久々の記事となります、のんびり家2階の石井です。この記事を作っているのは法人忘年会の日のため12月20日(夜勤勤務のため19日ですね。)です。この時期になるといつも1つの言葉を思い出します。それは、のんびり家で働き始めて始めての忘年会に参加した時、他事業所の管理者の自己紹介での言葉でした。
「・・・・・(何か自己紹介をしていたと思います。)入居者のことを知ってください。」
当時の私は右も左も分からない状態で日々打ちのめされることが多かったため、この何気ない言葉にもすぐに反応することが出来ませんでした。この何気ない「入居者のことを知る」ということがどれほど難しいことなのか当時の私はそこまで深く考えていませんでした。単純に「あー、そうか。」と安易に納得していた気がします。時間が経てば自然と入居者のことを知っていくのだろうと無意識に思っていました。
しかし、のんびり家に勤め1年半くらいが経過したあたりでふと立ち止まって考えた時に「自分は入居者のことを本当に知っているんだろうか。」と疑心暗鬼になりました。自分は入居者の「疾患のこと」「好きなこと」「癖のこと」「爪のこと」「靴のサイズのこと」「得意なこと」「歩ける距離のこと」・・・・・・・・・本当の意味で知っているんだろうか、それとも知っていると思い込んでいるだけではないのか、知っていることが古くなっているんじゃないだろうか・・・・・・・と。
そう自分で考えた時に忘年会での1言が蘇り、その何気ない言葉はとても深い言葉と認識することが出来ました。
先日、のんびり家2階のKさんの入浴対応をしました。とても小柄で時折見せる表情が穏やかな女性の方ですが、歩行が不安定なこともあり必ず歩行する際は職員が対応しています。何とか承諾を得て入浴となり浴室で身体を洗い終わる頃に私に向かって「ここ入っていい。」と聞きながらも既に右足を浴槽に入れていました。その行動に移すまでの動作のスムーズさに驚いたと同時に嬉しくなりました。Kさんの入浴している認識、お風呂場の空間の認識、浴槽の高さの認識、手摺の認識、浴槽をまたいで入ることが出来る身体能力・・・・私の想像した動作よりもスムーズに行われたその瞬間の出来事がとても素敵に思いました。その瞬間に、「この仕事の醍醐味の1部だろうな。」と思いました。
私たちの仕事では「知る」ことがとても大切なことだと日々実感しますが、どのように知っていくのか、新しいことを知るには、知っていることに間違いはないのか、他の可能性はないのか・・・・・私たちが日々考え、振り返り、自分たちの支援について疑問をもち続けチームで共有していくことが入居者のことを「知る」ことに繋がっていくと思います。