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【確かに居た】  お寺のよこ 光岡

2025年03月11日 | お寺のよこ

ファイル 690-1.jpegHさんは陶芸創りがご趣味です。
いや、趣味の域を超えて、生業に近いようなものでもありました。
お寺のよこにご入居後は、毎週土曜日に、地域の陶芸教室に通われて、作品創りに勤しんでおられました。毎年11月には、地域交流館で陶芸教室の作品展が行われ、Hさんの作品も出展されていたことから、Hさん、他入居者のOさんとともに、作品展を見に出掛けたこともあります。
陶芸には一家言持っておられて、縁が厚手のものよりも薄手のものを好まれたり、作り手の個性が滲み出るところが陶芸の魅力で、決められた鋳型から産み出される既製品には魅力を感じないとも仰っておられました(陶芸は自分の気分が乗っている時に創るもので、他者から強制されて創るものではないとも)。
そのような言葉一つ一つに、Hさんの人となりやどのようなことにこだわりを持ち生きて来られたのか、その一端を伺い知るような気がして嬉しくなったりもしました。
Hさんは、年末から体調を崩されて先日旅立たれました。
お寺のよこには、Hさんが創られた陶芸作品が遺されており、お皿や湯呑みやカップ等、日常的に入居者さんが使われているものも多数ございます。
先日Hさんがお亡くなりになったことを陶芸作品展に一緒に行かれたOさんにお伝えしたところ、Hさんと作品展に行ったこと(一年以上前の話です)やHさんの人となりを、かなり具体的に話されていたことに感嘆しました。
Hさんはお亡くなりになりましたが、その作品は遺り当たり前のように日常的に使われていること、Hさんが居たことを明確に憶えておられる方がいらっしゃること。
その事実はHさんが確かにお寺のよこに居た証として遺り続けていきます。
その証を胸に刻みながら、私達スタッフがお寺のよこで出来ることは何なのか、日々、自問自答し続けていきたいと思います。
Hさん。ありがとうございました。

09:14 | Posted by kimisanchi