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【お互い様】 お寺のよこ 光岡

2014年02月10日 | お寺のよこ

私がお寺のよこに入職して、1年と少し経過してからのことですから、かれこれ7年以上前の話になります。
夜勤で入居者さんの各居室を見回りしていると、女性入居者のSさんが中々寝付けないご様子のようでした。Sさんは普段から饒舌な方ではなく、自分の思いを明確な言葉として発することもお得意ではありませんでしたが、不安そうなご様子であるということは分かりました。
私はSさんと少し話がしたくなって、Sさんに声を掛けました。本来ならSさんが不安に思われていることを私が聞き出していくということが大切なのかもしれませんが、その時は自分が仕事上悩んでいることを聞いてもらうことが主となっていました。
Sさんは一頻り私の話を聞いて下さいました。Sさんが私の話を傾聴して下さったということになりますね。途中でアドバイスを頂けるということもありませんでしたが、Sさんに話を聞いて頂いただけで、私は悩んでいたことが少し抜けていく感覚が分かりましたので、退室することにしました。
その際にずっと話を聞いて頂いたSさんにお礼を言いたくて「Sさん。話を聞いてくれて有難う」とお礼を言うとSさんはとても素敵な笑顔を浮かべられ、その後朝までぐっすりとお休みになられました。
以前「日本人は、殆どの人が自分が困っている時に他者に助けを求めることに対してためらいを覚えるが、他者が困っている時はためらいなく助けたいという思いがある」という趣旨の話を聞いたことがあります。認知症状態にある方も一緒なのでしょうSさんも、私の悩みを聞いて、私からお礼を言われたことで、人の役に立ちたいというSさんの潜在的なニーズが満たされたからとても素敵な笑顔を浮かべられたのかもしれません。
昨年お寺のよこでは数名の方がお亡くなりになりました。思い返してみればその方達も濃淡の差はあれど、「人の役に立ちたい」という思いを持っておられ、それは他の入居者さんやご家族、スタッフや近隣の方、見学者や実習生の方達にも具体的な行動として示して頂いたことが多数あったかと思います。
入居者さんが持っておられる「人の役に立ちたい」「困っている人を助けたい」という思いを自分はどれだけイメージすることが出来ているのだろうか。ややもすれば、入居者さんは庇護されるべき対象であると規定して、入居者さんの前述した思いや力を奪う行為をしていないか。お亡くなりになった方のことを思い出すとそう自分に問い返しま
す。
昨年お亡くなりになったTさんが良く言われていた言葉があります。「そんなの一々礼を言う事じゃないわよ。お互い様よ」。お互い様という意味を深く考え、その対象を広げていくことが出来れば何か素敵なことが生まれそうな気がします。
尚、7年前に私の話を聞いて下さったSさんは今もお元気で、毎日素敵な笑顔と、時折不満そうな表情を変わらず浮かべておられます。

08:54 | Posted by admin

【あけましておめでとうございます】 お寺のよこ 田口

2014年01月10日 | お寺のよこ

今年で私が入職して四度目のお正月を迎える事になります。
12月24日はクリスマス会があり、皆さんサンタさんのコスプレを行いチキンとケーキを食べました。
12月30日はお寺のよこで恒例の餅つき大会、あいにく私は当日が夜勤明けで不参加でしたが、事故も無く写真を観る限りでも、充分たのしそうだったのが伝わる餅つき大会でしたね。
12月31日は私が人生で初の御節料理の下ごしらえを行いました。一般家庭でもここまでしないよね?と思いながら皆で試行錯誤しながら作った御節は山程作ったのに三が日も経たずなくなりました。ほんと嬉しい限りですね。
そんでもって個人的なことですが1月は介護福祉士の筆記試験になります。
久々の勉強をして感じたことは、①勉強の仕方が解らない。②知識を取り入れるのは楽しい。③医師ってほんと凄いです。
物事を理論づけるには知識は当然大切ですが経験も大切です。高齢者は魚や煮物なんかより牛肉が遥かに好きだし、一人称で「ワシ」とは絶対言わない。知識より経験で語れる大人になりたいです。
今年も入居者の皆さんと沢山の思い出や経験を重ねたいと思います。

08:55 | Posted by admin

【気づいたこと】 お寺のよこ 谷野

2013年12月05日 | お寺のよこ

先日、Sさんが入院先で体調が急変され、お亡くなりになられました。Sさんの退院を4日後に控えて、心待ちにしている最中の出来事でした。
以前は、自ら職員を誘い、お気に入りの喫茶店にコーヒーを飲みに出かけられたり、気の向くままに、ご自身で食べたいお弁当を買いに行かれていたりされていたそうですが、私が働き始めたころには、歩かれる際に支えが必要となっておられました。
Sさんはいろんなことに、いつも「いいよ。」と引き受けてくださいました。そんなSさんの「いいよ。」の返答に私自身が満足して、Sさんのその時々の気持ちを察する配慮が足りなかったように思います。Sさんと沢山話をして、もっといろんなことをお聞きしたかったです。
Sさんとの不意の別れで、ここでの生活の、その時々がいとおしい時間であることを改めて気づかされました。
夜中に、目を覚まされていると、夜勤でへばっている私を元気にするツボをわかっておられるかのような話をしてくださり、Sさんの心遣いを感じることが度々ありました。
まだ、いつものテーブル席にSさんが座っているような気分が抜けないまま、いろんなことを思い出しています。ありがとうございました。

10:58 | Posted by admin

【はじめまして】 お寺のよこ 岡田

2013年11月05日 | お寺のよこ

皆さん、こんにちは、今年の8月からお寺のよこに入職した岡田祐也です。
入職をして2ヶ月たちまして、仕事もかなり慣れてきました。ですが、まだまだ新人という身なので、これからも色々と覚えなければいけない事もあるので不安は少々ありますが、そこは仕事を通じて、お寺のよこの職員や入居者様と和気あいあいと仲良くして乗り越えられたらいいなと考えています。
短いあいさつではありましたが、お寺のよこの職員として、皆さんの期待に応えられるように頑張りたいので、是非ともよろしくお願い致します。

10:58 | Posted by admin

【Sさんとのお別れ】 お寺のよこ 後藤

2013年10月05日 | お寺のよこ

8月末に私が担当していたSさんがお亡くなりになりました。いつも元気に歌っていて、表情豊かでおしゃべりが好きな女性でした。
いつも勤務に入ると、笑顔で迎えてくれたSさん。よく職員や他の入居者さんのことを気に掛けてくださり「大丈夫?」「くたびれてない?」等声を掛けてくださる優しい方でした。
「Sさん、くたびれましたー」と言うと、ソファの隣の席を空けてくれ、よく一緒に並んでおしゃべりをしました。入居者さんを支える仕事をしていますが、私はSさんの笑顔と優しさにいつも支えられ癒されていました。
最後にお会いしたときは私が夜勤の日でした。夜勤明けの日、Sさんに「また明々後日ね」と握手をしたとき、にっこりと笑ったSさん。その二日後にお亡くなりになりました。
もう会えないんだなあと思うと、心に穴があいたような寂しい気持ちです。もう少し元気になったら、また一緒に散歩したいなあ、なんて思っていたのですが、それも出来なくなってしまいました。
この仕事をしていく以上、別れは避けられないことだと身にしみて感じています。仕事をしていく上で、「今日がこの入居者さんと最後かもしれない」と後悔しないように、入居者さんを支えていきたいと思いました。

10:58 | Posted by admin

【どんどん季節は流れて】 お寺のよこ 冨所

2013年09月05日 | お寺のよこ

この文章を書いている現在は夏真っ盛りです。以前にも書いた通り、私は夏が大の苦手。
うんざりするような暑い夏でした。以前から体調が優れず、この夏は医者通いの夏となりました。
10月で、お寺のよこの一員となって6年になります。色々な皆さんと出会い、別れ、そしてまた出会ってきた6年間でした。
新人職員に厳しくて、私にとって最初の壁になったSさん。
息を荒げながら、買い物や食事作りに一生懸命取り組んだIさん。
マイペースな日々の過ごし方に、個人的に共感を覚えたKさん。
大きな声としっかりした足取りに、こんな90代も居るのかと驚いたTさん。
故郷の方言「ばかんづら」が口癖で、小さい子どもと犬が大好きだったKさん。
歌が好きで、一緒に歌ってくれたり、合いの手を入れたりしてくれたTさん。
笑顔が素敵で、「はい、はい」と頷きながら、食材の買い出しを頑張ってくれたMさん。
うつむきがちな入居者さんの事を気遣い、気が乗らない用事を巧みに断る様子に感心させられたTさん。
散歩が好きで、真面目かと思っていたら実はひょうきんだったKさん。
素敵な声で歌い、花や鮮やかな果物を見ると、「これかわいいよ」と喜んだSさん。
犬や猫が大好きで、嬉しいと体を縦に揺らして喜びを表現したWさん。
美味しいものやお得な情報に目がなく、毎日のように出かけて行ったKさん。
何かお手伝いすることはありませんかと職員を気遣ってくれたKさん。
多くの方と出会いました。何人かの方とお別れしました。
政権が変わって、震災に遭って、また政権が変わりました。
どんどん季節は流れて、お寺のよこも、私を取り巻く環境も、私自身も少なからず変わりました。
それでもこの仕事を始めた時から抱いていた思いは、多分今も残っています。
この先迷う事があっても、その思いが私の進むべき方向を照らしてくれると信じます。

10:57 | Posted by admin

【これからも】 お寺のよこ 光岡

2013年08月05日 | お寺のよこ

7月9日、10日と近所の光源寺というお寺で、ほおずき市(四万六千日)が開催されました。境内には所狭しと食べ物、雑貨、ほおずき、風鈴等を売る屋台が設置され、音楽のライブ演奏等催し物が満載の楽しいお祭りです。
毎年お寺のよこからも入居者の皆さんが多数参加されておられます。今年は、8名中6名の入居者さんが参加されました。
私も2日目に参加させて頂きました。始めは人ごみが多い中、やや緊張気味の方、事態が今一つ把握出来ない方もおられたようですが、境内を巡っていく内に、また、ライブ演奏を聞き入っておられる内に場の雰囲気に慣れて次第に表情が綻んでこられるご様子が手に取るように分かりました。もしかしたら普段とは異なる表情を見せてくれていたかもしれません。
地域の催し物に参加する度に思うことですが、地域の皆さんのご理解や温かいお言葉に支えられていることを実感します。また、入居者さんが参加出来るように段取りを組み、付き添ったスタッフ、参加した際に様々な表情を見せて下さる入居者さん、その何れもが尊いものだと思います。
その尊さに包まれながらとても幸福な時間を過ごすことが出来ました。地域の皆さん、スタッフの皆さん、入居者の皆さん有り難うございました。
今年は8月に同じく光源寺境内で盆踊り大会があります。願わくば一人でも多くの入居者さん、スタッフに幸福な時間を共有してもらい、地域の皆さんに我々の存在をより多く知って頂ければこれに勝る喜びはありません。
そして来年も再来年もこれからもずっと、このような機会に参加出来る喜び、有り難さを噛み締めていければと思っています。

10:57 | Posted by admin

【Cさん】 お寺のよこ 田口

2013年07月05日 | お寺のよこ

6月になりました。
6月、お寺のよこには新しい入居者の方が入居をされています。
Cさんは台湾生まれで終戦まで過ごされた方らしいです。
出生地の影響なのでしょうか。日本人のお年寄り世代には珍しく香辛料が効いた食べ物が好物だと伺っています。
お寺のよこの入居者方はthe甘党の方が多く、甘口のカレー粉で作ったカレーライスですら「これ辛いですね。」と断言する方もいらっしゃいます。
少しせっかちだけど世話好きで優しいcさん。
お寺のよこの新しいスパイスとなった今、毎日が刺激的です。
私自身はお寺のよこに勤めるようになり、丸三年が経ち四年目へと突入します。
介護福祉士への試験に向け勉強を始めてみようと思いたちました。
とはいえ勉強が苦手です。まるで修行を始めるような気持ちでいます。
脳を鍛える一年となりそうです。

10:57 | Posted by admin

【外出企画】   お寺のよこ 谷野

2013年06月05日 | お寺のよこ

先日、Sさんと上野まで行ってきました。
今回の外出のテーマは、上野公園でのんびりしていただくことと、いつもの事ですが美味しいものを食べていただくことです。
上野公園に着くと、民族音楽の方が聴いたことのある曲を数曲演奏されており、Sさんも良い表情で最後まで聞き入っておられました。演奏が終えて、噴水広場の芝生に向かい、今回一番したかった、芝生の木陰にシートを引き寝転がって青空を見ることです。ふたりで横になって空を見ると葉桜の隙間から青空が見えます。これがしたかったのですよ!と、横を見るとすでにSさんは隣で体育座りをされていました。人前で横になることに抵抗があったのでしょうか、吉永小百合も古い映画では土手で寝転がっていたような気がしますが、相手役がいけてなかったからでしょうか。
昼食は不忍池沿いの老舗洋食店でカツレツをおいしそうに召し上がっていただくことができました。
外出先については、Sさんはうなずいてくれるものの私自身が決めた場所であり、食事内容についても同様で、Sさんの生活のご様子から、どんなことで楽しんでいただけるのか想像して企画します。
上野からの帰り道では今日の失敗だらけの内容を踏まえながら、次回の外出企画を考えてまた新たな妄想が膨らみます。
5月23日にお寺のよこでは、3月30日に亡くなられたMさんのお別れ会がおこなわれました。担当職員がMさんの誕生日に召し上がっていただきたかった和菓子を入居者様と職員に振る舞い、お寺のよこでのMさんの写真を見ながらMさんを偲びました。アルバムのMさんは素敵な笑顔ばかりで、生前もみんながMさんの笑顔に元気づけられておりました。ありがとうございました。

10:56 | Posted by admin

【てんやわんや】 お寺のよこ 佐藤

2013年05月05日 | お寺のよこ

私事ですが、6月あたりに引っ越そうかと思っています。
これまでの人生で引越しは何度も経験しているのですが、毎度のことながら大変ですね。
まだ現住居の解約手続きぐらいしか済んでいないのですが、これから引越し業者の見積もりやら何やら忙しくなりそうです。
やることが沢山ありすぎて追われがちな今日この頃・・・。
でも、今度住む予定の住宅は生まれ育った町に近くて土地勘も愛着もあるので、内心すごく楽しみにしています。
やっぱり馴染みのある町で暮らすのは嬉しいものですね。
お寺のよこの入居者の方々も、故郷のように安心して穏やかに暮らせるといいのですが、果たしてどうなのでしょう。自分の生活の拠点として心安らぐ場所になっているのか、それを私たち職員が支えられているのだろうか、そんなことを自問自答する日々です。
お寺のよこが入居者の方々にとって憩いの場所になりますように。
そして私たち職員も充実した時間を過ごせるように、心と身体の余裕を持てるようになりたいものです。

10:56 | Posted by admin

【見えるって】   お寺のよこ 後藤

2013年04月05日 | お寺のよこ

早いものでお寺のよこで働き始めて9ヶ月がたちました。最初は続けられるのか・・・と悩んだ日もありましたが、先輩職員や入居者さんに支えられ9ヶ月。もうすぐ1年です。
2月下旬、コンタクトレンズにしました。裸眼だと家のテレビもぼんやりして見えにくく、生活がしにくくなってきたので思い切って眼科へ。コンタクトを入れるのは怖かったですが、初めてのコンタクトに感動しました。遠くを走っている車の色も、草が風で揺れているのもはっきり見えました。今までの電車通勤はぼんやりとした景色でしたが、最近では遠くを見ることが楽しみになっています。
仕事でも、遠くにいる入居者さんの動きがはっきりわかるようになり、仕事がし易いです。視野がとても広がりました。今まではぼんやりとした視界で入居者さんを支援していたかと思うと「入居者さんの癖や表情など見逃していたものもあるのではないか」ともったいない気持ちになりました。
入居者さんが何をしているのか、どんなものに反応するのかなど、これからはしっかりと見て行きたいと思います。

10:56 | Posted by admin

【春です。】 お寺のよこ 冨所

2013年03月05日 | お寺のよこ

東日本大震災から、間もなく(この文章を書いている時点では)二年が経過しようとしています。首都圏では、震災の影は本当に薄くなり、かつては様々な店舗に設置されていた募金箱も、震災に関連したものは少なくなりました。未だに被災地では、多くの方が辛い生活を余儀なくされていると思います。生活や気持ちが、少しずつ上向きになりますよう、御祈り致します。

最近街中で周囲を見てみると、ハガキより一回り小さい位の大きさの、平坦な機械を指先で操作している人が、そこかしこにいると思います。今大流行の「スマートフォン」。まぁ大雑把な私の大雑把な解釈で大雑把に説明すると、「パソコンの機能を持った携帯電話」といったところでしょうか。私も1年ほど前に、永年使用してきた為故障してきた携帯を買い換えたのですが、私が選んだのは、前述のスマートフォンではなく、プッシュボタンのついた、いわゆるフツーの携帯電話。スマートフォンを選ばなかったのは、「値段が高い」とか「楽しさがいまいち良く判らない」というのもあるのですが、一番大きな理由は、「携帯電話のプッシュボタン操作が手に馴染んでいる」からだと思います。私にとって携帯電話は、通信手段よりも、予定表とか手帳の役割が大きくて、仕事とか私用の予定を、携帯のメール機能を利用して書きこんでいる(プッシュボタンを操作して文字を打ち込んでいる) のですが、この操作や感触が手に馴染んで手離しがたいのです。番号さえ覚えていれば、画面を見なくても電話をかけられますし、平仮名だけの文章であれば、画面を見なくても書けます。これらの芸当は、「視覚」、「操作方法」で大きく進歩した代わりに、ボタンの凹凸、配置、感触と言った「触覚」を手放したスマートフォンには、少し難易度が高いのではないかと思います。(まぁスマートフォンはそんな事しなくても、声で電話かけたり文章打ったりできそうですが…)

二年位前から、入居者さんとの関わりの中に、「五感に訴えていく」という事を意識するようになりました。お寺のよこでは、入居者さんが手分けして、片付けものや食事作りを行っていきます。しかし中には、包丁で何かを切ったり、炒めたり、洗濯物を畳んだりといった事を、実際に行うのが難しい方もいらっしゃいます。そのような方にも、雰囲気を分かち合って頂きたくて、関連した物を手に取って頂いたり、匂いを嗅いで頂く事を、意識しています。いよかんの重さと表皮の冷たさ、胡麻油の香ばしさ、洗い立てのタオルの肌触りと匂い、絹豆腐のひんやりした儚い手触り、納豆の臭さ、切り立ての葱類の目にしみる感じなど…楽しいことも嫌なこともいっしょくたにして、入居者さんと分かち合っています。2013年も色んな事を皆さんと分かち合って行きたいと思う、お寺のよこの春です。

追伸 前回の記事で書いた赤べこを模した獅子頭、作成して新春の獅子舞で、福島出身のMさんに披露する事ができました。次は何を作ろうかなぁ…

10:55 | Posted by admin

【その言葉】   お寺のよこ 光岡

2013年02月05日 | お寺のよこ

よお。親分!」Kさんからこのように声を掛けられたのは何ヶ月前のことでしょうか。Kさんがご入居されてもう直ぐ5年になりますが、私のことを親分と言って声を掛けてくれたことが3回だけですがありました。シチュエーションは様々だったので、親分という呼称をその時に選び発した意図は分かりませんが、他の職員に尋ねてみても親分という呼び方をされた人が居なかったので、Kさんからすれば私は「お寺のよこ」の親分であると思っているのでしょうか。
基本的に親分気質の人間ではないので、少し面映いような嬉しいような不思議な気持ちになりました。
「この馬鹿野郎!あっち行け」お寺のよこには例年年が明けて早々に、法人内の有志が集まって獅子舞を舞いに来てくれます。私がSさんの傍に行って話しかけていた際に、獅子舞が我々の傍にやって来たのですが、Sさんは私を獅子舞からかばいながら先述した言葉を言いながら獅子舞を叩こうとしていたのです。どうやらSさんにとって私は庇護すべき対象のように思えたようです。来年には不惑の年を迎えるのですが、入居者さんにかばってもらえたというのは少し面映いような嬉しいような不思議な気持ちになりました。
・・・でも。親分とは随分距離がありますねえ。私という人間が入居者さんによって異なった存在であること。それは同じ入居者さんでもその時々で違う場合もあるのでしょう。それはとても興味深いですし、自分が色んな存在に変化しているようで面白く感じています。
Eさんは昨年の12月に他の高齢者施設にご入居される為退居されました。昨年7月のご入居であった為、5ヶ月間という短いお付き合いでしたが、濃密な時間を過ごさせて頂きました。非常に鋭い意見を仰られる方で、私が「お寺のよこ」の管理者であるということから、「お寺のよこ」の改善すべき点等も率直にご意見頂くことも多々ありました。それは叱咤8割、激励2割という割合だったでしょうか。
そんなEさんから頂いた言葉に次のようなものがありました。
「ここに入居している人達は自分の思っていることをスムーズに言葉に出すことが難しいところがあるでしょう。そんな人達の言葉に出せない部分を引き出してあげるのが貴方達の仕事じゃないの」
我々の仕事の本質をズバリと当事者側から突かれたら「仰る通りです」と頭を垂れて自分達の足元を見つめ直すしかありませんでした。
Eさんがご退居される数日前に、お部屋で私と会話をする機会がありました。Eさんはここを出て行くとなると少し感傷的になったようで、「この後死ぬのであれば、知っている人がいるここの方がいいよ。あんたがいるしね」と仰いました。
私は「本当ですか。本当だったら嬉しいなあ」と言うと、Eさんは「嘘だよ」と。
それは本当に嘘だったのか、少しは本気の部分もあったのか、照れ隠しだったのか今となっては知る由もありませんが、Eさんにとってその会話をした時の私という存在は、お寺のよこの管理者としてだったのでしょうか、それとも光岡賢一という一人の人間の存在としてだったのでしょうか。
そして例え嘘であったとしてもEさんが「この後死ぬのであば・・.」という言葉を残していってくれた意味、ともに過ごした時間を我々は深く噛み締めるべきであろうと感じています。

10:55 | Posted by admin

【おっちょこちょい?】 お寺のよこ 田口

2013年01月05日 | お寺のよこ

自分の話なのですが、気が抜けすぎている瞬間が普通の人より多いのかなとふと感じました。そういえばと、覚えている範囲でもかなり沢山あります。
靴を穿き間違えチグハグの状態で出社した事があります。気が付いたのは事業所へ着く手前。それ以前に、外出前、足元が暗かった為「もし靴を穿き間違えたどうしょう。」とあれだけ注意をしていたのにも関わらず。先日、と或る法人研修で遠方に向かった際の出来事でも新幹線へ乗る為に通る改札に領収証を間違えて投入してしまいました。二度も。さすがに恥ずかしくなってしまいました。領収証が三枚あれば恐らく三回は同じミスをしていた気はします。
他にも吸殻として使用していた缶ジュースの容器を突然口に含んでしまったり。居眠りをしていたら山の手線を三周したり・・・。解っているにも関わらず間違える事、皆さんにも経験あるでしょうか?僕の場合は上記の通りしょっちゅうです。
このおっちょこちょい現象は何処か認知症状態に繋がるものがあるようにも思えます。すなわちおっちょこちょいとは日常の中に潜んでいる認知症です。僕は最近そんなおっちょこちょいと毎日必死で戦っています。ニコッ

10:55 | Posted by admin

【お寺のよこの年末年始(予定)】  お寺のよこ 橋本

2012年12月05日 | お寺のよこ

今年も早いもので残すところ、1ヶ月あまりとなりました。毎年の事ですが、年末から年始にかけては季節のイベントが続きます。
まずはクリスマスツリーの飾りつけ。小物を吊るしたりと、手先が器用な利用者さんと準備ができればと思います。ピカピカ光る電飾が目を楽しませてくれるので、時間を取って、早めに飾り付けをしたいですね。当日はやっぱりクリスマスケーキ、シャンペン、丸ごとローストチキンでしょうか。ケーキはデコレーションにするかノエルにするか、チラシの写真を見て決めてからケーキ屋「風子」に予約に行きましょう。昨年は残った骨付きチキンで夕食にカレーを作りました。
30日はのんびり家やつげの実もお誘いしてのお餅つき大会。職員も含めての大人数となるはずで、今年は何人が参加されるでしょうか。つきたての美味しいお餅を食べる事ができる嬉しい日でありますが、職員にとっては利用者さんがお餅を喉に詰まらせないかとドキドキの緊張の日。吸引の掃除機も用意してもしもの時に備えます。お供え餅も皆で手作り。去年は3段重ねのちょっといびつなお供え餅が居間に飾られることになりました。小さいお供え餅はご近所のいつもお世話になっている所にも配ります。
31日の大晦日の日中は、昼食を簡単にして御節作り。昨年はお煮しめと栗きんとんを作りました。栗きんとんは特に好評で、男性利用者さん達が奪い合うようにして召し上がり、あっという間になくなってしまいました。今年は御節を毎年作っていたというE子さんと黒豆作りが出来ればいいなと考えています。ちなみに黒豆を皺がよらず、ふっくらと仕上げるには、何日も時間をかけてゆっくりと煮る事だと教えて頂きました。M子さんも大晦日になると、「伸し餅買いに行かなくちゃ」「サッポロラーメン!(年越しそば)」「本みりん!(お屠蘇の代用)」等とお正月の準備で買い物に出かけようとします。普段は出不精で、買い物にお誘いしても殆ど出掛けない方でありますが。お正月の用意をされていた昔の姿が目に浮かびます。大晦日の夕食は年越しそば。何年か前には職員と利用者とで蕎麦を打ちました。切り方が不揃いでしたが美味しかったですね。その後は紅白歌合戦を見てから布団に入ります。
元旦は御節や雑煮を食べながらゆっくり過ごして、昼頃より根津神社に初詣に出掛けます。今年はA男さんが買ったばかりの破魔矢をぶん回し、付いていた鈴が外れて神社の地面をコロコロと転がっていきました。大丈夫なのか、破魔矢の扱いが荒いけど。ごめんなさいと神様に謝っておいたせいか、罰は当たらず、お寺のよこは安泰でした。
季節感のある行事やイベントは、利用者さんにとって楽しみでもあるかと思います。
職員にとっては、利用者さんの普段と違った顔が見られたりすると、それだけで大変さは帳消しになります。今年はどんな顔を見せてくれるのでしょうか。

10:33 | Posted by admin