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【お寺のよこの東北復興まつりを開催しました~!】 お寺のよこ 橋本

2012年05月05日 | お寺のよこ

早いもので、あの東日本大震災から1年あまりが過ぎました。被災された方々に少しでもお役に立ちたいと、色々な形のイベントが日本各地で行われております。
お寺のよこでもささやかながらも復興のお祭りを行いたいと、若手職員2人(一人は青森県出身)が企画を立ち上げて、4月15日に開催しました。お寺のよこの皆さんは食べ物に関心があるという事で、東北3県の名物料理を作り、バイキング形式で好きなだけ召し上がるというものです。
メニューは、秋田県横手の焼きそば:B級グルメで焼きそばの上に目玉焼きがのっている。岩手県の貝焼き味噌:帆立貝の卵とじ。酒の肴になりそうな代物でした。青森県のけの汁:山菜や根菜が入った汁物。味を付けなければ保存食となるものだそうです。雪が多く、野菜の採れない事により考えられた食料ですね。宮城県の油麩の煮しめ。油で揚げた大きな麩は、まるで揚げパンのような物でした。肉の代用となり野菜と合わせてのお煮しめです。このオーソドックスな煮しめが一番好評でした。
なぜか、福島県の料理がないので、後日、企画した職員に理由を尋ねたところ、「調べたけど、これはと思うのがなかった…」と言葉を濁らせておりましたが…。福島県出身の方、これはという料理がありましたら、怒りと文句のメッセージと共に、職員Tまでご一報ください。
お祭りという事で、縁日風に、輪投げや風船釣り、お菓子のつかみ取りも行いました。
利用者と一緒に用意した、壁飾りの看板や紙で作った花も素敵でした。
今回のイベントもご家族が参加されて、利用者と職員で楽しい時間を過ごすことができたと思います。
ただ今回は、残念なことに利用者の参加は8名となってしまいました。もう一人の利用者Nさんが10日に入院先でお亡くなりになってしまったからです。Nさんは開設当時から10年以上もお寺のよこで生活されていましたが、1月下旬に体調を崩されて入院されていました。体調を整えて、お寺のよこに戻ってくるのを心待ちにしていたところだけに、とても残念です。Nさんがお元気であった頃、もんぺを穿いて割烹着を着て、散歩中に疲れで足元に震えがありつつも、地面までゆっくりと手を伸ばして落葉を何枚も拾っている姿が目に浮かびます。若い方は知らないと思いますが、割烹着姿は昭和中期の日本のお母さんの象徴でした。認知症が進み言葉が出ることがなくなっても、顔をくしゃくしゃにして笑顔を向けてくださいました。その大好きな笑顔を見るのが仕事の合間の嬉しい一時でした。Nさん、どうもありがとう。ご冥福を心からお祈りします。

10:27 | Posted by admin

【ありがとうございました】 お寺のよこ 大木

2012年04月05日 | お寺のよこ

もう直ぐ、桜が咲く時期ですね。私の実家の近くに枝垂桜があります。毎年、その桜をみながら家族でお花見をしていました。桜の咲く時期はポカポカしているので、私は好きです。気持ちもポカポカになりますよね!?(笑)また今年もお花見出来たらいいなあ・・・・・・。
突然ではありますが、4月末予定で退職することになりました。1年間という短い間でしたが、お世話になった皆様、ありがとうございました。退職後は、看護医療を学ぶ為に学校へ行くつもりです。自分への挑戦!!一生懸命頑張ります。またいつか、看護の資格を取り、福祉の仕事(職場)に勤められたらな・・・・・というのが私の夢です☆☆☆
残り1ヶ月という短い期間ですが、楽しい時間を過ごせたらと思います。

10:27 | Posted by admin

【はじめまして。】 お寺のよこ 高橋

2012年03月05日 | お寺のよこ

はじめまして。どっこいしょ初のお寺のよこ高橋です。
お寺のよこに勤務してから約4ヶ月が経とうとしています。毎日が楽しさと勉強であっという間に1日が過ぎていっています。とても充実していて、入居者さんに会うと本当に元気もらいますね、自然と笑顔になっている自分がいます。私が何か嫌なことがあった日も、落ち込んだ日も何気なく笑顔でお話してくれたり、面白いお話を聞かせてくれたりと入居者さんといると時間があっという間で何より癒されます。
一緒の共同生活していく入居者さんも毎日支援していくスタッフも何気ない当たり前の毎日の生活だからこそ心の底から笑ったり、怒ったり、泣いたり、悲しんだり、入居者さんからいろいろ教わったり一緒になって一日一日の思い出を作っていけたらいいなと思っています。
まだまだ、経験不足だったりと未熟者ですが笑顔と元気で楽しんでやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

10:27 | Posted by admin

【新年の抱負】 お寺のよこ 谷野

2012年02月05日 | お寺のよこ

お正月に高校卒業以来、30年ぶりのクラス会がありました。自分にとって30年の月日は、友人とも連絡を取らなくなっていたこともあり、出席する気になれずに欠席しました。
数日後、クラス会での各自のメッセージと集合写真が送られてきました。封を開け、18歳の記憶から一気に30年の時を経た集合写真との再開では、驚きと興奮がありました。
あたりまえですが老けていたからです。もちろん自分も老けておりますが…。
無意識のうちに、写真のひとりひとりのの顔を見て、18歳の時の顔と名前を照らし合わせています。見入ってしまい仕事に行く時間を忘れていました。
もちろん、自分も18歳の自分になっており、良き時代にタイムスリップ?してきたからか、少し若返った気持ちで元気になっていました。
クラス会開催のため勢力的に動いてくれ、刺激と興奮を与えてくれた幹事さんに感謝しつつ、久しぶりに田舎の友人に電話をかけたい気持ちになりました。
私自身も、このお寺のよこで暮らす皆さんに色々な刺激と興奮をあじわうきっかけを作れるように、今年こそは、お寺のよこで名幹事になるぞと思いながら職場に向かいました。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

10:26 | Posted by admin

【冬です。】   お寺のよこ 冨所

2012年01月05日 | お寺のよこ

2012年になりました。本年もお寺のよこ一同をよろしくお願いします。
まもなくあの震災から一年、首都圏で暮らしていると、あの大惨事の暗い陰が、一年も経たずに払拭されてしまったような感じで、複雑な気分になります。被災地が少しずつでも復興に向かっていく事を願い、私達は間接的にでもその手伝いをしていけたらと思います。
さて、お寺のよこと同じブロック内の、丁度真裏にあたる場所にありますのが、荘厳な大観音を奉られている光源寺。光源寺の皆さんには、昔からお寺のよこ一同、色々とご協力頂いております。その光源寺の境内では、一昨年まで毎年春に、水族館劇場のテント芝居が催されていました。この劇団がテーマ、あるいは売りとして掲げているのが「スペクタクル」。辞書で調べてみると「壮大な光景。壮観。」とあります。巨大なやぐらの様なテントの中で、回転する舞台などの大仕掛けを使ったり、数十トンの水を用いた空間演出はまさに「壮観」という言葉が相応しい感じでした。三年前に観劇した際に、イイと感じるところ、イマイチと感じるところが混在しつつも、最後に残ったのは「すごいモン観たなぁ…」という高揚感でした。
以来この高揚感を、寺よこ一同に味わって貰えないかなぁ…と思うようになりました。「壮観」ってのはちょっと敷居が高い気がするので「ワンダー(驚くべき、素晴らしい事、物)」あたりを目指して。
よくこの紙面にも登場する、お寺最高齢にして最もパワフルな入居者さんのTさんは、綿菓子を食べた事がないそうです。本当に食べた事がないのか、それとも忘れてしまっているのかは判りません。でも甘いもの好きのTさんと綿菓子との未知?との遭遇って、なかなかにワンダーなんじゃないかと思うんです。2012年もそんなワンダーな瞬間に立ち会えたらと思う、お寺のよこの冬です。

10:26 | Posted by admin

【匂い】 お寺のよこ 光岡

2011年12月05日 | お寺のよこ

子供の頃から金木犀の香りがとても好きでした。10月の上旬、1週間~10日程度しかその香りを楽しむことは出来ませんが、毎年金木犀の香りがするととても嬉しくなります。
子供の頃は純粋にその香りを好んでいただけだったのですが、お寺のよこで仕事をするようになってからは、違った楽しみ方をするようになりました。
私がお寺のよこに入職したのが、6年前の10月1日。まさに金木犀の香りが漂い始めた時期でした。その時は介護の仕事をするのが初めてであったことから、期待というよりも不安がとても強かったことを思い出します。
嗅覚はとても不思議な感覚だなと思います。時に視覚や聴覚よりも「匂い」を感じることにより記憶が鮮明に蘇ることがあるからです。私にとって金木犀の香りは、お寺のよこに来た時のことを思い出させてくれ、「あの頃は一杯一杯だったな」と懐かしく感じさせてくれるのです。
匂いは花や空気といったものばかりではなく、人・・・入居者さんからも感じられます。それは体臭や衣類という身体的な部分から発せられる匂いばかりではなく、その方の人格のようなものからも匂いが発せられることがあります。私は入居者さんの匂いを感じることがとても好きです。何故好きなのか考えて見ると、入居者さんの何か大切なものに触れたような実感(極一部ではありますが)を感じられることが嬉しいからかもしれません。
11月13日に入居者のKさんがお寺のよこでお亡くなりになりました。Kさんはお寺のよこが開設してしばらくしてからいらっしゃいましたので、ほぼ10年お寺のよこで過ごされたことになります。
適切な表現ではないかもしれませんが、Kさんは数々の武勇伝(笑)をお持ちの方でした。
私が入職した頃は大分落ち着いておられましたが、オープン当初から数年の武勇伝を先輩スタッフから聞く度、Kさんのパワフルさに半ば感動すら憶えていたような気がします。
Kさんも独自の匂いをお持ちでした。ただ、匂いというのは不思議なもので、私が入職してから年を重ねていく度に変化していく匂いもありました。それはお寺のよこで穏やかに生活を過ごされていったのと比例していたような気もします。
ただ、基本的に持っておられる匂い(人格から発せられるものかと思いますが)は不変でした。それは「唯我独尊」と「包容力」という半ば相反する匂いであったかと思います。そのような匂いが感じられたのは、人の世話になることがお嫌いであられた一方、人を包み込むような優しさを存分にお持ちであったかのように感じたからかもしれません。
Kさんがお亡くなりになった瞬間に私は立ち会っていたのですが、その瞬間もKさんらしい匂いを発しながら旅立たれていったような感じがして、その場に立ち会わさせて頂いたことを深く感謝致しました。
今後もKさんの匂いは自分の記憶の中に深く留めていきたいと思います。また、入居者さんの匂いを感じることは日々大切にしていきたいと考えています。

10:25 | Posted by admin

【秋の日帰り旅行】 お寺のよこ 田口

2011年11月05日 | お寺のよこ

どうもこんにちは。今回は10月5日に行われた「お寺のよこ秋の日帰り旅行」を企画担当した経由もあり、その内容を記事に盛り込ませていただこうかなと思います。
当日は夕食時豪華な和食のコース料理をメインに、日中はのんびりと上野公園、近隣施設、町並み散策を計画予定としていましたが・・・
どうやら雨でした。僕は雨男みたいです。
そのような経由もあり日中は老若男女20数名でカラオケ店を利用しました。
こんな大人数でカラオケ店を利用したら楽しくない訳が無いですね。
そして、いよいよ豪華な夕食。普段は食事の味に関して厳しいSさんも今回は自発的に「美味しいよ。旨いよ。」と何度も仰られていました。料理を作ったのは僕じゃございませんが、なんだかとっても嬉しい気分ですね。
来年はスカイツリーにでも皆さんで遊びにいけるといいですね。

10:24 | Posted by admin

【日本の夏・盆踊り】 お寺のよこ 橋本

2011年10月05日 | お寺のよこ

夏の楽しみの一つ。8月末には近隣の大観音の境内で行われた盆踊りに行ってきました。
普段、買い物には面倒臭がって中々行こうとしないM子さん。買い物のお誘いをしても、「行けない」「買って来てちょうだいよ」と断られる事が多く、やっと外に出てお店に向う時には、「歩くのは好きでね、昔は何処でも歩いて行ったのよ」「もう歩けなくなっちゃって」と言われている。職員に言われて、仕方が無く買い物に出てきたという感じです。お寺のよこでは最高齢の94歳で、外に出るのが面倒な気持ちはわかりますが。
明日の朝食用のコッペパンを買った帰りに盆踊りのポスターに目を留めて、「盆踊りだって」「一緒に行こうね」と嬉しいお誘いを受ける。
当日となり、夕食を早めに済ませて、盆踊りに行こうとの職員からの声掛け。
M子さんも当然、参加メンバーに入っています。食器や席の取り合いやらで、口げんか、たまに手が出て掴み合いをする(ケンカもお元気な証拠ですか)、決して仲が良くはないN子さんにも「あんたは行かないの?行かないなら止めようか」とお誘いをしている。珍しい事もあったものです。
暗くなった会場ではいよいよ盆踊りの時間となりました。
M子さんは「踊れないよ。やった事ないからわからない」と言いつつも、身体を押すと、躊躇しながら輪の中に入っていく。会場で配られた団扇を手にし、隣について回る私の真似をする。私は全く踊れません。何となくそれっぽい振りをしているだけなので、「上手な人の真似をする事!」「あの人の踊りを真似てください!」と促すと、前を向いて踊り始める。テンポは遅れながらも、それなりに様になっているような、ちょっと違うような…。疲れた様子も無く楽しそうに3周を踊りました。
買い物に行くのは嫌だけど、このようなお祭りやらイベントは大好き。太鼓の演奏にはリズム
を取って縦のりをしているし。歩く事はできないと言われるが、踊ることは十分に出来るではないですか!やっぱりお好きな事は違いますね。でも買い物に行くのも大切な事の一つなのですけど。
このようなはれの日としてのイベントは、利用者だけではなく職員も楽しみ。普段とは違う利用者さんの表情や行動などを見ることが出来ると、とても嬉しいものです。
来月も文化祭や小学校の運動会、根津神社のお祭りと地域のイベントが目白押し。時間を作って行きましょうね。
そして、5日にはお寺のよこ・上野日帰り旅行の計画もあります(夕食が豪華な会席料理!)。現在、企画をした田口が最後の詰めで奮闘中です。来月のどっこいしょでは楽しかったとのご報告ができるかと思います。お楽しみに。

10:24 | Posted by admin

【初めまして】 お寺のよこ 大木

2011年09月05日 | お寺のよこ

お寺のよこ 大木です。勤務して4ヶ月が経とうとしています。毎日が日々勉強することばかりですが、とても充実している毎日で楽しく過ごしています。
利用者さんにはいつも教えてもらうことが多くて、とても勉強になっています。私は料理が苦手なので利用者さんの手際のよさや起用さには驚きました。出来ない自分がとても恥ずかしいと思いました。もっと自分を磨かなくては・・・と思っています。
毎日違った表情やお話をしてくれる利用者さんと一緒に過ごせるのは全員が経験することではないのでとても幸せに感じます。これからも多くのことを経験し感じていけたらいいなと思っています。
まだまだ未熟者でははありますがよろしくお願いします。

10:23 | Posted by admin

【宜しくお願いします】 お寺のよこ 草村

2011年08月05日 | お寺のよこ

お寺のよこ 草村です。
あっという間にもうすぐ3ヶ月になろうとしています。日々覚える事、学ぶ事、失敗、嬉しさや楽しさを繰り返しています。
お寺のよこの入居者さんは、皆さん個性豊かで性格もバラバラ。それぞれの入居者さんが何が好きで、何が嫌いで、どんな時に笑ってくれるのか・・毎日試行錯誤しながら過ごしています!
長い間パチンコ屋さんに勤めていた私は腕力は強いはず…ドル箱4箱は一度に持てます!!笑
こんな私ですが、これからもがんばっていきますのでご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願いします!

10:23 | Posted by admin

【外出の楽しみ】 お寺のよこ 谷野

2011年07月05日 | お寺のよこ

随分前のことですが、2月にkさんと誕生日の外出企画で大井競馬場に行ってきました。この企画は以前より先輩職員に「kさんは競馬が好きだから、競馬場に行くといいよ。」とアドバイスがあり、kさんも行きたいとのことで実現しました。
競馬場に着いて、先に昼食にしました。食事を終えて、パドックに馬を見に行くと、食事中はにこやかだったkさんの笑顔がなくなり真剣な表情になりました。当日は、寒かったので室内からの観戦を勧めましたが「外で見ます。」と、寒空の中、パドックとレース場を行き来されています。
パドックでは人ごみをすり抜けて見やすい位置から、お一人で馬を見ています。どの馬が良いか伺うと何番と選ばれて馬券を購入しました。レースまで時間があり、途中でコーヒーを買っていると、kさんが「早くしないと始まっちゃうよ。」と怒っています。初めてkさんの怒っている表情を見て、思わずにやりとしてしまいました。
いよいよレースが始まり、向こう上面から馬がゴールに向かって来る時です、kさんが立ち上がり「行けー。」とばかりに拳を突き上げています。今日はkさんの色々な表情を見せていただき大満足だったのに、僕はこの瞬間にkさんのこの姿が本当は見たかったのだと気付きました。
3レースを見て競馬場を後にしました。馬券は当たりませんでしたが、競馬場を出ると、kさんの表情がまたにこやかに戻りました。
この企画の後日ころより、僕の勝手な思い込みかもしれませんが、kさんの表情が少しですが豊かになったのではと思えることがあります。
先日は、400メートル以上ある散歩コースをジョギングで1周されました。益々元気になられて、今度の外出は一緒に何処に行ってくださるのか今から楽しみです。

10:22 | Posted by admin

【母】 お寺のよこ 安藤

2011年06月05日 | お寺のよこ

私の人生、全てのはじまりはいつも母だった。
母の名は正子(まさこ)といい、今年の7月で還暦を迎える。今ではもうはっきり覚えていないが、いつの頃からか、私は母を「お母さん」ではなく親しみを込めて「正子さん」と呼んでいる。母は私が介護の道に進むきっかけを作ってくれた人でもある。
9人兄弟の8番目として生まれた母は、あまりにも純粋で、曲がったことが大嫌い。そしてテキパキと家事をこなし、恐ろしいほどに良く動く人だ。専業主婦の母は、その身に甘んじたくはなかったのだろう。
私が小学生だった頃「ただいま」と家に帰ると、母はいつも家にいてくれた。一緒にお茶を飲み、その日にあったことを互いに話し合った。その後、母は、私に留守番を任せ、家の近くにある家庭菜園に毎日のように出かけた。ナス、キャベツ、じゃがいも、大根・・・・ありとあらゆる野菜を母は毎年、心を込めて作っていた。その姿は今現在も何一つ変わらない。
順風満帆に行って欲しいと願えど、人生は中々そうもいかない。中・高校生の反抗期には「どうせ分かってくれない」と話す前から決めつけ、小学生の頃の素直さはどこへやら。
母との会話はほとんどなくなった。たまに会話をしても直ぐぶつかってしまう。そんな時、決まって母は「あなたを相手にしているより、野菜を相手にしている方が素直だし、よっぽどいい」と、そんなセリフを言って畑に出かけていった。母が畑に出掛けると、1人部屋に閉じこもり、所詮自分は野菜以下のダメ人間だと落ち込んだりした。些細な事で落ち込んでばかりいると、学校でも自分のダメな部分ばかり目についた。どうしても友人と比べてしまう。何をやっても劣等感ばかり募り、その原因をいつしか親のせいにする様になった。親が厳しすぎるんだと。
確かに母は厳しかった。時々、納得がいかない時があった。
友人の親が、ますます羨ましく思えた。でも、非難してばかりでも仕方ないので、ある日、母を私の理想の母にしようと決心した。
しかし、結果は散々で、逆に私が疲れてしまった。
その時初めて「自分は変えられるけれど、他人は変えられない」という、世に言われている格言を知った。ならば自分が変わるしかないのだと、今度は母の観察を始めた。そして、母の観察を始めて、直ぐ意外な発見があった。
それまで、姉達とつるんでぶざけてばかりで気付けないでいたが、母は来る日も来る日も、自宅で祖父の介護をしていた。そして、祖父が亡くなってから数年後、今度は祖母の介護をしていた。母が祖母の介護をし始めた頃、またようやく、母と素直に向き合える様になった。ただそっと手伝える様になった。
そんな私の姿を見て母は「自分の時間が持てないとついつい、イライラしちゃってゴメンネ」と言った。そこに辿り着くまで、私も苦しかった。そして母もまた苦しかったのだ。
祖母が亡くなって今年で9年経った。母は今、近所との繋がりをとても大事にしている。
高齢者の1人暮らしのお宅に、お茶飲みに出掛けたり、野菜が沢山とれた時に「どうぞ」とおすそ分けをしている。それは、ただ単に高齢者を思いやるという事だけではなく、不安や心配や孤独感がいとも簡単に人間を死に追いやってしまったり、生きる希望をも失わせてしまうものだから、人との繋がりは大事にしなくちゃダメなんだよという母の教えでもある。
私は、いつの頃からか、心を月に例えるようになった。満月の日もあるけれど、たいてい月は欠けている。昔は、その欠けていた部分がカッコ悪くてとても嫌だった。
でも、だからこそ生きていけるのではないかと最近思える様になった。欠けている部分を満たそうとするから人は生きていけるのだと思った。
長くなりました。この度、一身上の都合により4年間お世話になったお寺のよこを退職させて頂くことになりました。
皆様のお陰で、とても濃い4年間を過ごす事が出来ました。
世間一般では、介護はキツいし大変な仕事だと、もしかしたらそう思われているのかも知れません。何を隠そう、私がそう思い込んでいました。でも、ある作家が「王様でさえ他の仕事を夢見るものだ」という言葉を残しています。この言葉を知ってから少しずつ介護や仕事に対する「向き合い方」や「考え方」が変わりました。未熟者ですので、失敗も多々ございますが、お寺のよこで学んだことや思い出を大事に、また田舎に帰ってもがんばって行きたいと思います。皆様、本当にありがとうございました。

10:18 | Posted by admin

【春です。】   お寺のよこ 冨所

2011年05月05日 | お寺のよこ

なかなか進展が見えず、深刻な環境汚染が懸念される原発問題、連日報道されている被災地の苦境、首都圏でも未だ解消されない物品不足など、今回の震災の余波、不安感が大きく尾を引いている春ですが、そんな中でも桜の花は、例年と同じように美しく咲いて儚く散り、私達の心を癒してくれました。
本当に月並みな事しか思いつかないのですが、私たち一人ひとりが、出来る範囲で出来る事をしていくしかないんじゃないかと思っています。私自身が意識している事は、まず自分が栄養や休息をしっかりとって、社会における自分の役割(仕事)を果たして行く事。極端な自粛はせず、楽しみや自分へのご褒美は継続する事。その中で無理のない範囲で、節電、募金など、出来る事を継続して行っていく事です。
今回の震災は、未曾有の規模の被害をもたらした最悪の災害ですが、そんな中、日本人の強さ、慎ましさ、思いやりといったものをかいま見る事が出来て、誇らしく思いました。復興への道のりは永く険しいと思いますが、この国難を乗り越えたら、日本は必ず震災前よりも良い国になると信じて、日々出来る事をしていきます。
さて、お寺のよこの様子ですが、入居者さん達は震災当日もそれ以降も、落ち着いたご様子で日々過ごされており、半世紀以上~一世紀近く生活してこられた逞しさを感じさせられました。
お寺のよこでは、三月末に、ベリーダンス鑑賞会を企画していて、私も立案した職員橋本の補佐という立場で、企画の実現に向けて準備を行って参りました。そんな中で起こった今回の震災。開催か中止か悩みましたが、このような時だからこそ、是非実現させたいという結論に達し、その旨をベリーダンスサークルの皆様にお伝えしたところ、改めて慰問を快諾して頂けました。
慰問当日、カーテンを閉めて照明を落とした中で、幻想的な音楽に乗って、艶やかな衣装で舞い踊るベリーダンスを、入居者さんもスタッフ(特に男性)も一緒になって楽しみました。締めのディスコタイムでは、ダンサーの方と手を取って踊るTさんや、ダンサーの方に誘われて踊りだすKさんの姿が。かく言う私も、Mさんの手を取って踊り出しました。
実現する事が出来て、本当に良かったと思いました。スタッフの皆さん、入居者の皆さん、そしてこのような情勢の中、素晴らしいダンスを披露して下さった(何かを表現するという事は、その時のこころの影響を大きく受けると思うので、大変だったのではと思います。)ベリーダンスサークル・ハピネスの皆様、本当にありがとうございました。

10:17 | Posted by admin

【こんにちは】 お寺のよこ 田口

2011年04月05日 | お寺のよこ

こんにちは。今回がどっこいしょ二回目の寺よこの田口です。お寺のよこで働きはじめそろそろ10ヶ月が経ちもう春の季節。単純に時間が経つのは早いね、そう感じているのん気なこの頃と花粉症が煩わしい日々です。
この文章を作成する二週間程前に、東日本大震災が起こりました。多数の方が亡くなられとても悲しく残念な想いです。現在でも揺れは不定期に起こり、放射線物質等の不安、電気ガソリン食材の不足等、様々な問題・・自分には何が出来るか?これからどうすればいいか?
きっと多くの方が不穏な日々の中そう考え囁かれている昨今だと思います。東京でもいつどんな想定外が訪れるかはわかりませんが、どんな状況でも地域の皆さんと協力し合い支えあっていければ幸いです。

10:17 | Posted by admin

【繋】 お寺のよこ 光岡

2011年03月05日 | お寺のよこ

Kさんはお風呂に入るのをあまり好まれません。入ってしまうと気持ち良さそうにされていますが、お風呂に入るという行為が面倒なのかスタッフ側から入浴の声掛けをしても進んでお風呂に入ろうとされる事はありません。いつも「いいです」「入りません」と言葉少なに仰られたり、表情が硬くなったりします。そんなKさんの意思を尊重・・・したいのはやまやまですが、Kさんの身体のこと、衛生面のことも気掛かりです。スタッフは無理強いはしないながらも、あれやこれやで何とか入浴まで漕ぎつけます。言葉のやり取りで分かって頂くというよりも、何となく雰囲気や流れで入って頂く事が殆どかと思います。
ある日のことKさんに入浴の声掛けをしたところいつもの如く「入りません」との答え。時間を置いて再度声を掛けても同様でした。ただ、その「入りません」という言葉の返し方がいつもと違う・・・というかいつもよりご自分の意志を明確に仰られていたように感じた為、何故入りたくないのか私は尋ねてみました。
「入りたくないんだよ」「勝手だろ」やや語気を強めに言われます。確かにお風呂に入りたくないのは個人の自由、勝手は勝手なのですが、普段見せない表情と言葉に(こう書いてしまうと失礼にあたりますが)この時のKさんに俄然私は興味を持ってしまいました。
結局お風呂に入らないと身体が良くないこと、臭いが身体についてしまうこと等を何度も伝えると憮然としながらも「じゃ、入るよ」と服を脱ぎ始められました。あんなに入るのを嫌がっていたのに入る前には湯温を確認して「よし」とご満悦のご様子。その後は気持ち良さそうに入浴をされていました。
書いてしまうとたったこれだけの出来事かもしれませんが私はとても嬉しくなりました。ただ入浴されたから嬉しかったのではありません。いつもは硬い表情で黙り込んだり、言葉少なく入らないことを表現されていたKさんがこれまであまり聞いたことのないような言葉で明確に意思表示された事や、その時の力強い表情。Kさんと時間を掛けて会話をし、憮然とではあるもののご本人が納得されて入浴されたことが嬉しかったのです。いや、結果入浴されなかったとしてもあの時のKさんの意思的な言葉や表情が見られたことが何より嬉しかったのだと思います。
以前きみさんちの志寒さんが「どっこいしょ」の記事で、入居者さんに次に何を行なうか(選ぶか)選択肢を与えているようでスタッフ側の都合の良い方に答えを誘導してしまうことの危険性と、その際に入居者から明確にNOを突きつけられる事の有り難さを書かれていました。今回のKさんのことがそれに当てはまるかどうか分かりませんが、ふとその記事のことを思い出しました。
また、以前のんびり家3階の福田さんが法人内の研修で「入居者さんが見せる貴重な瞬間を逃さないように」と仰られていたことも思い出しました。
「繋がる」とはこういうことなのかと思います。以前誰かが言っていた(書いていた)印象的な言葉、その時は感覚的に捉えていたり、意味が分からなかったことが、ある体験を基に明確に繋がる時。それはとてもダイナミックな瞬間です。今回は同一法人内他事業所スタッフの方の言葉ではありますが、お寺のよこでも至らない私を指導して下さった先輩スタッフや、現在ともに働いているスタッフの言葉からも同様の「繋がる」体験はしています。勿論入居者さんの言葉や生活しておられる姿からも。
「繋がる」ことは言葉と体験が繋がることでもあるし、それが基になり自分がここに居る意味に繋がることでもあるし、自分と他者、社会が繋がることでもあるのかなと思います。
何故Kさんが今回のような表情、言葉を表出されたのか分かりません。ただ、Kさんの言動から私は色々なことが「繋がり」ましたし、「繋がる」ことの大切さを教えて頂いた気がしました。もしかしたらKさんも何らかの「繋がり」を欲しておられたのかもしれません。
今後もこの「繋がる」ということを大切に出来るよう、自分の中の引き出しを多種多様にしていければと思います。

10:13 | Posted by admin