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【知る?!】 のんびり家2F 石井

2013年01月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

久々の記事となります、のんびり家2階の石井です。この記事を作っているのは法人忘年会の日のため12月20日(夜勤勤務のため19日ですね。)です。この時期になるといつも1つの言葉を思い出します。それは、のんびり家で働き始めて始めての忘年会に参加した時、他事業所の管理者の自己紹介での言葉でした。
「・・・・・(何か自己紹介をしていたと思います。)入居者のことを知ってください。」
当時の私は右も左も分からない状態で日々打ちのめされることが多かったため、この何気ない言葉にもすぐに反応することが出来ませんでした。この何気ない「入居者のことを知る」ということがどれほど難しいことなのか当時の私はそこまで深く考えていませんでした。単純に「あー、そうか。」と安易に納得していた気がします。時間が経てば自然と入居者のことを知っていくのだろうと無意識に思っていました。
しかし、のんびり家に勤め1年半くらいが経過したあたりでふと立ち止まって考えた時に「自分は入居者のことを本当に知っているんだろうか。」と疑心暗鬼になりました。自分は入居者の「疾患のこと」「好きなこと」「癖のこと」「爪のこと」「靴のサイズのこと」「得意なこと」「歩ける距離のこと」・・・・・・・・・本当の意味で知っているんだろうか、それとも知っていると思い込んでいるだけではないのか、知っていることが古くなっているんじゃないだろうか・・・・・・・と。
そう自分で考えた時に忘年会での1言が蘇り、その何気ない言葉はとても深い言葉と認識することが出来ました。
先日、のんびり家2階のKさんの入浴対応をしました。とても小柄で時折見せる表情が穏やかな女性の方ですが、歩行が不安定なこともあり必ず歩行する際は職員が対応しています。何とか承諾を得て入浴となり浴室で身体を洗い終わる頃に私に向かって「ここ入っていい。」と聞きながらも既に右足を浴槽に入れていました。その行動に移すまでの動作のスムーズさに驚いたと同時に嬉しくなりました。Kさんの入浴している認識、お風呂場の空間の認識、浴槽の高さの認識、手摺の認識、浴槽をまたいで入ることが出来る身体能力・・・・私の想像した動作よりもスムーズに行われたその瞬間の出来事がとても素敵に思いました。その瞬間に、「この仕事の醍醐味の1部だろうな。」と思いました。
私たちの仕事では「知る」ことがとても大切なことだと日々実感しますが、どのように知っていくのか、新しいことを知るには、知っていることに間違いはないのか、他の可能性はないのか・・・・・私たちが日々考え、振り返り、自分たちの支援について疑問をもち続けチームで共有していくことが入居者のことを「知る」ことに繋がっていくと思います。

07:51 | Posted by admin

【それはまるで、ダンスのように。】 のんびり家3F 渡辺

2013年01月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

震災にあった人たちを支援し続けている人が、支援する側と支援される側の様子をこんな風に読んでいました。
ダンスのようだと。
同じ支援という立場で、自分は入居者さんとどんなダンスをしているだろうと、想像してみました。そりゃもう、不恰好なんだろうな、と。
同じ方向に進んでると思ったら、全然違う方向だったり。一緒に廻ろうとしたら絡まっちゃったり。足踏んだり、踏まれたり。
傍から見たらまだまだ、不恰好なんだろうなと思います。
誰から見ても素晴らしく綺麗に踊れたら素敵なのかもしれないけど、でも・・・・そんな不恰好なダンスも今は楽しんでみようと思います。
いつか、素敵なダンスが踊れるように!

07:49 | Posted by admin

【当たり前が当たり前って素晴らしい】 のんびり家2F 佐藤

2012年12月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

こんにちは。お久しぶりの方と初めましての方がいらっしゃると思います。佐藤郁子と申します。
以前つげの実でお世話になっていましたが出産を機に退職し、この度また皆さまにお会いしたく戻ってまいりました。どうぞよろしくお願い致します。
おかげさまで息子はこの9月で2歳になりました。最近はかわいい盛りな一方、自分の意志が通らないと食べ物やおもちゃを投げたり私を叩いたりと、なかなか大変なときもあるのが本音です(苦笑)。
さて、時期的に寒い時期に入り、我が家でも息子が鼻を垂らして家中を走り回っています。そんな様子を見て、息子が生まれて1ヶ月ほどの頃を思い出しました。
生後1ヶ月の頃、ちょうど今頃と同じ、だんだんと秋が深まって気温も低くなってきた頃です。気がつくと息子の小さな鼻の穴が、乾燥した鼻くそで半分ほどふさがってしまいました。寒くはなってきたけれど、まだ外出はしてないし、母乳の免疫力もあるはずなのに…。そして、こんな鼻ではおっぱいを飲むときに息ができず満足に飲めません。恐る恐る綿棒でほじくってみるものの、大して取れず奥に入ってしまい結局また溜まる憎き鼻くそ…。まず私が鼻くそを少し取ってから母乳をあげるという一苦労が続きました。
そんなことをしばらく続けていると、母が耳鼻科への通院を勧めてくれました。機械で鼻水と鼻くそを吸い取ってもらい、塗り薬をもらうと、今までがうそのようにきれいな鼻になっていきました。何でもっと早く行かなかったんだろう。でも、良くなってよかった、よかった。
たかが鼻くそ、されど鼻くそ。思い返してみると、自分自身今まで鼻くそがとれてこんなに嬉しかったことがあっただろうか。鼻が鼻くそでふさがり、飲み食いに支障をきたしたことがあっただろうか。
鼻くそが取れて鼻から息ができて、食べたり飲んだりできることって、当たり前だけど素晴らしいことなんじゃないだろうか。
当たり前が当たり前にできるって本当に素晴らしい。もっと当たり前のことに感謝していこう。そんなことを生後1ヶ月の息子が気づかせてくれた出来事でした。
鼻くそ鼻くそと大変失礼致しました(苦笑)。
いっそう寒くなるこの時期、皆さまもどうぞご自愛下さい!

07:49 | Posted by admin

【自己紹介】 のんびり家3F 竹田

2012年12月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

先日「終の信託」という映画を観ました。自然死、安楽死、尊厳死・個人の人格や死生観の違いを認めたうえで、医療現場の判断を『法律』で裁くことの意味・重みを考えさせられました。私は映画鑑賞が趣味のひとつでもあります。自宅でDVD映画を良く観賞しています。
入居者のTさんが、ある時小さい時に観たという映画「フランケンシュタインの花嫁」のことを話して下さいました。
その前にまずは、自己紹介です。
8月より3階に勤務しております、竹田木一です。53歳を過ぎてからの転職で介護経験もようやく半年ですが、日々新しい経験と感動をもらいながら学習させて頂いています。
10月には事業所の旅行会がありましたが、旅行先でも適切な指導をして頂く場面がありました。自分の担当とは違う2階のご利用者様の歩行介助について適切な判断ができなかったのですが、「あなたは、その人のことをどれだけ知っていて、判断を下しているのか?」その場で林田さんからの率直な問いかけでした。徹底して人を知る事が介助と残存機能維持の基礎データになることを学ぶ機会でした。
ご利用者様に気を配りながらも、私たち介護職にも介護のあり方を絶えず問いかけ適切にアドバイスして下さる事業所の姿勢を心強く思いました。
私は、もうひとつの趣味で山歩きやスキューバダイビングをしています。海の中に入ればすべての雑事を忘れて癒しの時間を楽しんでいます。自らの命を守る拠り所は、自分のダイビング機材を信じることと、ダイビング経験の積み重ねです。当然機材のメンテナンスは欠かせません。
私は、介護においても「あなたがいてくれるから安心」と思われる存在でありたいと思います。確かに介護技術も大切でしょう、しかし、あれこれのテクニックより思いやりの心を大切にして、日々の経験を通して技術を身につけていきたいと思います。
さて、Tさんの話しに戻ります。映画「フランケンシュタインの花嫁」は、“子供心にもとても怖い思いをした映画だ。”ということでした。余りにも緊迫した臨場感のある話しぶり、恐怖体験に興味が湧きましたが、正直、半信半疑でした。果たして本当にその映画があるのか?帰宅してすぐにアマゾンで検索してみると、確かに「フランケンシュタインの花嫁」のDVDがあるのです。1935年の古い映画でした。さてどんな展開なのか?Tさんが怖い思いをしたと言う通りのストリーと音響効果なのか? 早速「フランケンシュタインの花嫁」のDVDを取り寄せました。
DVDが自宅に届き、Tさんに“「フランケンシュタインの花嫁」を見つけてきたから一緒に観てみましょうか?”とお聞きすると、「観たいね」との返事でした。
私が夜勤の時にHさんも誘って3人で映画鑑賞会です。
Tさんは、映画の中でフランケンシュタインの花嫁になる人造人間が造り出される当たりから席を立ち、自室に戻られました。
Tさんは「どうだ! 本当だろう。僕の話しを信用したかい?!」と言わんばかりのしたり顔で席を立ったのでした。
「何故かTさんに一本取られた感じだなあ」私の率直な感想でした。その後、私とHさんは最後まで観賞しました。
Tさんの話しは、理路整然としているわけではありませんが、記憶の中のシーンはほぼ完璧です。半信半疑と疑ってかかった自分を恥じています。
Tさんは、入浴介助中も浴槽につかりながら私の生まれた田舎(山形県)の記憶を辿って話しをされることがあります。鶴岡地方に住んだ(又は、出張か何かで行った)経験があるそうで、近くの温泉街の話しや海の話しは私が知る限りでは相当に具体的です。
Tさんのお住まいがある茗荷谷の話しの中で、和菓子の三原堂のことがありました。本郷3丁目にも三原堂があるので今度行ってみましょうと約束し、先日散歩がてら出かけました。三原堂の生菓子のこと、春日局の麟祥院のこと、歩きながら話しは尽きません。言うまでもなく、三原堂の「大学最中と塩せんべい」を購入して帰りました。
記憶障害という病気だから全て間違っているのではなく、遠い記憶は断片的ではあれ、経験したことの記憶です。しっかり繋がっている記憶です。入居者様を知ることはどんなにか素晴らしいことかを思い知らされる日々です。
まだまだ、人を知ることに関しては経験不足であり、視点も狭いと言われますが、介護経験を通じてより豊かな視点で見ることができるようになれればと思っています。

07:48 | Posted by admin

【初めまして。】 のんびり家2F 名倉

2012年11月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

のんびり家2階で働かせて頂いている名倉章夫と申します。のんびり家にきて3ヶ月がたちました。今回どっこいしょを初めて任され文章ながら、いささか緊張しています。今回は入居者様との日常を書きたいのは山々ですが、初めてのどっこいしょと言うこともあり、私の事を少しでも知って頂けたらと思い自己紹介をかねて私の事を書かさせていただきます。
年齢は今月の22日で33歳になります。顔が童顔からか若く見られがちですが、最近は居酒屋にいっても身分証明書の提出は求められなくなりました。(笑)
介護の世界は始めてであり何故この業界に踏み切ったかと言えば、僕の家は片親で父親が僕が15歳の時に病死で亡くなり母親1人で僕を含め兄弟4人を育て上げてくれました。そんな母親も今年で65歳になり、まだまだ元気ですが何れは面倒を見れたらと思いヘルパーの資格を習得しのんびり家で働かさせて頂いている現状であります。
今までは飲食店で10年以上働いており飲食業で培った目配り、気配り、心配りが介護の世界でも生かせたらと思っております。
趣味は最近見つけたのですが、デパ地下巡りです。僕は食に対してあんまり興味がないのですが、最近始めてデパ地下に行く機会がありましてデパ地下の活気や匂いに心打たれました。初めてデパ地下に行ってから2週間程でもう2回程行きました。これからも時間をかけ色々なデパ地下に行ってみたいと思っています。
最後になりますが、まだまだこの世界解らない事だらけであり入居者様を初め職員の方々にも助けられっぱなしの私ですが、時間をかけ1人1人の入居者様の事を知り、理解し何れはお互い心から笑い合える関係を目標に1日1日を大切にして行きたいと思っていますので、温かい目で見守って頂ければ幸いです。

07:48 | Posted by admin

【気づくこと】 のんびり家3F 永辻

2012年11月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

美容院に行った次の日に出勤をして、居間で入居者さんと話しをしていると突然に「髪切ったの?似合ってる!!」と言われました。気づかれるとは思いもしなかったので正直驚きました。
小さな変化にも気づかれるということは普段から見られていることを再認識しました。
気づくことによって先のことが考えられる。前もって準備も対策も出来る。この気づく力は入居者さんと一緒に生活していく中で大切なことだと改めて入居者さんに教えてもらいました。

07:47 | Posted by admin

【Mさんと私】 のんびり家2F 福田(春)

2012年10月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

こんにちは、今回でどっこいしょを書くのは二回目です。のんびり家での生活は七ヶ月を過ぎ、初めの頃には中々難しかった入居者さんとの気楽な「お喋り」がやっとできるようになってきたことを楽しく思っています。顔を覚えてもらえるとは、そこにいることが自然だと捉えていただけることに繋がるでしょうし、お互い話しかけやすくなった半年以上という時間は人を変化させていくなと感じます。
そして私がのんびり家に来てから変わったのはお互いの距離感だけでなく、入居者さんの身体の状態でもありました。お料理が好きで、積極的に台所に立っていたMさんです。
Mさんは5月に体調の変化が起き、右半身の麻痺が見られるようになりました。ご本人も「どうしてこうなっちゃったのかしらね」と気落ちした内容をたびたび口にしました。しかし、人の身体とは凄いもので、当初やや困難だった歩行が軽い支えで歩けるようになり、最近は右手に玉葱や人参を持って左手で皮を剥く作業なども行います。徐々にですが、やればできるようになっていく、という感覚はきっとMさんの自信になるのだと思います。
夜勤中、眠たそうだったMさんに「もう夜も遅いですから、寝ましょうかね」と声を掛けると「あなたがまだ起きているのに寝られないわよ」と心配そうな表情で語る日があり、朝に目覚めて私の顔を見た途
端「あら、今日は学校行かなくて良いの?」と笑いながら言う日もありました。Mさんから見た私はきっともの凄く子供に見えるのだろうな、と思いつつも、今では表情豊かに、前向きになっていく姿に一緒になってお喋りしては笑ったりする毎日です。

07:47 | Posted by admin

【アーティストKさん】  のんびり家3F 山浦

2012年10月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

のんびり家に勤めて1年…そして、この夏入籍し、新たな人生の門出を迎えた山浦です。
そんな自分と同じく8月よりのんびり家の3階で新生活を送る事になった入居者Kさんについて今回は書かせていただきます。
Kさんは小柄でガッシリした体格の男性です。入居された初日から、ご飯はどんぶり飯!寝る時はパンツ一丁!
うん!まさに男の中の漢、最近の言い方に変えるならワイルド(だろぉ)な方です。
そんな豪快そうなKさんですが、元々デザイン関係のお仕事をされていたとの事で、実は几帳面でとても繊細な方なんです。
ご入居された際、Kさんがデザインされた物を幾つか持って来られました。
駄菓子などのパッケージに使われていたデザイン画、女性の顔…等等…その中に漫画があったのです!!漫画にはかなり精通している自分ですが背景もきちんと描かれており、スクリーントーン(影や柄などに貼る細かい点々)も綺麗に貼ってあったのです!!
柔道技を操るハードボイルドな刑事の物語、本格派ボクシング物語など。分かりやすい設定と主人公とお色気のあるヒロイン魅力のあるキャラクター達。更に、デザイン関係のお仕事をされていたので新聞も普通にご覧になっているのかと思えば、よくある新聞の一番下にある広告の欄を見て「これは明朝体だろ、こっちはゴシック体」など印刷の際の文字の形などを細かくご覧になっています。
そんなKさんと会話をしていた際「ここが本職の方だなぁ」と思ったのが、何気なく漫画を見せてもらおうと「Kさんの書いた漫画見せてください」とお願いをすると「漫画?そんなのないよ」との事…この時、自分の中で閃きこう返しました「すみません、そちらにある原稿を見せてください」そうしたら「この原稿ね、いいよ」と快く見せてくださいました。確かに、ご自分の作品ですし漫画や絵と言うくくりではなく全て「原稿=作品」って事なんだと、改めてアーティストな方なんだと思い知らされました。
まだ入居され間もありませんが、Kさんの事をもっと知り、沢山の出来事や思い出を作りながら支援が出来ていければと思います。

07:46 | Posted by admin

【母親Yさん】 のんびり家2F 新山

2012年09月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

お久しぶりですどっこいしょ2回目の登場、鈴木です。初どっこいしょの時に公約した、「1年で10キロ痩せる」果たすべく、先月からジムに通い始めました。1ヶ月経ち4キロ痩せることができました。「よし!もっと頑張るぞ。」
話しは変わりまして、先日Yさんの誕生日企画で「エプソン品川アクアスタジアム」という品川にある水族館に行って来ました。以前から「生き物を見るのが大好き」というYさんのリクエストで企画されたもので、いざ水族館に入った際には、大きな水槽に泳ぎ回る海の生き物を見て「凄い大きいね」「少しおっかないよ」と驚かれた発言も見られましたが、ペンギンや小さな熱帯魚を見て居る時は目を輝かせながら「綺麗ね」「かわいい」と少しずつですが、楽しまれている様子が見られました。
そんな中で、世間は夏休み真っ最中、都内でも人気の水族館であることから、子供達がいっぱいで「わーわー」「きゃーきゃー」と館内あちらこちらを走り回っています。そんな様子を見てYさんも「うるさいわね、もっと静かに出来ないの」と次第に眉間にしわを寄せて言います。私も「夏休みですからね」と言うことしか出来ずにいました。そしてYさんがペンギンを見ているとき、騒いでいた子供達がYさん見ている目の前を「わーきゃー」言いながら走り過ぎたときでした。Yさんは堪忍袋の尾が切れたようで、子供達に「うるさいよ」と一喝、その様子を見て駆けつけた子供達の母親にも「しっかり親が見てなきゃ駄目だよ」とこちらにも一喝されました。私もその様子を黙ってみている事しか出来ませんでしたが、その後は特に衝突もなく、母親も子供達も反省したようでした。
その時は、私も「Yさん言いすぎでは」と思っていましたが。良く考えてみるとYさんも同じ母親として4人の子供を育ててきた身として母親に子供をしつける事の大切さを伝えたかったのかもしれませんし、今の世の中、こうもはっきりと物事を言う人も少なくなってきた中で、Yさんが子供達の母親に言うということは、人としてとても大切なことなのかもしれません。
その後も子供達の騒がしさを気にしつつも、イルカショーや海中トンネル等を楽しまれたYさん、のんびり家の中では見る事の出来ないYさんの新たな一面が見られて、大成功な誕生日企画でした。

07:46 | Posted by admin

【1年が経ちました】 のんびり家3F 君塚

2012年09月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

のんびり家3階で皆さんと一緒にお仕事をさせて頂くようになってから既に1年が経ちました。本当にあっと言う間でしたが、振り返ってみると確かに色々な出来事があったことが思い出されます。1年という一つの節目を迎え、介護職のプロとしての自覚を今まで以上にしっかり持ち、これからも入居者さんとの関わりの中で多くの事を学ばせて頂きながら成長できればと思います。
さて、今回はのんびり家3階の入居者さんのHさんについてお話ししたいと思います。Hさんは毎朝誰よりも早く起床されて、皆さんのご飯と味噌汁を作ってくれる「のんびり家3階のお母さん」的存在です。とても早起きが好きな方で、朝の4時台に居間に来られて夜勤のスタッフを驚かせることもしばしばあります。Hさんが就寝されるのはだいたい23時頃ですので、のんびり家3階の入居者さんの中では最も睡眠時間の短い方となります。そんなHさんに毎朝早起きをされて眠くないのか聞いたことがあるのですが、やはり「眠いよ」とのことでした。
また、私が夜勤をしていたある夜のことです。Hさんは深夜の1時を指している目覚まし時計を手に持ち「これ、あってる?」と私に聞いてきました。その時計が正確な時間を示していることを伝えると「あー、これあってるんだあ。」と時計をまじまじと見つめながら二人で笑い合いました。Hさんは、起床する時間のはずなのに時計は1時を指していたため、時計が故障しているのではないかと思われたのでした。実は、この時間の感覚を正確に認識できないというのは認知症の症状の一つであり見当識障害と呼ばれています。この症状は放っておくと生活のリズムを狂わせ体調を悪化させる原因になるため軽く考えてはいけないのですが、夜の1時を指した時計を手に持ち二人で笑い合っていると、これも個性の一つとして受け止め、笑い話で収まっているうちはそれほど深刻に悩むことでもないのではないかと、そんな考えも一方では湧いてきました。
Hさんはごく普通の優しい女性で、入居者さんに対しても優しく話し掛け、色々教えて下さいます。そしてスタッフである私に対しても、片付けをしていると「ご飯一緒に食べよう。」とか、夜勤明けの私に「ご飯(お米)は食べないの?」とか(夜勤明けは食欲無くおかずのみ口にしてます)声を掛けて下さり、Hさんがどれだけ周囲を良く見ているか、その観察力には驚かされます。ある時私が台所に立ち一緒に料理を作っていると、突然Hさんが「私、邪魔じゃあない?」と聞いてきたのです。私はその瞬間「驚いた」というよりは「背筋が凍る思いがした」という方が正確かもしれません。私達スタッフの仕事は、入居者さんに気付かれることなく入居者さん主体の生活(環境)を作り出すことです。にもかかわらず、入居者さんに自分達が邪魔になっていないかと思わせるということは、スタッフの立ち居振る舞いがそれだけ未熟だということです。一方ではそれだけ入居者さんに気配りされるのだからしっかりとした信頼関係が築けている証拠という見方もできなくはありません。しかし、自分の仕事の不手際が入居者さんに伝わっていることは確かですし、何より自分の身のこなしが入居者さんの生活に完全に溶け込めていないことになります。
私はこの1年間入居者さんを「観る」ことばかりに気を取られ、「観られる」ことにはほとんど意識がいきませんでしたが、Hさんの言葉は、その誤りを私に気付かせてくれたのでした。
「認知症の方は何もできない、わからない」という誤った見方があるのは悲しい現実ですが、認知症の方は失われた能力が大きいほど周囲の人々に様々な教えや学びの機会を与えて下さいます。その教えや学びに気付くかそうでないかは、私達一人ひとりの心掛けであると思うのです。

07:45 | Posted by admin

【最近、感動した事。】 のんびり家2F 新山

2012年08月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

こんにちは。のんびり家で働いて、約1年目になりました。
今回は、感動したことを伝えたいと思います。
7月上旬、私は入居者と(Kさん・Yさん・Tさん)巣鴨まで遊びに行ってきました。
車椅子での電車旅行は初めてということもあり、不安と緊張色々な事をモヤモヤ考えながら外出しました。東大前の駅にて切符を購入し駅員さんに「巣鴨まで行きたいのですが初めてで。」と伝えると「分かりました、では案内します。」と笑顔で対応してくれました。ホームへ下りて車椅子の乗り場を発見。今まで、意識して電車に乗っていなかったので車椅子専用の電車乗り場を見つけた時は感動しました。
巣鴨に着くまで、各駅員さんが親切に対応、電車の乗り降りする時も台のような板を使用して詳しく説明してくれた
おかげで電車移動がスムーズにいきました。しかし巣鴨に着くまでの距離がやけに遠く感じましたね。(笑)巣鴨に着くと車椅子に乗っているKさんYさんTさんの表情がみるみる笑顔になり「懐かしいわ、久しぶりの巣鴨だわ」と入居者同士話しながら笑っていました。
巣鴨周辺を観光しながら買い物や外食をして、入居者と楽しんできました。
帰りの電車では「楽しかった、また行きたいわね」と話しているのを聞いて嬉しかったです。
今日、車椅子の方でも安心してどこまでも電車を利用して行ける事を知り本当に感動しました。グループホームで勤めていなかったらこのような体験で感動する事もなかったのだろうと思います。今回の経験を活かし次に繋げていきたいです。
そして車椅子で電車に乗りどこでも行ける事を知っているようで知らない方もいると思うのでまわりの方に語っていきたいです。
グループホームで1年勤めて決して楽しい事ばかりではありませんでしたが、これからも考え続ける事や学ぶ事、色々な事に興味を持つ事を止めない自分でありたい。
最近、自分の壁にぶつかりモヤモヤしていましたが、また新しい感動ができて良かったです。

07:44 | Posted by admin

【春~梅雨~夏へ】 のんびり家3F 福田

2012年08月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

Dさんありがとうございました。
6月19日、のんびり家3階の入居者のDさんがお亡くなりになられました。81歳でした。
本駒込時代ののんびり家から2年9ヶ月。こうして年月を書くと短く感じられますがDさんはエプロンを着け「何かやることありますか」の言葉から1日が始まり、買い物の時は率先して重い荷物を持って下さり、時には白山駅前のドラックストアまでお一人で日用品を買って来て下さるなど、スタッフも入居者の皆さんも頼ることが多かった方でし
た。研修に来た方の中にはDさんがのんびり家スタッフだと思われた方も居たくらいです。
Dさんに「いつもありがとうございます」というとDさんは「いやぁ、おじん(Dさんがご自分を呼ばれるときの呼称)歩くの好きだから…」と照れ笑いをされた顔はとても素敵でした。
運営推進会議にはほぼ毎回出席し、おなじみの自己紹介をされ、好物だと仰り夕食におでんと鰤を選ばれることが多かった事(春先は出身地で捕れるホタルイカも良く召し上がっていました)赤提灯のお店を見ると「あなたコレ(お酒を飲む仕草をしながら)いけるんでしょ。行きましょうよ。」とお誘いも受けました。高校野球を見て感動の涙
を流される等、過ごした年月は短いですが沢山の思い出があります。
葬儀の日、棺の中には愛用の帽子とエプロンが納められていました。ご家族の方が「いつも出掛ける時は帽子を被っていて、のんびり家に居る時はエプロンを着けていたので父親といえばこれと思ったんですよ。」と仰っていました。
今頃、愛用の帽子を被り、大好きなネオン街に繰り出し赤提灯でいっぱい飲んでいることでしょう。
最後に…Dさんから伝授された親父ギャグ使い続けます(笑)

07:17 | Posted by admin

【K・Yさんのこと】 のんびり家2F 飛鳥井

2012年07月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

皆さん、こんにちは。梅雨真っ只中のこの時期、いかがお過ごしでしょうか?
どっこいしょ登場も4回目になりました、のんびり家2階の飛鳥井です。
今回は、K・Yさんのことをお話したいと思います。K・Yさんとの出会いは、忘れもしない2年前の7月で、のんびり家2階開設時にご入居されて来ました。
ご入居当初は、自室で殆んどの時間を過ごされ、居間にいるのは食事の時間くらいでした。自室のドア付近にある椅子に座り、居間の様子をじっと伺い、「ぴしゃっ」と言う感じで、ドアを閉めてしまうことが多かったように思います。今にして思えば、とても警戒心の強い方で、新しい環境に慣れるのにご苦労なさったのでは?とも思えます。
K・Yさんの出身地は、江東区の門前仲町(ご本人は、深川と仰います)で、チャキチャキの江戸っ子です。子どもの頃は、花街があったため、近くの銭湯に行くと、お座敷前の芸者さん達がいて、水おしろいを塗っていたこと。一回り違いのお姉さんがいて、一緒に三味線等を習っていたこと。若い頃は、旧海軍省で、タイピストの仕事をしていたこと。また、大阪で喫茶店を経営していたこと。以前は馬主で、ダービーなどに出走する馬を持っていたこと(私は、競馬のことは分からないのですが、結構名前の知られた馬であったとのこと) など、次第にのんびり家の生活に慣れるに従って、ご自身のことをお話して下さるようになりました。
K・Yさんの好物は「お寿司に天ぷら。果物ならメロン」と本当の贅沢を知っている方です。調理も、「面倒くさい」とあまり積極的になさらないこともありますが、実はとても料理上手で、目分量で味付けをしても、ぴたっと味が決まります。昔摂った何とかと言いますが、やはり若い頃に身につけたものは、幾つになっても、例え認知症であっても衰えることはないのだと、K・Yさんから学ばせて頂きました。
K・Yさんは、とてもしっかりした方で、話の内容も明確ですし、理路整然としていて、お話をしていると、一瞬K・Yさんが認知症であることを忘れてしまうくらいです。しっかりしている上に、気が強い方なので、時には他の入居者と衝突することもあります。私とも、意見が合わずに「あんた、あたしに喧嘩売ってるの?」と江戸っ子らしい啖呵を切ることもあります。そんな時、私もK・Yさんに負けず劣らず気が強いものですから、「喧嘩を売っているつもりはありませんが、売られた喧嘩なら買いますよ」と言い返してしまいます。
傍から見ていると、成り行きにハラハラしているかもしれませんが、これがK・Yさんと私のコミュニケーションのとり方なのだと、自己満足かも知れませんが、私は思っています。
ご入居当初は、あまり他の入居者とも職員とも交流を持たないK・Yさんでしたが、実はとても面倒見が良い方で、他の入居者が困っていると助け舟を出したり、職員にも労いの言葉を掛けてくれる等、とても優しい方です。
K・Yさんは、とても整ったお顔立ちで、若い頃は相当もてたに違いありません。今も十分その名残があり、啖呵を切る時のきりっとしたお顔も好きですが、笑った顔がとてもチャーミングで、私は好きです。
ご家族曰く、「若い頃は、相当気が強い人だったが、最近は随分大人しくなって、いいおばあさんになった」のだとか。大正12年生まれで、今年89歳になったK・Yさんですが、いつまでも今の潔さとチャーミングなところを失わず、お元気で生活して頂きたいと思います。
K・Yさん、いつまでもお元気でいて頂くために、私も売られた喧嘩は、いつでも買いますよ。

07:16 | Posted by admin

【春~梅雨~夏へ】 のんびり家3F 永辻

2012年07月10日 | のんびり家::のんびり家 3F

関東地方も梅雨入りしましたね。この雨が続く日の中でふと思ったことがあります。
今年は桜が咲き誇ったのがいつもより遅かった気がします。ようやく満開に咲いた桜も、一週間ほどで全て散ってしまいました。散ってしまった桜木を見ると何だか切なくなりました。
その後は気温も上がり温かくなりましたが、いつもは暑いなと感じていて半袖のTシャツを着て過ごしていたゴールデンウィークも今年は少し寒かったので長袖を着ていました。その後も気温もあまり上がらずに梅雨入りをしました。今年は春らしい春が短かったと感じます。
梅雨もあと1ヶ月ほど続きますが、終われば暑い夏の季節がやって来ます。今年も猛暑なのか気になっていて、熱中症には十分に気をつけようと今から考えています。

07:15 | Posted by admin

【日常生活において】 のんびり家2F 石井

2012年06月10日 | のんびり家::のんびり家 2F

昨年度末の2月の下旬に右足の靭帯損傷してしまい、のんびり家の入居者、職員に迷惑をかけてしまいました。
現在では、完治とまではいきませんが歩くのには支障はない程度になりました。怪我直後は、松葉杖を使用していたこともあり、様々なことを考えるきっかけとなりました。
とにかくあらゆる日常生活、動作に時間を要するということです。外出するまでの支度から移動まで回り道ばかりです。エレベーターの場所を確認したり、階段の昇降にも通常の倍くらいの時間がかかりました。どれだけ今までの自分がスムーズに「意思決定」をしてきたのか改めて実感することができました。そして、今まで考え続けていることの確認をすることもできました。
最近ではのんびり家の入居者のTさんYさんがお昼の時間を気にする、または気づくことが増えてきました。居間の椅子に腰かけているとTさんとYさんが「あら、もうこんな時間、時間が経つのは早いですね。」と話が始まり「もうお昼ですね。何か買いに行きましょうか。」と会話が進んでいました。そこから重い腰を上げ、支度に入りました。
それぞれお手洗いを済ませ、それぞれのお部屋に向かい支度を進めます。そこで問題が生じました。「買い物に行こうと思ったけどお金がないのよ。」と。
そこまでの様子を何気なく見ていた職員が「のんびり家の食費のお金があるのでどうぞ。」とお財布と携帯電話を預けます。そうすると苦笑いしながら「恥ずかしいけど、貸しておいてね。」と2人で買い物に出かけられました。
最初にお昼と気づいた頃からは既に30分以上が経過していました。職員が2人に気付かれないように動向を確認していると、のんびり家から本郷通りに出るとすぐパン屋さんがあります。2人で左右を確認し悩みながらも相談しパン屋に入っていきました。店内でも相談を重ね最終的には同じものを購入されたようです。帰りものんびり家から近いこともあり迷わずにのんびり家に帰ってきました。そして、他の入居者から「あなた、それどうしたの。」と聞かれ「今自分で買ってきたのよ。あなたも行って来たら。」と返す2人でした。
時間をかけてでも自分たちで物事を解決しようとする姿が逞しく見え、日頃から自分たちが行っている支援の在り方を考えます。日々の日常生活において色々な面で時間が作用することが多いですが、入居者の日々の生活を間近で感じると時間とともに大切なものがあるのだと改めて感じることが出来ます。その瞬間で様々なことが起こり対応に苦慮することもありますが「有する能力に応じた自立」を考え続けていくこと、常に疑問を持ち続けて入居者との時間を大切にしていきたいと思います。

07:15 | Posted by admin