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【旅行が楽しみな入居者さん】  きみさんち 松林

2016年06月14日 | きみさんち

昨年度末の3月に、高尾山まで日帰り旅行に行ってきました。
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旅行当日は快晴で、「入居者さん達の普段の行いが良いからだね」などと、バス車内で冗談を言いながら、高尾山を目指して出発しました。
バス発車後15分もしないうちに「あ~お腹空いた。何かないのかしら」と言い出す入居者KKさん。はいはい、予測の範疇です。しっかり、おにぎりやお菓子などを積み込んで参りましたよ。
バスの車窓から外を眺めて「どこ行くんだ?」と何度も訊ねてくるOさん。「高尾山だよ。Oさんも行った事あるでしょ」「高尾山か。良いとこだぞ」「そうなんだ。楽しみだね」

そんな皆さんの中でも、旅行を一番楽しみにされていたのは、やはりKさんでしょう。
バスに乗り込むと「こんなことまでしてもらってどうもありがとう」と丁寧なお言葉です。
まだ行き先が決まっていない数ヶ月前から、「今年の旅行は何処なの?いつ行くの?」と聞いてこられていました。
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まだ何も決まっていないと話すと「行くんでしょ。バスで行くの?バスはここまで来てくれるの?」とKさんの中では何となくプランが決まっている様でした。
行き先と日にちが決まった事をKさんに話すと「あら、ホント。楽しみだね。何着て行こうかな。バスで行くの?」と、もの凄く前向きな返答がありました。
それから旅行の前日まで「旅行楽しみだね。いつ行くんだっけ?何処まで行くの?」と楽しみな事だけを覚えていらっしゃる発言が聞かれました。
その都度「今月の22日だよ。高尾山。とろろ蕎麦が美味しいんだって」と話しをしてきました。

そんなKさんもバスに乗った事で旅行が実現されたと実感されたようでした。
「高尾山は何が美味しいの?」と。「蕎麦が有名なんだけど、特にとろろ蕎麦が美味しいらしいよ」「へ~、あまり食べないから楽しみだね」と、旅行気分が盛り上がります。
その時、KKさんは、車内に積み込んだおにぎりを食べ終え、お菓子を摘んでいました。Oさんは「どこ行くんだ?」と外を眺めながら聞いてきます。

いよいよ高尾山に到着し、ケーブルカーで展望台を目指します。
車椅子の方達も安心してケーブルカーに乗車します。
展望台に到着すると、そこから見下ろす景色がとても綺麗でした。
本当に皆さんの人柄がこの景色を望んだのだろうと感じました。

展望台側にある茶屋処に入り、昼食の時間となりました。
KKさんは、バス車中で沢山食べていたにも係わらず「お腹空いた。何でも良いから早く食べたい。」「とろろ蕎麦が、、、」「それでいいわよ。あなたと同じもので」
KさんとOさんは向かい合わせに座って、仲良くおでん定食を注文されていました。
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はい。ご自分が食べたい物が一番なのです。
普段味わえない、美味しい空気とおでん定食を堪能されて、帰路へと付きました。

両脇にお土産屋さんが並ぶ参道をゆっくり歩き、また、いつもと違う自然の風景を眺められ、皆さんの印象に残った旅行ではないかと思います。

その二日後、Kさんが「旅行はいつ行くの?」と聞いてきた事は蛇足でしょうか。

09:30 | Posted by admin

【春ですね・・・】  きみさんち 田中

2016年05月15日 | きみさんち

やっと暖かくなってきました。
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日照時間も長くなり、利用者さんにとってもスタッフにとっても活動しやすい時間が増えてきました。
きみさんちの朝をご紹介すると・・・
日が昇ったと同時に「お早うございます」「足の運動に行ってきます」と近くの神社まで出かけるKさん。
起きて来るなりの第一声が「お腹空いたー」とKKさん。寝ているのかと思いきや庭の花を愛でながら起きているOさん。朝早くから仕事モードのSさん。
5時頃から生活音が部屋中に響くのが日常的になりました。
いつもマイペースなのはYさんとTさん位でしょうか。本当に早起きな方ばかりです。
一人ひとりの生活が始まる朝は、スタッフにとっては一番眠い時間帯でもあります。
それを察してくれるのか、ゴミ出しや外掃除など率先して手を伸ばしてくれるのです。
冬場の寒い日とは比べ物にならないくらい足取りも軽やかに。
皆さんが活気づくと「あー春が来たな」と思うのは私だけでしょうか。
日常のごく当たり前に行われる行為が、暖かくなると更に活動的になるこの頃。
暖かさはこんなにも人の心や活動に影響を及ぼすものなのかと毎日考えさせられます。
注意をしながら楽しみを見つける。これからはもっと楽しいことを利用者の皆さんと見つけていこうと思います。
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11:32 | Posted by admin

【深い悲しみを癒すもの】  きみさんち 志寒

2016年04月10日 | きみさんち

ある日の夕方のことです。
とあるご入居者さんが少しだけ開いたお部屋のドアからこちらを伺っていました。
いつも陽気なそのご入居者さんですが、何か言いたげな物憂げなお顔をされています。
私はノックをし、お部屋にお伺いしました。
天気のことなど、他愛も無い会話をするのですが、特に何かを仰るわけでもなく、ぼんやりとした表情で窓から見える夕空を見ておられます。
いったんお暇をし、他のスタッフに聞いてみると、そういえば、お部屋の仏壇のおりんを鳴らしていたとのこと。お亡くなりになったご家族のことを思い出されているのかもしれません。
私は人には自分だけの悲しみを抱え、それを慈しむ権利があると思っています。
悲しみの無い笑顔だけの暮らしなど、そう生きようとするのも、ましてや他人にそう生きるよう強いられるのも苦しいでしょうし、私のような若輩者がたやすく百寿にも手が届く方の、積み重ねた人生の悲しみに対して、共感したり、慰めようとしたりするのは、あまりにおこがましいことと思っています。
ですが、そのとき、夕空から仏壇に目をやったときの、さびしげな光景が目に浮かびました。
そして、もう一度、お部屋にお邪魔しました。「そういや、花屋さん、安かったよ」
結果、夕暮れの関町に仏壇のお花を買いに行くこととなりました。
さて、玄関先に出たとたん、ご近所のリサイクルショップと高齢者の集いの場のエプロン関町の方が。「焼きたての手作りのケーキですけど」と。ありがたくケーキを受け取り、商店街に向います。すると、いつもお世話になっているお肉屋さんの高尾さんが。ご入居者さんが「おとうさん!元気にしてた?」とご店主に大声で話しかけると「え!?もうすぐ100歳になるの?すごいねぇ、俺も続かなくちゃ」と返されます。しばらく進んで、お好きな喫茶店の花冠さんを通ると、店主と手を振り合っておられます。
しばらくして、ご入居者さん。
「この町はいい人ばっかりだ」「花は赤いのが入っているのにしよう」と笑顔になっています。
深い根源的な悲しみは、なじみの人々との、生活の中のきずなで癒えていくものなのだなと感じました。
なじみの人々や、地域の暮らしから切り離されない、そんな生活を支えていこうと、改めて思うのでした。

16:00 | Posted by admin

【だろうじゃなくかもしれない】  きみさんち 松林

2014年12月09日 | きみさんち

昔、教習所で“だろう運転”をせず、“かもしれない運転”をする様にと、教わった事があります。
どういう事かというと、運転中に交差点から人が飛び出してくる“かもしれない”と注意しながら運転する事。そんな事はない、大丈夫“だろう”と油断しない様に運転する事です。
この話は運転に限らず、仕事や生活、何にでも当て嵌まると思っています。
特に私達の仕事は、入居者の皆さんに安全と安心を提供しなければならないものです。少しの時間だから大丈夫だろうと、コンロの火を点けっぱなしでキッチンを離れたり、椅子を出しっぱなしにしていたりする事で、とんでもない事態が引き起こされるとも限りません。
ある行動の先には、危険が潜んでいるかもしれないと、想像しながら動く必要があります。
とは言うものの、常に“かもしれない”ばかりでは、何も出来なくなってしまう恐れもありまね。
そうならない為には、物事を見極める力と想像力を養う必要があるのだと思っています。
それらが成長すれば、“きっと”や“必ず”といった強さが出てくるのではないでしょうか。
そんな事を思いながら、きみさんちで5年が経った私の口からは、まだまだ、“きっと”や“必ず”のフレーズは出て来ません。
“かもしれない”運転ばかりなのかもしれないですね。

08:08 | Posted by admin

【1泊研修を終えて】  きみさんち 田中

2014年11月26日 | きみさんち

先日、東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会主催の1泊研修に11月20・21日と参加させていただきました。
日々利用者さんとの関わりは代わりが無いのですが、他施設のスタッフさんとお話できる機会はこういう研修を通してでないと中々出来るものではなく、今回も新鮮な気持ちで参加させていただきました。
話の内容は、地域に密着した支援の実践例が主でしたが、本当に、多種多様な支援法方があるのだと痛感させられます。
私はきみさんちに在職し6年ですが、私と同じ様にどの施設でもどのようにケアしていけばいいのだろうと日々悩みながら支援を行っている同業者が居るという事を知る上でもとても勉強になります。
こういう時はどうしていますか?と言う質問を投げかけられたとき、きみさんちは基本自由で、お買い物も自由に行って頂いています。と言う答えを発した時、事故などの心配は無いのですか?道に迷ったりしたときは?と言う驚きの表情をされ、聞かれている方がいらっしゃいました。
また、ある施設の方から、フリーマーケットをやっている。と言う情報を頂き、きみさんちでも出来ないかと考える自分がいたり、自分自身の発見もあり、勉強しながらこれからの自分ときみさんちの皆さんへの支援法方を改めて考える有意義な時間を過ごす事が出来ました。
リスクは生きているうえで切っても切れないものだという事を頭に置きながら、いかに地域に足を踏み出してもらえるか、地域の方にどのように知ってもらうべきなのか、もっと深く追求していこうと思える研修でありました。

14:34 | Posted by admin

【子豚、紅葉、柿、カイロス】 志寒

2014年10月28日 | きみさんち

きみさんちでは10月27日、28日と千葉県のマザー牧場とその近くのオークラアカデミアパークホテルに一泊旅行に行ってきました。
雨こそ無かったものの、残念ながら27 日にマザー牧場に到着したころは、寒冷前線の通過と、南よりの風に運ばれた雲で日が差さず、やや肌寒く薄暗い日よりとなってしまいました。とはいっても、牧場では子豚のレースに笑顔が弾け、ホテルでは練馬よりずっと赤みの濃い紅葉の景色を楽しまれておられました。
幸い、翌日28 日は快晴となり、予定変更をして帰り道で海ほたるに停車し、青々とした海と空を堪能することができ、とても良い笑顔を見ることが出来ました。
さて、私がきみさんちに来て、良かったなと感じることは沢山ありますが、そのひとつに季節感をとても大切できるということがあります。日々の外出の暑さ寒さ、芽吹きや季節の花々、買い物で手
にとる旬の食材。日常の中でご入居者さんと一緒に、そんな季節の移り変わりをじっくりと楽しむ事が出来ます。
「あー!寒い寒い!」「あれぇ、梅の花が咲いてるよ」「暑くてやりきれないから、アイス食べましょお」「さつま芋がこんな安くなるってのは、もう、そんな季節かねぇ」
もし、空調が完璧に効いた屋内で、外出もせず、店先で値札を見つめることもない、そんな生活だったら、ここまで季節を感じ取ることができるでしょうか。
認知症の症状のひとつに、いま、いつ、どこで、どのような状態にあるのかを認識することが難しくなる、見当識障害というものがあります。
例えば、昼夜の区別を見失って夜中におはようと起きてこられたり、季節外れの服装をしておられたり、自分はいくつなのか分からなくなったりすることが時間の見当識障害の表れだったりします。
きみさんちでは、どんな季節でも、折に触れ、やたらと「梅雨の走り」と仰る方がいます。その人がそう仰るときはややうす曇りで雨の匂いがしたり、押入れが湿ってしまって何とかしなきゃと思っているときだったり、血圧の関係でボーっとするときだったりします。もちろん、客観的に見ると、時間の見当識障害であることは間違い無いのですが、もしかして、時間の見当識障害があるがゆえに、季節感のアンテナがむしろ敏感なのかもしれません。
心理学の用語にクロノスとカイロスという言葉があります。
両方ともギリシャ神話の時間の神を由来としているのですが、クロノスは量的な物理的時間、カイロスは質的な心理的時間の事を指します。同じ10 分でも楽しいときはあっという間で、ストレスがあるときは長く感じるように、クロノスとカイロスは決してイコールではなく、心の世界にとってはカイロスの方が重要だといいます。
おそらく時間の見当識を失ったとき、コチコチと無機質な音を立てる時計が刻むクロノスは、さほど意味を持たなくなってしまうのかもしれません。
さて、変幻自在のカイロスに生きるその利用者さん。柿がとっても大好きで、ご入居当初、買い物への意欲を引き出すために「柿は美味しいよね!」「季節もんだから一ヶ月もお店にないよね!」「いまがチャンスだよね!」と声をかけ続けていました。
そして今は柿の季節です。
このところ、毎日毎日、“私”が柿を食べ続けています。どうも柿を美味い美味いと言い続けている内に、自己暗示にでもかかったのか、私のほうが柿が大好きになってしまいました。・・・いや、本当に柿が大好きだったのは、私だったのか、その入居者さんだったのか・・・どうやら私も心が変幻自在になってきたようです。
認知症への理解を促進する活動に認知症サポーター養成講座というものがあります。その講座を受け認知症サポーターとなった人はその証として、オレンジリングを手渡されます。実はこのリング、オレンジとは言っていますが、本当は柿色なんです。江戸時代、酒井田柿右衛門という陶芸家が柿の色をヒントに赤い陶器を作ったところ、世界中で認められる名品となり全世界に広がっていった事にあやかり、柿色としたそうです。
柿と心。変幻自在にどんどん広がっていく、不思議な魅力があるようですね。

22:50 | Posted by admin

【初めの一歩】 浅井

2014年09月20日 | きみさんち

初めまして、6月に入職しました浅井と申します。
3ヶ月が経ち業務の流れは把握できてきましたが、臨機応変に動くことの難しさを痛感し奮闘する日々です。
今回は自己紹介がてら、<きみさんち>で働こうと思ったキッカケを書かせて頂こうと思います。

京都に住む父の叔母がアルツハイマー型認知症と診断されたことが、介護職に就こうと思った動機でした。
最初はデイサービスや訪問介護サービスを受けていましたが、転倒でのケガを機に自宅を離れ老人保健施設に入所することになりました。
知らない場所で暮らさなければいけないストレスを少しでも緩和できればと、土日を使って京都と東京を往復する日々を送る父。旅行に連れていったり母が買った洋服をプレゼントしたりと、少しでも喜んでもらおうと叔母のために動く父を見て、尊敬すると同時に心配にもなりました。

これまで30年以上不動産業のサラリーマンとして働き続けてきた父にとって、介護は『初めまして』の世界です。
平日の仕事や京都までの移動、そして叔母の介護。体力面はもちろんですが、精神面でもかなりの負担の筈です。
そんな生活を続けること半年。その週も土曜に京都へ旅立ち、日曜に家に帰ってきてヘトヘトになっている父に「疲れてる時は行かなくてもいいんじゃない?」と声をかけた時がありました。
「施設の人を信用してないわけじゃないけど、100%信じきれていない部分もあるから、直接顔を見に行かないと不安なんだよ」と父。
それもそうだなあと思うと同時に、会っていない時間も心配しどおしなんだな、と父が日々どれだけ叔母のことを気にしているのかを改めて痛感しました。
そして、介護を受ける方が増えている現在、父と同じような思いを抱えて暮らしている方もたくさんいるんだろうなあと考えました。

日頃から漠然と「誰かの役に立つ仕事がしたい」と考えていたけれど、具体的に何がしたいか決められずにいた私にとって、目指すべき道が見えてきたように思いました。
ふと施設で暮らす家族を思った時に、自分がいなくてもきっと楽しく過ごしているだろう、いつもと変わらず暮らしているだろう、と安心して家族を任せられる介護をしたい。
それが私の目指す「介護」です。

これから色々な方と触れ合い、様々な経験をするなかで目標は変わり増えていくと思いますが、根っこにある今の気持ちを忘れずにいたいと思います。
作文のように畏まってしまった文章になってしまいました。
文章力も鍛えていかなければですね、、、
それでは、今後とも宜しくお願いします!

09:45 | Posted by admin

【Kさんと荻窪へ】 高橋 

2014年09月08日 | きみさんち

先日、入居者のKさんの誕生日企画で荻窪へ行ってきました。色々とどこへ出かけようか私なりに考えたのですが、最終的に昔から馴染みのある荻窪へ行き、リフレッシュして頂こうと企画を立てました。
駅前からバスで向かったのですが、バスから見る町並みはずいぶんと変わられたようで「すっかり変わったね」と何度も話されていました。
Kさんは食事の話になると「トロが食べたい、一杯飲みながら・・・」とよく話されていたので、回転寿司で食事をしてきました。
最初は廻る寿司をみて驚かれていましたが、マグロを見ると「これいいかな」と御自分でお皿を取り、召し上がっていました。ビールを飲みながら、寿司を食べるなんて幸せだね。と満面の笑みで話され、特に玉子が気に入られたようで「もうひとついい?」と美味しそうに召し上がっていました。
駅前に立つと昔の色々な事を思い出されるようで、駅ビルの事は特に思い出深いようでした。サウナがあったことや、毎日のように地下の食品売り場で買い物をされたことなどを話してくださいました。「食品売り場に行ってもみようよ」と声を掛けると「私が案内してあげるから」と歩きなれた様子で進んで行かれます。八百屋さんへ来ると「いやぁ~久しぶりだね」と店員さんから声を掛けられました。お店にいた店員さん皆さんが、Kさんのことを御存知でした。「ずいぶんと痩せたけど、元気そうで安心したよ」と言われ、「覚えていてくれただ」と話も弾んでいました。
何とも楽しそうにおしゃべりしているKさんの横顔を見て、少しだけ昔のKさんの生活が見えたような気がして私までが温かい気持ちになりました。
その後も懐かしんでか、何度も食品売り場を歩き回りました。「今日は本当にいい日だった。久しぶりに楽しかった」と帰りのバスの中でお礼を言ってくださったKさん。
「こちらこそ、楽しい一日をありがとうございました」とお礼を伝えました。
この一年も、Kさんにとって素敵な一年になりますように・・・。

16:08 | Posted by admin

【本】 堀内

2014年08月09日 | きみさんち

きみさんち 堀内です。入社して9月で丸4年になります。改めまして、どうぞ宜しくお願い致します。
きみんさんち4年になりますが、未だ慣れません。(いい意味でですよー。)入居者さんと過ごす1日に同じような日がなく、本当に毎日新しいことだらけです。嬉しいこともあり私、向いてないかも!って思うこともあり色々な感情がぐるぐると。

そんな私のストレス解消方を今回は載せたいと思います。

私は、嫌なことや落ち込むことがあると、空いている時間は全て読書・映画を観る時間に注ぎます。
本は、他の人の人生に関われた気がしたり、新しい考え方を教えてくれるからマイナス思考になったときには、とにかく読みふけります。私は基本的に悩むのは苦手で、考えることは好きなタイプ。

そんな私が、ここ最近前向きになれた、本にあった言葉を御紹介したいと思います。
自分が介護の仕事向いてないなぁと思ったときに、医者の話なんですが、「心配しなくても、あなたみたいな医者は世の中に溢れてる。日々の診察に追われて、どんどん最新の情報からとり残されていく医者。よりタチが悪いのは、それでも自分は出来ると思い込んでいる連中かしら。」「医者って言うのはね、無知であることが、すなわち悪なの。私はそういう覚悟で医者をやっているのよ。」「この仕事は続けることが一番大事だよ。」なんだか、自分のことを言われているようでした。

介護の仕事を向いてるか向いていないかを悩むよりも、やるべきことが、まだまだあるなと。知識不足の私が、色々なことを勉強して現場で役立てることが大切だし、悩んでも答えは出ないと吹っ切れました。
続けることが大事という言葉にも、まさにそうだなと共感しました。ぼーっと悩むよりも本を読んで解決。これで私はストレスがなくなります♪皆様はどういったストレス解消をしているのでしょうか?気になります・・

以上、きみさんちどっこいしょでした。私事の話で申し訳ありませんでした。次回は入居者さんのことを載せます。

16:08 | Posted by admin

【花好きが高じて】 松林

2014年07月01日 | きみさんち

桜が散って、綺麗なツツジが咲いた頃、利用者さんを誘って、近所の公園に行きました。
「公園にツツジが咲いたよ。真っ赤で綺麗だったよ」
「そうか、もうそんな時季か。行こう行こう」

出掛ける用意もそこそこに、玄関から外に出ると、晴天の空が広がっていました。
「良い天気だな。気持ち良い」
「そうだね。じゃあさ、何かお弁当でも買って、公園で食べようか」
「そりゃ良いね。そうしよう」

商店街のお肉屋さんで、チキンカツパンを購入して、販売機でお茶を買って、いざ公園へ。

公園内に入ると、あちらこちらにツツジの花が咲いているもんだから、それらひとつひとつに綺麗だと挨拶をされるもんだから、ベンチに座るまで何分も掛かります。

ようやくベンチに座って、購入したチキンカツパンを食べながらも、後ろを振り返って、「ツツジが綺麗だな」と、団子より花、チキンカツパンよりツツジの入居者さん。

食べ始めると、ハトが沢山近寄って来て餌をねだっています。
そんなハトに、パンの切れ端を与える入居者さん。

食べた量よりハトに与えた方が多かったのではと思える程でしたが、お腹が満たされた入居者さんが、そろそろ帰ろうと言います。
「そうだね、ハトも満足しただろうし、帰ろうか」
そして、ベンチを離れた入居者さんは、ツツジの枝をパキリと折って、「綺麗だな、持って帰ろう」と。
「あぁ~、折っちゃった?」「折らなきゃ持って帰れないよ」「だけどさ。。。」「オレは花泥棒だから」「じゃあ、もう2・3本泥棒して行く?」「もう、手が痛いからいいや」「どれが良い?」「それが良い」
今度は私がボキリと折ってしまいました。

きみさんちに帰った入居者さんはご機嫌で、盗って来たツツジを、他の皆さんに自慢気に見せながら、「綺麗だろう。良かったらどうぞ」と言って手渡していました。

残ったツツジは、自室に飾って、何時までも眺めて過ごされていました。
その翌日も、翌々日も、盗って来たツツジを眺めて居室で過ごされていました。

花好きが高じて、食欲が減り、盗人になり、部屋に籠ってしまう入居者さん。
そんな素敵な入居者さんは、丁度、私の倍、生きておられます。
素晴らしいと同時に、気の遠くなるお話でした。

00:00 | Posted by admin

【出会いと別れ】 田中

2014年06月01日 | きみさんち

入社して約6年。きみさんちで色々な方に出会い、そしてお別れをしました。
中でも、5月にお亡くなりになられたEさんは、大変厳しい方で、何度も怒られた事を思い出します。思い出話となりますが、Eさんとの6年分のエピソードは書き出すときりが無いほどたくさんあります。

① 同姓と新人に厳しく、異性に優しいEさん
② 戦争中の話をエンドレスで話すEさん
③ 2・26事件を振り返り話してくれるEさん
④ きみさんちの顔役であるEさん
⑤ 商店街の人気者?のEさん
本当にきりがありません。

先日、他の方と行きつけの店に買い物に行ったところ、店のご主人から「Eさんこの頃見かけないけどどうしたの」と聞かれ、お亡くなりになった事を伝えると、「昔は、よく怒られたもんだったよ。」と懐かしそうに話して下さいました。
地域の方にも思いを馳せていただく事が出来るのは、Eさんが地域に根付いた人物であったからだと思います。
101歳・・・。
1世紀を生き抜いて、その中のほんの16年余りをきみさんちで過ごし、またその中のほんの一握りの6年間を一緒に過ごさせて頂き、大変嬉しい思いと共に、切なさを感じる思いで一杯です。
でも思うのです。この業界で人と死に別れると、どうしても「こうしてあげていれば良かった・・・」「こうしなきゃいけなかったんじゃないか」と後になって悔いる事が多いように思います。後悔先に立たず。ご本人はどう思っているか〔いたか〕、今となっては聞くこともかないませんが、少なからず、私は最後まで出来る支援は行ったと思い、これからも悔いる事の無い支援が出来るよう、日々精進して行きたいと思っています。
最後に、Eさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

22:56 | Posted by admin

【半年が過ぎて・・・】 高橋

2014年05月22日 | きみさんち

きみさんちで仕事を始めて、半年が経ちました。あっという間に時間が過ぎました。業務には少しずつ慣れてきたものの、肝心の支援についてはまだまだ勉強中です。先輩スタッフの皆さんに、色々と教えて頂いています。
先日のケース会議でのことでした。
管理者の志寒さんから「高橋さんは、日勤でも定時の8時に帰るから時間の使い方が上手なんですね。」と言われました。きみさんちの日勤は、夜8時に勤務が終了します。
「時間の使い方が上手な訳ではなく、子供達が待っているので少しでも早く帰りたくて・・・」と答えました。我が家には息子が2人おりまして、お腹を空かして母の帰宅を今か今かと待っています。
私が帰ってから夕食の支度をするので、少しでも早く帰りたいのです。
ケース会議に参加していた林田さんが、そのやりとりを聞いて私にこう言いました。
「そうだよね、子供が待っているんだから早く帰りたいよね。でも、その自宅に帰りたい。という気持ちを止めているんだよ。」と。
それはAさんについてでした。Aさんには、帰宅欲求がみられ「そろそろ失礼します。」と自宅に帰ろうとします。
欲求が見られた際には、傾聴しながらも話題を変えたり、また時には帰る様子を遠方から見守ったり・・・などの支援をしています。実際に自宅へ帰るのは難しい状況です。
その帰りたいという気持ちを止めている、そのことが私にとっては大きな衝撃でした。
私はなんて残酷なことをしているんだろう。と思いました。林田さんが言われたようなことを、一度も考えたことが無かったからです。
あれからAさんの支援をする際に、その言葉を思い出します。どんな言葉をかけることでAさんの気持ちが楽になるだろうか?私が出来る支援とはなんだろう?と考えています。
答えは見つかってはいません。そんなに簡単なことではないと思います。が、私なりに気持ちをもって今後もAさんの支援をしていきたいと思います。Aさんだけではなく、きみさんちの皆さんにも、気持ちをもって今後も支援をしていきたいと思います。こういうこと考える機会を頂けたことに、感謝します。ありがとうございました。

22:59 | Posted by admin

【雪の降る町に】 志寒

2014年04月01日 | きみさんち

梅も盛りでずいぶん暖かくなってきましたが、今年の大雪には驚きました。
関東には2度大雪がありましたが、いずれの日も夜勤となり、スタッフルームの窓の外にしんしんと降り積もっていく粉雪になんとも不思議な気分にさせられました。
私の実家は北陸であり、ある程度の雪は毎年のことなので、雪自体は特に珍しくもないのですが、だからこそ粉雪がかなりの低温の目安になることが自然に身についているので、まさか練馬でこの粉雪が?!という驚きを通り越して、まるで別の土地に来てしまったような、パラレルワールドに迷い込んだような不思議な光景でした。
さて、その雪がひと段落すると当然、雪かきの必要性が出てきます。何年かぶりにスコップをふるいましたが、以前にもそこそこの雪が降って、今はお亡くなりになられた男性のKさんが張り切って雪かきをなさっていたのを思い出して懐かしい気分になりました。
「こりゃシャベルだからやりづれぇんだよ!」「シャベルとスコップの違い、わかるか?」そんなことを私に教えながら、きみさんちの前だけではなく、向かいの神社の付近や周囲の道路まで雪かきをなさっておられました。
私だけではなく、雪国出身の皆さんはよくご存知でしょうが、この雪かきというのは、例えばどこまで雪をかくか、かいた雪をどこに積んでおくかなど、なんとなしにご近所に暗黙のルールがあって、トラブルの元にもなったり、もしくは「あそこは良くわかってる、できるウチだ」などと褒められることもある、ご近所づきあいスキルが試されるものだったりします(大げさですが)。
少し足をがに股に摺りながら歩くクセのあるKさん。愛用のスニーカーはさぞゴム底が磨り減っているだろうに、滑らないかしら?とハラハラしながら、一所懸命、雪をかいてらっしゃるそのKさんに、やはり、雪を広めにかく、昔のご近所づきあいの在りようが体に染み付いておられるのだろうなあなんて思ったりもしました。
そんなノスタルジーをかきたててもくれた大雪。とは言え、自然災害であることには違いありません。雪がかき切れず残ったのは、高齢者のみのお宅の前だったり、古い商店の前だったり。残った雪が災害対応の強さ、弱さのバロメーターにもなるのかなぁとも感じました。
梅は咲き、沈丁花が香り、スギ花粉が飛び、利用者さんの血圧も下がる、ようやくきたうららかな春。新年度、新生活が始める季節。利用者さんにとっても、私たちにとっても、皆さんにとっても、よりよい季節になるよう祈っています。

23:00 | Posted by admin

【どっこいしょっと。】 松林

2014年03月01日 | きみさんち

歳を取ったせいでしょうか。
最近、椅子から立ち上がる時や思い物を持ち上げる時なんかに、「どっこいしょ」と言ってしまいます。
「さて」とか「よいしょ」の時もありますが、「どっこいしょ」がかなりのパーセンテージを締めています。

幼少の頃、近所のお婆さんが、座る時も立ち上がる時も、「あ~、どっこいしょ」と言っていたのを思い出します。そして、それを見て笑っていた自分を思い出します。
年齢的には、そのお婆さんには未だ遠い筈ですが、言動が似ている事に危機感を感じてしまいます。

でも、どうして「どっこいしょ」なのでしょうか?
「そ~れ」でも「よっしゃ~」でも良いと思うのですが、何故か「どっこいしょ」なんですよね。

気になったので、調べてみました。
語源とは?
実は、富士山からきているという説があるそうです。

************以下参考文************
富士登山をした方ならば経験もあるかもしれないが、こんな言葉を唱えながら登っている人たちを見かけたことがあるはずだ。
「六根清浄 お山は晴天」
六根とは、目、鼻、耳、舌、身、意の6つで、人間の知覚のことを言い。六根清浄とは、この六根から生じるさまざまな欲望を捨て、清らかになって富士登拝しましょうという意味だ。「富士講」と呼ばれる山岳仏教の行者たちは、宗教的な意味でこれを唱えていたが、近代になって登山が一般化されるにつれて、「六根清浄、お山は晴天」というのは、登山ペースを保つための「かけ声」となっていた。
この「ロッコンショウジョウ」を繰り返しているうちに、息もとだえとだえになり、なまってしまったのが「ドッコイショ」になったといわれている。
太古から日本人にはかりしれない影響を与えてきた富士山は、なんと言葉まで生み出してしまっていたのだ。
************以上************
成程、元々、神聖な言葉だったんですね。

また一節には、何かの動作をする時に、掛け声を発する事で、身体にこれから起きる負担を認識させるアナウンス効果があるとも言います。

確かに、利用者さんを見ていると、椅子から立ち上がるなど、次の行動に移る時に、色々な言葉が発せられています。
そこには、「六根清浄」なる神聖な物が伺えません。

語源としての「どっこいしょ」には、成程、納得ですが、負担を認識させる効果と聞くと、まだまだ、そんな大丈夫ですぅ、と思いたい私がいます。
しかし、冒頭から、「歳をとったせいでしょうか」と、書いている時点でアウトかも知れませんね。

23:01 | Posted by admin

【入居者さんに励まされ助けられて】 堀内

2014年02月01日 | きみさんち

まわってきました。どっこいしょ。
きみさんちに入社して現在3 年4 ヶ月です。まだ3年。いや、もぅ3 年。何故続けていられるのか考えてみました。
つい最近の出来事です。
私が落ち込んでいるときに、きみさんちに入居して一番日が浅いAさんに『そんなに悲しい顔してどうしたの?!
私の部屋にきなさい!』と部屋に連れていかれると『何も役にたたないかも知れないけど話してみて。』と。わたしが黙ってると『仕事をするって悔しいこと沢山あるわよね。でもね、どんな人でも失敗して悔しいことを乗り越えているんだもの。これから先も何度となく、そういう場面にぶつかるかも知れない。でもね、何があっても私は絶対にあなたの味方だから。いつも頑張ってるのみてるもの。そんな悲しい顔しないで大丈夫。』と励まされました。私がお礼をいって部屋を出るときに『ありがとう。私の所に来てくれて嬉しかった。』と笑顔でいってくれました。
今回その言葉で私は乗り越えることが出来たのですが、日々入居者さんに励まされ助けられてるから続けてこられたんだと改めて思いました。
もちろんスタッフにも!他にも沢山あるのですが、ひとまずこれで終わりたいと思います。
読んで下さり有り難うございました。

23:02 | Posted by admin