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【雪の降る町に】 志寒

2014年04月01日 | きみさんち

梅も盛りでずいぶん暖かくなってきましたが、今年の大雪には驚きました。
関東には2度大雪がありましたが、いずれの日も夜勤となり、スタッフルームの窓の外にしんしんと降り積もっていく粉雪になんとも不思議な気分にさせられました。
私の実家は北陸であり、ある程度の雪は毎年のことなので、雪自体は特に珍しくもないのですが、だからこそ粉雪がかなりの低温の目安になることが自然に身についているので、まさか練馬でこの粉雪が?!という驚きを通り越して、まるで別の土地に来てしまったような、パラレルワールドに迷い込んだような不思議な光景でした。
さて、その雪がひと段落すると当然、雪かきの必要性が出てきます。何年かぶりにスコップをふるいましたが、以前にもそこそこの雪が降って、今はお亡くなりになられた男性のKさんが張り切って雪かきをなさっていたのを思い出して懐かしい気分になりました。
「こりゃシャベルだからやりづれぇんだよ!」「シャベルとスコップの違い、わかるか?」そんなことを私に教えながら、きみさんちの前だけではなく、向かいの神社の付近や周囲の道路まで雪かきをなさっておられました。
私だけではなく、雪国出身の皆さんはよくご存知でしょうが、この雪かきというのは、例えばどこまで雪をかくか、かいた雪をどこに積んでおくかなど、なんとなしにご近所に暗黙のルールがあって、トラブルの元にもなったり、もしくは「あそこは良くわかってる、できるウチだ」などと褒められることもある、ご近所づきあいスキルが試されるものだったりします(大げさですが)。
少し足をがに股に摺りながら歩くクセのあるKさん。愛用のスニーカーはさぞゴム底が磨り減っているだろうに、滑らないかしら?とハラハラしながら、一所懸命、雪をかいてらっしゃるそのKさんに、やはり、雪を広めにかく、昔のご近所づきあいの在りようが体に染み付いておられるのだろうなあなんて思ったりもしました。
そんなノスタルジーをかきたててもくれた大雪。とは言え、自然災害であることには違いありません。雪がかき切れず残ったのは、高齢者のみのお宅の前だったり、古い商店の前だったり。残った雪が災害対応の強さ、弱さのバロメーターにもなるのかなぁとも感じました。
梅は咲き、沈丁花が香り、スギ花粉が飛び、利用者さんの血圧も下がる、ようやくきたうららかな春。新年度、新生活が始める季節。利用者さんにとっても、私たちにとっても、皆さんにとっても、よりよい季節になるよう祈っています。

23:00 | Posted by admin

【どっこいしょっと。】 松林

2014年03月01日 | きみさんち

歳を取ったせいでしょうか。
最近、椅子から立ち上がる時や思い物を持ち上げる時なんかに、「どっこいしょ」と言ってしまいます。
「さて」とか「よいしょ」の時もありますが、「どっこいしょ」がかなりのパーセンテージを締めています。

幼少の頃、近所のお婆さんが、座る時も立ち上がる時も、「あ~、どっこいしょ」と言っていたのを思い出します。そして、それを見て笑っていた自分を思い出します。
年齢的には、そのお婆さんには未だ遠い筈ですが、言動が似ている事に危機感を感じてしまいます。

でも、どうして「どっこいしょ」なのでしょうか?
「そ~れ」でも「よっしゃ~」でも良いと思うのですが、何故か「どっこいしょ」なんですよね。

気になったので、調べてみました。
語源とは?
実は、富士山からきているという説があるそうです。

************以下参考文************
富士登山をした方ならば経験もあるかもしれないが、こんな言葉を唱えながら登っている人たちを見かけたことがあるはずだ。
「六根清浄 お山は晴天」
六根とは、目、鼻、耳、舌、身、意の6つで、人間の知覚のことを言い。六根清浄とは、この六根から生じるさまざまな欲望を捨て、清らかになって富士登拝しましょうという意味だ。「富士講」と呼ばれる山岳仏教の行者たちは、宗教的な意味でこれを唱えていたが、近代になって登山が一般化されるにつれて、「六根清浄、お山は晴天」というのは、登山ペースを保つための「かけ声」となっていた。
この「ロッコンショウジョウ」を繰り返しているうちに、息もとだえとだえになり、なまってしまったのが「ドッコイショ」になったといわれている。
太古から日本人にはかりしれない影響を与えてきた富士山は、なんと言葉まで生み出してしまっていたのだ。
************以上************
成程、元々、神聖な言葉だったんですね。

また一節には、何かの動作をする時に、掛け声を発する事で、身体にこれから起きる負担を認識させるアナウンス効果があるとも言います。

確かに、利用者さんを見ていると、椅子から立ち上がるなど、次の行動に移る時に、色々な言葉が発せられています。
そこには、「六根清浄」なる神聖な物が伺えません。

語源としての「どっこいしょ」には、成程、納得ですが、負担を認識させる効果と聞くと、まだまだ、そんな大丈夫ですぅ、と思いたい私がいます。
しかし、冒頭から、「歳をとったせいでしょうか」と、書いている時点でアウトかも知れませんね。

23:01 | Posted by admin

【入居者さんに励まされ助けられて】 堀内

2014年02月01日 | きみさんち

まわってきました。どっこいしょ。
きみさんちに入社して現在3 年4 ヶ月です。まだ3年。いや、もぅ3 年。何故続けていられるのか考えてみました。
つい最近の出来事です。
私が落ち込んでいるときに、きみさんちに入居して一番日が浅いAさんに『そんなに悲しい顔してどうしたの?!
私の部屋にきなさい!』と部屋に連れていかれると『何も役にたたないかも知れないけど話してみて。』と。わたしが黙ってると『仕事をするって悔しいこと沢山あるわよね。でもね、どんな人でも失敗して悔しいことを乗り越えているんだもの。これから先も何度となく、そういう場面にぶつかるかも知れない。でもね、何があっても私は絶対にあなたの味方だから。いつも頑張ってるのみてるもの。そんな悲しい顔しないで大丈夫。』と励まされました。私がお礼をいって部屋を出るときに『ありがとう。私の所に来てくれて嬉しかった。』と笑顔でいってくれました。
今回その言葉で私は乗り越えることが出来たのですが、日々入居者さんに励まされ助けられてるから続けてこられたんだと改めて思いました。
もちろんスタッフにも!他にも沢山あるのですが、ひとまずこれで終わりたいと思います。
読んで下さり有り難うございました。

23:02 | Posted by admin

【家の婆さんと共に】 田中

2014年01月01日 | きみさんち

母が亡くなり1周忌が過ぎた。その辺りから私の家の94歳になる祖母がおかしな事を言い始めるようになった。
精神科に通い、ついた病名がアルツハイマー病。
娘(母)の死から1年余り。緊張の糸がほどけた様に症状が出始めた。
その例を上げてみると・・・
ある日の午後
婆 「・・・」1点を見ている
私 「どうしたの」
婆 「あそこに子どもを抱いた人がいるんだけど声をかけてもうんともすんとも言わないんだよ。」
私 「・・・」 「どこにいるの?」
婆 「あー いなくなっちゃった」
ある日の深夜部屋より大きな物音がするので行ってみると、
婆 「お客さんが来たから布団敷いてやってるんだ」
と押入れからありとあらゆる布団を出し、床に引いている。
こんな幻覚・妄想が毎日繰り返されている。
夜眠れないからと廊下をうろうろするのは日常茶飯事。
危ないからと止めに入ると一旦は止める物の、10分後には同じ事を繰り返す。
これが続くと今度は父がイライラし始め怒鳴り始める。
怒鳴り声を聞くと今度はばあさんがふてくされ部屋から出てこない。と悪循環が続き、これではいけないと思っていたところ、ばあさんの方からデイケアに通って友達を作りたいと言ってきて、現在週2日通所施設に通っている。
居ない間は私・父のホッとできる瞬間でもあり、婆さんもデイケアでの出来事を笑顔で話してくれる。(詳しくはきみさんちHP行きはよいよい帰り路をご参照下さい。)
こんな婆さんでも氷川キヨシの事となると頭が冴える。
今度の中野(サンプラザ)は○月だ。切符とらなきゃなとカレンダーに印をつけ、それを目標に楽しそうに準備を始めるのである。
きみさんちの出来事が婆さんにリンクしてしまう時がある。「あっ!この発言家のばあさんもいってた。」「おなじことをしている。」など等。きみさんちで勉強させてもらっている事がことごとく当てはまり、家の婆さんで実践させてもらっている。
こんな毎日を繰り返していると介護の知識が少しでもあって良かったなあーとつくづく思う今日この頃なのであります。
認知症との付き合い方、玄人・素人問わず、とても重要になってきている時代なのかもしれないですね。

23:03 | Posted by admin

【健康診断】 石川

2013年12月23日 | きみさんち

11月になり、今年ももう終わりだなと思っていたら、年に1回の健康診断の季節になりました。入居者さん達スタッフ共々も病院で検査です。
健康診断なので、血圧上昇や血糖値をあげてはいけないので、朝食を抜かなければいけません。
車でKさんAさんと病院行きました。採血を採ったり、レントゲンを撮り、インフルエンザの予防注射をしたり、いつもとは違った環境もあるかも知れませんが、朝食を抜く事でお腹空いたんですよね。二人ともイライラしてきました。
Kさんが、お腹が空いた~と朝抜いたから~
Aさんが健診だから我慢はしないと、我慢が足らないんですよ、あなたは。とケンカになってしまいました。
一度は止めに入りましたが、白熱してしまい、しばらく2人で口論をしていました。
これもお腹が空いたからいけないんだと思います。
僕もこの1ヶ月前くらいに健康診断に行ったんですが、食事を抜き、久し振りに山の手線にのり駒込にお腹が空きすぎて、一人でやっぱりいらいらして早く終わらないかな~と、必要以上に思っていました。
でもその後の、我慢した分ご飯が美味しいこと、直ぐに無くなってしまいました。
2人の入居者さんも、我慢した分だけ美味しいご飯が食べれたと思います。

00:57 | Posted by admin

【私に出来ること。】   きみさんち 高橋

2013年11月23日 | きみさんち

きみさんちで仕事をするようになり、2ヶ月が過ぎました。本当に考えさせられる事が多く、まだ慣れない毎日です。
介護の仕事は初めてではありません。若い頃には、特養・デイサービス・有料老人ホームでも働いていた事があります。
その後、数年は事務の仕事をやっていました。子供たちに手がかからなくなり、そろそろまた介護の仕事を始めようかなと思ったのが今年の春でした。
知人の紹介で、看護助手の仕事を始めました。一日が忙しく、お昼休み以外は座る時間もありませんでした。朝から退勤まで時間に追われ、おむつ交換・食事・入浴・シーツ交換など時間と曜日で決まっているスケジュールをこなすのがやっとでした。
その病院にも、認知症の患者さんがいらっしゃいました。私の顔をみて頼みごとをしてくれるのですが、ゆっくり話を聞いてあげることが出来ませんでした。
私を頼ってくれているのに・・・なぜ時間を作ってあげられないのか?こんな毎日、こんな仕事って何なんだろうと思うようになりました。もっと一人の方とじっくり話したい、話に耳を傾けてあげる事は出来ないのか?と考えるようになりました。
そして今、きみさんちで働いています。
忙しく時間が過ぎていた毎日が、今ではまったく時間の流れ違います。まだその違いについていけてないのが正直なところです。
利用者さん主体の生活、利用者さんのペースに合わせる、あくまでも中心は利用者さんということを忘れないように仕事に励みたいと思っています。
きみさんちには、6人の利用者さんがいらっしゃいます。皆さんそれぞれの歴史、好み、嗜好などを理解し、その方にあった支援が出来るように、そして私らしい支援が出来るようになりたいと思います。
そうなれるには、まだまだ時間がかかりますが、どうぞよろしくお願い致します。

00:57 | Posted by admin

【きみさんち Who am I?】 志寒

2013年10月23日 | きみさんち

Who am I?・・・「私はだあれ?」という英語のゲームを、遥か昔、中学校の外国人の英語講師に教えてもらいました。簡単なゲームで、ある人がとある「誰か」になったと設定して、その人がその「誰か」の特徴をヒントとして出していき、他の人は質問をしながら、それが「誰か」を当てるというものです。
例えば、『私は泳げます』『あなたは魚ですか?』『いいえ違います』『日本に住んでいますか?』『野生では住んでいません』『淡水、海水、陸地、どこにいますか?』『・・・たいてい海水と陸地ですかね。ただし、凍った淡水の上にも。』『あなたには羽根がありますか?』『あります』『あなたはペンギンですね!』という具合。
そのヒントと質問が英語でなされるため、楽しみながら英語のトレーニングが出来るという遊びでした。また、なるべく早く当てるには、上手く対象を絞れる質問を考える必要があって、推理力が鍛えられ、頭の体操になった覚えがあります。
認知症には見当識障害という症状があります。私たちは時間や場所や人間関係を、客観的な現実に従い認識する能力があります。見当識障害になるとその認識が現実から離れてしまい、夜中なのに昼間だと思っていたり、馴染みのはずの家や道が見知らぬ場所になったり、自分の子どもを自分の親と思っていたり。その状況や程度はとても変動しやすいのですが、それが強く出ている時には、現実からかなり離れた主観的なその人だけの世界に浸っておられることもあります。ですが、あくまでもその人にとっては、その世界が紛れも無い現実。それが強い不安や社会との軋轢など害を及ぼさなければ、最大限尊重されるべきだと思っています。(一方で環境調整やさりげない声かけなどで、客観的な認識を手助けすることもあります)
さて、支援の中で時折、その人だけの世界に“参加”することがあります。
例えばお風呂をお勧めしたいときに、きみさんちは旅館だと思われているときには、即席に旅館の従業員になってお風呂の用意ができたことをお知らせしたり・・・。そうした場合、その方の世界を邪魔せず壊さないように尊重し、その中で情報を集め、自分はその中でどういう存在であるか、いかにさりげなく把握できるかが鍵になります。
ああ、今は旧姓を使っておられるので、多分、女学生に戻られているから、きっと私のことを先生と思っているな?とか、掃除道具を持った私に「あら、遅くまでごくろうさま。もうお休みください」と仰ったので、ここはご実家で、私はそこの従業員と認識されているなとか。
それはまるで、台本も渡されず即興劇に立たされ、私はだれ?と問いかけられているような・・・。そしてそれは、私にとってはとてもとても楽しいひとときなのです。
なにせその方の、大事な舞台に抜擢されたわけですから。
どなたかのエッセイで読んだのですが、その方が美輪明宏さんにお会いするたびに、美輪さんは去り際に突然「愛しているわ」と仰るそうです。そしてその瞬間に、現実から引き離され、美輪さんの豪華絢爛の舞台に突然立たされたような気分になると。
「私はだれ?」と利用者さんに問いかけられるとき、その見当識障害と呼ばれる現象に飛び込んだとき、私はその美輪さんの「愛しているわ」を心の片隅で思い出すのです。
さて、パソコンがお好きな方はご存知かもしれませんが「アキネイター」と検索してみてください。ランプの魔人相手に「Who am I?」とできますよ?

00:56 | Posted by admin

【力。】 堀内

2013年09月23日 | きみさんち

入居者さんがそれぞれ持っている力。極一部ですが書きたいと思います。
今月はTさん。きみさんち新聞に写真載せてもいいですか?と尋ねると、最初はハニカミ→ゆっくりではありますが徐々に顔がカメラの方に→そして最後は決め顔!→良い写真が撮れましたよと声をかけると、ホッと一息の笑顔。普段はご自分の思った方に顔を向けることや表情を作る事がやや難しい方ではありますが、写真を撮る。そして新聞に載ると意識されて普段以上の力を発揮されました。
そして歩いている時も、少し疲れてきてフラフラと不安定になってきたころに「さすが!80歳とは思えない良いバランス!!姿勢も最高に良いですよ」と声を掛けるとニッコリと笑顔になり足取りも姿勢も自然と良くなるんですね。
頑張ってくださいと声をかけるよりも遥かに頑張ってくれます。(時と場合によりますが・・・) 些細なことで当たり前の様なことですが少しの事で、こんなにも力を発揮してくれます。
色々見つけて更に毎日を楽しみたいと思います。

00:56 | Posted by admin

【最近の出来事】 石川

2013年08月23日 | きみさんち

今の時代、みなさんアイフォンやアイパットを使っています。
ずっと旧携帯を使っていたので、今に追いつこうと、嫁はアイフォンを購入しました。僕は、携帯をあまり使わず、友達が少ないので、ネットを見るときは大きな画面の方がよいとの店員さんの助言と、アイフォン1台持つよりは~アイパットと携帯両方持っていても同じ値段なんですよ。と言う言葉にのり僕はアイパットを購入しました。
契約の時に色々と説明を受けました。結構長い時間だったので4ヶ月になるうちの息子がダダをこね始めました。泣くは泣くはで大変でした。
家の息子は何故か電波に反応してよく泣きます。嫁が携帯を近くで操作していて、もの凄く熟睡していても突然起き泣きます。携帯の電波にネットにつないだ時に、微弱電流を感知して泣くので携帯ショップならなおさらなきます。
外にでるとピタと泣き止みます。最初泣かなかったので我慢の限界に達したようで早々に戻ってきました。
店員さんの説明をあまり聞けず家に戻ってきました。
夕食を食べ子供を寝かせた後、よしやろうと、今時の人に近づくぞと意気込み、操作を開始しました。
僕は説明書を見ない人なので、我流でどんどん進めていきました。嫁は説明書を見る人なので、ちょっとずつアプリをダウンロードしたりしていました。以外に簡単と思っていたら、嫁がここが分からないからやってと渡され、説明書をみないんで何を思ったか適当に操作したら、嫁の携帯のアドレスを全部消してしまいました。
まあ怒る怒る、偉い目にあいました。
説明書はみましょう。

記念に写真一枚貼っておきます
ファイル 68-1.jpg

00:50 | Posted by admin

【感動×∞(無限大)】 松林

2013年07月23日 | きみさんち

仕事中にふと思った事がありまして。

綺麗な椿の花を見ている利用者さんが、私に声を掛けてくれました。
「見てみろ、この花、綺麗だぞ!」と。
「本当に綺麗だね、こんな綺麗な色に咲くんだね」と私。

その数分後に「見てみろ、この花、綺麗だぞ!」と。

その後も何度も声を掛けられ、その都度、綺麗な花の事を告げられている。

私がきみさんちに来たばかりの頃であれば、その声掛けに、ずっと付き合っていたかもしれません。
慣れてきた頃には、その思いを違う所に切り替えていたかもしれません。
そして、今、その言葉に、ずっと付き合っている私がいます。

それはどうしてなんだろうと、ふと、考えてみました。

認知症の利用者さん、言動を直ぐに忘れてしまいます。
ですが、そのときは、単に忘れて何度も同じ事を言っている様に聞こえなかったのです。
そして、そこに感じたものは、綺麗な花に向けた感動でした。
言動を忘れてしまうという事実は、さぞや驚異を伴うことでしょう。
しかし、ひとつの出来事を何度も体験できるという『特権』もあるのかもしれないな、と思いました。
何時も新鮮な思い。何度も感動できる出来事。

そんな思いでその方の言葉に付き合っていたら、本当に何度も良い笑顔を向けて「見てみろ、この花、綺麗だぞ!」と言っています。

忘れてしまうことは残念な事かもしれませんが、忘れるがために楽しめる現実は山ほどあります。
そんな現実を作って行くのが、私の仕事なのかなと、深く思った「見てみろ、この花、綺麗だぞ!」のセリフでした。

そのセリフを5・6回聞いた後、急に「最近、あの人見掛けないな。どうしたんだ?」と、数ヶ月前に亡くなられた利用者さんの事を聞かれました。
「どうしたんだろうね?」で良いのかも知れませんが、事実を述べました。
するとまた数分後、「最近、あの人見掛けないな。どうしたんだ?」と聞かれます。

マイナスイメージに対しては、流石に話を切り替えました。
「この花、綺麗に咲いたね。蕾もまだまだあるから楽しみだね」
「ホントだな、綺麗だな」

するとまたまた数分後「見てみろ、この花、綺麗だぞ!」と。

感動とは至る所に存在致します。

00:49 | Posted by admin

【お勧めマンガ…『ペコロスの母に会いに行く』】 田中

2013年06月23日 | きみさんち

マンガが大好きな私。 ふと書店を覗くと1冊のマンガが目に留まった。
62歳の漫画家が描く、認知症の母との可笑しくも切ない日々「ペコロスの母に会いに行く」
最初は興味本位で手にしたが、何故か読まずにはいられなかった。
主人公のみつえさんは夫が亡くなった直後から認知症にかかり、その息子(作者)が介護施設に母を預け、その施設での日々を4コマ漫画調に仕立てているといった感じの漫画である。
介護職についているからなのか、実話を元にされているからなのか定かではないが、凄く共感すると共に、読み進めるうちに泣けてくるすばらしい漫画だと思った。
その一部をご紹介します。

「エンドレスシアター春」
義弟(以下義) 義姉さんあん人はどげんしとんなっですか?
みつえ(以下み) あん人・・・どん人
義 あん人ですよ。 ほら・・あの。
み ああ! あん人。 あん人はあげん目におうて。
あげんなってしもうたもんネ。 あいで良かったとかしらん。
・・・・・・しばし間・・・・・
義 そん人は誰ですか?
み 誰って・・あん人ですよ。 ほら・・あの
義 ああ、あん人! あん人はあげん目におうて
み 誰そい?・・・・・こんな会話がエンドレスに春夏秋冬続くのです。しかも長崎弁で・・・

1番心にしみたみつえさんの一言は冊子の帯にありました。認知症状が進行してきた時の一言。
「さっき父ちゃんが尋ねて来なったばい。うちがボケたけん父ちゃんが現れたとならボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん」

亡くなった旦那さんが目の前に現れる。幻覚・幻聴・妄想といった類は見えない側にとっては否定的になりがち。
しかも相手が認知症を患っているとなれば「変なこと言うんじゃない」と一言で終わってしまうかもしれません。でも、母の思いに耳を傾け、日々介護にあたっている息子さんはすばらしいなと思うと同時に自分もきみさんちの皆さんの言葉に耳を傾け思いに応えられるよう努力しなければいけないんだなと、改めて思うものもありました。この一言泣けてくると思いませんか?私は読み返す度に目が潤んでいます。
この記事では絵がお見せできないのが本当に残念です。可愛いみつえさんにご興味のある方はぜひ書店に足を運んでみてください。書店に無い場合は貸し出しますよ(笑)!!

追伸・・・きみさんちのM氏に貸し出したところ、なんか泣けるねーと言うお言葉が返ってきました。

00:49 | Posted by admin

【夢の季節】 志寒

2013年05月23日 | きみさんち

厳冬もどこへやら、あっという間に桜の季節が過ぎていきましたね。
今年はとちの実と合同で所沢の航空公園にお花見を計画しておりました。ですが、まだ肌寒いころに立てた日程でしたので、当日は見事に葉桜見物と相成ってしまいました。
とはいえ、久々の入居者さん全員での外出。電車に乗って広々とした航空公園。ある入居者さんは歓声を上げつつ、芝生に大の字にゴロリ。「本当に気持ち良いわー!このまま寝ちゃおうかしら!」と。初夏を思わせるような陽光の中、皆さん新緑の景色を思う存分楽しまれたようです。
私も芝生に大の字とまではいいませんが、このところ、非常に眠くてしかたがありません。春眠暁を覚えずとはよく言ったものです。本を読めばウトウト、電車に座ればウトウト。そんなときにはしばしば、入居者の皆さんの夢を見ます。
先日はこんな夢を見ました。とある言葉を発するのが難しい入居者さんの横に座っていると、突然、その方がこちらに振向き「それでね・・・」と話し始めるのです。驚いて私が細い眼を丸くすると、『あ、話せない振りをしてるんだっけ!』とでもいうように、シマッタ!という顔をなさって慌てて口をつぐまれました。その途端、あまりの驚きに眼が覚めて、夢が終わってしまいました。
私はその入居者さんは表情や目線、首の向きや息の吐き出し方まで、とても表現豊かだなあと感じていて、いつも季節の話や、夜勤には(恐らくは興味のない上に迷惑であろう)愚痴じみたことまでグダグダと話しています。その関係が夢に表れたのでしょうか?
今でも「それでね・・・」の続きが聞きたくて仕方ありません。
桜も夢もはかないものの例え、人間五十年も夢幻の如くなりといいますが、「それでね・・・」の続きが、「桜きれいだったわ。きみさんちの暮らしは楽しいわね」だったら良いなぁと夢見ています。

00:48 | Posted by admin

【嘘のような本当の話】 堀内

2013年04月23日 | きみさんち

半年に一回書く、どっこいしょ。
6ヶ月の間には色々ありました。
ひどい肺炎にかかったけど奇跡的な回復をみせたYさん。
髪を短く切ると起きている時間が長くなり活気が出てきたEさん。
お亡くなりになられたENさん。
なぜか黒髪が増えてきた90歳半ばのOさん。
身体が思うように動かせなくなっているけれど、どら焼つぶあんのところ私が食べちゃうよーと声をかけると、さっとどら焼を手に取り笑顔をみせるTさん。
スタッフですら重たいと思う鉢植えを、ササっと持ち上げて片付け上手なKさん。
と色々ある中、きみさんちでの一コマをご紹介します。
入居者さん6人全員居間にいたときのこと。その日は皆さんお元気で寝てる方もいなかったのですが、ふとアロマを焚こうと思いつきリラックス効果があると言われてるアロマを焚いてみました。
その5~10分後、眠いなぁなんて私が思い始めた頃、入居者さん4人眠りにおちているんです。
何とも気持ち良さそうに(笑)
アロマの効果なのか偶然なのかは分かりませんが6人中4人は凄い確率ですよね。
以来、わたしも家でアロマを焚いてます。
頭痛薬を飲むと、より一層ひどくなっていた頭痛が全くなくなりました。
アロマの効果?恐るべし。

00:48 | Posted by admin

【ありがとうございました。】 堀

2013年02月23日 | きみさんち

きみさんちで2年と1ヶ月経ちました。夢中であっという間でした。なにか変われたか、なにか違う視点を持てたかなと思います。
入社した時は、右も左もどころか本当に何も分からなくて何も出来ませんでした。
手引き歩行も、体位交換も、トイレ支援も、入浴支援も、自立支援も。何もかも ここでゼロから教えて貰いました。今も遅いけど、教わった時なんて、どれだけ時間がかかっていたかと思うと、メンバーにも入居者の皆さんにも申し訳ないです。
最近、通信でリハビリテーションなどの科目を受講しました。ADLとかQOLとか出てきました。今までは、文字とその意味は雰囲気で分かると言ったくらいでしたがQOLがクオリティー・オブ・ライフという言葉になると一気にイメージが湧きました。本当に、入居者の皆さんにとって この2つが全てだったのではないかと。そこだけをどれだけ入居者さんの為に考えて差し上げられるかが全てだったのではないかと思いました。
恐らく、来たばかりの頃は同じ科目を受講したとしても分からなかったかも知れません。今だからきっと深く「これだったのだ」と実感したのだと思いました。入社した時が今だったなら、きっともっと考えられた筈。入居者さんのADLとQOLをどう楽しみながら展開できるかと考える筈と悔しくもあります。2年前には、確実に私の中にはなかったのですから。
とても大きな経験を致しました。勉強させて頂きました。失敗もしました。怖さも本当にたくさん学びました。入居者さんに本当にたくさんのことを教えて貰いました。そばに居て、一緒に生きられて本当に嬉しかったです。
面接してくださった上司にも、管理者にもチームだと言ってくれたスタッフにも、研修でお世話になった同期の皆さんにも、そして勿論 入居者さんとご家族の皆様にも本当に感謝しています。3月で退職させていただく事になりました。この場を借りて 本当にありがとうございました。

00:47 | Posted by admin

【去年】 石川

2013年02月23日 | きみさんち

改めまして明けましておめでとうございます。きみんち石川です。
平成24年も終わってしまいました。思い起こせば去年は私事ではありますが、大変めまぐるしい1年でした。
嫁が妊娠した事から始まり、めでたいな~とついに父親だな~と物思いに、ふけっていたら、自分の祖母がもう入籍して2年にもなるのだから、これを機に結婚式を早く挙げなさい私も80になるのし、あなたの晴れ姿を見たいのよと結婚式を挙げることになりました。
結婚式の用意が大変で、嫁も妊婦なのに結婚式場に行ったり来たり、招待状や座席表作り、ブーケも手作りしたり、全て手作りで作りますとプランナーさんに言った事を後悔しました。本番1週間前から作るものが終わっていなくて、徹夜でがんばりました。
ついに本番、12月15日に挙式をしました。
バージンロードを歩く練習、当日1回だけで段取りを口頭で伝えられ、覚えれない、無理ですと話すと、神父に「ホンバンハーホローシマスカラ」と言われ直ぐに始まりました。緊張はしていましたが一生に一度だし練習が無し、式場の人に大丈夫ですかと尋ねられ大丈夫の分けないでしょと即答しました。とりあえずゆっくり堂々と歩いてくださいと、ドアが開き始まりました。はい頑張ってと送り出されました、神父のフォローが本当に的確で、どうするのと小声で話すと、もうちょっとゆっくり歩いて、右に立ってオッケーここでストップ的確です。
新婦入場、音楽が流れ、足取りがおかしい何だかカクカクしている。お父さんが緊張していてドレスを踏みながら歩いてきました。僕よりアップアップしている人がここにいました。後から嫁に聞いたのですが、石が乗っているかのように重かったと、顔があがらないのと話していました。その後妊婦なので指輪が浮腫んで無理に僕が押し込むなど、ハプニングは色々ありましたが、その後は神父のホローが見事で滞りなく終わりました。
披露宴も問題なく進み、最後のあいさつで自分が考えていた話を忘れ、アドリブで締めましたすごく短い言葉になってしまい、「来年3月には子供もできます、頑張らないといけません。未熟なので助けてください、短いですがこれで終わりますありがとうございました」とこんな事を言ってそうそうに終わってしまい皆さんに短っと誰もが思ったと思います。失敗しました。。。。。
それでもなんとか無事結婚式は終えることができました。
次は子供の名前を考えないと、眠れない日はまだ続きます。
入居者のENさんにまだ名前決めてないと話すと、「ゆっくり考えればいいからまだ時間あるし一生物だから、でもりっぱな名前をつけないほうがいいよ、名前負けするから」とアドバイスをもらいました。今年も仕事に子育てと大変な1年になりそうです。頑張ります。

00:46 | Posted by admin