たのですが、あいにく、入居者さんは誰もリビングにおらず、スタッフの田中さんが玄関で対応してくれました。
そして帰り道。「きみさんちって、田中さんちになの?」と、5歳児ならではの質問をされました。
今度はいつきみさんちに行けるかな?