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【おかえりなさい】  のんびり家3F 吉田

2016年04月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

のんびり家3階にはもうすぐ95歳を迎える入居者さんがいます。
背が小さく元気なおばあちゃんだったのですが、去年の冬が始まる頃に脳出血で入院生活となってしまいました。
ちょうど私が出勤していた時で、先生やご家族に治療しない方針を説明され、これでお別れになってしまうのかと残念な気持ちになっていたのですが、状態が安定されて救急病院から転院されて様子を見ていく状態となりました。
しばらくすると、退院出来るほど安定されているとの知らせをうけ、のんびり家の職員みんなが驚くと同時に、万全の体制で迎えることができるよう話し合いをし、退院の時期を心待ちにしておりました。
そして現在、退院されて2か月が経ちます。
挨拶に応じて声を出してくれたり、声掛けに応じて動いてくれたりすることも日常的になり、今までとは違うのんびり家での生活を過ごされています。
この一年間は介護現場での事件など多く報道されたり、のんびり家3階も深刻な人員不足に陥ったりして、介護職という仕事について考える時間が多い一年でした。
そんな中で、こういった入居者さんの退院のような出来事はとても励みになります。
もう少しここで頑張ってみよう、この方たちと一緒にそういう気持ちになりました。
ありがとう、そしておかえりなさい。

16:03 | Posted by admin

【申】  のんびり家2F 福田

2016年04月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

暫く停止していたものの、今年一番初めのどっこいしょ記事となります。少し遅くなりましたが、今年もよろしくお願い致します。
今年と言えば、申年ですね。2000年のときは「水が止まる!?」など何だか騒いでいたようなおぼろげな記憶が……(結局特に問題は起きませんでした)。その区切りから早16年も経ってしまいました。
申年とは言うものの、あの「猿」とはまるで関係ないようです。読み方も本来は「しん」だとか。ただ「さる」とした方が誰でも読みやすいからとの理由から付いたようです。意味としては、「草木が伸びきり、果実が成熟して堅くなっていく状態」を表しているとのこと。今までの成長が実になっていく時期ですね。
人に当てはめれば、自分の頑張りが形になる年。というならば、私はいったい何かあるかな、と考えたところで思い出したのが、資格試験でした。今年初めて介護福祉士の受験資格が手に入り、1月24日に試験を受けました。受かっていると良いな、とは勿論思いますが、結果がどうであるにしろ、勉強した分がなくなるわけでも、ましてや無駄になることなんかはありません。
参考書を読んだり、机に向かったりする姿勢は、またなにか受験するときには大いに意味があると思いますし、日々の仕事で目に見える変化はなくても、どこかで役に立つ瞬間があるかもしれません。
さてはて、結果はどうなることやら。
皆様の努力も、今年、形になりますように。

16:00 | Posted by admin

バイキング】  のんびり家3F 永辻

2014年12月09日 | のんびり家::のんびり家 3F

この前、のんびり家合同の日帰り旅行で品川プリンスホテルまで行って来ました。
お昼はバイキングだったのですが、洋食や中華など美味しそうな料理がたくさんあって、本当に目移りをしました。
グルメなTさんは1品ずつ料理を見極めて食べたい料理だけをお皿に乗せていました。メインにローストビーフが出たのですが、ローストビーフの専用のソースをかけてナイフとフォークを使って、食べやすい大きさに切って食べていました。食べ終わると、「これが一番だね。」と一言。美味しい料理がたくさんあっていつもよりも食べたTさん。食べ終わって食後のコーヒーを飲んでいる時に満足そうな顔をしていたので、一緒に来られて良かったです。
また美味しい物を食べに行きましょう。

08:07 | Posted by admin

【向き合う姿勢】  のんびり家2F 石井

2014年12月09日 | のんびり家::のんびり家 2F

先日、のんびり家の日帰り旅行が無事実施することが出来ました。当初の予定では10月でしたが、天候の問題で延期となり何とか11月と寒い時期ではありましたが実施することが出来て本当に良かったと思います。ほぼ、毎年形を変えながら実施していますが、このような計画が始まると以前自分自身が計画した日光の宿泊旅行を思い出します。
当時はのんびり家に勤め始めて数年が経過していましたが、ずぼらな性格のため旅行の計画を立てるのに四苦八苦しました。
どのような視点で宿を選ぶのか、部屋の構造は、料理内容は、エレベーターはどのような広さなのか、入浴の場所はどうなっているのか……(この記事で詳細まで記載することは書ききれないくらいの量になります、ほぼ不可能なのでこのくらいにしておきましょう。)
当時は考えているようで、細かな部分がまったくといっていいほど考えられていませんでした。
日光の旅行では移動中の車の中で経管栄養をしたり、宿に吸引器を持ち込んだり、想定を遥かに超えることもありました。
薬やお金の管理も全て担っていた私はとても焦りましたが、当時の管理者や経験豊富な周囲の職員の力により何とか無事に旅行を終えることが出来ました。
そのバタバタした旅行の最中にカラオケを実施したのですが、そこで繰り広げられた光景は今でも鮮明に覚えています、というよりも強烈に脳裏に焼き付いています。
軽快なステップを披露してくれたNさん。いつもは足が痛いはずなのに…。
そして、カラオケの機械のマイクなんて関係ないくらいの大声で歌うSさん。その姿に圧倒されながら、Nさんと寄り添いステップを踏み、その度に「違うわよ。」と私の肩においた手で叩かれ怒られました。その際に、Sさんは大声で眉間にしわを寄せながら「やれば、出来るのよ。」と歌をうたいながら豪語していました。
この言葉はSさんが発した言葉なのですが、その後この法人で仕事をしていくうちに、この言葉がとても大切なことに気付きました。「やれば、出来る。」という言葉の中には様々なことがイメージすることが出来ます。まるで、Sさんは全てを代弁しているかのようにすら思えてきました。
それは、様々な疾患があろうが、認知症状態にあろうが互いに向き合っていくことが何よりも必要なことなのだろうと感じました。互いに人として尊重し、信頼し合いながら関係性を築いていくこと。そのためには、何事にも「向き合う姿勢」が重要ではないかと思っています。
短絡的に何かが出来たから良し、出来ないから駄目ではなく、個々がどのようなことを感じて、どのように向き合うのかがとても重要なことだろうと思います。職員と入居者という垣根を越えて時間をかけて向き合っていく中でその時々の価値観に触れながら仕事に努めたいと思います。という風に記事を書いていると、脳裏に新しく入居されたばかりのKさんの「どっこいしょのしょ。」と歩く姿が浮かんできます。

08:07 | Posted by admin

【旅行前夜】  のんびり家2F 福田

2014年11月26日 | のんびり家::のんびり家 2F

11月12日はのんびり家2階と3階合同で、品川プリンスホテル内のランチと、アクアスタジアムへの日帰り旅行を企画していました。その前日の11日から12日の朝までの夜勤が私でした。当日の出発時刻を考えても、やはり人によってはいつもより早めの起床になるので、次の日を楽しむためには、出来ればある程度の時間で就寝できるような雰囲気と支援が大切かなとは考えていました。
「明日はここと、上の階の方と一緒にホテルのレストランでビュッフェですって」と話すと皆様「?」状態に。…はっ!「…バイキングですって!」と言い直すと「ああ、良いわねぇ」と言う方もいればまだきょとんとした方も。「……食べ放題ですよ!楽しそう!」「あらーそうなの」と変換三段階に。
皆さんの中では就寝が早めのOさんにまずは声を掛けてみようと側に寄ると、おや…机の上になにやら義歯が…。乾燥はあまり良くないので、置いてあるのは預かりますね。
その他就寝前にお腹がスッキリする方もいれば「まだ(寝ない)」と首を振る方も。少し時間を開け、再度Kさんに「明日水族館でイルカショーも見るんですよ」と話題にすると「イルカね。食べたことある」。
「えっ。…鯨はどうですか?」
「鯨は食べたことない」
そんな話をしながらも、自室で横になったときには直ぐ目を閉じて眠りについていました。
夜間帯はしっかり休まれているようで一安心。そして待ちに待った日帰り旅行当日です。バスにも乗りますし、お昼ご飯が豪華なので、一杯食べられるよう朝は質素に。まあ、品川プリンスホテルのランチバイキングと比べたらなんだって質素に見えそうではありますが。
さて。楽しんで来て下さいね!お土産話とたくさんの写真を見るのを楽しみに、行ってらっしゃい~。

14:35 | Posted by admin

【はさみ】  のんびり家3F 浅井

2014年11月26日 | のんびり家::のんびり家 3F

のんびり家でお仕事をさせて頂くようになってもうすぐ1年。
業務はそれなりに覚えたものの、 肝心の支援は?というと・・・。
相変わらず、考えながら悩みながらの日々です。
仕事を終え、のんびり家を出て家に着くまでの時間が反省タイムです。
でも家に着いたら仕事の事は一旦忘れ、今度は祖母との触れ合いタイムです。
突然ですが、我が家は、私の祖母(もうすぐ95歳)と、主人と私の3人暮らしなのです。
つい先日、祖母の服薬の介助と見守りをしていた時、ふと、いつも当たり前のように薬の袋を開けてから渡してい
るけど、まだ自分で開けられるのかな?と思い、袋のまま渡してみました。
すると祖母は、動かしにくくなっている指先で一生懸命開けようとしています。
暫く悪戦苦闘するも開けられず、顔に苛立ちが見え始めました。そろそろ「開けて!」と言ってくるか「もういや!」と放り投げるか、 どちらかだろうと思って見ていたら、祖母はこう言いました。
「はさみどこ?」
これは私にとって予想外の答えでした。 はさみを渡すと、不器用ながら薬の袋を切りました。
あれ、まだはさみ使えたんだ? じゃあなぜ、薬の袋を開けて渡すようになったんだっけ? なにか理由があっての事だったっけ?
思い返してみたら、理由はありました。
[袋を開けずに渡すと見守りに時間が掛かるから]
祖母側の理由じゃありません。私側の都合でした。
今よりも更に無知だった私の祖母に対する介護は、自立支援なんていう発想自体が皆無で、安全を最優先にしてきたつもりだったけれど、 合理性が最優先であった事を思い知らされました。
[祖母は自分で薬の袋を開けられるのか?]
のんびり家の一員になっていなかったら、きっとそんな事に興味を持てていなかったと思います。私もこの1年で、ほんの少しは成長出来たのかな?
知った気にならない事。勝手に諦めない事。決め付けて思考を停止しない事。見ようとしなければ見えないものがある事を忘れずに。2015年は、もう少しスピードを上げて成長したいと思います。

14:33 | Posted by admin

【ある日の散歩で】 のんびり家2F 柿沼

2014年10月23日 | のんびり家::のんびり家 2F

「何してるの?」通りすがりに、下の方から聞えた小さな声が私達に尋ねる。
「ん?ん?」と見ると、七、五、三の和装をしたかわいい男の子がいた。お母さんの自転車の後ろに乗せてもらう手前で、私達が何をしているのか気になったらしい。
他の人が足早に動く中、5人でゆっくり、ゆっくり歩いていたし、私は一人の入居者さんと手をつないでいた。
なんていい質問なんだろう。(子供だけに直球の質問!)と思いながら、「台風が来る前に皆で散歩とお昼を買いに来たんだよ。おじいちゃん、おばあちゃんは80もとっくに過ぎているから、ゆーっくり歩いてこれから帰るところ」と告げると、「じゃあ、こんなのは出来る?」と首をぐ~んと後ろに伸ばして見せた。傍でお母さんが微笑んでいる。
「う~ん!それは無理だなぁ」「着物かっこいいね!」「年はいくつ?」と男の子と利用者さんのやりとりが始まる。
利用者さん全員、ニコニコしている。
男の子との別れ際、それを言おうか、言うまいか迷っていた時だった。Kさんが大きな声で「遊びにおいで!」と言うのを聞いて、私はよかった、余計な事を言わなくて。と思った。
そう、大事な事は本人に言って欲しい。「私達はここにいるよ」って。
その日の外出はとても楽しかった。

01:02 | Posted by admin

【Hさん】 のんびり家3F 新山

2014年10月23日 | のんびり家::のんびり家 3F

こんにちは。6月上旬から新しく入居者が入居されました。名前は、Hさんです。
初日の夜勤が新山でした。Hさんの情報を少ししか知らず、どのような状態なのか分からなくてとても不安だったのを今でも覚えています。
Hさんが、のんびり家2階に来訪。私は、少ししてからHさんに挨拶をしましたが「え?」って表情をされました。(そうだよね、いきなり誰?と思っているはず。と思い様子をみる)
夕食の献立の時間。試しに料理本を目の前に置いてみる。少しすると右手で料理本をペラペラめくり出す様子。
お肉とお魚を指差して「お肉とお魚どちらが好きですか?」と質問する。と、「嫌い。」と一言。(うーん。と悩む新山)
次に、歌謡曲を流してみる。すると、両手でパンパンと手拍子したり所々歌いだす様子。(あ、歌が好きなんだ。と知る)
ある日、食事作りは出来るのだろうか、と思い、Hさんが座っているテーブル席にまな板とネギと包丁を置く。すると、包丁を手に持ちネギを押さえてザクザク切り出した。(うわ、すごい。切れるじゃんと感動する新山)←(・・・)は新山の心の声です。(笑)
娘さんに、その事を伝えると「えー、料理なんてしたの何十年ぶりかな。すごいじゃん。」と喜んでいるご様子。
更にある日の出来事です。素敵な男性がHさんに挨拶をすると、くしゃっと表情を歪めました。素敵な女性が挨拶をしても表情を変えることはなかったのに・・・不思議です。
今思うと、表情をくしゃっとするのは嫌だからではなく笑顔の表現をしていたのだと。女性は、何歳になっても異性に対して喜びを持つものなのだなと感じました。私も、何歳になっても恋していたいなと思います。
それから3ヶ月後くらいに、Hさんは、のんびり家を退去されました。退去された日、新山は勤務ではなかった為、お別れの挨拶ができませんでした。それがとてもとても残念で仕方ありません。
近々、入居者とHさんに会いにいこうと思います。のんびり家2階で過ごした3ヶ月間、色々なことがありました。数あるHさんについて新山なりに知れたことを少し書かせて頂きました。どこへいってもHさんらしく生活して下さい。また、ご近所で会える日を楽しみにしています。本当にありがとうございました。

01:00 | Posted by admin

【それぞれの世代それぞれの文化】 のんびり家2F 鈴木

2014年09月09日 | のんびり家::のんびり家 2F

どうもどっこいしょ6回目の登場です鈴木です。食欲の秋ですね。食べ物が美味しくて仕方ありません。ちょっとリバウンド気味かもしれません(笑)
今回は好奇心旺盛なYさんについてお話させて頂きたいと思います。
Yさんは新のんびり家開設時から入居されており、国語の先生をなさっていたということで、難しい漢字の読み書きや色々な言葉をご存知で教養が深い方です。
そんなYさんが熱心に夕方のニュースをご覧になっていた時の事です。ニュースの内容を読んでいたYさんが隣に座っていたTさんに「ねぇ見て。あなた『ツィッター』って何だか分かりますか?」と尋ねていました。Tさんも「さぁ分からないわ」とYさんに答え、Yさんが残念そうにしていると偶然私と目が合い「あのぅ。あなた『ツィッター』って何だか分かりますか?」と尋ねました。
私もあまりSNS関係に疎かったので少し説明するのに戸惑っていましたが「そうですね、自分が今思っている事を文章にして呟いて、それをテレビの画面のようなものに出し、他の人に知って貰うコンピュータの道具ですかね?(笑)」と言うと何となくYさんも理解されたようで「へー『ツィッター』って面白いですね」と納得した様子でした。その後もYさんは「『ツィッター』って面白そう」とTさんと話していました。
私は高齢者福祉の現場に携わって今年で7年になりますが、今まで「お年寄りの事を知りたい」と言う想いから、昔流行した歌謡曲や民謡を覚え、お年寄りの方々と歌ったり、テレビでは今まで見なかった時代劇や相撲等を見るようになったり、以前の職場では足踏みミシンを持ってきたお年寄りから足踏みミシンの使い方を教えてもらい、雑巾が縫える位まで上達したりと「お年寄り世代の文化」に触れる事が多くなりました。またそれが楽しくもありました。
しかし私もまだ27歳。お年寄りからしたらまだ若者、そんな私にも「若者世代の文化」はありますが、お年寄りの前ではあまり見せないようにしてきました。
そんな中、私がある女性職員からお年寄り何名かでカラオケに出掛けたときの話を聞いた時の事です。やはり昔馴染みのある曲をお年寄りと歌う事が多かったとの事でしたが、最後にその女性職員がAKBの歌をお年寄りの前で歌ったそうです。女性職員もお年寄りに「どうゆう反応があるか」と思って歌ったそうですが、皆最初は戸惑いが見られたものの、次第にふりに乗り始め手拍子までしてくれ、喜んでくれたとの事でした。
この話を聞いて私も「いくら世代が違ってもお互いの世代の文化に興味を持つことはより良い関係性を築くうえで必要なのかもしれない」と考え、そらからは自分の中で流行していることをお年寄りに発信する事が増えました。
今回のYさんの「ツィッター」の質問を私にしてきたのも、日常で私からYさんと最近の流行の事等を話す、行っている課程からあったからかもしれません。
近い内に私も「ツィッター」の内容を理解してYさんと日頃の思いを呟けたらと思います。

16:09 | Posted by admin

【記憶】 のんびり家2F 飛鳥井

2014年08月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

皆さん、こんにちは。どっこいしょ登場も8回目になりました、のんびり家2階の飛鳥井です。
今年の夏は猛暑に加え、ゲリラ豪雨があったりと、各地で甚大な被害が出ているところもあり、被災者の方達の心情は図り知れないですね。1日も早い復興をお祈りしたいと思います。
今回は、Yさんについてお話ししたいと思います。
Yさんは大正12年生まれで、現在91歳。のんびり家が開設した時点からのご入居なので、この夏で丸4年を迎え、5年目になりました。
Yさんの家は、日本で唯一の爪楊枝専門店で、ご主人が会長を、息子さんが社長を勤められています。雑誌やテレビでも紹介されている老舗のお店です。
Yさんのご主人は90代も半ばの年齢ですが、とても矍鑠とされていて、時折お一人でYさんを訪ねてきます。
必ず果物やケーキ、サンドイッチなどの手土産を持参され、Yさんとお二人で仲睦まじく自室でお話をされながら、持参したものを召し上がって帰られます。
お二人の姿を見ていると、とても微笑ましく、長年苦楽を共にされた深いきずなを感じます。私はまだ独身ですが、もし将来結婚したら、Yさんご夫婦のようになりたいなと思っています。
Yさんは才女で、理屈が通らないことに対しては、納得するまで話をする方でしたが、ここ最近は、身体状況にも変化が見られ、また様々な認識力も低下してきています。
ある日の夜間に、トイレ誘導した時のことです。お部屋に戻り、椅子に座りながらジュースを飲んでいたときの会話です。
Yさんの視線の先に貼ってある写真を見ながら、「この写真の方は、どなたですか」と聞くと、「私の母よ」「お母様ですか。お母様のお名前はなんとおっしゃるのですか」と聞くと、ご自身の旧姓とお母様のお名前をきちんと答えてくれました。
実は、以前にも同じような状況で、同じように写真を見ながら質問をしたことがあったのですが、このときにもYさんは同じように答えてくれました。
認知症の方は、新しいことを覚えたり、したりすることが難しくなると言われています。
確かに、Yさんも記憶障害が見られ、ほんの数分前の出来事を忘れてしまったりします。このような症状はありますが、過去の記憶は鮮明に覚えていて、こちらの質問にも的確に答えてくれます。
Yさんと接していると、出来ないこと、解らなくなってしまったことを数えるよりも、例え過去のものであっても、ご自身の中に鮮明に残されている記憶を大切にして生活していくことの方が重要であると実感します。
最後になりましたが、Yさんに「生まれ変わっても、ご主人とまた結婚しますか」と聞くと「するわよ」と即答してくださいました。
良き伴侶やご家族に恵まれているYさん。これからも、のんびり家でお元気に過ごされることを願っています。

08:44 | Posted by admin

【自慢話】 のんびり家3F 渡辺

2014年08月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

ここ数年夏の暑さがとてもキツイ・・・。今年は思ったより短い夏のような気もしました。季節はずれですが、お正月のお話をさせてください。
グループホームは365日休みなく運営されていますが、日々の利用者さんの顔も365日違うわけで、未だ知らない顔もあったりします。今年のお正月は私がのんびり家に来て2回目のお正月でした。
恒例の?お寺のよこの方たちにお呼ばれされて、お餅つき大会に参加しました。
2階の利用者さんとえっちらおっちら、なかなか合わない足並みをみんなで頑張って合わせながら歩いていきました。
Hさんは唯一、毎日買い物に行かれる方です。他の方のように「なんでもいい」とは言いません。Hさんには買いたい物があるのです。それが、毎日同じ物であろうとも・・・。
雨の日も風の日もリュックを背負い買い物へ。好きな物を買いすぎてしまった時は重くて大変そうです。のんびり家に着く頃には腰に手を当てながら歩いています。
そんなうしろ姿を見ながら過ごして2回目の今年のお正月です。
鍬を、天井をぶちぬくのではないか!?というぐらい振り上げてお餅をつくHさん。疲れ知らずのように、何度も何度も振り上げては餅をつく。あんな姿勢の良いHさんを見たのは初めてでした。そして、とても楽しそうな顔をしています。どうだ!というような。
こんな自慢すべきところがあったのか!と私も嬉しかった。知らないことってまだあるのだなぁと思いました。どうぞ、Hさんの勇姿をいつか見に来てください。

08:29 | Posted by admin

【Kさんとの日々】 のんびり家2F 石井

2014年07月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

ちょうど蒸し暑い日々が続いていますが(7月中旬なので進行形です)今回は5月の上旬にのんびり家から旅立たれたKさんとのことを思い起こしてみたいと思います。

Kさんとの出会いはのんびり家が引っ越したちょうど4年前に遡ります。
当時は、人を寄せ付けないような雰囲気をかもし出しながら、のんびり家での生活が始まりました。

最初の頃は、居室のドア付近に置いてある椅子に腰掛けながら、周囲の様子を伺っていました。表情からはのんびり家で生活されることに、まったくと言って良いほど納得されている様子は見られませんでした。居室の椅子から、のんびり家の居間をじっと見ていたり、職員の動きやその一挙手一投足を逃さないようにしているような雰囲気さえありました。実際Kさんは、ほとんどのことがお見通しのようでした。

職員が挨拶や声をかけようとするとバタンとドアを閉め、施錠をされ、職員はまともに会話をすることさえ出来ないことも多々ありました。そんなKさんではありましたが、誰でも平等に空腹はやってくるようでした。徐々にのんびり家の生活に慣れてくると、他の入居者との時間、職員との会話も少しづつ増えていきました。

しかし、どうしても入浴には気持ちが傾くことはありませんでした。職員はタイミングを図ったり、医師からのお手紙作戦など試しましたが、どれも決定打がなく、Kさんは慣れてくるとそれさえも上手くかわすようになってきました。

そうこうしているうちに、時間ばかりが経過してしまっていたため、しっかり時間を設けて1度話してみようと思い立ちました。Kさんの居室に入り1時間弱。(その細かい詳細は私だけの宝物となっています。)その時、私は一切先のことを考えず、真正面から意見をぶつけ合ってみようと心に決めていました。案の定、Kさんは大声で「出て行きなさい、私はあんたなんかに用事はないんだから。出て行かないと叩くよ。」と他にも威勢の良い声が聞かれました。そこで、ひるむわけもなく意見を互いにぶつけ合いました。

そこには、支援のあり方など細かいことは一切関係なく、私という人とKさんという人が互いの思いを尊重しながらもぶつけ合うだけの時間でした。

最終的には「あんたみたいなしつこい人間は初めてだよ。もう疲れてうんざりだよ。女の人がいるならお風呂入ってもいいよ。」と返答がありました。数分後、約束通りに女性の職員が対応し入浴されました。

人との関わりを好んでいなかった雰囲気のKさんは、月日が経過し買い物に出掛け、食事を作り、外食にも出掛け、のんびり家の宿泊旅行にも参加されました。Kさんが他の入居者を江戸っこ気質で励まし、他の入居者がそれに呼応する、そんな場面さえ見られるようになっていきました。やがて、脚力が落ち、食欲も落ち、身体機能が徐々に低下をし入院されました。最終的にはKさんの病院から出たいという意思を尊重する形で、のんびり家に戻りました。そして、退院から3日後の昼頃に旅立たれました。

短い4年という月日ですがKさんは私たち職員に色々なことを教えてくれました。人は1人では生きていけないこと、人との関わりが大切なこと、人を信じること、人との信頼関係を築くこと、当たり前のことがとても尊いこと・・・・・。

Kさんは最期まで多くのものを残してくれました。私自身も最期を看取るという経験がありませんでした。
Kさんの容態が日々変化していく中で個々の職員もそれぞれの想いもあったと思います。それでも、Kさんのことを支えたいという揺るがない思いがあったからこそ、色々準備不足な面や反省点はありますが、Kさんとの時間を大切にしていきたいと願ったことがなによりであったなと感じています。

個々の職員がKさんと向き合い、最期を看取り、今後Kさんの残してくれたことを大切にじっくりと考えながら支援に繋げていければと思います。そうすることで、江戸っ子のKさんの「あんた、馬鹿じゃないの、笑っちゃうよ。」という威勢の良い声を、いつでも心の中で聞かれるのだと思っています。

08:43 | Posted by admin

【自宅で生活する母、グループホームで生活する入居者さん】 のんびり家3F 竹田

2014年07月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

夏休みは私事ですが、新盆でもあり家族3人で実家に帰省して墓参りをしてきました。
一人住まいになった母親は、幸いにも(気丈にも)葬儀後のシュンとした様子とは打って変わって食事の用意をしたり何でもやる気を出して案外元気でした。
夏まつりでは夕方家を出て獅子舞を楽しんだらしい。夜に打ち上げられた花火も堪能したというから驚きだった。
当初一人暮らしになってしまうことが不安でした。しかし町の福祉課職員のサポート、介護保険での訪問支援、社会福祉協議会からの支援、そして何よりも隣近所の方々のお世話になりながらどうにか一人暮らしが維持できるようなサポート体制が整いました。
介護度もランクが下がり、訪問回数は減らされたものの、身体状況は改善していることにほっとしました。
何と言っても今まで通り自宅で生活ができることが一番で、夫である父が居ない寂しさは当然でしょうが、自宅で生活していく決意と覚悟みたいな気迫が感じられたのが救いでした。父がやっていた庭の雑草を刈ってやり植木の剪定をしてやり、なすやトマトなど畑の作物を収穫して3度の食事の世話などをして帰りました。
「秋に庭木の雪囲い(雪吊り)はどうする? お前にできるか?」などと先のことまで心配しているくらいだから認知症の症状など心配することはなさそうである。
さて、東京にもどるとすぐにグループホームの仕事に就きました。ここで生活する入居者様はそれぞれの事情で家族のもとを離れて共同生活をされているわけですが、心のどこか隅に「自宅で暮らしたい」「家族と暮らしたい」という気持ちがあると思います。共同生活では制約もありますが、少しでも元の自宅での生活の延長線の生活ができるような支援に心がけていきたいと思います。

08:42 | Posted by admin

【当たり前】 のんびり家2F 名倉

2014年06月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

こんにちは、のんびり家2階、名倉 章夫です。どっこいしょ4回目の記載になります。
早いもので、のんびり家で働かせてもらって約2年の月日が流れようとしています。2年と言う時間の中で様々な事がありました。入居者の方々と一緒に笑い合えた瞬間、外出、旅行、様々な事を教えて頂いたり、時にはぶつかり合ったり、時には悲しい瞬間、涙が出て来る瞬間だったりと・・・・
時間と言うのは皆平等ですが、人によって時間軸と言うのは違うかと思います。入居者の方々1人1人もやはり時間軸は違うかと思いますが、自分が入居者の方々と2年間と言う時間を関わらせて頂いた中で、どの様に入居者の方達に影響してきたのかなと思い返す今日この頃です。
2年と言う月日の中で1番衝撃と言うか、心に刻み何時までも忘れては行けないと自分に誓った事があります。
2回目のどっこいしょ記載の際にも触れましたが、それは(当たり前))と言う気持ち、考えを、自分自身の考えから捨てていかなければ行けないと。
洋服を着る事、食事を食べる事、朝起きる事、歩ける事、その他色々ありますが自分自身の日常生活に当たって、日々自分が行っている事に対して当たり前と言う考えを捨て、上記の事を出来る事に感謝していかないと行けないと考えるようになりました。
日々入居者の方々を支援させて頂くに当たって思う事は、入居者の方達は1つの事をやり遂げるのに対して、人により差は多少ありますが、1つ1つがとても真剣に取り組んでいて、やり遂げると、とても良い表情が見れる瞬間があります。その笑顔にあるのは、達成感、又は自信でしょうか?そこは人に寄るかとも思いますが。
ただ上記の事に対しての入居者の方々1人1人の共通点は出来て当たり前と言う考えがない事です。だから素敵な表情が出てくるのかなと思います。
人は皆年齢を重ねていきます。自分が入居者の方々と一緒の年齢になったとイメージして今、のんびり家にいる入居者の方達と同じ考えが出ているのかと考えると全くイメージが出来ません。それは自分自身の考えの中に当たり前と言う考えが根強くあるからかなと考えます。
これから先時間は要すると思いますが、入居者の方達を見習い、当たり前と言う考えを少しずつ無くしていけたらと思います。

08:41 | Posted by admin

【美容院へ】 のんびり家3F 浅井

2014年06月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

この間、入居者さんのYさんの髪が伸びたので、一緒に美容院へ行って来ました。
当日はあいにくの雨だったのですが、電車に乗り、行って来ました。美容院に着くと美容師の方に「今日はどうしましょうか?」と聞かれ、Yさんは「いつもと同じでいいです。」と答える。
美容師の方も前回の記録があるので、「耳を出すぐらいに切りますか?」と聞くと、「はい。短くお願いします。」とはっきりと答えていました。美容師の方も若い男性だったので、なんだか嬉しそうでした。
切り終わってから短く切った感想を聞くと、「やっぱり短いのは楽でいいわね。洗うのが簡単ね。」と嬉しそうに言ってくれました。この瞬間やはり女性だなと感じました。Yさん、ショートヘアもとてもお似合いですよ。

08:26 | Posted by admin