このどっこいしょが間に合うとよいのですが、6月26日に町田で和田さんと久しぶりにトークセッションを行います。
東京で行うのは、数年ぶりです。
ぜひ、いらっしゃってください。
私の友達とやっている、認知症介護実践者ネットワークLinkという集まりで行います。
詳しくは→はこちら(全国認知症ケア実践者ネットワークLINK 『つながりんく』の該当のページ)
2016年06月14日 | 編集後記
このどっこいしょが間に合うとよいのですが、6月26日に町田で和田さんと久しぶりにトークセッションを行います。
東京で行うのは、数年ぶりです。
ぜひ、いらっしゃってください。
私の友達とやっている、認知症介護実践者ネットワークLinkという集まりで行います。
詳しくは→はこちら(全国認知症ケア実践者ネットワークLINK 『つながりんく』の該当のページ)
2016年06月14日 | お寺のよこ
お天気に恵まれ、5月の三社祭りの御みこしが出る金曜日、Sさんの誕生日企画で浅草にバスで出かけました。
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Sさんが食べたいと仰ったうな丼を、カウンター席で食べ「鰻を焼いている人は大変だね。美味しいかったね。」と会話し、浅草寺の参拝後に雷門から人力車に乗りました。人力車を引くお兄さんに「初めて乗ります。お願いします。日差しが強いし疲れちゃうね。」と気遣いながら、浅草の説明をしっかり聞き「知らないことが多いね。勉強になったね。」と人力車がスピードを上げると「早いね。気持ちが良いねー。」と楽しそうにされ、笑顔がたくさんの15分が過ぎ「浅草寺にバスで来られるのも知らなかった。人力車も楽しい思い出になった。」と喜んで下さり「お天気が良くて付いていたね。また来ようね。」といつも前向きな言葉しか言わないSさんと、浅草寺の仲見世を歩いても「人混みも良いもんだよ」と口にされ、本当に優しい穏やかな方なのだと思いました。Sさんみたいな素敵な女性になりたいと思いました。
2016年06月14日 | のんびり家::のんびり家 3F
初めまして、今年の二月に入社致しました。小原久仁彦と申します。過去の介護経験は施設などで一年ほど介護技術や考え方や大切なことを学びました。
入社致しまして感じたことは前に勤務していました施設に比べ、入居者さん一人ひとりにケアが行き届くところに魅力を感じました。例えば、特養では入居者さん20人に対して1人の介護職員という状況でして、とても一人ひとりに介護サービスを提供するというところまでは行き届きませんでした。それに比べてこちらのグループホームでは一人ひとりに介護サービスが行き届き皆さん安心してご入居されているように思います。職員の方も入居者さん主体の介護サービスで極力ご自身でしていただくということに考えられていると思いました。
まだまだ一年程度の経験で学ぶこともたくさんあると思いますが、先輩方からいろいろ学び取り、介護福祉士の資格も今後目指していき、精進していきたいと思いますので、よろしくお願致します。
2016年06月14日 | きみさんち
昨年度末の3月に、高尾山まで日帰り旅行に行ってきました。
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旅行当日は快晴で、「入居者さん達の普段の行いが良いからだね」などと、バス車内で冗談を言いながら、高尾山を目指して出発しました。
バス発車後15分もしないうちに「あ~お腹空いた。何かないのかしら」と言い出す入居者KKさん。はいはい、予測の範疇です。しっかり、おにぎりやお菓子などを積み込んで参りましたよ。
バスの車窓から外を眺めて「どこ行くんだ?」と何度も訊ねてくるOさん。「高尾山だよ。Oさんも行った事あるでしょ」「高尾山か。良いとこだぞ」「そうなんだ。楽しみだね」
そんな皆さんの中でも、旅行を一番楽しみにされていたのは、やはりKさんでしょう。
バスに乗り込むと「こんなことまでしてもらってどうもありがとう」と丁寧なお言葉です。
まだ行き先が決まっていない数ヶ月前から、「今年の旅行は何処なの?いつ行くの?」と聞いてこられていました。
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まだ何も決まっていないと話すと「行くんでしょ。バスで行くの?バスはここまで来てくれるの?」とKさんの中では何となくプランが決まっている様でした。
行き先と日にちが決まった事をKさんに話すと「あら、ホント。楽しみだね。何着て行こうかな。バスで行くの?」と、もの凄く前向きな返答がありました。
それから旅行の前日まで「旅行楽しみだね。いつ行くんだっけ?何処まで行くの?」と楽しみな事だけを覚えていらっしゃる発言が聞かれました。
その都度「今月の22日だよ。高尾山。とろろ蕎麦が美味しいんだって」と話しをしてきました。
そんなKさんもバスに乗った事で旅行が実現されたと実感されたようでした。
「高尾山は何が美味しいの?」と。「蕎麦が有名なんだけど、特にとろろ蕎麦が美味しいらしいよ」「へ~、あまり食べないから楽しみだね」と、旅行気分が盛り上がります。
その時、KKさんは、車内に積み込んだおにぎりを食べ終え、お菓子を摘んでいました。Oさんは「どこ行くんだ?」と外を眺めながら聞いてきます。
いよいよ高尾山に到着し、ケーブルカーで展望台を目指します。
車椅子の方達も安心してケーブルカーに乗車します。
展望台に到着すると、そこから見下ろす景色がとても綺麗でした。
本当に皆さんの人柄がこの景色を望んだのだろうと感じました。
展望台側にある茶屋処に入り、昼食の時間となりました。
KKさんは、バス車中で沢山食べていたにも係わらず「お腹空いた。何でも良いから早く食べたい。」「とろろ蕎麦が、、、」「それでいいわよ。あなたと同じもので」
KさんとOさんは向かい合わせに座って、仲良くおでん定食を注文されていました。
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はい。ご自分が食べたい物が一番なのです。
普段味わえない、美味しい空気とおでん定食を堪能されて、帰路へと付きました。
両脇にお土産屋さんが並ぶ参道をゆっくり歩き、また、いつもと違う自然の風景を眺められ、皆さんの印象に残った旅行ではないかと思います。
その二日後、Kさんが「旅行はいつ行くの?」と聞いてきた事は蛇足でしょうか。
2016年06月14日 | のんびり家
皆さん、こんにちは。ご無沙汰しています。のんびり家2階の飛鳥井です。
今回は、入居者さんのご家族について書かせて頂きます。
私が担当していたKさんは、昨年の7月にご逝去され、早10か月になりました。
時折過去の生活記録を読み返したり、写真を見ては思い出していたのですが、先日Kさんの息子さんに久し振りに連絡をし、あることをお願いしました。あることとは、「傾聴ボランティア」です。以前に「母は亡くなってしまいましたが、これからも何か協力出来ることがあれば致します」という有り難いお言葉を頂いていました。その言葉を思い出し、今回傾聴ボランティアを引き受けて頂ければと思い、依頼をしました。Kさんの息子さんは、「お引き受けしたいと思いますが、心配なことがあります。傾聴ボランティアの経験も、介護に関しての知識もない私でも、大丈夫でしょうか。」と仰いました。私は「経験や知識はなくても大丈夫です。気楽な気持ちで、お話しをして頂ければと思います。」とお答えしました。Kさんの息子さんは、「それなら、お引き受けします」と快く引き受けて下さいました。
6月から始まる予定ですが、のんびり家で、入居者さんと洗濯物を畳んだりしながらお話をして頂こうと考えています。傾聴ボランティアは、のんびり家2階開設以来初めての試みです。
今回は、ご家族のご協力があって、実行出来る運びとなりました。退去されてからも、のんびり家のことを気にかけて下さり、今回の依頼を快く引き受けて下さったことに本当に感謝しています。また、ご家族と新たな繋がりを持つことが出来たことは、とても嬉しいことだと思います。
日々忙しさにかまけて、感謝の気持ちを忘れがちになることがありますが、入居者さんやご家族、近隣の方やスタッフなど、周りの方達あっての自分だと改めて感謝の気持ちを忘れずに、精進して行きたいと思います。
2016年05月15日 | 編集後記
5月に入って、夜勤をするようになっています。理由は、当然人手不足です。20:00から8:00まで、通常のうちの夜勤の時間より5時間ほど短いので、夜勤と言っても本当に夜間帯だけ。と言う感じです。
今月は、職員が急に出勤をしなくなったことなどもあり、7回入ります。
夜勤をこんなにするのは10年ぶりぐらいだと思います。大丈夫かな?などと思いながらの夜勤ですが、今のところ何とかなっています。(職員から言わせると、「林田さん、もう少しちゃんとやってください」と言うレベルかもしれませんが。)
グループホームの夜勤は、やっぱり楽しいです。きみさんちで夜勤をやっていたころと同じ面白さを味わうことができます。特養時代の思い出は、入居者さんの介助やケアと言うより、食事介助業務、排泄業務、服薬業務そのほかに、大量の洗濯物と洗濯物畳みに追われまくっていたことでした。
そこには、作業の段取りと遂行のみが目的となり、楽しいと思えることはほとんどありませんでした。
今日は、皆さんよく休まれています。
この後の時間は、皆さんの状態を把握しながら、巡回を行います。その合間に、掃除や修繕、社長の仕事をする予定です。意外なことに、月にこのくらいのペースで入った方が、生活が安定しています。今は事務局長をしている他の法人の友達にことことを話したら、「やっぱり夜勤してケアをした方が面白いよね。」とにっこり笑っていました。彼も私と同じ現場たたき上げです。
夜勤は、明け方の4:00-5:00が苦手です。眠くなって頭がボーっとしてきます。のどが渇いたり、口の中が気持ち悪くなります。そんな時は、顔を洗って歯を磨いて気分を一新します。そして、明けまで一気に行きます。明けた時の、解放感もまた良いものです。来月も同じような感じかもしれません。人が集まりませんので。できる範囲で夜勤をするつもりです。(林田)
2016年05月15日 | きみさんち
やっと暖かくなってきました。
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日照時間も長くなり、利用者さんにとってもスタッフにとっても活動しやすい時間が増えてきました。
きみさんちの朝をご紹介すると・・・
日が昇ったと同時に「お早うございます」「足の運動に行ってきます」と近くの神社まで出かけるKさん。
起きて来るなりの第一声が「お腹空いたー」とKKさん。寝ているのかと思いきや庭の花を愛でながら起きているOさん。朝早くから仕事モードのSさん。
5時頃から生活音が部屋中に響くのが日常的になりました。
いつもマイペースなのはYさんとTさん位でしょうか。本当に早起きな方ばかりです。
一人ひとりの生活が始まる朝は、スタッフにとっては一番眠い時間帯でもあります。
それを察してくれるのか、ゴミ出しや外掃除など率先して手を伸ばしてくれるのです。
冬場の寒い日とは比べ物にならないくらい足取りも軽やかに。
皆さんが活気づくと「あー春が来たな」と思うのは私だけでしょうか。
日常のごく当たり前に行われる行為が、暖かくなると更に活動的になるこの頃。
暖かさはこんなにも人の心や活動に影響を及ぼすものなのかと毎日考えさせられます。
注意をしながら楽しみを見つける。これからはもっと楽しいことを利用者の皆さんと見つけていこうと思います。
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2016年05月15日 | のんびり家::のんびり家 2F
のんびり家2階に(Sさん)が入居されました。
初対面で挨拶をした時の出来事です。「はじめまして、新山です。よろしくお願いします。」と元気に笑顔で挨拶しました。
Sさんは「・・・あら。あたな何か気が強くて怖そう。」と一言。
初対面で、そんな風に言われた事がないので正直、ショックが隠し切れません。
その日からずっと考えています。
数日たち、一緒に買い物へ行く機会がありました。Sさんとの買い物帰りに近所の公園でカフェオレを飲みながらベンチに座り色々語り合いました。
すると「あなた・・・話すといい人ね」ニコリ。と、笑ってくれました。
その瞬間、心がフワッと軽くなり何だか照れくさいような嬉しかったのを覚えています。
生活の中で「みんな女優ね。」とSさんの言葉が気になり考えています。
女優・・・何かの役を演じる女優。それ以来、考えている途中ですが、(そっか・・・。女優なんだ。)と納得した私です。
さて、今日は何の女優を演じようかとおもしろおかしく自分に言い聞かせてのんびり家の玄関ドアを開ける私でありました。
2016年05月15日 | のんびり家::のんびり家 3F
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新しいお仲間です。
ずっとここに暮らされている感じでどっしりと落ちついた雰囲気のKさん。知っていることはわずかですが、ゆっくりとわかりあっていきましょうね。
整理、収納の本質やノウハウを知ってわかったことが沢山。
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おかえりなさい、市川さん。
職場復帰 初日から頑張っている図
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フラワーアレンジの基礎を知ってやってみるとわかってきたこと「行き当たりばったりではだめだね」
箱に花をいけてます
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ふくらはぎ筋膜ケアの講習を受けて筋膜のこと少し知りましたよ。
体感しわかって、びっくりぽん。
イメージです
これ知ってるよ~が、
わかってるよ~、に変わっていくには、実際に動くしかないね。
わかったことが出来るよ~に変わるには、行動し続けるしかないね。
2016年05月15日 | お寺のよこ
春と言えば桜。と言う事でお寺のよこでも恒例となった桜見物、今年も行って来ました。他の職員は千鳥が淵や飛鳥山の方へ行って来ましたが、私は播磨坂の方へNさんとTさんとSさんと一緒に行きました。最初は六義園を予定していましたが、かなり混雑しているらしく、入場するのに1,2時間程度はかかるとの事なので、播磨坂に変更しました。
いざ到着すると桜並木になっていてまさに桜のトンネルと言った様な感じで、Nさん達も「綺麗ね」と感想を述べられていました。
正直、播磨坂は私も知らない場所だったのですが、ネットで調べるとここでは「文京さくらまつり」と言うのが行われており、「文京花の5大まつり」に数えられているそうで、東京都内でもお花見人気22位だそうです。
今年は雨が多く桜の心配はありましたが、何はともあれ桜見物は出来て良かったと思います。また、来年が楽しみです。
2016年04月10日 | 編集後記
長らくお待たせいたしました。
どっこいしょをやっと再開できるようになりました。
ここまで休止したのは、一番最初の「きみさんち通信」からしても初めてのことでした。色々原因はあるのですが、まずは、私の能力不足だと思います。
今回再発行につながったのも、私の手を離れ、うちの職員松林が編集などをやってもらえるようになったことなどがあるからです。今後は、ご家族のお話なども掲載できたらと考えています。
もうひとつ、再開草々お願いごとで恐縮ですが、運営推進会議等でも話しています人手不足の件です。職員が本当に集まりません。足りない状況ずっと続いています。
派遣会社さんから来てもらっている職員もおります。助かるのですが、時給が通常の倍以上かかるので、経営的にはとても苦しくなります。
どうか、お知り合いなどで、介護の仕事をしてみたいという方がいらっしゃれば、ご連絡をいただければと思います。(090-8084-6657 担当 柴田)
どうぞ、今後ともよろしくお願いします。
2016年04月10日 | のんびり家::のんびり家 3F
のんびり家3階にはもうすぐ95歳を迎える入居者さんがいます。
背が小さく元気なおばあちゃんだったのですが、去年の冬が始まる頃に脳出血で入院生活となってしまいました。
ちょうど私が出勤していた時で、先生やご家族に治療しない方針を説明され、これでお別れになってしまうのかと残念な気持ちになっていたのですが、状態が安定されて救急病院から転院されて様子を見ていく状態となりました。
しばらくすると、退院出来るほど安定されているとの知らせをうけ、のんびり家の職員みんなが驚くと同時に、万全の体制で迎えることができるよう話し合いをし、退院の時期を心待ちにしておりました。
そして現在、退院されて2か月が経ちます。
挨拶に応じて声を出してくれたり、声掛けに応じて動いてくれたりすることも日常的になり、今までとは違うのんびり家での生活を過ごされています。
この一年間は介護現場での事件など多く報道されたり、のんびり家3階も深刻な人員不足に陥ったりして、介護職という仕事について考える時間が多い一年でした。
そんな中で、こういった入居者さんの退院のような出来事はとても励みになります。
もう少しここで頑張ってみよう、この方たちと一緒にそういう気持ちになりました。
ありがとう、そしておかえりなさい。
2016年04月10日 | お寺のよこ
お寺のよこに、2月から2名の方がご入居されました。定員である9名の入居者さんが揃うのは久しぶりのことなので、賑やかな日々が続いています。これから暖かくなり、絶好の行楽日和ともなりますので、皆さんと色々なところに出掛けることが出来ると思うととてもワクワクしています。お寺のよこのある、文京区周辺は桜の名所が多数ありますので、花見だけでも何回も楽しむことが出来ますね。
お寺のよこでは約2年前に半数近くの入居者さんの入れ替わりがありました。ご入居された当初は、自分が何故ここ(お寺のよこ)に居るのか納得することが出来ず、落ち着かれない方もいらっしゃいました。ご自分の中で了解点を見つけておられた方、納得が行くまで何度もスタッフに聞いてこられる方、電話でご家族の声を聞くと落ち着かれる方等様々でしたが、2週間間隔で4名の方がご入居されてくるという経験は、ここ10年間でも無かったことでしたので、スタッフも手探り状態で、会議の時のみならず、個別でもスタッフ間で良く話し合ったことを思い出します。それから2年が経過し、その際にご入居された方で3名の方が今もお元気に過ごされています。
KさんとMさんは、ご入居された時から仲良しで、ご入居されて1か月もしない内に、お二人で近くの光源寺さん(通称:大観音)までお参りに行かれることが日課となりました。日課の通り毎日出掛けられ、梅の実や、押し花用の花や葉を嬉しそうに持ち帰られることもあり、夏場にはラジオ体操にも参加されていました。行く道すがらに、近隣の方に声を掛けられて挨拶をすることも日常風景の一つでした。
お二人は今もお元気に光源寺さんまで散歩に出掛けられています。足腰が少し弱られたこともあり、毎日ということはなくなりましたが、天気の良い時はどちらからともなく誘い合わせて出掛けて行かれます。近隣の方との挨拶も変わりのない光景です。
Sさんは、ご入居された当初から、自分が何故お寺のよこに居るのか、ここに居る意味や、ここで生活していくことの意味ということを納得が行くまで何度もスタッフに聞いて来られる方でした。ご本人にお寺のよこの運営規定が記載されている書面を見て頂き説明することもありました。納得されない時は、私とは別のスタッフが説明や話をすることにより落ち着かれることもありました。
Sさんは現在も迷われているご様子です。自分には残された時間が多くある訳ではないのだから、ここが終の棲家で良いのかと仰られています。ただ、誰よりも楽しいことがお好きな方でもありますので、イベントや、ご本人が意欲的な気持ちになれる仕事があると、気持ちを切り替えられて、積極的に取り組まれます。その度に「もう少しここで頑張ってみます」と仰られ、外に出掛けて行かれる時、帰って来られた時は、ともに元気良く「行って来ます」「ただいま」と言われています。
2年が経過すると入居者さんのご様子は個別差こそあれ、変化があるようです。その中でKさんとMさんの散歩や、Sさんの「ただいま」という元気な声は変わることがありません。そのような姿からは、その方々持っておられる根源的な力強さが感じ取られ、私の勝手な願望ながら、さらにもう2年後も、そういった姿を拝見出来れば良いなと思っています。また、Sさんに限らず、自分がここ(お寺のよこ)に居る意味は何なのかを切実に考えておられる入居者さんの姿もとても尊いものであると感じています。
我々スタッフの出来ることは何か、考え続けていかなければならないことは多岐に亘ってあるようです。
2016年04月10日 | きみさんち
ある日の夕方のことです。
とあるご入居者さんが少しだけ開いたお部屋のドアからこちらを伺っていました。
いつも陽気なそのご入居者さんですが、何か言いたげな物憂げなお顔をされています。
私はノックをし、お部屋にお伺いしました。
天気のことなど、他愛も無い会話をするのですが、特に何かを仰るわけでもなく、ぼんやりとした表情で窓から見える夕空を見ておられます。
いったんお暇をし、他のスタッフに聞いてみると、そういえば、お部屋の仏壇のおりんを鳴らしていたとのこと。お亡くなりになったご家族のことを思い出されているのかもしれません。
私は人には自分だけの悲しみを抱え、それを慈しむ権利があると思っています。
悲しみの無い笑顔だけの暮らしなど、そう生きようとするのも、ましてや他人にそう生きるよう強いられるのも苦しいでしょうし、私のような若輩者がたやすく百寿にも手が届く方の、積み重ねた人生の悲しみに対して、共感したり、慰めようとしたりするのは、あまりにおこがましいことと思っています。
ですが、そのとき、夕空から仏壇に目をやったときの、さびしげな光景が目に浮かびました。
そして、もう一度、お部屋にお邪魔しました。「そういや、花屋さん、安かったよ」
結果、夕暮れの関町に仏壇のお花を買いに行くこととなりました。
さて、玄関先に出たとたん、ご近所のリサイクルショップと高齢者の集いの場のエプロン関町の方が。「焼きたての手作りのケーキですけど」と。ありがたくケーキを受け取り、商店街に向います。すると、いつもお世話になっているお肉屋さんの高尾さんが。ご入居者さんが「おとうさん!元気にしてた?」とご店主に大声で話しかけると「え!?もうすぐ100歳になるの?すごいねぇ、俺も続かなくちゃ」と返されます。しばらく進んで、お好きな喫茶店の花冠さんを通ると、店主と手を振り合っておられます。
しばらくして、ご入居者さん。
「この町はいい人ばっかりだ」「花は赤いのが入っているのにしよう」と笑顔になっています。
深い根源的な悲しみは、なじみの人々との、生活の中のきずなで癒えていくものなのだなと感じました。
なじみの人々や、地域の暮らしから切り離されない、そんな生活を支えていこうと、改めて思うのでした。
2016年04月10日 | のんびり家::のんびり家 2F
暫く停止していたものの、今年一番初めのどっこいしょ記事となります。少し遅くなりましたが、今年もよろしくお願い致します。
今年と言えば、申年ですね。2000年のときは「水が止まる!?」など何だか騒いでいたようなおぼろげな記憶が……(結局特に問題は起きませんでした)。その区切りから早16年も経ってしまいました。
申年とは言うものの、あの「猿」とはまるで関係ないようです。読み方も本来は「しん」だとか。ただ「さる」とした方が誰でも読みやすいからとの理由から付いたようです。意味としては、「草木が伸びきり、果実が成熟して堅くなっていく状態」を表しているとのこと。今までの成長が実になっていく時期ですね。
人に当てはめれば、自分の頑張りが形になる年。というならば、私はいったい何かあるかな、と考えたところで思い出したのが、資格試験でした。今年初めて介護福祉士の受験資格が手に入り、1月24日に試験を受けました。受かっていると良いな、とは勿論思いますが、結果がどうであるにしろ、勉強した分がなくなるわけでも、ましてや無駄になることなんかはありません。
参考書を読んだり、机に向かったりする姿勢は、またなにか受験するときには大いに意味があると思いますし、日々の仕事で目に見える変化はなくても、どこかで役に立つ瞬間があるかもしれません。
さてはて、結果はどうなることやら。
皆様の努力も、今年、形になりますように。