「お出掛けですか。気をつけて」
ある日のお寺のよこの朝。Kさんが目の前にあるお寺さんの散歩から帰って来られた際、Oさんが図書館に出掛けようと外に出られた時と重なりKさんからOさんに掛けられた言葉です。
「ありがとうございます。行って来ます」
Oさんはそのように応えられ図書館に行かれました。私は砂利道の草抜きをしていたのですが、その後Kさんはプランターに植えてある朝顔に水やりをされ始めました。
何気ない日常の一コマですが、それは私にとって掛け替えがないものです。
認知症状態にあるということで当たり前のように存在していた生活が奪われてしまうこと。介護(支援)する側、される側という区別。そういったものが一旦無になる時。私は「この世界に居て良いんだ」という気持ちになります。
今年は記録的な猛暑となりました。
それでも入居者さんと外気に触れた時。とても気持ちの良い風を感じることが多く、入居者さんと同じ時間や体感を共有する幸福感から一時その暑さを忘れることが出来ました。
貴方にとって幸せを感じる瞬間は何ですか?願わくば沢山お話をしたいです。