log

【平成最期のひな祭り】  きみさんち 田中

2019年05月06日 | きみさんち

きみさんちのご入居者は5:1の割合で女性人が占めております。
雛人形を飾ると綺麗だね、素敵だねと人形を愛でるその姿に、歳を重ねてもやはり女性だなと感じるものがありました。
前日から夕飯の献立を決めたり、献立にあわせて皆で手助けをしながら、夕飯を作る姿に感心させられます。
季節行事は、やはり皆さんの今までの生活に根付いているものであり、それは忘れる事のない思い出として心に残っているものなんだなーと感じながら、皆さんの夕飯作りのお手伝いをさせて頂きました。
ある人がぼそりと「今日でひな祭りは終わりね」とつぶやく姿に切なさを感じることも。
その一方で「人形をしまい忘れるとお嫁に行きそびれるのよ」と、田中にはきつーい一言も!そんなこんなできみさんち平成最期のひな祭りが終了したのでした。
ファイル 435-1.jpeg ファイル 435-2.jpeg ファイル 435-3.jpeg

08:23 | Posted by kimisanchi

【我が心の武蔵関】  きみさんち 志寒

2019年04月05日 | きみさんち

きみさんちは練馬区の武蔵関にあります。私がこの武蔵関にご縁をいただいてから、10年以上の月日が流れました。
その間に街並みも変わりました。古くからのお店が商売をたたみ、その後に新しい店舗ができ、一軒家がマンションになり、目を楽しませてくれた石神井川沿いの桜の古木も、何本か寿命を迎えました。もちろん、きみさんちの入居者も職員も幾人かが去り、その分だけ新しく出会いがありました。
なじみの人々とのかかわりや、ボロ市の賑わいなど町のにおいは変わりませんが、いざ振り返ってみると、その変化がさびしいような切ないような、それでいて、確かに未来へ歩み続けている息遣いを感じて、心が沸き立つような気分になります。
足しげく通っていた店がふっと消え、それにいささかの感傷を覚えながらも、それでも今度は何の店が建つのだろうかとわくわくする、そんな気持ちに似ているでしょうか。そして、新しい店が好みの商売をしていると、それをすっかり新しく町の光景として受け入れてしまって、あれ?ここに前は何があったんだっけ?と、思い出すのも難しくなってしまう、そんなげんきんな面も、人の心理は持ち合わせているように思います。
一方で、一旦なじんだ心の町並みはなかなか消えないもので“あれならあそこの店に売っていたはずだ”とか、“あのバラのお宅の角を曲がると近いはずだ”などと確信していて、ふと、いや、あそこはもう無くなったんだと気がつくこともあります。そして先ほどの自分の確信具合を思い出して、不思議やらおかしいやら。ああ、認知症状態にある人はこうして道に迷うこともあるのかもしれないなと、思いもします。
変わるものも変わらぬものも包み込んで、この武蔵関は未来へと時を重ね続けていきます。そして私自身も、変わらぬと思いたがっていても歳を重ねていくわけで、良くも悪くも変わっていくのでしょう。
そしていつか、10+α 年後、この武蔵関を私が去り、それからまた時が流れたとき、この武蔵関の風景、きみさんちのたたずまい、そして同じときを過ごしてきた入居者や職員、地域の人々の顔を、どんな頻度で、どんなふうに思い返すのでしょうか。心の地図帳、アルバムにどんな町並みが、人々が残っているのでしょうか。
寒さもひときわ厳しい時季ですが、よく観ると桜の芽は気持ちばかり大きくなっているようです。桜も数本、欠けてしまいましたが、今年もまた、桜の花とそれに目を輝かせている入居者さんの顔を、心に焼き付けたいと思います。

09:02 | Posted by kimisanchi

【三人の共通点?】  きみさんち 金井

2019年03月08日 | きみさんち

ファイル 425-1.jpeg
きみさんちに新しく入居されたAさん、おととし入居されたOさん、そして私。
共通点が多いのです。
生まれは雪国、N県の中越地方。
誕生年はさすがに違いますが、12月生まれ。
三人とも長女。
若干残るなまりまじりの標準語で話していると、地元に戻って近所の顔なじみのおばあちゃん達といるようです。
お二人がひとつだけ私と違うのは、懐メロに詳しく歌詞帳を見ながら楽しそうに歌っていること。美空ひばり、古賀正男、越路吹雪のリサイタルが連日繰り広げられいます。
もともと歌の好きなSさんも、今まで歌なんて嫌いなんて言っていたKKさんまでにこにこと一緒に歌いだす、にわか歌声喫茶「きみさんち」は、ほぼ毎日の営業になってます。

14:06 | Posted by kimisanchi

【365歩のマーチ】  きみさんち 松林

2019年02月15日 | きみさんち

夜勤中、ある方の居室から何か聞こえてきました。
居室のドアを少しだけ開けて耳を澄ましてみると、「可愛いやりんご~♪」と、歌声が聞こえてきたのです。
居室に失礼して、顔を覗いてみると、寝ています。歌の寝言だったのでしょうか?
またある夜勤の時は、「一日一歩、三日で三歩、三歩進んで2歩下がる~♪」と『365歩のマーチ』が聞こえてきました。
きみさんちでは、皆さんで良く歌を歌いますので、その時の事を夢に見ていたのでしょうか?
それからは、夜中に出てくる歌は、ずっと『365歩のマーチ』ばかりです。
「幸せは~歩いてこない、だ~から歩いて行くんだね~♪」
真夜中に流れる元気な寝言です。
その方は、今年の四月に、急に腰痛を訴える様になり、暫く、ベッドから起きられなくなりました。
昔は陸上の選手だったと言われるだけに、何時もお元気に過ごされていたのですが、それまでの生活とは180度変わった生活を送る事になりました。
痛みがあるから起きたくないと仰って、動かないから食欲も落ちて、どんどん痩せていきました。
ですが、少し厳し目にお願いをして、湿布を貼ってコルセットを締めて、少量でも栄養価の高い食事を摂って頂き、、、すると、少しずつ元気を取り戻して行かれました。
そして、今では、食べて歌って出掛けて寝て、、、すっかりお元気になられました。
ご自身の幸せは、ご自身で歩いて掴んだ様です。
体調を崩された時は、2歩下がる~♪だったのでしょうか。
何時も明るく元気なその方は、これからも、汗かきべそかき歩いて行かれる事でしょう。
そして、その足跡には、綺麗な花が咲く事でしょう。

08:52 | Posted by kimisanchi

【きみさんち 日帰り旅行IN横浜中華街】  きみさんち 田中

2019年01月22日 | きみさんち

ファイル 412-1.jpeg当日は絶好の秋晴れに恵まれきみさんちでは10月31日に横浜中華街まで日帰り旅行に行ってきました。
当日の朝マイクロバスが到着し、皆さんが乗り込みいざ出発。何処に連れていかれるのだろうと緊張の面持ちで乗車したSさん。バスに入ると眠くなってしまわれいびきをかいて寝てしまったKKさん。興奮気味に車窓を眺め、到着するまで「へー」「ほー」と関心を示されていたOさんとKさん。きみさんちでの旅行が初参加のKOさん。
ファイル 412-2.jpeg現地に着きまずは散策、日本語と外国語が飛び交う町並みに皆さんびっくりされていました。
レストランでは、きみさんちでは見慣れない食器やナプキンに頭を悩め、特に箸置を使う習慣がきみさんちではないため、皆さんどうやって使うのかと頭を悩めるハプニングも・・・
ファイル 412-3.jpegしかし出されたお料理は皆さん「美味しいー」と仰りながら召し上がっておりました。
特に、バスの中で熟睡してしまっていたKKさん。昼食もとれずに寝てしまわれるかと思いきや、席に着いた途端にお目覚め。給仕をしてくれる方に「お腹すいちゃったの」「早くして」といつものKK節が聞かれほっと一安心。
日帰り旅行初参加のKOさんもチャーハンがお気に召したのか「美味い」と声を出しながら召し上がっておりました。
皆さん各々楽しい昼食会になった横浜中華街日帰り旅行でした。
追伸:レストランを紹介してくれたN氏どうもありがとうございました。とても素敵なお店でした。

13:33 | Posted by kimisanchi

【当たり前の風景の愛おしさ】  きみさんち 志寒

2018年12月27日 | きみさんち

【当たり前の風景の愛おしさ】  きみさんち 志寒
皆さん、グーグルマップのストリートビューというものをご存知でしょうか?
グーグルマップは検索サイトのグーグルが提供する、インターネットで地図を見ることができるサイトです。
その機能の一つに、ストリートビューといって、車載カメラで撮影した実際の道の光景を見ることができるというものがあります。
全国、いや、全世界津々浦々の道の様子が見ることができて、道案内の参考にもなります。それ以外にも、ちょっとした海外旅行気分を味わったり、実家の様子や過去に住んでいた街並みを見たり、過去に旅行した先をたどって追体験したりできる優れものです。
時折、このストリートビューの写真に撮影時に居合わせた人々が写っていることがあります。もちろん肖像権に配慮してボカシが入っているものの、そこで行われている日常生活の営みを感じることができて、心和むものです。
さて、そのグーグルマップで、きみさんちを見ると。
ファイル 410-1.jpeg
玄関先のベンチの辺りで買い物に出掛けようとしている入居者さんと職員の様子が写っています。いかにも「さぁ、出掛けて何を買いましょうか」という光景で会話も聞こえてくるようです。
そして、玄関のドアは開放されています。撮影時は2018年6月となっています。
梅雨の晴れ間、すがすがしい風を感じるようです。
傍目からみると、当たり前のおうちの当たり前の生活。
そんな生活を入居者さんが送って下さることに、職員が支えていることに、あたたかい気持ちになる光景です。

17:27 | Posted by kimisanchi

【年の功】  きみさんち 金井

2018年11月30日 | きみさんち

損得勘定で物事を判断するのは卑しいなと思いつつ、生まれた家が商家で産湯の中に商売の基本でも入っていたのか何となくそういう見方で生きてきた半世紀近く。
きみさんちに来るようになって、得でない徳のほう、人徳に触れる機会が増えています。
Kさんはそのおおらかな性格から近所に友人ができ、その方にベンチでのおしゃべりに誘われています。Oさんはいつも人の話を親身に聞いて下さいます。そのため私が聞いていたSさんの悩み相談に聞き入って、涙したり真剣にうなずいたりしています。SさんもそんなOさんを頼りにしてだんだんOさんに向けて話し始めます。
お二人の長年培われた人徳には脱帽します。
やっぱり年の功には適わないですね。

14:11 | Posted by kimisanchi

【猛暑に外行く入居者さん】  きみさんち 松林

2018年10月31日 | きみさんち

太陽の日差しが降り注ぎ、猛烈な暑さが日本中を襲った、今年の夏。
観測史上最高の気温を記録した場所もあり、熱中症で亡くなった方も数多い。
そんな殺人的な暑さの中、きみさんちのある入居者さんは、積極的に外に出られていました。
どうしてこんなに暑い中にと、不思議に思うのですが、兎に角、外に出て、ベンチに座って過ごされます。流石に直射日光は厳しいらしく、日陰までベンチを引きずって移動して、何をする訳でもなく、座って過ごされます。
日陰といっても、あの猛暑の中です、熱中症の危険が伴いますので、ちょくちょくと飲み物をお持ちしたり、食事の声掛けを早目にしたり、おやつに冷たいものを用意したりと、気を使います。
飲み物は良く飲んで下さいますが、食事やおやつが済むと直ぐに「ちょっと出掛けてきますね」と仰って、外に出て行かれます。
そんなに外へ向かう興味は何なのか?ある時、一緒にベンチに座ってみました。
ベンチに座って、外からきみさんちを眺めると、風に揺れるベランダの洗濯物や、青空と白い雲を背景にして日を受ける屋根があり、横を向くと、影の落ちていない長い坂道に、行き交うご近所の方達などが目に入りました。
そんな風景を眺めていると、外へ向かう気持ちが、何となくですが、理解出来た様に思えました。
ちょっと表現が難しいですが、他愛のない日常の風景を改めて眺める事で、どこかのんびりとした時間の流れを感じる事が出来て、その風景と時間を独り占めしている様な、感覚に陥るのです。
その方が同じ様に感じているかは分かりませんが、外から眺める風景には、色々な魅力があるのだと思います。
しかし、今年の猛暑は、現実です。私は、数分でギブアップをして室内に入り、エアコンの前で冷風を浴びさせてもらいました。
そして、その時、試しに外に置いておいた温度計を見てビックリしたのです。なんと45.1℃の表示!寒さすら感じます(湿度に至っては、カラカラに乾き過ぎて“Lo”の表示です)。
そんな記録的な猛暑の中でも、きみさんちの入居者さんはお元気に過ごされているというお話でした。
ファイル 399-1.jpegファイル 399-2.jpegファイル 399-3.jpeg

08:37 | Posted by kimisanchi

【人情に厚く涙脆い頑固者。そして・・・】  きみさんち 田中

2018年09月30日 | きみさんち

私が担当させていただいているOさん。
新潟生まれの色白美人。きみさんちにご入居され1年と3ヶ月が過ぎました。
(2018/07/18現在)
きみさんちの生活にも大分慣れてきたご様子で、他のご利用者と歌を歌ったり、テレビを真剣に見たりと寛ぐ場面も増えてきました。
またこんな一面も見せてくれます。あるご利用者が身の上話を始めると、親身になって受け答えをし、途中「そんなに大変なことがあったんだねー」「辛かったでしょう」と自分事の様に涙を流されたり、ある時は、近くにある障害者施設におやつを作り振舞うために行ったところ、ありがとうと感謝の言葉を述べられると感極まり「嬉しいよー」と涙を流す。
昨年のお誕生日では、新宿のデパート巡りをし、丁度お誕生日月がクリスマスシーズン
と言うこともあり、新宿プリンスホテル内にあったツリーを背景に写真を撮ろうとしたところ、ロビーで待たれていた方がご親切に「一緒にとって差し上げましょうか?」と声をかけて下さった途端ホロリと涙。お礼を言って別れた後に「こんなに他人に親切にされたのは生まれて初めてだー」と鼻水を啜りながら号泣。Oさんは涙無しでは語れないほど人情厚く涙脆い方です。しかーし!!
こうと言ったら気の済むまでやり続け、疲れていても手を休めない。休んでとこちらからお願いしても聞く耳持たず、まだやる事あるから、こっちがあるからと手を抜くことをしない頑固さも持ち合わせています。
個性豊かなOさん。これからもその涙脆さと頑固さを忘れずに一緒に元気に過ごしましょう。しかし頑固も行過ぎると身体を壊してしまいます。頑固も程ほどに、妥協も忘れずに!!(これが出来ないから頑固者と言うのか・・・?!)
ファイル 395-1.jpeg

15:59 | Posted by kimisanchi

【受け継いでいくもの】  きみさんち 志寒

2018年08月31日 | きみさんち

きみさんちの塀越しに青紫にかがやくアジサイが顔を覗かせています。梅雨の重い空気がその花の周りだけ、透明感を増しているように感じます。
こちらのアジサイ、この居室に住まわれていたOさんが植えたものです。最初は小さな鉢植えのアジサイでした。花期が終わりいたんできたものを「かわいそうだから」とOさんが自室の窓の下に植えました。最初は20センチ程度の小さなアジサイ。Oさんの愛情が伝わったのか、それともきみさんちの土が良かったのか、瞬く間に大きくなり、毎年、花を咲かせています。
特に何も世話をしている様子はなく、虫食いも目立っていたので、Oさんに殺虫剤をかけるか相談すると、「どうってこたない、ちゃんとアジサイも大きくなってる。それなのに虫を殺すのはかわいそうだぁ」と断固拒否されました。そのOさんはこの居室で旅立たれました。今はその居室には別の入居者がお住まいになっていますが、その遺志を継ぐかのように、いっそうアジサイはより大きく美しくなって咲いています。
さて、そのアジサイ、あまりに立派ですので、いくつか切花にして、居間や入居者さんの居室に飾ってあります。お体の事情で外出が不自由なYさんの居室にも、ひときわ大ぶりのものを飾りました。生前のOさんはこのYさんのことを何度もほめていました。「きれいだね~」「100歳!?そんな歳に見えないねぇ~」「長生きしてるんだね~、たいしたもんだ」と、しばしば涙を浮かべながら、しきりに話しかけておられました。そのOさんの愛情は、いま、アジサイとなって、Yさんの生活を彩っています。
これはアジサイに限ったことではないのでしょう。きみさんちを旅立たれた皆さんが遺した、笑顔の写真や手芸作品や手作りの家具など、たくさんの品々。そして、この建物に息づいている山下きみさんの思い。それらに見守られながら、私たちは生活を続けている。そのことに改めて驚きと感謝を感じます。
アジサイの花言葉は「浮気」「移り気」だと思っていました。Oさんのアジサイが気になって改
めて調べてみると、「辛抱強い愛情」「家族団らん」という花言葉もあるようです。まさしく、辛抱強く家族や周囲の人々を愛し続けた、Oさんにふさわしい言葉だと思います。
少し葉っぱに虫食いのあるアジサイ、今年もきれいですよ、Oさん。
ファイル 389-1.jpeg

17:34 | Posted by kimisanchi

【きみさんちのベンチ】  きみさんち 金井

2018年07月31日 | きみさんち

住宅地の中にあるきみさんちですが、前の通りにはいろいろな方が通っていきます。
仕事先に急ぐサラリーマンの男性、通学途中の小学生、病院帰りのご年配のご婦人、犬の散歩をしている方などなど。
みなさん長い坂を上ってこられて、はああーと一呼吸したところにきみさんちの白いベンチが見えます。暑い午後など少し日陰の憩いの場に見えるのでしょう。しばしの休憩にと休んでいかれる方も少なくありません。
社交的な性格のKさんは休んでいる方に笑顔で語りかけ、時には相手の近況を聞いて親身になって話し込んでいらっしゃいます。
そんなきみさんちに親近感を覚えていただいたのか、近所のお宅からお土産やお花をいただくこともあります。
ベンチにいるKさんはすてきなきみさんちの看板娘なのかもしれません。

09:35 | Posted by kimisanchi

【新年度を迎えて】  きみさんち 松林

2018年06月30日 | きみさんち

4月になり新年度を迎え、入学や入社、引越しなどで環境が変わって、気持ちが引き締まり、心身共に疲れている方が多いのではないでしょうか?
きみさんちでは、「もうすぐお正月だから忙しくなるね」とか「入梅時はカビに気を付けないとね」等と、ご自身の感じる時節を纏って、笑ったり怒ったりしながら、皆さんお元気に新年度を迎えております。
そんな中、新年度という言葉にふさわしい存在なのかなと思われるのは、3月中旬にご入居された方かもしれません。
病院からきみさんちに来られて生活を始められましたが、まだまだ環境に慣れないからか、元々がそうなのか、とにかく物静かな方で、一日の殆どを自室で過ごされています。
また、これもその要因の一つになるかもしれないのですが、その方は、きみさんちで唯一の男性入居者さんなのです。
女性5名に対しての男性一名。日中のスタッフが女性だった時は、女性7名に対しての男性一名となるのです。
それに加えて、きみさんちの女性陣は強い方が揃っていますので、物静かなその方には堪った物じゃないかも知れません。
これから手を付けようとしていたのに「このサラダも食べた方が良いよ」と女性陣A。
まだ食べているのに「食べ終わったらあっちに運んでね」と女性陣B。
「ねえ、あんなおじいちゃん居たっけ?」女性陣C。「知らないよ、あんな禿げじいさん」女性陣B。その会話には「こらこら、そんな言い方ないでしょ、なりたくてなった訳じゃないんだから」と、近い将来そうなるだろう私も介入しました。
物静かなその方は、女性陣の言葉に「はい」「はい」「・・・」と返すのみです。
新入居さんの新年度は始まったばかりです。これからの生活がより良いものとなります様に、微力ではありますが、支えて行ければと思う、2018年の新年度です。

08:39 | Posted by kimisanchi

【おめでとうございます】  きみさんち 田中

2018年05月31日 | きみさんち

きみさんちの利用者Yさん。
2018年2月5日になんと102歳のお誕生日を迎えました。
きみさんちにご入居したのが2000年の4月。
17年と1ヶ月間きみさんちで生活されており、きみさんちの歴史を熟知されている方です。
2度の脳梗塞を患い、今は口からの食物摂取が難しくなってしまわれましたが、胃ろうになられる前は食事が大好きだった事も踏まえ、細心の注意を払いながらハチミツやジャム、またケーキのクリームなど味見をなされ、美味しいときには「あー」と声を出され、自分の好みではないものには無言であったり、咳払いをされたり。
言葉を発する事は難しくてもYさんの気持ちを察しながら日々変化する環境の中でスタッフは見守り、Yさんは生活を営んでいます。
胃ろうになったからといって外出が出来ない事はなく、昨年は秩父までぶどう狩りに行きぶどうを味見。2015年3月には山頂の景色を眺めに高尾山へと色々な所に出かけています。医療的支援の必要な方なのでそれなりの準備が前もって必要になってきますが、Yさんも他の皆さんも思い出に残る日帰り旅行を企画し出かけています。
この世に生を受けて102年、今までも色々なドラマがYさんの中であったに違いありません。これから先どんなドラマが待ち受けているのかYさんよりも私の方がドキドキしている今日この頃です。
改めまして「お誕生日おめでとうございます。」そしてこれからもどうぞ宜しくお願い致します。
ファイル 373-1.jpegファイル 373-3.jpeg
ファイル 373-2.jpeg

08:38 | Posted by kimisanchi

【食事の風景】  きみさんち 志寒

2018年05月05日 | きみさんち

ファイル 367-1.jpegファイル 367-2.jpeg

私は食べることが大好きです。
気を抜けば体重が気にかかってしまうくらい、ついつい食べて過ぎてしまうほど。
子どものころは母や祖母に「浩二は本当に美味しそうに食べるねぇ」と褒められていました。
自我が目覚めて恥じらいが出たころには、自分の食べる姿が気になってしまい、人前で食べるのが苦手になってしまいましたが。それももう、恥じらいも薄れるこの歳になれば怖いものなし、“美味しそうに食べる浩二”は復活しています。
小学校低学年になるまでは食が細く、体調を崩しやすい、面倒をかける子どもでした。母や祖母は、そんな私の食事を励ますために褒めていたのかもと思っていましたが、やはり自分もこの歳になると“美味しそうに食べる”姿を愛でる気持ちが分かってきました。といっても自分の子はいませんので、きみさんちで皆さんの食べる姿を楽しませていただいています。
シチューの素になじみの薄い年代のKさんは、シチューを作ると「これは美味しいね~、素人じゃこの味は出せないねっ!!」と喜んで下さいます。
前の晩から水に浸して作った煮豆を一口食べたNさんは「これ・・・誰が作ったの?出来合いじゃあないね。え?あんた?なかなかやるじゃない」と仰いました。新人のころでしたので、ちょっとこわもてと感じていたNさんに認められた気がして、とても嬉しかった覚えがあります。
Eさんは一緒に天丼を食べたとき、天ぷらと天つゆのしみたご飯を食べたあと、わずかに残った白飯を差し出しながら「あたしももう歳だから~」と苦笑いをされていました。
Yさんはパンが大好きで、紅茶にパンを浸して食べるときに、小指がぴんと立っていました。薄手の真白なブラウスで、とてもノーブルなお姿でした。
男性のKさんはさすが自分も料理上手だけあって“味の分かる男”でした。好物のそばが上手く茹で上がると、ニコニコしながら手繰っていました。
食事介助の必要なTさんは、上手く仕上がったオムレツや、ナポリタンを召し上がったときには目を見開いて、眉がくいっとあがっていました。言葉が殆ど発せられない状態でしたが、その食べる姿になによりも気持ちが伝わってきました。
誤嚥を心配しながらの一口もありました。はかない命がたえぬよう祈りをこめた一口もありました。いつも笑顔で気楽な食事だけではありませんでした。
ですが、やはり思い返すのは、嬉しそうな、美味しそうなお顔ばかりです。
一つ一つの食事の風景、全てがかけがえの無い記憶です。
私自身が美味しそうに食べる姿を見せてきた分だけ、美味しそうな姿を見る権利をもらったのではないかなと、思っています。

08:06 | Posted by kimisanchi

【Sさんのこと】 きみさんち 金井

2018年03月28日 | きみさんち

冬に入りたてのころ、2階のベランダで洗濯物を干し終わり、さて居間に下りようとした時、お部屋から出てくるSさんの背中が見えました。なんとなく気配を絶ち、後ろから様子を見ていると、私に気づくことなく階段のごみを拾いながら下りていきました。
ある日は外での喫煙後、前の神社の赤松が道路中に落とした松葉を、竹箒で全部掃き掃除して下さっていました。誰に言われるでも、誰かの真似をするでもなく。
きっと今までお一人で生活されていた時もそうやって周囲に気を配っておられたことが想像できます。
歌を歌うときも、目の前で歌わずにいるKKさんに歌おうと誘うのもSさん。皆におやつ出さなきゃと棚を見るのもSさん。
ふとした時に周りへの気遣いを見せるところが、Sさんの幾つかあるうちの最大の美徳だと、同じ女性として感服しているこのごろです。

17:39 | Posted by kimisanchi