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【「当たり前」の有り難さ】  のんびり家2F 佐藤

2020年08月11日 | のんびり家::のんびり家 2F

Nさんは先日99歳のお誕生日を迎えられた、生まれも育ちも「東京の人間」です。ご本人の話では、ご自宅にいた頃、近所の某天丼チェーン店によく出掛けていたとの事。のんびり家にご入居してからも、おいしいのはもちろんの事、「安いのよ」が口癖で、何度も出掛けて美味しい天丼を頬張ってきました。
ですが、この状況下。出掛けたい想いは募りますが、入居者の皆さんのご年齢を考え、皆さんと一緒の買い物や外食は暫く控えていました。
6月、対策をしながら、近所の買い物に出掛けることを少しずつ再開しました。
下旬、混雑していない時間を狙い、久し振りにNさんを某天丼チェーン店にお誘いしました。Nさんにとって本当に久し振りの外食です。二つ返事で出掛けることになりました。
店内に入り、いつもの天丼を注文して暫くした後の事。Nさんが穏やかな笑顔で「心が躍る。あんたと来られて嬉しい」との言葉。そして、「今度はお母さん連れて来なさいよ!」と。
こんな状況になり改めて、自由に往来できた世の中の有り難さを感じます。私も心が躍りましたよ、Nさん。
まだまだ油断ならない状況ではありますが、また空いている時に天丼食べに行きましょうね!

11:49 | Posted by kimisanchi

【或る意味で感染拡大中】  のんびり家3F 吉田

2020年08月11日 | のんびり家::のんびり家 3F

私事ですが、この四ヶ月で体重が20キロ減りました。
そしてこの体重減少が入居者さんにも広がっていまして、のんびり家3階の大半の入居者さんの体重がこの数か月減って来ています。
これがタイトルにある感染拡大中の中身です。
もちろん、感染するものではないので一種の比喩ではあるのですが、これは喜ばしいことではありません。
私の場合はそれほど問題ではありません。元々かなり体重が多かったので寧ろ体調は良いかもしれません。
原因も色々な、ストレスからくる食欲不振とはっきりしています。
食欲不振は入居者さんも同じのようで、とにかく食が進まなくなった方が増えています。
現在ののんびり家3階は、食事に介助が必要な方が3人いらっしゃいます。
土日などは、昼食作りから介助して服薬までを一人で対応しています。
そうなると、食が進まない方のケアまで手を回す時間がとれないことも増えています。
そうして対応している最中にお手洗いを手伝ったり、散歩に出る方のケアをしたり、完全にてんてこ舞いになるような日も増えています。
そして何よりどうにもならないのが、この体制で人員配置基準を満たしているという現実があります。
もちろん最低人員より多く配置している事業所もありますが、利用料などに付加価値をつけて上乗せしていたり、なにかしらで人件費をカバーする必要があります。
介護保険でいただく利用料は決まっていますので、人員を増やすにもいただけるお金が増えない以上は、人員を増やせないというのも現実です。
また、低賃金であるために思うような募集が出来ずに、人件費が割高な派遣職員さんに頼り続けているところも多いです。
低賃金というのは具体的に言うと、勤続10年でも夜勤手当や諸手当を入れて手取りで20万に届きません。夜勤を行わなければ16万前後です。
これは介護職のなかでもかなり低い待遇だと思います。
それでも認知症の方は増え続けますので、グループホームは必要だと思います。
思いますが、しっかりと機能させるには介護保険料の見直しや助成金の増額などで待遇改善が必須だとも思います。
とにかく、給料はともかく一人で対応するというのは限界が近づいていて、その影響が入居者さんにも及んでいる現実をお伝えしたいです。
そんな中でコロナウイルスです、状況が辛い中で会社はコロナ対策手当を支給してくれました。
これはとても感謝しています。
国からも医療と介護の全職員を対象に5万円(コロナウイルス感染者の出た施設は20万円)の手当を助成する話が決まったはずですが、その後音沙汰がありません。
のんびり家の近所でも、図書館や大型入浴施設、柔道団体、保育園では20人以上のクラスターが発生しています。
自粛解除に合わせて、入居者の外出やご家族との面会も解禁されましたが、どこから感染するか想像も出来ないぐらい身近に存在しています。
せめて施設内での生活は維持したいと職員一同頑張っていますが、マンパワーにも限界があります。
最初に書きました体重減少は、これからの対応でまだ拡大を防ぐことができると思います。
しかしもし職員や入居者に感染者が出たら、限界点を越えます。
土日などは面会に来て、昼食介助をしてくださるご家族もいらっしゃり大変助かっていますが、根本的に足りないのは人員です。
現在の人員配置基準だと日中に2時間だけ、職員が入居者3人に対して1人いれば基準を満たします。
のんびり家3階は土日は16時から2時間だけ職員が2人体制になるので、基準は満たしています。
この基準がおかしいのです。この基準を引き上げ、伴って必要になる人件費を介護保険料か助成金でカバーする必要があるのです。
でなければ職員の限界を越えます、いや既に越えています。
今はなんとか支えていて、満足とは行かないまでも最低限のQOLは確保しています。
なんとかこのギリギリの状態による悪影響が今回の体重減少だけで留まり、他に感染しないことを願っています。
そうでないとQOLを確保できないばかりか、ADLを低下させ、医療が日常的に必要になればのんびり家では対応出来なくなります。
まさに小池都知事の言う、感染拡大重大局面です。
普段は入居者さんのエピソードや生活をご紹介していますが、今回は目を背けて欲しくない現実を書かせていただきました。
今年90歳を越える方も3名いますが、合わせて6名全員の生活をこれからも支えていきたいと思っていますので、国や自治体はどうか改善をお願い致します。

11:47 | Posted by kimisanchi

【あらためて思う・・・大切なこと】  のんびり家3F 永辻

2020年07月13日 | のんびり家::のんびり家 3F

緊急事態宣言が4月7日に発表されて、その後解除になってからもうすぐ3か月が経とうとしています。私自身この3か月の間、自宅と会社の往復以外、ほとんど外出することなく、ステイホームこと自宅で過ごしていました。長い間自宅に居て時間ができ、自分、家族、友達、仕事のことなど、自分の周りのことを考えていました。
改めていろいろなことを見つめ直し、何が大事なのか考えることが出来たのはとても貴重な時間でした。まだコロナウイルスの状況は続きますが、一日でも早く今までの日常が戻って来ることを願い、私が入居者さんに今出来ることを考え、精いっぱい行動していきたいと思います。

10:37 | Posted by kimisanchi

【自分で・・・・】  のんびり家2F 石井

2020年07月13日 | のんびり家::のんびり家 2F

 のんびり家も長く1室が空き状態でありましたが、ようやく男性の入居があり久々に8名揃いました。現在、のんびり家は女性が5名、男性が3名の8名です。偶然か必然かわかりませんが、たまたま男性の方は頭文字がKさんです。(時折、様々考えながらお名前を呼ぶ時に間違えてしまうことがありました、申し訳ありません。)

 話をのんびり家に戻しますが、女性のTさんですがいつもの口癖が「私はパーになっているからやってください。」と話されることが多いです。しかし、食事の場面ではその都度違いますが女性のKさんと相談、言い合い(?)のようなやりとりをし最終的には調理をされることが多いです。何もわからないと豪語するTさんですが、魚を焼く姿は真剣そのもので、隣で女性のKさんが「もういいかしら。」と話しても身体を少し横に傾けながら火の調節をしながら「まだよ。」と一括。最終的には焦げ目がつくまで焼いていました。 
 まだ入居されて間もない男性のKさんが、ある日食事の時間帯で片腕を高く上げている事がありました。それに、気づいた私ですがそのKさんの心理状態を周囲の環境も含めてある程度理解が出来ていた私は気づかない振りをして様子を見ることにしました。すると、隣に座っていた「私はパーになっているから」が口癖の女性のTさんがKさんに一言告げました。「ここはね、誰もやってくれないから自分でやらないと駄目だよ。」と神妙な面持ちで。私は気づかない振りを継続し、その後男性のKさんは自身で立ち上がり台所に向かい何やら作業を始めました。いつもは、ご自身が眉間にしわを寄せながら「やってくれたらいいのに。」と口癖のTさんですがのんびり家での「先輩」らしい姿を垣間見る事が出来ました。

10:30 | Posted by kimisanchi

【一世紀前】  のんびり家2F 荒野

2020年05月26日 | のんびり家::のんびり家 2F

先日、のんびり家に新たにご入居された男性がいらっしゃいます。私が入職した当初、入居者さんは全員女性でしたが、今は男性が3人と時の移り変わりを実感します。
 さて、こちらの男性ですが、なんと御年101歳。大正7年生まれです。なんでものんびり家に限らず、法人内でも過去最高齢でのご入居になるそうです。大正7年で調べますと、日本では米騒動が起き、世界に目を向ければ第一次世界大戦が終結した年でもあります。学校で近代史として歴史の授業で習う時代です。同じ年に生まれた有名人では元内閣総理大臣の田中角栄や中曽根康弘といった昭和という時代を作った方たちの名前が挙がります。
 そんな御年101歳のKさんから何度か「一世紀生きてきたからね。」というお言葉が聞かれます。一世紀…、実際に過ごしてきた方の口から出ると、言葉の重みが違います。これからKさんの壮大な一世紀に自分がどう関わっていくのかを考えると身が引き締まる思いです。Kさん、色々勉強させていただきます。
 ところでKさんはいい意味で101歳とは思えません。多少足元がふらつく事はありますが、矍鑠(かくしゃく)と歩くお姿や鏡を前にきちんと身支度を整える様は、自分の100歳像を覆すものでした。何と言いますか、5年後もお元気な姿をイメージ出来るほどに心身ともにしっかりしていらっしゃいます。もしかしたら、ここのんびり家から男性の世界最高齢者が誕生!なんて日がくるかもしれません。

10:26 | Posted by kimisanchi

【俄然、無敵です!!!】  のんびり家3F 伊藤

2020年05月26日 | のんびり家::のんびり家 3F

 みなさんお久しぶりです。のんびり家3階の伊藤です。新型コロナウイルスが蔓延していますが安全にお過ごしでしょうか。緊急事態宣言に伴い外出自粛も続いています。
 一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息とみなさんのご健康を心よりお祈り申し上げます。自粛期間の為、必要最低限の外出以外は控えて辛抱強く頑張って行きましょうね。
 さて今回のお話しなんですが、のんびり家の入居者さんはとにかく風邪など体調を崩す事がほとんどありません。
 季節の変わり目や寒い時期などまわりでは、風邪が流行ったりするのを聞いたりしますが、のんびり家の入居者さんはみなさん、体調崩しません。えっへん!さすがです!ステキです!無敵です。昔から運動をして、食事をおいしく頂いて、働く。そして今があるという事なんでしょうね。さすがです、強いです、尊敬です、無敵です。
 それに引き換え自分はというと「Haaaaaa」言うのもためらいます。風邪など体調を崩す事は幸いないのですが、この前運動不足だなーと思い近くの土手に珍しくランニングに行くと5分くらい走ったら息切れがものすごい事になり少し歩く事に、落ち着いたのでまた走り出すとその瞬間に足首をひねるという連続技を繰り出す始末です。挙句のはてに筋肉痛です。なんて様です、運動不足です、脆弱です、ガッカリです。あっちなみに腕立て伏せをすると肘がパキパキと音します。(なんでだろ?)
 この話を入居者さんに話したら笑っていました。でもやっぱり元気の秘訣は、笑ったり、お喋りしたり毎日を楽しむって事なんだな~と思いました。
 あらためて言います、のんびり家の入居者さんは俄然、無敵です!!!
これからも一緒に元気に生活して行きましょうね。

10:26 | Posted by kimisanchi

【早いですね】  のんびり家3F 新宮

2020年05月06日 | のんびり家::のんびり家 3F

今年は子年。良いことも悪いことも増える年のようです。
なので、ハードルを低くして毎日良い日だったと実感したく、「靴を揃える。服のブラシ掛け。食べる前に手を合わせる。」と今年の目標を立てました。
靴のお陰で外を歩けたことに、ありがとうと足元から整える気持ちで手で持ち揃えています。
立春過ぎ、映画館でいただきますと手を合わせホットドックを食べると同時に斜向かいの小さい子供が小声で「あのおばさん。いただきますしてたよ。」母親「日本人はお食事の時はいただきますして食べるんだよ。」子供「食べ終わったら、ごちそうさま言うのかな、あのおばさん。」そうですよね、食べ終わった時は手を合わせてが抜けてました。この日も多き気付きがありました。この日から今現在も、ご家族様も面会自粛の状況です。いつも細やかなご配慮に、いつも以上に感謝の思いでいっぱいです。日常些細なことですが感謝の気持ちを日々持つ為に出来ることをかたちにして続けていきます。
スタッフNさん、いつも話を最後まで聞いていただきありがとうございます。Iさん、いつも土壇場で力を発揮されていること頼もしいです。Yさん、指摘にいつも新鮮さを感じています。Iさ
ん、臨機応変な対応いつも助けて頂きありがとうございます。
Mさんいつも朗らかで明るくなります。

10:27 | Posted by kimisanchi

【朝顔が咲きました!】  のんびり家2F 石川

2020年05月06日 | のんびり家::のんびり家 2F

Aさんはひとりで動く事ができなくてベッドでの生活です。
余り声を発する事はないのですが、時々「おはよ!」と返事をしてくれるので、何かと話し掛けながら介助をしていました。
特に朝になると「Aさんおはようございます!」とカーテンを開けて「いい天気ですね!」や「今日は七夕ですよ!」と、お天気の事やその日の出来事を話し掛けたりしていました。
2年前のある夏の日の朝、いつもの様にAさんの部屋のカーテンを開けると、ベランダに濃い紫色の朝顔が3つ咲いていました。
「Aさん!朝顔が咲いていますよ!見えますか!」とベッドの上半身を少し高くして話し掛けると、目をぱちぱちさせて、何も言わずにじっと外を眺めていました。
時が流れてまた夏が来ました。いつもの様にAさんの介助をしていましたが、もやもやした気持ちのまま数日間過ごして気が付きました。夏なのに何故か朝顔が咲いていなかったのです。「Aさん今年は朝顔が咲かないですね」と、いつもの様に介助をしていると、真っ黒な澄んだ瞳で私をじっと見つめてきました。(朝顔を気にしているのは私だけでAさんは興味ないのかな?)と少し寂しくなっていました。
ある日、Aさんが入浴している間にベッドメイキングをしながら何となく外を見ると、ベランダに濃いピンク色の朝顔が2つ咲いていました。普段介助している私からは少し見えにくいのですが、ベッドの上半身を高くするとAさんからは良く見える所に咲いていたのです。
私の顔をじっと見つめてきたのは、もしかしたら「朝顔は今年も咲いているよ!」と言っていたのかもしれません。
その数日後、Aさんは体調が優れず入院してしまいました。
痰が絡んで咽ていたら慣れない手つきで吸引をしたり、Aさんの身体がベッドの端に行ってしまっても力が無くてベッドの中央に戻せなかったり、パット交換が手早くきれいに出来なかったりと、私が介助する事でAさんに負担を掛けていた事も多々あったと思います。それでも最後まで一緒に居られたら…という気持ちはありました。
医師や看護師からの指示があれば、介護士でも医療的な事をする事が出来ますが限られていますし、Aさんの体調面を考えるとここでは限界なのかな…と。
Aさんとの事を考えると『介護士って無力だなぁ』と思いました。
Aさんが入院して暫くしたある日、出勤してくると玄関に朝顔の花が落ちていました。その朝顔を見ていたら、Aさんから「頑張れ!私の事忘れないでね!」と言われている様でした。
介護の世界は毎日変化があって、のんびりしている私には追い付かない事ばかりですが、世の中が落ち着いたら新しい施設で過ごしているAさんに会いに行きたいです。
そして、朝顔を見てAさんが私の事を思い出してくれたら嬉しいです。

10:23 | Posted by kimisanchi

【こんにちは】  のんびり家2F 池田

2020年04月07日 | のんびり家::のんびり家 2F

この記事を書かせて頂いてもう3回目になります。今年の3月までに色々なこともありました。
 この仕事にも慣れてきたかなーと思う事もありましが、時々起こるアクシデント等にあった時に、まだ少しパニックになってしまう事もあり、まだまだ出来ていない事もありますし、周りからもまだまだだと言われてしまいます。声を掛けなくていいところで声を掛けてしまったり、手を出さなくっていいところで出してしまったりしてしまいます。
 今はコロナウイルスのせいで中々外出が出来ませんが、Kさんはとにかく外に出たいお方なのでついていくのが大変です。1人でも出掛けてしなう事もあります。外食も好きで近くにある王将に自分から餃子を食べたいと言ってくることもあります。物知りでもあり自分たちが知らない事を良く話してくれます。
 Aさんはどことなく自分の祖父に似ています。良く食べる所やお酒を飲むところなどはそっくりでしたし雰囲気がそっくりです。Aさんは3月まで入院していたのですが、入院を感じさせないくらいご飯を良く食べています。
 皆さんもコロナウイルスに気を付けて、手洗いうがいを忘れずにするようにしてください。

15:25 | Posted by kimisanchi

【父をお風呂に】  のんびり家3F 松山

2020年04月07日 | のんびり家::のんびり家 3F

今回はプライベイトなことを書かせていただきます。
私は山形出身で実家には、80代半ばの年老いた両親とバツイチの弟が一緒に住んでいます。
数年前から、父と母がしばしば救急車で運ばれるようになりました。そして父は5年前に間質性肺炎になり余命5年と宣告を受けて今年で5年、母が老老介護をしています。
その母が半年前に腸閉塞で救急入院、手術をしました。そして、その3か月後に癒着を起こして再手術。そんなこんなで、2度、父の世話をするために長めに帰省した時の出来事です。
要介護3の父にはいつも、看護師さんが週2回、入浴のサポートにきてくださっていたのですが、父の容体が進行し、家の風呂に入るサポートは、看護師さん一人では難しくなりました。仕方がないので、浴槽を持って来ていただく訪問入浴をお願いしたのですが、少し時間がかかるとのこと。そこである日、私と退院したばかりの母で父の入浴のサポートすることにしました。大人になってからは、初の父の裸との対面です。スポーツマンでゴルフと麻雀が大好きで、誰に対しても偉そうで負けず嫌いで頑張り屋、そして何より頑固な父。そんな父でしたが、年老いて病に伏し、食事もままならないその肉体は、本当に弱々しく、骨と皮だけで…。それを目の当たりにして、ずっと心配をかけ通しで、まだなんの親孝行もできてない自分を振り返り、とても切ない気持ちになってしまいました。そして今からでもなんとか親孝行しなくちゃ!という気持ちが湧き上がってきたのです。まずは、愛情いっぱいに育ててもらったことへの感謝、親孝行できていないことのお詫び、そして父が少しでも楽に最後を迎えられますようにと、祈るような気持ちで足の指から頭の先まで丁寧に身体を洗わせてもらいました。そのことをきっかけに父の顔から私への物申したい気持ちが消えたような気がします。お父さん、自慢できるような娘じゃなくてごめんなさい。でも私は大好きだからね。これからはできるだけ頻繁に山形に帰るね。間質性胃炎は苦しいと聞くけれど、どうかどうか、苦しまずに旅立つ日を迎えることができますように。

15:24 | Posted by kimisanchi

【Kさんの優しさ】  のんびり家2F 飛鳥井

2020年03月13日 | のんびり家::のんびり家 2F

皆さん、こんにちは。半年ぶりにどっこいしょの記事を書きます。のんびり家2階の飛鳥井です。
今回は、Kさんについて書かせて頂きます。
Kさんは男性で、81歳の方です。昨年の4月にのんびり家にご入居されたので、まだのんびり家では一番新しいご入居者の方です。
Kさんはご入居前の脳梗塞の後遺症で、お身体の右側に麻痺があります。室内では4点杖を使用し、ご自身で歩行されています。杖と手摺を上手く持ち替えながら、部分的に職員の介助が必要な場面もありますが、それでもご自身で歩こうという意志の強い方です。他にも、食べ終わった食器を積み重ね、下膳されることもあります。片方の手に積み重ねた食器を持ち、杖を使用したり或いは使用しないでガス台や調理台のところを伝い歩きされたりしています。
更衣の際、ご自身でタンスから衣類を取り出し、ベッドに座位になり、時には上半身を大きく反らせながら、時間を掛けて着替えをされています。
ご入居時からKさんの担当となり、日頃色々とお話をする機会もあります。
Kさんは、新聞の折り込み広告、特にデパートでの催し物をいち早く見つけ、職員に「行こう」と声を掛けてくださいます。Kさんは思い立ったら即実行の方なので、職員が戸惑っていてもお構いなし。「行こう」と出掛ける気満々でニコニコしています。当日の職員の勤務体制や天候などで残念ながら出掛けられないこともありますが、これまでに池袋のデパートにいちごスイーツや北海道物産展で海鮮丼などを食べに出掛けています。この時に、Kさんがいちごが大好きということが判明しました。今で言うところの「スイーツ男子」でしょうか?Kさんは特に女性に優しく、例えば廊下で行き会ったりすると女性の入居者の方に「どうぞ」と道を譲ってくださるなど、紳士的で気遣いをされる方ですが、独身を貫いて来られたそうです。
先日、ご家族とお話をする機会があったため、思い切って「これまでに、Kさんにも良いお話があったのではないですか?」と尋ねてみたところ、「あったみたいだけどね、ほら、高齢の母の面倒を見ていたでしょう。しかも認知症があったから」とのことでした。ご兄弟などがお母様の施設への入居を勧めても「自分が最後まで面倒を見るから」と頑として受け入れなかったそうです。それでも、ご自宅の近くに良い施設が見つかり、Kさんが仕事前や仕事帰りにも立ち寄れるとのことで、ご入居になり、1ヶ月で看取りをされたとのことでした。
お母様の看取りまでなさったKさんが、お母様と同じ認知症になるということは、本当に神様は意地悪だなと思わざるを得ません。
その一方で、Kさんとこうして巡り合えたことも不思議なご縁なのかなと思っています。Kさんの意志の強さ、時には頑固な一面も垣間見えますが、それは何でもお一人で決めてお一人でなさって来た人としての強さや優しさなのだと改めて感じました。
Kさんは、先日心臓のカテーテル手術を終えて退院されたばかりです。
そして、実はこの記事を書いている今現在、体調を崩されて再度ご入院されています。Kさんが一日も早く回復されて退院し、また「行こうよ」と誘って下さる日を心待ちにしています。

15:00 | Posted by kimisanchi

【健康第一】  のんびり家3F 吉田

2020年03月13日 | のんびり家::のんびり家 3F

この原稿を書いているのが2月7日ですが、新型コロナウイルスが猛威をふるっています。
街のドラッグストアではよほど運がよくなければ対策グッズを買うことは出来ない状況です。
Amazonや楽天などのネット通販やメルカリやヤフオクなどでは、100円のものが2000円~5000円など異常な価格を上乗せした商売が横行し、運営者は転売の自粛要請をアナウンスしただけで事実上は無法地帯。むしろ高値で取引が成立した方が10%の手数料売り上げも上がるという側面もあって戦時の闇市や武器商人の様相を呈しています。
そんな中で、我がのんびり家3階で常に行っている衛生対策をご紹介したいと思います。
まず一番にうがい、手洗いです。
特に大事なのが手洗いでして、うがいの方はあまり重要視していません。実はうがいというのは結構難しい動作でして、普段何気なく行っているようで実に複雑に思考して動作されています。
水を出すというところから始まり、どうすれば水は出るか、その水はコップに入れるのか手で汲むのか、水が口からこぼれないように口に入れるにはどの角度に傾ければいいか、口に含む水の量はどの程度がいいか、何回ぐらいゴロゴロとうがいするか、或いは上を向かずにクチュクチュうがいで済ませるか
うがいした水はどこに出すか、濡れた口は拭くべきか
実はもっと細かいですが、この動作のどこかで失敗した経験も皆さんあるのではないでしょうか。
コップを傾け過ぎて口元からこぼれたり、汲んだ水の量が多すぎて捨てたり、ときにはうがいした水をゴクンと飲んでしまったり。
話しが少し逸れましたがこのような動作を瞬時に行うのは、難しい入居者さんがたくさんいらっしゃいます。
この難しいうがいということを、水分を摂るということで代用していただいています。
ウイルスや細菌は私たちの胃酸で大体退治できるそうなので、粘膜から入る前に胃に流し込んで退治してもらうという方法です。
手洗いの代用でアルコールスプレーで消毒するということもやっていますが、現在手に入りません。
次の対策として空間除菌を行ってくれるクレベリンを、共用スペースの居間に二つ設置しています。
これは価格が結構高いのですが、まとめ買いすることでコストを下げて購入しているので後半年以上は大丈夫です。
夜勤中には共用スペースのテーブルや椅子、手すりなどの皆さんが良く触る場所を、ハイターを希釈した次亜塩素酸希釈液で拭き掃除をしています。
これはアルコール消毒で退治しきれないノロウイルスなどの対策でして、行政も推奨しているのでのんびり家以外の方も、皆さん行っていると思います。
そして一番が食事です。
のんびり家に入居されてから、血液検査やその他の数値がよくなったという方が何人もいらっしゃいましたし、醤油を毎回多量に使用されて心配していた方などは20代や30代の数値だから大丈夫と太鼓判を押されました。
どんな食事をしているのかと言えば、ただ皆さんで協力してほぼ手作りしているというだけです。
買い物前や最中に献立を考え、材料を一緒に下ごしらえし、配膳も出来るだけ自分で行っていただき、家族のようにみんなで食卓を囲んで食事をする。
このなんでもないようなことを毎日繰り返す。
もちろん、水分管理や体重管理などをしながらカロリーコントロールのようなことも行っています。
でも健康の為と言われるようなサプリメントや、食材や調味料、宅食の弁当はほとんど使用していません。
普通と言われることのほか、施設としてあたりまえのような対策をしているだけですが、もう3年間だれも風邪を引いていません。3年前のインフルエンザが最後です。
少人数のグループホームではありますが、インフルエンザだけでなく風邪も引かないといのは少し自慢でもあります。
この調子で今の状況を乗り切り、4年、5年と風邪を引かない記録を伸ばしていけたらいいなと考えています。
この記事が紹介されるころにはマスクパニックもおさまっているとは思いますが、もしまだ続いていたら、医療や福祉に関わる方に優先して提供をお願いします。
のんびり家3階では今の時点(2月7日)でマスクが数枚しか残っていません。
通院などの外出の際に感染でもすれば、あっというまに体力を削られてしまう方々です。
必要な方に必要な量が手に入る日本であって欲しいです。
備蓄のための買い占め、金儲けのための転売
これらは人が人を殺す行動です。どうかよろしくお願い致します。

14:59 | Posted by kimisanchi

【好物】  のんびり家3F 永辻

2020年02月24日 | のんびり家::のんびり家 3F

ある日の天気が良いお昼に入居者さんのUさんと近くのうどん屋に行って来ました。
Uさんはのんびり家での食事量は日によってばらつきがあるので、外ではどのくらい食べるのかも知りたくて散歩も兼ねて行って来ました。
席に着いてメニューを見ると品数はたくさんはなかったので、少し考え「天ぷらと温かいうどんのセット」を選ばれました。料理が運ばれてくると天ぷらもうどんも量が多いことに驚いていました。「天ぷらは好きですか?」と聞くと、「そうね。好きよ。」と言い、塩をかけて食べ始めたので、塩をかけるなんてツウだなと思いました。サクサクといい音をたてながら早い時間で天ぷらは全部食べました。うどんは少し残しましたが、最後はうどんのお汁をズルズルと美味しそうにゆっくりと飲んでいました。
お店を出るとお腹がいっぱいで満足そうな表情が印象に残りました。
人はいくつになっても好きな物はたくさん食べることを改めて思いました。
今度はのんびり家で天ぷらや揚げ物料理を一緒に作りましょう。

09:11 | Posted by kimisanchi

【2020年 年頭に】  のんびり家2F 佐藤

2020年02月24日 | のんびり家::のんびり家 2F

新しい年が明け暫く経ちますが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか?
さて、半年振りにこのどっこいしょの記事を書くに当たって、何を書こうか暫く考えていたのですが…、前回同様、今回も文献の力を借りることにしました。
今回は、書店の売上ランキングでも暫く上位の、脳科学・AI研究者の黒川伊保子氏著「妻のトリセツ」。
世の男性陣は、こんなにも妻の扱い方がわからないのだろうか?と思わなくもないですが(苦笑)、女性と男性の考え方の違いには以前から興味があった為、この本を手に取りました。
著書の中には、女性脳の特徴から、男性が妻に対してどのように接していけば「うまくいくのか」、とても具体的に綴られています。そもそも、「トリセツ」という表現が、男性が好みそうな表現です(笑)。
中でも印象に残った箇所は、「過去の体験記憶を臨場感たっぷりに想起し、何十年分もの類似体験記憶を一気に引き出す力は、女性脳が子育てのために備えている標準装備だ。人類は一個体が残せる子どもの数が少ないので、子育ては常に「新しい問題」に直面する。それを何百世代にもわたって培ってきた女性脳は、いつからか「新たな命題に対して、人生の記憶を総動員して瞬時に答えを出す機能」を備えるようになったと考えられる。(中略)特に、怖い、辛い、ひどいといった危険に伴う体験記憶は、子どもを守るために「とっさに発動すべき」第一級重要情報であるがゆえに、それを引き出すネガティブトリガー(引き金)は、周産期(妊娠、出産)と授乳期に格段にパワーアップする。だから、この時期の夫の無神経な発言や行動は、一生残る辛い記憶、傷となって、繰り返し持ち出され、いつまでも消えることがない。」
そうなんです、女性脳の標準装備なんです。結婚して10年程になりますが、もう少し早めにこの本に出会いたかった(苦笑)。
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そして改めて、夫婦に限らず相手の事を「知る」「知ろうとする」事は、対人関係や社会の中に於いて、とても重要な事だと感じました。
ともすると、私たちは先入観や自分の価値観で、どのような相手かと安易に判断してしまいがちです。しかし、まずは色々な手段を駆使し、相手を知る事。どのような人物なのかを知る事で、相手の見方や関わり方に変化があるのではないかと思います。
また、認知症の方に対しても、同じようなことが言えます。
認知症の原因になる疾患は、脳の器質的変化である事が多い為、ご本人の意思とは関係なく症状が現れます。入社したばかりの頃、その人のことを知り、何ができて何が難しいのか見極めることが大切だと教え込まれました。更に、「知り続ける事」が大切だとも教えられました。認知症の症状が進行するからと
いう事もありますが、何事も「知ったつもり」が恐いものです。そして、知り続ける事で、その人との信頼関係を結ぶ事が一番大切な事です。
日々の流れの中で、時々立ち止まって考えなければいけないと改めて考えさせられた一冊でした。今度は「夫のトリセツ」を読みます(笑)。

09:11 | Posted by kimisanchi

【様々な問題について】  のんびり家2F 石井

2020年01月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

のんびり家に復帰させていただき早くも半年が経とうとしています。様々な事情が絡み一旦は退職をしてしまいましたが、幸運にも再度のんびり家で働いています。一旦は退職し他の法人の有料老人ホームで数か月ですが働きました。そこで、感じたことを書きたいと思います。
私が勤務したのは大手の有料老人ホームでしたがサービス形態が異なる為安易に比較してはいけないと思います。しかし、多くの矛盾や問題点が垣間見えました。まず、有料老人ホームでは高額な入居金を払い高齢者は利用されています。しかし、利用者はほぼ自立されている方から認知症の方まで幅広く利用されています。そこで、食事の時間や内容がほぼ決まっており、レクリエーションも時間で決まっています。職員は1日入浴対応など細かく仕事が分業されています。1日の生活がかなり合理化され、システムありきの生活になります。その生活というのも利用者が生活をしているというものではなく職員が「生活をさせている。」というニュアンスがより正確でしょうか。
サービス形態がそもそも異なる点、職員の人員配置に限界があるのは十分に理解できます。しかし、職員は常勤の職員、非常勤の職員など多岐に渡りましたが話をすると様々な問題を抱えていると感じました。「しょうがないよね。」「そんなことやっていてもね・・・。」「もう少しで定年だから荒波立てずに、このままで・・・。」といった具合に何かを諦めている発言が多く聞かれました。認知症状態にある方への理解も乏しく、そもそも時間的な余裕もないため表面上取り繕い、職員は走り回りながら勤務時間が終える前までに「仕事」を終えなければいけません。私自身はこの福祉の業界に勤め研修なども含めて多くの現場を見ているわけではありませんが、様々なミスマッチが生じているのだと痛感しました。やる気のある職員も1部には存在をしていることはあるものの様々な職員の立場がありチームには中々ならないこと、そして何よりも利用者の適正なサービスが受けられていないことなどです。私自身も何度も利用者の諦める姿や言葉を聞きました。

現在でも様々な介護現場では人員不足により常勤職員だけではとても運営出来ないのが現状です。
介護報酬などの財源の問題も重くのしかかってくるでしょう。今後、団塊の世代が後期高齢者になる頃にはより多くの問題が生じてくる可能性があります。先日、ふと携帯を無意識にいじっていると本など出版されている女性のコラムに目が留まりました。(内容はなんとなく覚えていますが、残念ながら名前までははっきり覚えていません。)その女性は保育や介護という広い範囲での福祉としての話をされていました。内容としては「人は人の中で産まれ育ち人は人の中で最期を迎えるべきもの」というものでした。保育現場にはあまり合理性を求めていない(若干の語弊もありますが)にも関わらずに介護では合理性が強く求められすぎているというものでした。このコラムを読んだ時に確かに介護の現場では様々な機械の導入が検討されているなと世間の保育と介護のイメージも関係しているのではないかと思いました。確かに労働力人口の減少により介護だけでなく様々な分野で弊害が出てくるのでしょうが。人は産まれてから平等に年を重ねていきます。私自身もこの仕事に携わっていなければ深く物事を考えなかったかもしれませんが、「人が成長し生活し、やがて最期を迎える」ということを学び、考えるという機会が義務教育でなくてもどこかであると他人事ではなく皆が当事者として様々な問題に対して取り組んでいけるのかなと強く思った数か月でした。そして、今は他の職員と対話を重ねながら「入居者の自立した生活」について丁寧に時間をかけながら、何度も立ち止まり考えていきたいと思っています。

17:53 | Posted by kimisanchi